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LPICの基礎知識
まずは、LPICの基礎知識について解説します。「LPICとは」「Linuxとは」「LPICとLinucの違い」などといった疑問を解決しましょう。
LPICとは?
LPICとは「Linux Professional Institute Certification」の略で、日本語にするとLinux技術者認定試験という意味です。LPICは、Linux技術者としての知識・技術があることを認定するIT資格で、NPO法人Linux技術者認定機関「LPI」によって運営されています。
LPICは世界中に受験者がいる資格で、受験者の数は世界で50万人を超えています。試験は200か国以上の国で行われており、LPICを取得することで海外でもLinux技術者として認められるでしょう。
LPICの試験は、LPIC-1・LPIC-2・LPIC-3の3つに分かれています。LPIC-1がもっとも簡単で、LPIC-3がもっとも難しい内容です。上位の試験の認定を受けるには、下位の試験を全てクリアする必要があります。
Linuxとは?
Linuxとは、WindowsやMacと同じOSの一種です。OSとは、他のソフトウェアを動かすための土台となるソフトウェアのことで、OSがないとパソコンはパソコンとしての役割を果たせません。LinuxはOSの中でもサーバとして使われることが多く、オープンソースで無料提供しているのが特徴です。そのため、サーバを何台でも立てることができます。
Webアプリケーションを運営する際はLinuxが多く使われており、Linuxの基礎知識を抑えれば、Web系エンジニアとしてより活躍することが可能です。
LPICとLinuCの違い
LPICと同様にLinuxの知識やスキルを学べる資格として「LinuC」があります。LinuCとはLPI-Japanが開発・運営する資格であり、Linuxだけでなく仮想化技術やネットワークなどシステム開発に必要な知識を網羅的にカバーしているという特徴があります。またLinuCはレベル1からレベル3、そしてシステムアーキテクトと4つの段階に分かれています。
LPICとLinuCとでどちらを受験すべきか悩む方が多いですが、Linuxについてのスキルや知識を身に付けたい、Linuxの資格を持っていることをグローバルにアピールしたいならLPIC、Linuxを含むシステム開発に必要な知識を身に付けたいならLinuC、と考えるのがおすすめです。
LPICのレベルは3種類ある
LPICには3種類のレベルがあり、LPIC-1・LPIC-2・LPIC-3の3つです。これからLPIC試験を受ける人のために、3つそれぞれの試験内容や難易度について詳しく解説します。
LPIC-1
LPIC-1は、3つの中で最も簡単な試験です。上位試験の認定を受けるには下位試験に受かる必要があるため、全員が必ずLPIC-1試験を受けることになります。LPIC-1では、Linuxコマンドの使い方など、Linuxの基本操作やシステム管理に関する知識が求められます。
また、LPIC-1は大きく2つの試験に分かれ、両方とも合格しないと資格認定されません。2つの試験は同時に受験しなくても良く、まずは片方の試験に合格し、その後にもう片方を数年後に受けることができます。LPIC-1の試験時間は1科目90分で、問題数は約60問です。時間が足りなくなることも多いので、注意しましょう。ちなみに、出題はコンピュータを使って回答するCBT方式です。
LPIC-1は難易度はそこまで高くないため、知識がない状態でも3ヶ月程度勉強すれば、比較的受かりやすい試験です。
LPIC-2
LPIC-2は、プログラマーやインフラエンジニアとして働いている方向けの資格です。難易度はLPIC-1よりも上がり、Linuxに関する応用的な知識・技術が試されます。合格するためには、半年程度の勉強時間を要します。LPIC-2に合格すれば、Linux技術者として高いレベルにあることが認められるでしょう。問題数や試験時間は、LPIC-1と同様で、LPIC-2も試験が2つに分かれており、両方に合格する必要があります。
LPIC-3
LPIC-3は、3種類の中でもっとも難しい試験です。LPIC-3に合格すると、最高レベルのLinux技術者であることが認められます。問題数や試験時間はLPIC-2と同様ですが、LPIC-2と違って試験が3つに分かれており、3つの内いずれかに合格すれば認定されます。どれか1つで良いため楽に感じますが、3つともかなりハイレベルであり合格は容易ではありません。合格するためには、1年程度の勉強時間を要するでしょう。
