
Azureの認定資格

Azureとはマイクロソフト社のクラウドサービスです。Azureの認定資格はマイクロソフト認定プログラム(MCP)を通じて提供しています。MCPの資格体系は2019年、ロールベースのマイクロソフト認定資格としてAzureを中心としたロールベースの資格体系に再編成されました。 参考:Microsoft Certifications 参考:Microsoft 認定資格および試験を見る
マイクロソフト認定資格試験の体系
マイクロソフト認定プログラム(MCP)の資格体系は、以下のカテゴリーで案内されています。
・Fundamentals認定資格(基礎・初級資格) 製品カテゴリー(Azure・Dynamics 365・GitHub・Microsoft 365・.NET・Power Platform・Teams)に分類し、製品に関連する基礎知識を認定します。
・ロールベースの認定資格 職務に応じたロールを定義し、ロールに応じたトレーニングの提供と認定を行います。現在、Developer(開発者)・Administrator(管理者)・Solutions Architect(ソリューションアーキテクト)・データエンジニア・データサイエンティスト・AIエンジニア・DevOpsエンジニア・セキュリティエンジニア・Functional Consultant(機能コンサルタント)の9つのロールが公開されています。
・上記以外 より専門性の高い分野、Microsoft認定教育機関向け、Microsoft Office認定を行います。
資格体系見直しにより2020年6月から廃止に伴い、順次取得することができなくなっています。以下のリンクに2021年ならびに今後のロードマップが記載されていますので、ご確認ください。 参考:MCP認定 認定資格の廃止
マイクロソフト認定資格試験の受験方法
マイクロソフト認定資格試験はピアソンVUEにより実施されており、随時受付しています。受験予約にはMicrosoftアカウントが必要です。各科目の試験費用は、2021年11月時点でFundamentals(初級)試験が12,500円(税別)、Associate(中級)・Expert(上級)が21,103円(税別)です。 参考:ピアソンVUE マイクロソフト認定資格試験
試験別に40〜60問が出題され、1,000点中700点以上(70%以上)で合格です。試験時間はFundamentals(初級)試験が45分、Associate(中級)・Expert(上級)が100分です。ラボが含まれるAssociate(中級)・Expert(上級)は120分です。 参考:Microsoft 試験の時間と種類
Azure認定資格の詳細と準備

AzureはAWSおよびGoogle Cloud含めた3大パブリッククラウドサービスの1つです。そのため、パブリッククラウドのサービス利用が増加するに従い、認定資格の価値が高まっています。
Azureの認定資格体系はロールベース移行に伴い、多岐に渡ります。そのため難易度が低めで、Azureの基本的な知識を認定するMicrosoft Certified: Azure Fundamentals(AZ-900)から資格取得を進めるのが良いでしょう。その後、自身のロールに近い認定資格を取得パス・ロードマップとして設定し、上位資格取得に向けた準備を進めるのがおすすめです。
勉強方法ですが、試験科目ごとに試験スキルのアウトラインが定義されています。そのファイルに出題区分と比率が設定されているため、試験範囲の取りこぼしがないように準備します。
試験対策は市販参考書を用いることもできますが、各試験の公式情報にはラーニングパスが設定されています。公式情報を吸収するにはラーニングパスに従って学習するのが良いでしょう。さらに、バーチャルトレーニングも適宜開催されていますのでおすすめです。 参考:Microsoft Virtual Training Days
各レベルに応じたAzure認定資格については、以降で詳細を説明します。
Azure Fundamentals(初級)認定資格
Azure Fundamentals(初級)認定資格は、以下の通りです。難易度は低めに設定されています。
・Microsoft Certified: Azure Fundamentals クラウドの概念・Azure のコアサービス・cloudのコンセプト・コアAzureサービス・Azureのコアソリューションと管理ツール・一般的なセキュリティおよびネットワークセキュリティ機能・ID、ガバナンス、プライバシー、およびコンプライアンス機能・Azureのコスト管理とService Level Agreementsの各知識が求められます。
管理者・ビジネスユーザー・開発者・学生・テクノロジマネージャーを対象とし、AZ-900試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Fundamentals
・Microsoft Certified: Azure Data Fundamentals コア データの概念・Azure 上でのリレーショナル データ操作・Azure上での非リレーショナル データの操作・Azureの分析ワークロードの知識が求められます。
データ エンジニア・データベース管理者を対象とし、DP-900試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Data Fundamentals
・Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals AI ワークロードと考慮事項・Azureでの機械学習の基本原則・Azureのコンピューター ビジョン ワークロード・Azure の Natural Language Processingワークロード・Azureでの会話型 AI ワークロードの知識が求められます。
AI エンジニア・データ サイエンティスト・開発者・ソリューションアーキテクトを対象とし、AI-900試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals
