LPICは意味ない?暗記試験?LinuCとの違い・メリット・勉強方法を解説
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LPICは意味ない?暗記試験?LinuCとの違い・メリット・勉強方法を解説
アンドエンジニア編集部
2024.02.14
この記事でわかること
LPICは暗記問題が多いため、資格を取る意味がないと言われることがあります
LPICとLinuCはどちらもLinuxのスキルを証明する資格試験であり、出題範囲に違いがあります
LPICの対策を行うにあたって、Linuxの実機を活用しながら学習するのがおすすめです

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LPICの資格は意味ない?

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LPICとは、LPIの主催するLinuxの知識や技能を証明するための資格試験です。毎年世界中で多くの受験者が挑戦する資格であるにも関わらず、一部では「意味ない」と言われることがあります。ここでは、LPICの試験概要とLPICが意味ないと言われる理由について詳しく紹介します。

LPIC 試験の概要

LPICはLinuxのスキルを証明するための資格試験であり、難易度はレベル1・レベル2・レベル3の3種類に分けられます。上位資格の認定を受けるには、下位資格の認定が必要です。例えばLPICレベル2の資格認定を受けるには、201試験と202試験の両方に合格することに加え、レベル1の資格認定を保有していなければなりません。

試験はCBT方式および、インターネットを用いたIBT方式で実施され、資格を認定する有意性の期限は5年以内です。試験の受験料は受験者の居住国によって異なります。合格率や合格点に関しては公表されていません。

なお、LPI-JapanではLPICの取り扱いを廃止しています。2018年8月以前にLPI-Japanの運営するLPICを受験した方の受験や認定の履歴は、手続きをすればLinuCに移行させることが可能です。

【参考】:LPI-Japan:LPICを過去に受験された皆さまへ

LPICでは暗記問題が数多く出題される

LPICはLinuxに特化した試験ですので、Linuxカーネルやシステムの基礎知識や共通知識が求められます。そのため、LPICでは暗記問題が数多く出題され、暗記が苦手な方にとっては難しく感じるかもしれませんが、暗記ができればLPICは未経験者でも合格できる可能性が十分にあります。

よって、Linuxに関するOSの知識やコマンドの意味を深く理解しなくても合格できてしまうことも少なくありません。こういったことがLPICの資格が「意味ない」と言われてしまう所以です。

LPICの資格を勉強する過程で、実務で役立つLinuxに関する操作スキルを身に付けるためには、実際にLinuxの環境を構築し、検証しながら学習する方法がおすすめです。

LPICは直接的な年収アップに結びつくことは少ない

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などのように、国内で認知度の高い国家資格であれば就職・転職・昇進・昇格で評価される可能性は十分にありますが、誰でも利用可能なLinuxに特化した資格であるLPICにおいては、業務上の必要性が高くないことから、直接年収アップに繋がることは少ないでしょう。

また、エンジニアの場合は資格を保有していることよりも、実務経験の方が評価される傾向にあります。そのため、LPICの資格を取得する場合は、今後の実務で活かすためにスキルアップの名目で受験する方法がおすすめです。企業によっては、LPICの資格を取得することで資格手当や一時的な報奨金をもらえることがあります。

資格取得を年収アップに繋げたい場合は、資格取得を通してスキルアップをすることでエンジニアとしての市場価値を高め、年収アップを目指しましょう。

【参考】:基本情報技術者試験

【参考】:応用情報技術者試験

システムエンジニアがキャリアアップするのにおすすめの資格を解説!

受験料が高額、認定の有効期限がある

直接的にLPICの資格が意味ないという理由に繋がるわけではありませんが、LPICの受験料が高額であることや資格の認定に有意性の期限があることも、受験するメリットを低くする要因の1つと言えるでしょう。

【参考】:LPIC:よくあるご質問

国内の資格と比較すると、多くのITエンジニアが受験している独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する試験は、認知されやすい国家資格が多く、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)を除くほとんどの資格で期限を気にせず保有できます。

そのため、日本の資格に慣れている方には、LPICはさほど必要性が高くない資格だと感じる部分もあるかもしれません。

しかし、LPICの受験に際して補助金を出している企業もあるため、個人の資金のみで挑戦するよりも受験しやすくなっています。補助金の出ない企業に所属する方や、ITエンジニア系の資格を未取得の方であれば、まずはIPAの主催する基本情報技術者試験や応用情報技術者試験から受験してみるのもおすすめです。

【参考】:IPA:情報処理技術者試験

基本情報技術者試験は就職に有利か?メリットや役立つ職種も解説!

