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自然言語処理をPythonで行うには?ライブラリや実例を紹介
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自然言語処理をPythonで行うには?ライブラリや実例を紹介

アンドエンジニア編集部
2023.12.22
この記事でわかること
自然言語処理は人間の言語をコンピュータで処理する技術であり、Pythonはその実装に幅広く使われている
Pythonでは、NLTK、MeCab、GiNZAなど自然言語処理ライブラリが多く提供されている
Pythonの自然言語処理ライブラリを使った実例で文章の形態素解析や係り受け解析が理解できる

自然言語処理で多く使用されるPython

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自然言語処理は、人間が日常的に使う自然言語をコンピュータやプログラムで処理するための技術で、AIチャットボットやテキストマイニングなどに活用され近年注目を集めています。

自然言語は機械語やプログラミング言語よりも柔軟で複雑な構造を持っており、コンピュータで自然言語処理を行うには、データの下処理や、形態素解析や構文解析、係り受け解析などの様々な処理が必要です。

Pythonはこれらの自然言語処理に必要な解析を行うライブラリが多く提供されており、自然言語処理の実装に多く使用されるプログラミング言語です。

Pythonは、シンプルで読みやすい構文を持っていることも特徴です。そのため、プログラミングや自然言語処理の入門者から経験豊富なプログラマまで、読みやすく実装しやすい言語として知られています。

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Pythonの自然言語処理ライブラリを知ろう

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Pythonの自然言語処理用のライブラリやフレームワークには、NLTK(Natural Language Toolkit)、spaCy、GiNZAなどがあり、自然言語処理に必要な解析を容易に行うことができます。

Pythonのライブラリの使い方を学ぶことで、より自然言語処理について理解を深めることにもつながります。

この記事では、自然言語処理とPythonでの処理に興味がある方のために、自然言語処理にPythonが使われる理由や、代表的なライブラリとサンプルコード、自然言語処理でできることなどについて解説していきます。

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自然言語処理で使えるPythonのライブラリとは

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自然言語処理ではどのような処理が必要で、Pythonのライブラリを使うことでどのように役立つのでしょうか。

ここでは自然言語処理で行う処理を確認し、Pythonのライブラリでどのようなことができるか確認します。また、自然言語処理でPythonを役立てられる職種の年収についても解説します。

自然言語処理で行う処理とは

自然言語処理では、人間が日頃から使用する自然言語をコンピュータが処理できるように様々な処理を行います。

その代表的なものに、以下のような処理があります。

■形態素解析 「形態素」とは、言葉を構成する最小単位である単語のことを意味します。形態素解析では、文章を分けられる最小の単位である単語に分解します。

■構文解析 構文解析では、形態素解析で分解した単語同士の関連を明らかにして、文章の構造を把握します。単語や句がどのように組み合わさり、どのような役割を果たしているかを解析します。

■意味解析 文章の意味を解析する手法で、文章の構造だけでなく言葉やフレーズの持つ意味を解釈し、関連性を抽出します。文章全体や部分的な意味を理解し、言語的なニュアンスをより正確にとらえるための処理です。

■文脈解析 文脈解析は、1つの文だけでなく周囲の文・段落・文書全体との関連性を解釈する処理です。特定の単語や表現の意味を正確にとらえ、その文脈の中での適切な解釈を行うために重要な役割を持つ処理です。

Pythonで使用できる自然言語処理ライブラリ

Pythonでは、自然言語処理に必要な形態素解析・構文解析・意味解析・文脈解析などの処理を行えるライブラリが豊富に用意されています。

例えば、NLTK(Natural Language Toolkit)やspaCyでは形態素解析や意味解析を行うことができます。また、TextBlobは単語の持つネガティブ・ポジティブな意味合いを数値化する感情分析機能を持っています。

自然言語処理でPythonを役立てられる職種の年収とは

自然言語処理でPythonを役立てられる代表的な職種として、AIエンジニアが挙げられます。

AIエンジニアに最も近いと考えられるプログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2023年12月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、AIエンジニアは一般平均年収よりやや低めから高めであることが分かります。

