AWSとサービスの費用について
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの1つです。
AWSのサービスでは、サーバ、ストレージ、データベース、ソフトウェアをはじめとする数多くのサービスを提供しています。このAWSのサービスを利用すれば、インフラの運用保守や、開発コストを下げることもできます。
その利便性の高さから、世界中から人気を集めているAWSのサービスですが、それぞれの料金がどれくらいかかるのか不安な方も多いのではないでしょうか。
AWSのサービスは、基本的に各サービスの利用料に応じて請求が来ます。本記事では、AWSサービスの主要サービスと料金体系についてまとめました。これからビジネスでAWSのサービスを利用する方は、ぜひ参考にしてください。
【参考】:AWS公式 AWSのサービス概要
AWSサービスの主要サービスと価格について
AWSでは非常に数多くのサービスを提供していますが、それぞれ料金体系が異なります。また、サービスの中には無料使用枠を設けているサービスもあります。今回は、AWSのサービスの中でもポピュラーなサービスを厳選し、その料金体系について解説します。
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、AWS(Amazon Web Services)が提供するサービスの1つで、クラウド上で仮想サーバ(インスタンス)を提供するサービスです。
EC2は、クラウド上で安全でサイズ変更可能な点が大きな魅力です。また、EC2では、様々なタイプのインスタンスが提供されており、CPUやストレージなどの異なる構成を、インターフェースから選択できます。
Amazon EC2を利用すれば、安全で拡張性を持たせたアプリケーションやサービスをより簡単に構築できます。
そのような特徴を持つAmazon EC2ですが、料金体系は4つ用意されています。それぞれ確認しましょう。
- オンデマンド
長期契約なしで、時間または秒単位で支払います。使用量に応じて請求されるため、初めてAmazon EC2を利用する方や、テストで使用する方におすすめのプランです。
- Savings Plans
1年または3年間という期間での使用量で契約します。このプランを利用すると料金が最大72%も割引されるため、あらかじめ利用料が決まっている方にはおすすめのプランです。
- スポットインスタンス
スポットインスタンスでは、未使用のEC2容量を活用するプランで、オンデマンド価格から最大90%オフで予備の容量を契約できます。
- リザーブドインスタンス(RI)
こちらは、将来使うインスタンス起動の容量を、あらかじめ予約するプランです。1年または3年の期間で契約できます。このプランも、オンデマンド価格から最大72%の料金の割引が適用されます。
どの程度インスタンスを利用するのかにより、選択するプランは異なるため、自分に合った料金体系を選択しましょう。各料金体系の詳細は公式サイトにも掲載されていますので、そちらも参考にしてください。
また、EC2では1年間、毎月750時間分の無料枠が提供されています。この無料枠を利用するにはAWSへの登録が必要です。サービスを利用したい方は、まずAWSのアカウントを作成しましょう。
【参考】:Amazon EC2 料金
Amazon S3(Simple Storage Service)
Amazon S3とは、オブジェクトストレージサービスで、好きな量のデータを保存することができます。Amazon S3では、細かなアクセスコントロール機能や、データの整理を行う機能も提供されています。
Amazon S3は従課金制のため、使用した分だけ支払う形式を採用しています。Amazon S3ではストレージ価格、リクエストとデータ取得の量など、複数の要素から料金を算出しています。
S3の料金ページを参照すると、ストレージやクエリなど、各項目の料金表も記載されていますので、詳細が気になる方は公式サイトをご覧ください。
ちなみに、Amazon S3には12ヶ月間の無料利用枠が用意されています。試しに利用してみたい方は、無料利用枠も活用しましょう。
【参考】:Amazon S3の料金について
Amazon RDS(Relational Database Service)
Amazon RDSは、クラウド上でデータベースを簡単に管理できるサービスです。 通常、データベースを自分でセットアップするためには専門的な知識が必要ですが、Amazon RDSを活用すれば管理画面から設定を行うだけでセットアップを行えます。