LPICの勉強方法
続いて、LPICの勉強方法について解説します。LPICに合格するにはそれなりの学習時間を要します。特にLPIC-3はIT系資格の中でも難しいので心してかかる必要がありますが、仕事が忙しく勉強時間があまり取れない方も多いでしょう。そこで、LPICの効率的な勉強方法を3つ紹介します。勉強方法が分からない方は参考にしてください。
勉強サイトを使う
1つ目の方法は勉強サイトを使うことです。Ping-tという優秀な勉強サイトがあるので、こちらを使用するのがおすすめです。Ping-tには多くの問題が掲載されており、スマホで手軽に解いていくことができます。加えて、LPIC-1の出題範囲の問題は無料で解くことが可能です。LPIC-2の出題範囲に関しては月額2,400円で解け、LPIC受験者の多くがPing-tを使っていると言われているため、Ping-tを使うことが合格の近道と言えるでしょう。
参考書を購入する
2つ目の方法は参考書を購入することです。参考書に沿って学習すれば、Linux知識を体系的に身につけることができます。特に、Linuxについて全く知識がない方は、まずは参考書を買うのが良いでしょう。OSの仕組みなどについて、イラストつきでわかりやすく解説されている本が多く販売されています。
また、LPIC-1の問題集を購入するなら「Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集」がおすすめです。本書はLPIC-1の出題範囲を満遍なく学ぶことができます。また、LPIC-1試験の模擬試験もついており、本番のつもりで解くことができます。
過去問を解く
3つ目の方法は過去問を解くことです。Ping-tや参考書である程度基礎固めをしたら、過去問題集を購入しましょう。過去問を解くことで、出題傾向を抑えることが可能です。また、時間を図って実際に解いてみることで、解答時間が足りるかどうかも確かめられます。
LPICを取得するメリット
LPIC取得に関して「意味ない」という意見がありますが、実際はそんなことはありません。LPICは国際的に認められている試験であり、資格を取得することには大きな意味があります。ここでは、LPICを取得する代表的なメリットを紹介します。
基礎知識を網羅することができる
LPICを取得することで、Linuxに関する基礎知識が身につけられます。「プログラミングスキルには自信があるが、Linuxのことはよく分からない」というプログラマーは多く、そういった方はLPICで基礎固めをしましょう。たとえ合格できなくても、LPICの勉強をして得た知識は実務で役立つはずです。
転職で役立つ
LPICを取得することは、転職でも役立ちます。Linuxを採用する企業は多いため、LPICの資格を持っていると多くの企業の面接でアピールができるでしょう。ただし、単に資格を持っていることを言うだけでは効果は薄いです。資格を通じてどんなスキルを得たか、そのスキルを実務でどのように役立てる予定か、具体的に話すことで効果的なアピールになります。
LPICに関する注意点
最後に、LPICに関する注意点を紹介します。この2つの注意点は、受験前に確認しておきましょう。
2つの試験の合格が必要な場合有効期限に注意
LPIC-1とLPIC-2は、2つの試験に受からないといけません。各試験には5年間の有効期限があるので注意です。片方の試験を受けた後、5年以内にもう片方に合格する必要があります。
有意性の期限がある
LPICには認定の有効期限はありません。ただし、有意性の期限は5年間となっています。有意性を維持するには、5年以内に再認定を受けるか、上位試験の認定を受ける必要があります。
LPICを取得してLinux技術者としての自信を身につけよう
本記事では、LPICとは何かについて解説しました。LPICの勉強方法や難易度などがお分かり頂けたかと思います。LPICを取得することには、大きな意味があります。特にインフラエンジニアやサーバエンジニアにとして評価されるためには、LPICは必須の試験と言っても良いでしょう。エンジニアの方やエンジニア志望の方は、ぜひLPIC試験の合格を目指してみてください。
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