AIエンジニアはAIや機械学習、深層学習などの専門的な知識を用いてAIモデルを開発・実装する専門家です。高度なPythonやR言語の実装スキルや、幅広いライブラリ・フレームワークなどの経験が豊富なAIエンジニアはより高収入となる傾向があります。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

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Pythonの自然言語処理ライブラリのサンプルコード

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ここでは、実際にPythonの自然言語処理ライブラリでどのような処理が行えるのかを、NLTK・MeCab・GiNZAのサンプルコードを示しながら解説していきます。

NLTK

NLTK(Natural Language Toolkit)は、Pythonで自然言語処理を行うためのライブラリで、開発現場でも広く使用されています。

自然言語処理に使うテキストや話し言葉を大量に集めた50以上のコーパスを提供しており、分類・トークン化・語幹処理・タグ付け・構文解析などの処理を行うことができます。

NLTKで形態素解析を行うために、pipでNTLKをインストールします。

pip install nltk

 

また、Pythonインタプリタで以下のコマンドを実行して機能をダウンロードすると、nltk_dataというフォルダが作成されて形態素解析を行えるようになります。

import nltk
nltk.download('all')

 

それでは、「The cat is comfortably sleeping on the carpet now.」という文章を形態素解析してみましょう。

import nltk
sentence = "The cat is comfortably sleeping on the carpet now."
morpheme = nltk.word_tokenize(sentence)
pos = nltk.pos_tag(morpheme)
print(morpheme)
print(pos)

 

[実行結果]

['My', 'cat', 'is', 'comfortably', 'sleeping', 'on', 'the', 'carpet', 'now', '.']
[('My', 'PRP$'), ('cat', 'NN'), ('is', 'VBZ'), ('comfortably', 'RB'), ('sleeping', 'VBG'), ('on', 'IN'), ('the', 'DT'), ('carpet', 'NN'), ('now', 'RB'), ('.', '.')]

 

実行結果の1行目では、文章が最小単位の単語に分解されています。

2行目では、それぞれの単語に品詞タグが付けられています。例えば「PRP$」は所有代名詞、「NN」は名詞、「VBZ」は動詞 (3人称単数の現在形)を意味します。

【参考】:NLTK

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MeCab

MeCabは日本語形態素解析ライブラリです。MeCabを使用して実際に形態素解析を行ってみましょう。

まずはMeCabの実行プログラム本体を公式サイトからダウンロードしてインストールします。

【参考】:mecab-python3

準備ができたら、形態素解析を行います。MeCabは日本語の文章を解析できるので、「私の猫は今カーペットの上で眠っています。」という文章を処理してみましょう。以下がサンプルコードです。

import MeCab
text = "私の猫は今カーペットの上で眠っています。"
morph=MeCab.Tagger()
morph2=morph.parse (text)
print(morph2)

 

[実行結果]

私   名詞,代名詞,一般,*,*,*,私,ワタシ,ワタシ
の   助詞,連体化,*,*,*,*,の,ノ,ノ
猫   名詞,一般,*,*,*,*,猫,ネコ,ネコ
は   助詞,係助詞,*,*,*,*,は,ハ,ワ
今   接頭詞,名詞接続,*,*,*,*,今,コン,コン
カーペット   名詞,一般,*,*,*,*,カーペット,カーペット,カーペット
の   助詞,連体化,*,*,*,*,の,ノ,ノ
上   名詞,非自立,副詞可能,*,*,*,上,ウエ,ウエ
で   助詞,格助詞,一般,*,*,*,で,デ,デ
眠っ  動詞,自立,*,*,五段・ラ行,連用タ接続,眠る,ネムッ,ネムッ
て   助詞,接続助詞,*,*,*,*,て,テ,テ
い   動詞,非自立,*,*,一段,連用形,いる,イ,イ
ます  助動詞,*,*,*,特殊・マス,基本形,ます,マス,マス
。   記号,句点,*,*,*,*,。,。,。
EOS

