組み込みエンジニアの年収

システムエンジニアは業務内容によっていくつかの職種に分けられます。家電用品などに搭載されているシステムやソフトウェアに携わるエンジニアのことを「組み込みエンジニア」と呼び、IoTやAIが進化し普及していることで需要が増えている職種です。
需要の高い組み込みエンジニアは、一体どの程度の年収を得ることができるのでしょうか?この記事では、組み込みエンジニアの年収やキャリアパス、年収をアップさせる方法について解説します。さらに、おすすめの資格についてもまとめているので、ぜひ最後まで読み進めてください。

組み込みエンジニアの年収は455万円

今日の組込みシステムは、その用途の多様化によりさらに高い専門性が求められます。適応領域は年々拡大しており、スマート家電・小型デバイス・ドローン等多岐にわたります。そのため、技術の核となる専門領域では求人倍率がさらに高まっています。
気になる組み込みエンジニアの年収についてですが、マイナビ エージェントによるとシステムエンジニア(制御・組み込み)の平均年収は455万円(※2023年2月執筆時点)です。
20代だと432万円、30代になると480万円までアップします。需要の高まりにより求人市場が活性化しているため、年収アップが期待できる職種です。
年収アップには資格取得が有効です。総合技術力と専門能力を兼ね備えることで、キャリア選択の幅が一段と広がるでしょう。また、組み込み系を含むSEは企業によって年収が大きく変化するので、転職によってより高い収入が期待できます。フリーランスとして活躍の場をさらに広げているエンジニアもおり、高収入への選択肢が幅広い職種です。
今後のニーズについて
経済産業省では、将来必要とされる人材を「デジタル時代の人材」としていかに育成するか検討を始めています。ここでいうデジタル時代の人材とは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を担うIT人材を指します。今後のIT人材へのニーズはビッグデータ・IoT・人工知能が注力されています。
このテクノロジーは組み込みシステムには欠かせない要素となっており、今後の市場拡大に伴い求人が増加することが予測されます。
経済産業省の「デジタル時代の人材政策に関する検討会」の参考資料「我が国におけるIT人材の動向」によると、日本のIT人材の平均年収は20代で413万円、30代で526万円、40代で646万円、50代で754万円です。成長領域となるビッグデータ・IoT・人工知能は人材不足もあり、平均年収を上回ると予測されています。
【参考】:経済産業省 我が国におけるIT人材の動向

そもそも組み込みエンジニアとは?

機械や機器に組み込まれ、求められる処理や制御を行うシステムを「組み込みシステム」または「エンベデッドシステム」と言います。組み込みエンジニアは、その組み込みシステムを担当する専門のエンジニアです。
組み込みエンジニアの役割は、機器やシステムが動作する仕組みを作ることにあります。具体的には、スマート家電・自動車・IoT機器の搭載されているコンピュータシステムを、設計・開発・導入・構築するエンジニアです。
組み込みエンジニアの仕事内容
組み込み機器の内部では、機械と独立してマイクロプロセッサーやLSI等が搭載されています。組み込みエンジニアは市場のニーズや顧客要求に基づき、組み込みシステムに必要な要件を仕様化し、組み込み環境に合わせた環境適合性を判断し、設計を行っていきます。
同時に、設計に基づいて最適なシステムを開発して導入・構築を行います。そのため、顧客とのコミュニケーションを密にとって要件定義を行い、主にカスタムプロジェクトとして設計・開発・構築を主導することが重要な仕事です。
また、作業は安全性・効率性・信頼性を考慮しながら要件に適合させていきますので、一連の工程において高い専門性が求められます。
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求められるスキル