以下はAzureの資格ではありませんが、Azure運用で必要とされます。 ・Microsoft Certified: Security, Compliance, and Identity Fundamentals セキュリティ、コンプライアンス、およびIDの概念・MicrosoftIDの機能説明・管理ソリューション・Microsoftセキュリティソリューション・Microsoftコンプライアンスソリューションの各知識が求められます。
ビジネス ユーザー・学生を対象とし、SC-900試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Security, Compliance, and Identity Fundamentals
Azure Associate(中級)認定資格
Azure Associate(中級)認定資格は以下の通りです。難易度は中級レベルです。
・Microsoft Certified: Azure Stack Hub Operator Associate サービスの提供・データセンター統合の実装・IDとアクセスの管理・インフラストラクチャの管理知識が求められます。
管理者を対象とし、AZ-600試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Stack Hub Operator Associate
・Microsoft Certified: Azure Administrator Associate Azure アイデンティティおよびガバナンスの管理・ストレージの作成と管理・Azure 計算資源の展開と管理・仮想ネットワークの構成と管理・Azure 資源の監視とバックアップの各知識が求められます。
管理者を対象とし、AZ-104試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Administrator Associate
・Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate IDとアクセスの管理・プラットフォーム保護の実装・セキュリティ運用の管理・データおよびアプリケーションの保護の各知識が求められます。
セキュリティエンジニアを対象とし、AZ-500試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate
・Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate データプラットフォーム リソースの計画実装・安全な環境実装・運用リソースの監視と最適化・クエリのパフォーマンス最適化・タスクの自動化と実行・高可用性とディザスターリカバリー 環境の計画と実装・T-SQL 使用による管理と実行の各知識が求められます。
データベース管理者を対象とし、DP-300試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate
・Microsoft Certified: Azure Network Engineer Associate ハイブリッドネットワーキングの設計、実装、管理・コアネットワーキング インフラストラクチャの設計と実装・ルーティングの設計と実装・ネットワークのセキュリティ保護と監視・Azure サービスのプライベートアクセスの設計と実装の各知識が求められます。
ネットワークエンジニアを対象とし、AZ-700試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Network Engineer Associate
・Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate Azure Cognitive Services解決のプラン作成と管理・コンピュータビジョンソリューション、自然言語処理解決、ナレッジマイニング解決、会話解決の遂行・会話AIソリューションの実装に対する各知識が求められます。
AI エンジニアを対象とし、AI-102試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate
・Microsoft Certified: Azure Data Scientist Associate 機械学習のための Azure リソースの管理・実験の実行とモデル訓練・機械学習ソリューションのデプロイと運用化・責任ある機械学習の実行の各知識が求められます。
データサイエンティストを対象とし、DP-100試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Data Scientist Associate
・Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate データストレージの設計と実装・情報処理の設計と発展・データセキュリティの設計と実装・データストレージ及び情報処理の監視と最適化の各知識が求められます。
データエンジニアを対象とし、DP-203試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate
・Microsoft Certified: Azure Developer Associate Azureにおける計算ソリューションの開発・ストレージの開発・Azure Security の実装・Azureソリューションの監視、トラブルシューティング、最適化・Azure サービスとサードパーティサービスの連携の各知識が求められます。
開発者を対象とし、AZ-204試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Developer Associate
以下はAzureの資格ではありませんが、Azure運用で必要とされます。 ・Microsoft Certified: Security Operations Analyst Associate Microsoft 365 Defender・Azure Defender・Azure Sentinelを用いた脅威軽減能力が求められます。
セキュリティ エンジニア・セキュリティ運用アナリストを対象とし、SC-200試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Security Operations Analyst Associate