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LPICを取得するメリット

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LPICの資格が意味ないと言われる理由については理解できたでしょうか。ここでは、LPICの資格を取得することで得られるメリットについて詳しく紹介します。

就職や転職で有利になる

LPICの資格を取得すれば、客観的にLinuxに関するスキルを証明することができます。求人サイトにもLPICを募集要件に記載している企業を数多く見かけるため、LPICの資格は就職や転職に役立つでしょう。

ただし、LPICはLinuxのスキルに特化した資格であり、LinuxやOSのスキルを必要としていない企業においては、あまり重要視されない可能性もあるため注意が必要です。

また、未経験からインフラエンジニアやサーバーエンジニアに就職・転職を考えている方は、LPICレベル1の資格を保有していることで面接官へのアピールとしても有効です。このように、LPICの資格は客観的にスキルをアピールできるため、就職や転職の活動で役に立つでしょう。

スキルアップに繋がる

既にインフラエンジニアやサーバーエンジニアとして働いている方にとっても、LPICの資格はスキルアップに繋がるためおすすめの資格と言えます。ITエンジニアは資格がなくても働けるため、サーバーエンジニアの中でも特に資格を保有せずに、サーバの構築や保守・運用を行っている方は少なくありません。

しかしLPICの資格を取得する際に得た知識は、実務で役立つ新しい知見を習得することにも繋がります。例えば、LPICの勉強で新しく覚えたコマンドを実務で活かせる機会も多くなります。

結果的に年収アップに繋がる

前述した通り、LPICは資格取得によって直接的な年収アップは期待できませんが、実務能力の向上につながります。試験合格による資格手当や報奨金、資格を利用したキャリアチェンジなど、年収アップに繋げるための材料になります。

また、補助金を出している企業であれば受験のハードルも低くなるため、個人で受験するよりも挑戦しやすい資格です。求人募集の際にLPICの資格保有者を歓迎している企業も多いため、需要の高い資格と言えるでしょう。

【参考】:マイナビITエージェント

LPICとLinuCの違い

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LPICと同様にLinuxの知識や技能を証明する資格に、「LinuC」という資格試験があります。LPICとLinuCは、受験方式・試験内容・難易度・認定の有意性の期限など似ている箇所が多いため、どちらを受験すべきか迷われる方も多いはずです。

ここではLinuCの試験概要を紹介し、LPICとLinuCのどちらを受験すべきか詳しく紹介します。

LinuC 試験の概要

LinuCとは、LPI-Japanが開発・運用する、クラウド時代における即戦力のITエンジニア向け資格試験です。LinuCはシステム開発の現場ではLinuxのスキルに加えてクラウド/仮想化やセキュリティ、ネットワークなどの知識やスキルが求められており、それらを体系的に習得できるような試験として実施されています。LPICよりも試験範囲が広範囲になりますが、今となっては使われないような領域の問題を削るなど効率的に学べるようになっています。

LinuCのレベル構成はレベル1からレベル3、そしてシステムアーキテクトの4段階となります。公式サイトによると、勉強時間はレベル1では1カ月〜3カ月程度、レベル2では3カ月〜半年程度、レベル3とシステムアーキテクトでは半年〜1年程度とされています。

【参考】:LinuC

受験形式はCBT方式を採用しており、日本各地の試験センターに加えて自宅や職場などからも受験が可能です。資格の認定には有意性の期限が5年間と設定されています。受験料はレベル1からレベル3は1試験16,500円(税込)ですが、システムアーキテクトは1試験27,500円となります。なおLinuCレベル3の場合、1回目が不合格であれば2年間は同一試験を1度に限り5,500円で再受験できます。

試験時間は全ての試験において90分ですが、5分のアンケート時間を要するため、実質の試験時間は85分です。

合格率や合格点はLPICと同様で正式に公表されていませんが、合格点に関しては、公式サイトのよくある質問によると、65%〜75%程度の正答率が目安とされています。

【参考】:LinuC:よくあるご質問

LPICとLinuCはどちらを受験すべき?

