JavaScriptはプログラミング経験者でも難しい?
Web系開発において、HTMLやCSSに次いで目にすることの多いJavaScriptは、今でも人気の高い言語の1つです。同じWeb系開発をしてきた方だけでなく、異業種のITエンジニアの方にとっても魅力的で学びたいと考えている方は多いでしょう。
そんな同言語は、インターネット上では初心者向けと紹介されている一方、難しいとも言われており、混乱している方もいるはずです。本記事では、JavaScriptを習得するメリットの紹介からスタートし、上記の疑問に答えるべく、なぜ難しいと言われているのか、その理由を解説していきます。
オブジェクト指向やWeb系未経験では苦戦する可能性あり
結論から言えば、オブジェクト指向型言語であること、Web系開発特有のルールや仕様が難しいと言われる理由と言えます。したがって、プログラミング経験者であっても前述の内容に慣れていなければ、十分苦戦する可能性はあります。
オブジェクト指向の概念は、例えばC言語のような手続き型の言語のみを使ってきたエンジニアにとっては、なかなかイメージができず苦戦する可能性が高いでしょう。
また、JavaScriptでWeb開発を行うために必須のDOM(Document Object Model)も、Webページの仕組みを知らない方にとってはただでさえ理解しづらい概念がさらに難しく感じてしまうはずです。
こうした難しい要素もあるJavaScriptですが、教材は豊富にあって学習しやすく、エンジニア市場の中でも需要は高いというメリットもあります。したがって、キャリアアップやキャリアチェンジに役立つことも事実です。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
JavaScriptで挫折しやすいポイント
ここでは、JavaScriptの挫折しやすい難しいポイントを紹介します。プログラミング経験のあるエンジニアにとってもつまずきやすいポイントをまとめました。
オブジェクト指向型であること
プログラミング経験者でもつまずきやすいポイントが、オブジェクト指向型であることです。もちろん、プログラミング未経験者もそうですが、言語経験によっては経験者でも苦戦する可能性があります。
例えば、手続き型言語のC言語などを中心にキャリアを積んできた方が、JavaScriptを学習し始めたとき、クラスや継承の概念をすぐに理解することは難しいでしょう。プログラムの中で関数や変数などをグループ化してモノとして扱う考え方に慣れていないためです。
このような新しい概念を理解することが難しく感じ、JavaScriptの学習が滞ってしまう方も少なくないはずです。
DOMを使いこなす必要があること
どんな言語にも理解することや使いこなすことが難しい概念があります。JavaScriptにおいてはDOM(Document Object Model)がその1つであり、Web系に馴染みのないエンジニアにとっては挫折しやすいポイントです。
JavaScriptでは処理によってWebページに動きを付けることや変化させることができますが、これにはHTMLの要素にアクセスする必要があります。このアクセスに必要なインターフェースがDOMです。
このDOMは階層構造を持っており、その構造の要素にアクセスすることでWebページを操作できます。しかし、要素の数は多く、APIとして定義されているため、前述のオブジェクト指向に慣れていないエンジニアにとっては概念を理解しづらいことが難点です。
アップデートが頻繫にあること
JavaScriptは技術の変化が早いWeb系で使われていることもあり、アップデートが頻繁に行われています。JavaScript自体のアップデートは毎年1回あり、大きな変更がある場合は、過去のバージョンと互換性がなくなる可能性があります。
また、JavaScriptの実行環境であるNode.jsなども頻繁にアップデートされており、言語周辺についても気を配る必要があります。アップデート頻度が少ない、もしくは古いバージョンを使い続けられる言語から転向したエンジニアにとっては、何が適切かどうか見極めが難しく、非常につまずきやすいポイントです。
JavaScriptを習得するメリット
続いて、JavaScriptを習得するメリットについておさらいしましょう。難しい要素もあるJavaScriptは、もともと初心者にもおすすめできる言語であり、習得メリットも多く存在します。
Web開発において将来性がある
JavaScriptを学ぶ最も大きなメリットでもあり、意義でもある点はWeb開発における将来性でしょう。Webページに一層複雑な機能が求められている中、JavaScriptはHTMLやCSSだけでは実現できない機能を提供できるため、今やWebページには必要不可欠な存在です。
こうした状況でJavaScriptを習得することは、Web系開発の最先端を学び、最新の技術を使いこなすことにも繋がります。ですので、Web系に進みたいエンジニアに大きなメリットがあると言えます。
フレームワークやライブラリが豊富
JavaScriptを学ぶメリットに、フレームワークやライブラリが豊富で開発を効率的に進める環境が整っていることが挙げられます。
他の言語において上記を活用してきた方も多いでしょう。JavaScriptはその需要の高さからユーザ数や業種の数も多く、それに比例して相当な数が公開されています。
中でもjQueryは、初学者でも複雑な処理を簡単に実装できると評判が良く、様々なWebページで活用されています。それぞれのアップデート頻度も高く、新機能が次から次へと公開されている点もポイントです。
求人が多くWeb系の転職活かせる
前述の将来性と需要の高さから、JavaScriptは求人数も非常に多く、転職の機会に恵まれることもメリットです。