また、Amazon RDSは、MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Server、MariaDBなど、様々な種類のデータベースをサポートしており、幅広い開発現場で利用できるのが魅力です。
Amazon RDSでは、オンデマンドインスタンスか、リザーブドインスタンスの料金体系から選択できます。オンデマンドインスタンスの場合は、インスタンスが利用可能になるとすぐに課金が開始されます。料金は秒単位で計算され、最低10分ごとに請求が発生します。
つまりオンデマンドインスタンスを利用する場合、無駄なコストをかけないためにも不要なDBインスタンスは削除したり、停止したりする必要があります。
リザーブドインスタンスは1年、または3年単位でのインスタンス契約です。リザーブドインスタンスを購入する場合、基本的に前払いする必要がありますが、30%から63%の割引を受けることができます。
【参考】:Amazon RDSの料金について 【参考】:Amazon RDS のオンデマンド DB インスタンス 【参考】:リザーブドインスタンス - Amazon RDS | AWS
Amazon DynamoDB
Amazon DynamoDBは、簡単に説明すると、インターネット上で動作するデータベースサービスです。NoSQLと呼ばれるタイプのデータベースであり、従来のリレーショナルデータベースよりも柔軟なデータ構造を持ち、大量のデータを処理できます。
また、Amazon DynamoDBはフルマネージド型のサービスという点も大きな特徴です。フルマネージドとは、サーバの設定やメンテナンスなどの技術的な管理をユーザが行う必要がないということを指します。
つまりAmazon DynamoDBを利用すれば、データベースを運用する負担を減らせるため、開発者はよりコアな部分に集中できるというメリットがあります。
そのようなAmazon DynamoDBですが、料金体系はテーブル内のデータの読み取り・書き込み・保存に加え、有料のオプション機能があります。オプション機能にはオンデマンドキャパシティモードと、プロビジョニング済みキャパシティモードがあり、それぞれ料金が異なります。
さらに、DynamoDBにも25GBのストレージなどの無料利用枠が用意されています。試しに利用したい方は、無料枠を活用しましょう。
AWS Lambda
AWS Lambdaは、サーバレスコンピューティングサービスの1つです。サーバレスになると、ミドルウェアやサーバが不要で、プログラムさえあればすぐにアプリケーションやサービスを動かせます。また、運用保守などのコストも削減できるため、エンジニアから人気を集めています。
AWS Lambdaは関数が呼び出されるたびに自動的に実行環境を提供し、使用したリソースに応じて料金が発生します。また、料金は1ミリ秒あたりで請求されます。
さらに、関数に割り当てるメモリ量に応じて、1ミリ秒あたりの値段が変動しますので、詳しい料金体系を知りたい方は、公式サイトの料金ページを確認しましょう。
また、AWS Lambdaも無料利用枠が提供されています。1ヶ月あたり100万件リクエストまでなどの制限はありますが、使用感を確かめることができます。
【参考】:AWS Lambdaの料金について
実際にサービスの見積もりを出す場合
AWSのサービスを、ビジネスなどで本格的に利用する場合は、事前に見積もりを出す必要があるでしょう。AWSでは、AWSの料金計算ツールが提供されており、使用量に応じた料金の見積もりを算出できます。
また、AWSの公式サイトから販売担当者に直接問い合わせることも可能です。見積もりを依頼したい時には、参考URLにあるページから問い合わせてみましょう。
【参考】:AWSの料金計算ツール 【参考】:AWS の導入に関するお問い合わせ
AWSのサービスでコストを削減しながら開発しよう
AWSでは特にサーバを管理できるツールが注目を集めていますが、その他にもさまざまなサービスを提供しています。各種サービスを上手く開発に取り入れれば、人的コストや、時間のコストを削減することも可能です。AWSをまだ利用したことがない方はこの機会に、ぜひ利用してみましょう。
また、各種サービスの中には無料利用枠を設定しているものや、チュートリアルとして無料でサービスに触れることができるものもあります。初めて利用するサービスの場合は、まずは使用感を確かめてから利用を開始するのもおすすめです。
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