LinuCは2018年より提供が開始され、LPICは2001年より資格の認定が始まりました。LinuCはLinuxを含むシステム開発に必要な知識を網羅的に習得できるクラウド時代のITエンジニア向け資格試験、LPICは世界的に認知されているLinuxに特化した資格試験という違いがあります。

未経験からインフラエンジニア・サーバーエンジニアを目指す方や、Linuxのスキルを向上させたいと考えている方は、LinuCとLPICのどちらを受験しても構いません。クラウドや仮想化をカバーする場合はLinuCを、Linuxを深く極めたい方はLPICを、受験するのがおすすめです。

両資格とも英語での試験に対応しており、LPICはさらに世界5カ国6言語に対応しています。

LPICの勉強方法

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LPICの勉強をするにあたって、参考書・学習サイト・動画などの教材が挙げられます。ここでは、当記事がおすすめする参考書や学習サイトを紹介します。

おすすめの参考書

参考書はLPICの認定を受けている本を使用するのがおすすめです。また、その際に練習問題や模擬問題が豊富にあり、実際にLinuxの実機を操作しながら学べる参考書を選ぶと効率よく勉強することができます。以下に、おすすめの参考書を2つまとめました。

「Linuxブートキャンプ サーバ操作/OSのしくみ/UNIXネットワーク」 本書は、「Software Design」の人気記事の中から、Linuxの特集記事をピックアップしてまとめています。Linuxについて学習することで、LPICの受験に役立てることができます。インフラエンジニアを目指す方におすすめの1冊です。

▪著者:宮原 徹/佐野 裕/鶴長 鎮一 他 ▪ページ数:208ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/03/04 【参考】:Linuxブートキャンプ サーバ操作/OSのしくみ/UNIXネットワーク

「Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応」 LPIC「101試験」「102試験」に対応している参考書です。システムアーキテクチャやGNU・UNIXコマンドなど、章ごとに練習問題が収録されているので、内容の確認と学習がしやすくなっています。また、翔泳社WebサイトよりLinux実習環境をダウンロードできる特典もあります。

▪著者:中島 能和 ▪ページ数:592ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2019/04/08 【参考】:Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応

学習サイトや動画で学べる

ネット上には、LPICに限らずさまざまな資格について学習できるサイトがあります。例えば、無料登録を行うことでLPIC101試験の対策を行え、有料会員になれば全てのレベルの対策を行えるなど、学習サイトによって仕様が異なります。

まずはさまざまなサイトを無料で試し、自分の学習スタイルに合うものは有料のものを選んでみるなど、試しながら活用する方法がおすすめです。

また、学習サイトはLPICだけでなく、LinuC・CCNA・ORACLE MASTERなどインフラエンジニアにおすすめの資格の勉強をできるのも特徴です。この他にも、学習サイトには動画で学べるものもあるため、学習内容に合わせて活用しましょう。

参考書・勉強サイト・動画はスクールと比較するとコストがかからないため、1つの教材だけではなく、教材を組み合わせて学習すると効率よく勉強できます。また独学の苦手な方は、スクールの受講を検討してみましょう。

LPICはインフラエンジニアにおすすめの資格

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これまでに、LPICが意味ないと言われる理由・LPICを取得するメリット・LPICの勉強方法について解説しました。LPICとはLPIの主催するLinuxに関する知識や技能を証明するための資格試験です。

LPICと同様に、Linuxのスキルを証明する資格にはLinuCがありますが、内容・難易度・受験方式・認定の有意性の期限などが似ているため、Linuxのスキルアップをしたい場合はどちらを受験しても問題ありません。

出題範囲や考え方には、両資格に違いがあります。Linuxを極めたい方は、LPICをおすすめします。Linuxに加えて、クラウドや仮想化などの実装技術を含めた認定となると、LinuCがおすすめです。

受験対象者にも違いがあります。LinuCは、日本市場に最適化された、クラウド時代における即戦力のITエンジニア向け試験です。LPICは、世界的に認知されているLinuxに特化した試験です。これらの違いを理解し、資格取得を進めましょう。

また、LPICは基礎知識や共通知識の判定のために暗記問題が多く、深く理解しなくても合格できてしまうため、「意味ない」と言われることもあります。ただし実際のLinuxの環境を利用して問題を検証しながら勉強すると、実務で役立つスキルを身に付けられるため、取得するメリットも多い資格です。

参考書・勉強サイト・動画などの勉強方法がありますが、実際にLinuxの環境に触れながら学習を行いましょう。

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