組み込みエンジニアに求められるスキルは、組み込みシステムに必要となる用途・特性に応じたハードウェアの活用を円滑にすることです。さらに、その環境上で稼働するアプリケーション開発の最適化が求められます。
ソフトウェア・ハードウェアの知識
組み込みシステムにおいては用途・特性に応じたシステム化が検討され、省スペースにパッケージングされます。そのため組み込みエンジニアはソフトウェア面のみならず、スペース効率を高めたハードウエアの設計や部品の選定が求められます。
実際の開発工程では、組み込みシステムの特性によってどの組み込み言語を使用するかを選択します。稼働環境に合わせたプログラミングを行うため、プログラミング能力とともに組み込みシステムの特性を理解することが求められます。
組み込みOSとしては、LinuxやWindowsを用いるケースが多く、同様にスマート端末を活用する場合は、AppleのiOSやAndroidでアプリケーション開発を進めることが多くなります。
プログラミング言語のスキル
ハードウェアの最適動作をするためには、アセンブラ言語が適しています。また、システム移行性の高い高水準言語も活用されますので、C言語やC++およびJavaの知識が求められます。人工知能の領域ではPythonが人気なため、IoTのデータ処理や分析についてはPythonを活用したスキルアップをおすすめします。
ヒューマンスキル
組み込みエンジニアは、スキル同様に経験が求められます。要件定義を正確に行い、仕様化と以降の設計・開発・構築・導入を進めていくので、要件定義の正確性を高めるためにヒューマンスキルであるコミュニケーション能力が必要です。
経験を高めるには正確なヒアリングが重視され、仕様に表されていない非機能要件を明示していくことが組み込みシステムの最適化のステップとなります。実践によりコミュニケーション能力と分析能力・設計能力を高めていきましょう。
組み込みエンジニアはやめとけと言われる理由

組み込みエンジニアは「やめとけ」「きつい」といったマイナスな意見が挙がる職種です。将来性の高い職種であるにも関わらず、なぜこのようなことを言われてしまうのでしょうか。
人材不足による激務
組み込みエンジニアに限らず、IT業界は慢性的な人材不足に悩まされています。少ないエンジニアの中でプロジェクトを遂行させなければならないため、プロジェクトや時期によっては激務となる場合もあります。残業が続いたり休日出勤を余儀なくされたり、身体的に辛いと感じることもあるかもしれません。
しかし、昨今働き方改革が進んでいる中、ブラック企業が多いとされてきたIT業界での勤怠の見直しが行われています。以前よりも待遇や職場環境が改善されてきているため、自社での人材不足を外部から補ったりエンジニアの負担を軽減させたり、働きやすい環境の企業が増えています。
現在の労働環境が思わしくない場合は、思い切って転職を検討してみるのも1つの手段です。人材不足であるからこそ需要は高く、その分給与交渉などで高収入を目指せるメリットもあります。
【参考】:マイナビIT エージェント

高い技術を必要とされる
組み込みエンジニアはシステム開発をメインとしているため、プログラミングの技術は欠かせません。また、ソフトウェア・ハードウェアといった知識も必要です。IT技術は日々新しいものが生み出されており、それについていくためには日頃から勉強を継続させなければなりません。
激務で勉強の時間が取れない・自由な時間がもっと欲しい人にとっては「きつい」と感じるかもしれません。しかし、常に高い技術を身につけておくことは自身のスキルアップや市場価値を高めることに繋がるため、デメリットよりもメリットの部分が多いでしょう。
急な変更を求められる
システム開発の現場では、クライアントの都合により、納期や急な仕様変更があるのも珍しくありません。そのような場面で、緊急で対応を迫られたり急なスケジュール変更を余儀なくされたりすることがあります。
スケジュール通りに進めていたとしても、このように予期せぬ対応を強いられることに対してストレスを抱えるエンジニアもいます。
しかし、こういった急な変更に対応できる能力があれば、マネジメントを行う役職についた際やフリーランスとして独立した際にも役立てることができます。辛い反面、臨機応変さを身に付けることができます。
組み込みエンジニアが年収を上げるには

以上のようなマイナスな側面からネガティブな意見が聞かれることもありますが、人材不足で需要が高いからこそ、年収アップも期待できる職種です。経験を積みスキルを磨けば年収1000万を達成できるとも言われています。
需要の高い言語を習得する
組み込みエンジニアにとって欠かせないのはアセンブラ言語ですが、それに加えてC言語やC++、Javaなど組み込みの分野で多く使われる需要の高い言語を身に付けることで、年収アップを狙うことができます。
需要の高い言語は案件が多く、単価も高い傾向にあります。年収を上げるためには、これらの言語の習得は必須と言えるでしょう。