米国のIT系アナリスト企業であるRedmonkが2023年1月に発表したプログラミング言語ランキングによると、JavaScriptはStack Overflow、GitHubの両方で使用している人数が最も多いという結果が出ています。
国際的にこれだけ使用者が多いということは、国内でも自ずと需要が高まり、使用者が多いと推測できるでしょう。
使用者が多いということはそれだけ案件も多いということになり、習得できればWeb系における転職に有利に働くはずです。
JavaScriptエンジニアの年収
こうしたメリットのあるJavaScriptを使いこなすエンジニアは、どの程度の年収が期待できるでしょうか。JavaScriptを使用する代表的なエンジニアであるフロントエンドエンジニアとして、その年収を見ていきます。
フロントエンドエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職業別年収ランキング」での平均年収は385万円(※2024年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のコンテンツクリエイタ/デザイナーを参考にすると、平均年収411万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、フロントエンドエンジニアは企業や業種によって年収にばらつきがありますが、やや低めの年収であると言えます。
Web系のフロントエンドエンジニアといっても様々な仕事があり、母数も非常に大きいため、平均年収はあまり参考にはなりません。企業によっては平均年収を大きく超える奉仕も期待できます。
また、JavaScriptを起点にJavaやPHPなども身に付けていくことで、Web系業種でのキャリアアップを目指すことも可能です。
【参考】:マイナビエージェント 職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】 2015年〜2016年末までの間にマイナビエージェントにご登録頂いた20代・30代の方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
JavaScriptを効果的に勉強するためには
前述のようにJavaScriptはプログラミング経験者にとっても難しい点がいくつかあることがわかりました。では、そういった難しい点を踏まえて、どうすれば効率良く学習できるのでしょうか。
書籍を活用する
例えばオブジェクト指向やDOMなど言語特有の仕組みを理解するのであれば、書籍を使う方法が良いでしょう。内容や記述が一貫している書籍だからこそ、難しくて理解し辛い概念も基礎をベースに習得していけるはずです。
「独習JavaScript」は初心者から上級者の全てを対象にした教科書ともいえる書籍です。基礎知識を総ざらいしており、サンプルプログラムも豊富であるため、実装しながらの学習に最適です。
■「独習JavaScript 新版」 ▪著者:外村 将大 ▪ページ数:576ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2021/11/15 【参考】:独習JavaScript 新版
学習サイトを活用する
近年、Webサイト上でプログラムを実装し、動作を確認できる学習サイトが増えてきています。こうした学習サイトの大きなメリットには、実行環境を用意することなく、実装しながら学ぶことができるという点があります。
Progateは数々の言語を学ぶことのできる学習サイトであり、JavaScriptも例外ではありません。JavaScriptではES6バージョンをベースにした講座を受講でき、基礎からバージョン特有の概念まで幅広く学ぶことができるでしょう。
【参考】:ProgateのJavaScript講座
習得したJavaScriptを活かすためには
本記事では、JavaScriptが現役エンジニアにとっても、習得に難しい点があることを説明しました。これから同言語を学んでいこうと考えている方の中には、習得に高いハードルを感じた方もいるかもしれません。しかし、前述したようにJavaScript習得には大きなメリットがあり、困難を乗り切る価値は十分にあります。
学習を重ね、JavaScriptを使いこなせるようになったらその技術を活かすにはどうすればよいでしょうか。キャリアアップを目指すにしても、数ある求人の中から自分に合った企業を探し出すことは容易ではありません。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
マイナビIT エージェントは、IT・Webエンジニア向けの無料の転職⽀援サービスです。
IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのご経験やスキルをお伺いし、転職活動のプランをご提案致します。
アドバイザーは企業側の人事担当者と直接連携を取れますので、求人票に載っていない企業情報も確認することができます。残業時間や給与面など、働き方などをしっかり確認の上で応募企業を選んでいくのが良いでしょう。
・資格やプログラミングの勉強をしているけれど、企業が求めるレベルに達しているのかわからない ・スキルアップをして市場価値を上げていける企業の選び方を知りたい ・数多くあるITエンジニアの職種の中で、自分に向いている仕事は何か知りたい
こうした悩みを抱えていらっしゃる方は、まずは無料登録でキャリアカウンセリングをおすすめ致します。
エンジニア転職のご相談はぜひ
『マイナビIT エージェント』へ!
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから