TypeScriptとは?JavaScriptとの違いも解説!
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TypeScriptとは?JavaScriptとの違いも解説!
アンドエンジニア編集部
2022.08.22
この記事でわかること
TypeScriptは静的型付け言語で、JavaScriptは動的型付け言語という違いがある
TypeScriptのメリットは、コードがシンプル・プログラムの処理速度が速い・エラーやバグを未然に防げるなどがある
TypeScriptのデメリットは、開発者の人口が少ないこと・学習コストが高いことなどがある

TypeScriptとは

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比較的新しいプログラミング言語であるTypeScriptですが、JavaやPythonなどと比較すると認知度はそこまで高くありません。しかし、TypeScriptは大規模開発ができるように実装され、Google社の開発に採用されるなど、世界的に注目を集めています。ここでは、TypeScriptの概要について詳しく紹介します。

TypeScriptの概要

TypeScriptとは、JavaScriptを拡張して実装されたオープンソースのプログラミング言語のことです。2012年頃にマイクロソフト社によって開発され、2017年2月に正式にリリースが行われました。

TypeScriptが開発された理由には、JavaScriptのプログラミング言語を利用して大規模アプリを開発する際に、JavaScriptの複雑なソースコードを扱わなければならないため、独自のツールが必要となったことが挙げられます。

TypeScriptは、JavaScriptのデメリットである使いにくさを解消し、エラーやバグなどのトラブルが発生しにくいプログラミング言語として開発されました。

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TypeScriptとJavaScriptの違い

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TypeScriptとJavaScriptの違いについて気になる方も少なくないでしょう。TypeScriptは、JavaScriptが発展したような特徴があるプログラミング言語です。ここでは、TypeScriptとJavaScriptの違いをピックアップしてまとめました。

動的型付けと静的型付け

JavaScriptは動的型付け言語であり、TypeScriptは静的型付け言語であるという違いがあります。これは変数に関するデータ型の違いです。

データ型とはプログラムで使用されるデータの種類を指し、JavaScriptのソースコードでは、プログラムを実行する際にデータ型が自動的に定められます。この特徴をもつプログラム言語は動的型付け言語と呼ばれます。

ソースコードをシンプルに記述できるメリットがありますが、プログラムを実行してみないとエラーやバグがわからないデメリットもあります。他の動的型付け言語の代表例として、RubyやPythonなどが挙げられます。

一方TypeScriptでは、変数のデータ型を実行前に指定することが可能です。

この特徴をもつプログラミング言語は、静的型付け言語と呼ばれます。コンパイルする必要があり手間がかかるというデメリットがありますが、コンパイルを実施する時にエラーやバグが発見できるというメリットもあります。

そのため、大規模システム開発などに向いている言語とも言えるでしょう。他の静的型付け言語の代表例として、C言語やJavaなどが挙げられます。

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JavaScriptと同じ構文を使える

TypeScriptではJavaScriptと同様の構文を使用することができます。これまでにも説明しましたが、TypeScriptはJavaScriptの機能を拡張して開発されているため、JavaScriptの構文が使用可能です。

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TypeScriptのメリット

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TypeScriptを使用する上でどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、TypeScriptのメリットについてまとめました。

コードがシンプル

TypeScriptはオブジェクト指向型言語として開発されているため、JavaScriptと比較するとソースコードをシンプルに記述しやすいメリットがあります。生成したクラス単位で関数を管理することによって、複数人で開発を行う場合でも、開発効率の向上やコーディングの統一化が期待できます。

JavaScriptと互換性が高い

TypeScriptはJavaScriptを発展させて開発されたため、JavaScriptとの互換性が高く、JavaScriptの開発環境や実行環境があれば、TypeScriptを簡単に導入することが可能です。

また、JavaScriptで作成したソースコードファイルをTypeScriptから呼び出したり、JavaScriptのライブラリやフレームワークをTypeScriptで使用できたりします。

エラーやバグを未然に防止できる

TypeScriptは静的型付け言語であるため、変数のデータ型をソースコード内で宣言することができます。データ型と値が一致しない場合には、コンパイルする際にエラーが発生するため、リリースする前にエラーやバグを未然に防止することが可能です。

また、JavaScriptでは「undefined」が発生しやすく、実行する際のエラーの要因によくなります。「undefined」とは、「定義されていない」を意味します。

一方TypeScriptでは、コンパイラオプションを使用することで、「null」 や 「undefined」の可能性がある変数を確認し、ソースコードの問題点を発見しやすくなっています。

JavaScriptの知識があれば理解しやすい

TypeScriptは、JavaScriptを元に機能の拡張を行っています。JavaScriptと文法や仕様が似ているため、JavaScriptのプログラミングスキルを既に身に付けている人であれば、TypeScriptは理解しやすいプログラミング言語と言えるでしょう。

また、TypeScriptのライブラリやフレームワークを使用する際には、JavaScriptの知識があるとスムーズに扱いやすくなります。このように、JavaScriptの知識やスキルがあると、TypeScriptのスキルも素早く身に付けることができるでしょう。

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TypeScriptのデメリット

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TypeScriptはメリットの多いプログラミング言語ですが、もちろんデメリットもあります。ここでは、TypeScriptのデメリットについて詳しく紹介します。

TypeScriptを使用している人口が少ない

現状では、TypeScriptを使用する人よりもJavaScriptを使用する人の方が多い傾向にあります。実際にTypeScriptの方が便利だとしても、TypeScriptを使用できる人がいなければ、開発で利用されることは少ないでしょう。

TypeScriptの機能面には多くのメリットがあるため、今後はTypeScriptを使いこなせる人材は増加していくのが予想されますが、JavaScriptを使いこなせる人材の数を上回るにはまだまだ時間がかかると考えられます。

インターネットなどの情報が少ない

TypeScriptは比較的新しくできたプログラミング言語であるため、インターネットなどで調べても情報が他のプログラミング言語と比較して少なめです。また、TypeScriptを学習するにあたって、他の言語と比較すると日本語で読める記事が不十分であることもデメリットと言えるでしょう。

例えば、TypeScriptを使用して開発を進めていくとエラーが発生することがありますが、そういった時に調べても情報が少ないと問題解決に多くの労力が必要です。プログラミング初心者の方であれば、まずはJavaScriptから勉強を始めた方が良いかもしれません。

学習コストがかかる

TypeScriptでソースコードを記述する場合、データ型の設定といった新しい知識を身に付けるための学習コストが必要です。TypeScriptはJavaScriptと文法や仕様が似ているため、JavaScriptのプログラムそのままで動作することもあります。

一方、TypeScriptで記述したプログラムが動作しないことも少なくありません。そのためTypeScriptをゼロから勉強する方にとっては、JavaScript以上に学習コストがかかる可能性もあります。

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関係性の深いJavaScriptのフレームワークやライブラリ

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TypeScriptではJavaScriptのフレームワークを使用することができます。ここでは、TypeScriptと関係性の深いJavaScriptのフレームワーク「React」「AngularJS」「Vue.js」について紹介します。

React

ReactとはFacebookが開発したJavaScriptのライブラリであり、主にUIに関する機能を提供しています。テキストボックスの配置を変更したりボタンのデザインを変えたり、Reactを使用することでWebアプリなどの見た目の細かい部分を調整できるため、ユーザーにとって使いやすい仕様に仕上げることが可能です。

よくフレームワークと誤解されますが、公式サイトにもあるように本来はライブラリです。その理由は、Reactには多くの機能が備わっていますが、基本的にUI設計に限定したものとなっているため、フレームワークではなくライブラリに分類されます。

特に推奨はされていませんが、拡張機能を利用することでTypeScriptでも使用可能です。

【参考】:React

Reactの将来性はVue超え?できることやメリット・デメリットも解説

AngularJS

AngularJSは2009年にGoogleによって開発された、TypeScriptでの開発を推奨されているJavaScriptのフレームワークです。Webアプリ開発に必要な機能を一通り提供しているため、他のライブラリを使用せずともAngularJSで全てまかなえることがあります。

Reactと比較すると学習コストはやや高めですが、使い勝手の良いフレームワークの1つです。

【参考】:AngularJS

JavaScriptに関するフレームワークについて徹底解説!

Vue.js

Vue.jsは、AngularJSを参考にして作られたJavaScriptのライブラリです。Reactと比較すると機能が限定されている分学習コストが低く、Webアプリ開発経験者であれば比較的習得しやすいライブラリです。

他のライブラリと組み合わせがしやすい特徴があり、機能が少ない分、大規模開発よりも小規模開発に向いています。Vue3.0はTypeScriptで記述されているため、拡張機能を使用しなくてもTypeScriptを使用できます。

【参考】:Vue.js

TypeScriptはJavaScriptを発展させて開発されたプログラミング言語!

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これまでに、TypeScriptの概要やJavaScriptとの違い、TypeScriptのメリット・デメリットについて解説しました。TypeScriptとは、JavaScriptを拡張して実装されたオープンソースのプログラミング言語のことです。TypeScriptは静的型付け言語で、JavaScriptは動的型付け言語という違いがあります。

TypeScriptのメリットは、コードがシンプル・JavaScriptとの互換性が高い・エラーやバグを未然に防げるなどが挙げられます。一方デメリットは、開発者人口の少なさや学習コストが高いことなどが挙げられます。プログラミング初心者であれば、まずはJavaScriptから勉強してみるのがおすすめです。

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