・Microsoft Certified: Windows Server Hybrid Administrator Associate この資格は2021年12月から開始する認定試験です。
オンプレミス/Cloud環境において Active Directory Domain Services の展開/管理・ハイブリッド環境でのWindows Serverとワークロードの管理・仮想マシンとコンテナの管理・オンプレミスとハイブリッドのネットワーク実装と管理・ストレージならびにファイルサービスの管理・Windows Serverのオンプレミス/ハイブリッド インフラストラクチャのセキュリティ保護・Windows Serverの高可用性実装と管理・障害復旧の実装・サーバーとワークロードの移行・Windows Server環境の監視およびトラブルシューティングの各知識が求められます。
管理者・ID/アクセス管理者・Information Protection管理者・ネットワークエンジニア・セキュリティエンジニア・サポートエンジニア・テクノロジマネージャを対象とし、AZ-800/AZ-801試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Windows Server Hybrid Administrator Associate
・Microsoft Certified: Identity and Access Administrator Associate アイデンティティ管理ソリューション・認証とアクセス管理ソリューション・アプリのアクセス管理の実装・アイデンティティガバナンス戦略の設計と実装の各知識が求められます。
管理者・ID/アクセス管理者・セキュリティエンジニアを対象とし、SC-300試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Identity and Access Administrator Associate
Azure Expert(上級)認定資格
Azure Expert(上級)認定資格は、以下の通りです。難易度は高めに設定されています。
・Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty SAP WorkloadsのAzure移行・SAPワークロードをサポートするインフラストラクチャ設計と実装・High AvailabilityとDisaster Recovery設計と実装・Azure上のSAPワークロードの保持の各知識が求められます。
管理者・ソリューションアーキテクトを対象とし、AZ-120試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty
・Microsoft Certified: Azure IoT Developer Specialty IoTソリューションインフラストラクチャの設定・デバイスのプロビジョニングと管理・IoT Edgeの実装・ビジネス統合の実装・データの処理と管理・IoTソリューションのモニタリング、トラブルシューティング、最適化の各知識が求められます。
開発者を対象とし、AZ-220試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure IoT Developer Specialty
・Microsoft Certified: Azure Virtual Desktop Specialty Azure Virtual Desktop Architectureの計画・Azure Virtual Desktop Infrastructureの実装・アクセスとセキュリティの管理・ユーザー環境とアプリの管理・Azure Virtual Desktop Infrastructureのモニタリングと維持の各知識が求められます。
管理者を対象とし、AZ-140試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Virtual Desktop Specialty
・Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert Azure インフラストラクチャの実装と監視・管理とセキュリティソリューションの実装・アプリのソリューション実装・データプラットフォーム実装と管理・モニタリング設計・アイデンティティとセキュリティ設計・データ ストレージの設計・事業継続性の設計・インフラストラクチャ設計の各知識が求められます。
ソリューションアーキテクトを対象とし、AZ-303/AZ-304の試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert
以下はAzureの資格ではありませんが、Azure開発運用で必要とされます。 ・Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert インストルメンテーション戦略の開発・Site Reliability Engineering 戦略の開発・セキュリティとコンプライアンス計画作成・ソース制御と管理・コミュニケーションと継続的統合の定義と実装・継続的デリバリーおよびリリース管理戦略の定義と実装の各知識が求められます。
DevOpsエンジニアを対象とし、AZ-104またはAZ-204の前提条件試験の合格とAZ-400試験合格が必要です。 参考:Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert
Azure認定資格を取得し、クラウドサービスへの対応力を高めましょう

Azureは3大クラウドサービスの1つです。特にマイクロソフト社の製品・ソリューション連携には定評があります。自身のロールとマイクロソフト認定プログラムのロール定義を見比べることで、希望のAzure認定パスを設定することができます。
資格取得でクラウドサービスの専門家として認知されますので、上位資格取得に挑戦することをおすすめします。
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