ヘルプデスクに将来性はある?
ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなど、様々なITエンジニアの求人が出されています。その中で、未経験者を各企業で積極的に採用しているのが「ヘルプデスク」です。
ヘルプデスクは顧客対応からの問い合わせに対応したり、社員には製品に関する使い方や技術的なサポートをしたり、主にトラブル解決をメインに活躍する職種です。
IT企業ではどの企業でも重要な存在であるヘルプデスクですが、将来性を不安視する声も少なくありません。AI技術が発展してきている中、ヘルプデスクの今後はどうなるのでしょうか。
需要はあるがキャリプランはしっかり描こう
ヘルプデスクの将来性については、需要が高いためこの仕事が完全になくなる可能性は低いと考えられます。
しかしヘルプデスクの仕事をする上で、ExcelなどのOfficeソフトやネットワークなどの知識を身につけることはできますが、ネットワークエンジニアやプログラマーなどの専門職になれるほどのスキルは身につきにくいのが現状です。
10年20年後とロングスパンで見た場合、期待した年収を得られない可能性もあるため、ヘルプデスクの経験を活かしたキャリアパスを描いておくことが重要です。転職を見据えて、ヘルプデスクで得られるスキル+@としてITスキルも磨いておきましょう。
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ヘルプデスクの仕事内容
ヘルプデスクの主な仕事は、エンジニアとユーザの橋渡しの役割を持ち、解決までのサポートを行う業務です。ユーザからはシステムの基本操作などの問い合わせを受け、エンジニアにはユーザから寄せられた情報を伝えます。
迅速に対処することでトラブル解決にもつなげていきます。また、現地でオンサイト対応を行ってスピーディーかつ正確に連携を取り持つこともあります。ヘルプデスクは社内と社外で分かれることがあり、サポートを行う範囲やスキルが異なっていきます。
社内でヘルプデスクとして働く
情報システムに関する部署を構えている企業で、社内ヘルプデスクとして活動する人も多いです。主な勤務先は自社内ですが、社員数が少ないと総務などと兼務していることも少なくありません。
サポートする範囲は自社で活動を行っている社員がメインで、社内のシステムで社員がトラブルに見舞われた時には対応しなければなりません。また、ITサポートにおいては、具体的なトラブルなどをヒアリングして改善する役割を担うこともあるので、内容は多岐に渡るといっていいでしょう。
たとえば、高齢者やパソコンが苦手な人が、表計算ソフトなどの使い方をレクチャーしてほしいと連絡がきたり、「外付けディスプレイが上手く表示されない」など技術的な悩みを解決したりすることもあります。
パソコン関連だけでなく、ネットワークなどの知識を問われることもあるでしょう。
その際、質問を管理するシステムが十分ではないケースもあり、臨機応変な対応を行うことも多いので、時には負担が大きくなることもあるかもしれません。
社外でヘルプデスクとして働く
社外ヘルプデスクとは、サービスプロバイダーやメーカーなどに出向いて仕事を行うため、社内ヘルプデスクとは業務内容が異なります。仕事内容は自社製品を使っているユーザからトラブルなどの連絡が来た際に、エンジニアと連携し作業を行います。
障害発生時などで上長へ業務上の指示を仰ぐエスカレーションを行い、スピーディーな対応を求められることが多いです。
対応範囲に関しては、契約内容などで明確に決まっている場合がほとんどです。事前にマニュアルを用意していることが多く、実際に仕事を行う中で高度なスキルは求められませんが、時には外部のユーザからクレームなどを受けることもあります。
ヘルプデスクの年収
ここで気になるのは、ヘルプデスクの給料面です。ヘルプデスクになることでどの程度の年収を得られるのでしょうか。
テクニカルサポート/ヘルプデスクの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は310万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の顧客サポート/ヘルプデスクを参考にすると、平均年収390万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ヘルプデスクは平均年収よりもやや低めであることが分かります。
ヘルプデスクは一定数の需要がありますが、今よりも高収入を目指すならキャリアアップを図る必要があります。ヘルプデスクからエンジニアへのキャリアパスを検討するなら、社内SE・システムエンジニア・インフラエンジニアなどがおすすめです。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
ヘルプデスクは将来性がないと言われる理由
IT業界では様々な業種がありますが、ヘルプデスクの場合は将来性に不安を感じる人も多く、他の人気職種に目を向ける人も少なくありません。その理由は大別して3つあり、時代背景などが影響しているといえます。
ここでは、「ヘルプデスクに将来性がない」と言われる原因について解説します。
スキルが身につかないと思われがち
ヘルプデスクはトラブルなどの対応を行うためにマニュアルを準備していることがあり、ある程度流れに沿って対応します。この場合、仕事で最低限必要なスキルだけを用意しておけば、仕事として成立するケースも多々あります。
業務上はこれで十分ですが、IT業界で今後仕事を行う上では技術力が身につきにくいと不安視する人も少なくありません。ヘルプデスクは仕事をする上でコミュニケーション能力などを身につけることができますが、それだけでは不安は残るでしょう。
勤務先によっては、サーバの構築やプログラミングなどの専門知識が不要なところもあるので、キャリアアップのために自主的な学習を行ってスキルアップを目指しましょう。
非正規雇用が多く年収が上がりにくい
「ヘルプデスクはやめとけ」と言われる要因の1つに、非正規雇用の求人が多い点が挙げられます。人件費を抑えるためにヘルプデスクを非正規雇用で雇う場合が多く、年収の設定があまり高くないケースもあります。