最先端のスキルを磨く
エンジニアとして自身の市場価値を高く保つためには、最新情報のキャッチアップと最新技術の習得が欠かせません。組み込みエンジニアは、IoTやAIに関する最先端の知識と技術を持っていると市場価値も高くなります。
資格を取得する
自身のスキルや市場価値の証明として資格取得は有効です。資格に向けた勉強を行う中で、関連する知識も体系的に身に付くので、効率的にスキルアップをすることもできます。おすすめの資格については後で詳しく解説します。
転職をする
同じ企業の中でキャリアアップを図るのも良いですが、より良い報酬を求めて転職をするのも年収アップを実現する方法の1つです。
IoT製品の増加やAIの活用領域の拡大などにより、組み込みエンジニアは人手不足に陥っているため、時代のニーズに合ったスキルがあれば転職によって大幅に年収がアップする可能性もあります。特に大手企業では年収や待遇も良い傾向があります。
転職を成功させるには、自身のスキルや希望に合った環境を探せるかどうかが肝心です。転職を検討する際には、転職エージェントを活用して企業とのマッチングをしましょう。
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年収アップに役立つおすすめの資格

組み込みエンジニアは知識と実績を備えた即戦力が期待されています。組み込みエンジニアの専門性を高めるためには、資格を取得するのがおすすめです。特に、複数のレベルの資格が提供される場合は上位資格を取得することで能力の高さが証明され、年収アップが期待できるでしょう。

組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)
組み込みエンジニアにおすすめする資格は、一般社団法人組込みシステム技術協会の「組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)」です。上位資格となるレベル1は、システムの要求・設計工程・それに対応するテスト工程における知識から分析能力までの総合力が試され、リーダークラスの実践力が評価基準となります。
【参考】:一般社団法人組込みシステム技術協会 組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)
OMG認定技術者資格試験
国際標準化団体OMGによって認定される「OMG認定組込み技術者資格試験」では、リアルタイムシステム並びに組み込みシステムの設計・開発能力が評価されます。
初級・中級・上級の3段階の試験が設定されており、上位資格ではリアルタイム組込みソフト開発全般のプロジェクト責任者としてグローバルで資格認定されます。
【参考】:OMG認定組込み技術者資格試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
情報処理推進機構(IPA)の「エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)」も、汎用的な組み込みシステム要件がカバーされておりおすすめできる資格です。機能・性能・品質・セキュリティの各工程の理解度が証明できるでしょう。
同時に、情処理推進機構(IPA)の応用情報技術者試験(AP)は組み込みシステム専用ではありませんが、ITシステム全般の開発・設計・運用・保守のライフサイクル全般の理解度が評価されます。
【参考】:情報処理推進機構(IPA) エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES) 【参考】:情報処理推進機構(IPA) 応用情報技術者試験(AP)

組み込みエンジニアのキャリアパス

組み込みエンジニアのキャリアパスとしては、組込みシステムにおける個々の領域の専門性を高めることが重要です。より深い専門性を持つことは周囲との差別化を図り、高いスキルを持つ人材としてアピールできます。
その結果、新規事業や新規開発を検討する際の重要な相談先と認知され、より市場に求められる人材となるでしょう。
また、自社でのキャリアアップの他にも外部でステップアップを目指すことも可能です。ハードウェアに強みを持つ場合は自動車や制御機器メーカーの求人を参考にし、ソフトウェアに強みを持つ場合はPythonやJavaの市場におけるクラウドサービス・人工知能での求人を参考にしましょう。
さらに、組み込みエンジニアはプロジェクト工程全般に強みを持っています。専門性に加えて多様な案件に対応できると、高い年収が期待できるITコンサルタントやITアーキテクトの職種を選択肢に入れることも可能です。

組み込みエンジニアとしてステップアップを目指そう

先に記述した通り経済産業省では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を担うIT人材を「デジタル時代の人材」として育成する検討を進めています。ビッグデータ・IoT・人工知能が注力領域ですので、組み込みエンジニアのニーズがさらに高まります。
実践経験を積み重ねてスキルアップにも取り組むことができれば、市場で求められるIT人材として活躍の場がさらに広がるはずです。
また、現在よりもより良い環境に身を置くことも視野に入れましょう。それには自身の能力を評価してくれる企業への転職がおすすめです。様々な求人を取り扱うサイトから、自分に合う企業を探し出すのは骨が折れる作業です。
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