 

実行結果では、文章が単語で区切られて品詞の情報が付与されていることがわかります。

GiNZA

GiNZAはオープンソース日本語自然言語処理ライブラリです。spaCyをフレームワークとして利用しており、オープンソースの形態素解析器であるSudachiPyを内部的に利用しています。文節単位の解析APIや、Transformersモデルが利用できるのが特徴です。

ここでは、GiNZAの文節APIを使ってみましょう。あらかじめpipでGiNZAとGiNZAの学習モデルをインストールしておきます。

pip install ginza ja_ginza ja_ginza_electra

 

それでは、「私の猫は眠っています。」という文章で、文節ごとの主要語の抽出や係り受けの関係を解析する処理を行ってみます。

import spacy
import ginza
nlpsampe = spacy.load('ja_ginza')
text1 = nlpsampe('私の猫は眠っています。')
print(ginza.bunsetu_spans(text1))
print(ginza.bunsetu_phrase_spans(text1))
for sentence in text1.sents:
  for relation, bunsetu in ginza.sub_phrases(sentence.root, ginza.bunsetu):
    print(relation, bunsetu)
  print("root", ginza.bunsetu(sentence.root))

 

[実行結果]

[私の, 猫は, 眠っています。]
[私, 猫, 眠っ]
nsubj 猫+は
root 眠っ+て+い+ます+。

 

実行結果では、文章が文節に分けられ、各文節の主要語が抽出されています。また、「nsubj」は名詞句主語、「root」が修飾される文の主辞を意味し、文節の係り受けの関係を理解することができます。

【参考】:GiNZA - Japanese NLP Library

自然言語処理でできることとは

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ここでは、自然言語処理を用いてどのようなことができるか解説していきます。身近なAIチャットボットでの活用や文章要約・翻訳などだけでなく、さらに多くの便利な処理を行うことができます。

AIチャットボット

AIチャットボットは、コンピュータによる対話型インターフェースを持つツールで、人間のような自然な受け答えで様々な質問に答えてくれます。

自然言語処理は、AIチャットボットで自然な言葉で応答を行うために活用されています。また、ユーザの過去の対話や行動から、それに合わせた応答を生成するなど、より自然な会話を行うために重要な役割を果たしています。

チャットボットとは?種類やメリットと効果的な選び方を解説

文章要約・翻訳

自然言語処理は文書処理でも幅広い作業に役立てることができます。長い文章を要約したり、言語間の翻訳を行ったりすることが可能です。

自然言語処理の活用により、大量の文章を処理したり翻訳したりして、効率的でより正確な文書処理を行うことができます。

さらに活用の幅を見せる自然言語処理

自然言語処理はさらに、膨大なテキストから有益な情報を抽出するテキストマイニングや、検索エンジンでより精度の高い検索結果を提供するために活用されています。

Pythonで自然言語処理を自在にできるようになれば、このような高度なAI技術の実装も可能となり、AIエンジニアとしてのスキルアップが見込めるでしょう。スキルを活かして、AIエンジニアとして活躍できる会社に転職してもいいかもしれません。

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自然言語処理でPythonを活用しよう

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ここまで、自然言語処理においてPythonが多く使用される理由や、ライブラリの使用の実例、自然言語処理の活用事例などを解説してきました。Pythonを習得することで自然言語処理に活用できることが分かったと思います。

AI技術が発展を続ける昨今、自然言語処理を実装できるエンジニアは今後さらに需要が増加すると考えられます。Pythonで自然言語処理スキルを習得したら、スキルを活用できる会社に転職を検討してもいいでしょう。

しかし、転職活動を行うのは想像するより大変なことが多いでしょう。例えば、Pythonを活かしてAIエンジニアとしてのキャリアパスを実現できる企業を探し、面談の準備も行わなければなりません。

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