ヘルプデスクとして働く場合は非正規ではなく、正規社員の求人を探すようにしましょう。転職エージェントを活用すれば様々なサポートを受けることができるため、求人探しも楽になります。
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AIの発達でニーズが減るのでは
技術進化によって、昨今機械学習によるシステムが構築されています。またブラウザなどでトラブルの対処法のヒントを得ることもできるため、大半の企業はエスカレーションされた情報をそこへ集約しています。
ユーザからの問い合わせはAIを活用して対応する企業も増え、情報を取り入れるとキーワード検索などで事例を探すことができます。ユーザ自身で対応することができるようになり、独自に問題解決へ進める環境が生まれていきます。
こうなると事前に問い合わせを行うヘルプデスクの価値が薄れていき、ニーズがなくなってしまうと不安を感じてしまうこともあることでしょう。
こういったことを防ぐためにもスキルアップを図り、次のキャリアプランを考えておく必要があります。
ヘルプデスクに向いている人の特徴
ヘルプデスクを続けていくと将来性がないと考えられていますが、実は多くの企業から求人が出されています。コミュニケーション能力の高さや積極的に学び、技術的な知識を身につけるタイプは、ヘルプデスクの仕事が向いていると考えられています。
初対面でも明るく話すことができる
コミュニケーション能力が問われることが多いヘルプデスクでは、初対面でもしっかりと明るく話すことができる人が求められています。ユーザからの印象も良いので、重宝されます。仕事をこなす際にコミュニケーション能力を最低限持っていれば対応もスピーディーに行えます。
IT知識が乏しければユーザからの情報が得られなかったり、全く伝わらなかったりすることもありますが、問い合わせで動じずに丁寧に話せれば、ストレスを与えずに対応ができます。
頼れるタイプだと認識されると、顧客からの印象も変わり問題解決に導けるので、ヘルプデスクに向いていると言っていいでしょう。
操作などの知識を学び活かせる
社内では利用しているシステムなどの対応、社外では自社製品などを扱っていきますが、基本操作などの問い合わせやトラブル対応を任されることもあります。問い合わせ時にユーザの理解度や知識量に合わせて、対応を柔軟に変化させることが求められます。
ヘルプデスクの仕事をする上で、技術的な知識を身につけていくこともできます。相手のレベルに合わせることができれば、業務を滞りなく行えるでしょう。
所作がしっかりとできている
仕事をする際に、自分が企業の顔だと意識して対応できる人は向いています。ヘルプデスクは時にユーザからクレームなどを受けることもありますが、当然相手に対して失礼がないように配慮しなければなりません。
ユーザが感情的になっても冷静かつ丁寧に対応する能力の他、マナーや言葉遣いなどの所作がしっかりとしている人が向いています。
ヘルプデスクをITエンジニアの登竜門として、エンジニアのファーストキャリアに選ぶ方も多く、未経験でも入社できる可能性が高い職種です。
しかし、社会人経験が足りない場合、普段からキャッチアップに励んだり、ITパスポート資格を取得したり、ITに対する関心の高さや、入社後に活躍できる人材だとアピールすることが欠かせません。
ヘルプデスクの仕事に興味がある、今後IT業界で活躍していきたい、と考えている方は、まずはマイナビITAGENTに無料登録いただいて、キャリアアドバイザーにキャリアや転職に関する相談をしてみてはいかがでしょうか。
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ヘルプデスクのキャリアパス
様々な経験をヘルプデスクの業務で積み、将来性に不安を感じる時にはキャリアチェンジという選択肢もあります。ヘルプデスクからエンジニアになることによって、技術面でもレベルアップすることができます。そこで培ったコミュニケーション能力を活用できれば、IT業界で様々な仕事を行うことも可能です。
社内SE
自社内で対応する社内SEにキャリアチェンジを行う時は、他のエンジニアとコミュニケーションを取りつつシステムの改善などを行うことができます。社員の中にはパソコンの知識が乏しい人も多く、そのレベルに合わせて説明を行うことができます。
インフラエンジニア
ヘルプデスクではネットワーク関連で悩む人の対応を行うケースが多いため、ルーターなどの知識を身に着けておくことで、ネットワーク関連のエンジニアにキャリアチェンジする際にも役立つでしょう。
専門知識はサーバ関連を構築する際にも問われますが、設計などでコミュニケーションを取りながら他のエンジニアと連携して業務に取り掛かることができます。
プログラマー
ヘルプデスクではエスカレーションなどを行ってエンジニアに改善をお願いし、その内容をユーザへ伝えることが多いです。その中でプログラミングを学ぶと、より専門知識を身に着けていくことができます。
システム開発に必要な言語を学んでプログラマーに転身すれば、バグなどの問題解決を行う上でヘルプデスクでの経験を活かすことができます。
様々な新規プロジェクトに関わることもありますが、課題整理などを集約することもあります。レクチャーなどを行う時にもコミュニケーションを取り、円滑に進めることができます。
ヘルプデスクは意識次第で様々なキャリアが開ける
マニュアルによって専門知識がなくても社内外でヘルプデスクとして業務を行えますが、雇用形態やAIの発達によって将来が不安な人も多いです。
しかし、ヘルプデスクでは相手の能力や状況に応じてしっかりとコミュニケーションを取れるスキルを学べます。そこからキャリアチェンジを行い、活躍できる人材として成長することもできます。キャリアチェンジではライフスタイルなども考えつつ、自分に合う職種を見つけなければなりません。
これからどのようなキャリアプランを描けばいいのか、またどのような企業に転職すればいいのか、それらを見極めるのはとても難しいでしょう。
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