ゲームエンジニアとは?
ゲームエンジニアは、今や全世界の若者にとってあこがれの職業といっても過言ではありません。実際、日本のゲーム業界にあこがれ、ゲームエンジニアを目指して海外から日本にやって来る若者も多くいます。
ゲーム制作の要ともいえるゲームエンジニアですが、一体どのような職業なのか・どのような仕事をしているのか・どうしたらなれるのかなどを見ていきましょう。
企画サイドとシステムサイドの重要な架け橋
ゲームエンジニアは、企画サイドとシステムサイドとの架け橋、調整役としてシステムの基本設計を行います。システムメンバーにプログラミングの指示を出し、システムサイドからの要求を企画サイドにフィードバックをするという、いわばプロダクトマネージャーのような役割を担っています。
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ゲームエンジニアの関わり方
ゲーム開発では、ゲームエンジニアを含むITエンジニアだけではなく、さまざまなクリエイターや他業種の方が関わります。ここでは、ゲーム開発においてゲームエンジニアはどう関わるのか、ゲームの種類や完成するまでの行程などをみて確認しましょう。
ゲームにはどんな種類がある?
ゲームのカテゴリーは多岐にわたります。まず前提として、ゲームを提供する媒体(プラットフォーム)で、スマートフォン用・PC用・ゲーム機専用・アーケード専用、といった具合に分けられます。その上で、以下のようなさまざまな分類ができます。
①オフラインかオンライン ②2次元か3次元、またはVRかAR ③キャラクター系かその他系 ④バトル系か癒し系 ⑤遊戯系か学習系 ⑥単独系かネットワーク系 ⑦プレイのみか課金制
ゲームはチームで作るプロジェクトクリエーション
ゲームを製作する場合、大きく分けるとメーカー単独系、製作委員会的なプロジェクトチーム系の2つがあります。
いずれにせよ、プロデューサー・プロダクトマネージャー・クリエイティブゲームディレクター・マーケティングプランナー・ゲームプランナー・シナリオライター・キャラクターデザイナー・作曲家・サウンドエンジニア・音響効果エンジニア(SE)・タイムキーパー・システムエンジニア・キャラクターエンジニア・プログラマー・アカウントマネージャー・テクニカルサポート・ゲームテスター・弁護士・セールスマネージャー・広告代理店・銀行、以上のメンバーが集まって製作します。
もちろん、これらすべてのメンバーが必要かどうかはそのプロジェクトの内容によります。一般的にゲームエンジニアはこの中ではシステムエンジニアにあたります。
1プロデューサー プロジェクトを起案し、企画・プロダクトプラン・チーム編成・販売戦略までをトータルに管理する責任を負います。
2プロダクトマネージャー プロデューサーとともにプロジェクト全体を管理し、プロジェクト全が円滑に進むように管理、指導します。
3クリエイティブゲームディレクター ゲームの構成・システム・デザイン・音楽など、全体にわたって制作と品質に責任を負う立場です。
4マーケティングプランナー プロデューサーやクリエイティブゲームディレクターと一体となってマーケットの状況をリサーチし、商品企画、販売戦略などを立てます。
5ゲームプランナー ゲームそのものの企画を立てるために、プロデューサー・プロダクトマネージャー・マーケティングプランナー・セールスマネージャー・クリエイティブゲームディレクター・シナリオライター・キャラクターデザイナー・作曲家・効果音エンジニア(SE)・サウンドエンジニアなどと、綿密な打ち合わせを行います。
6サウンドエンジニア ゲームプランナー・クリエイティブゲームディレクター・作曲家・効果音エンジニア・シナリオライターなどと連携しながら、ゲーム内のサウンドすべてを設計、編集します。
7音響効果エンジニア(SE) ゲームの中で、要所要所必要なタイミングで入る効果音を作る人のことを言います。わずか2〜3秒のサウンドがそのゲームすべてを表現することさえある重要な役割です。
8キャラクターエンジニア キャラクターデザイナーが制作したキャラクターを専門にプログラミングするエンジニアです。髪の毛・皮膚・瞳・動き方など、独特な個性を出すことによってそのゲームの特徴を際立たせます。
9アカウントマネージャー 予算と実際の軽費、販売目標と実際の売上などを管理し、そのプロジェクトの収支を判断します。
10テクニカルサポート システム開発やゲームのエンジン開発時における諸問題、またエンジニアやプログラマーが直面する諸問題の解決やサポートを行います。
11ゲームテスター ゲーム全体のシステムにおけるデバッグを行う重要な役割を担います。
12弁護士 主に著作権管理の担当です。ネーミング(商標権)・ロゴデザイン・キャラクターデザイン(意匠登録)など、発表前に特許庁に登録しておかないと係争のもとになる可能性があります。
ゲームはどうやって作られる?
一般的にゲームを作る場合には、まずプロデューサーやゲームプランナー、そしてマーケティングプランナーが、企画およびシナリオサムネイルを起こし、マーケティングリサーチを行って、製作予算を立てます。
ここが1番重要なところで、企画の狙い・コンセプト・ストーリー・キャラクターなどが時代に合っているか、ヒットする可能性があるかなど、慎重に判断します。企画が通れば、本格的に企画メンバーとシステムメンバー及びプロダクトマネージャー、マーケティング担当などが集まり、本格的な製作プランを立てていきます。
この時点で、場合によっては広告代理店とも連携し、発表前にゲームキャラクターを広告キャラクターとしてさまざまなスポンサー企業に売り込みます。
例えば、自動車メーカー・家電メーカー・食品メーカー・通信会社・運輸会社などです。これを、ゲームを発売するタイミングに合わせて広告出稿します。この手法をタイアップ広告といい、双方がコスト的にリーズナブルにプロモーションできるということでよく使われます。
ゲーム製作においてゲームエンジニアは企画サイドの要望を的確にとらえ、基本設計を行うとともに、要望通りプログラミングが出来るかどうかを判断し、企画サイドにフィードバックします。つまり、プランナーは企画サイドの中心、ゲームエンジニアはシステムサイドの中心です。
ゲームエンジニアになるには?
ゲームエンジニアになるために必須な条件はありませんが、求められる就職や転職をする上で求められる能力やスキルがあります。そこで、ここではゲームエンジニアに必要なスキルや向いている人、おすすめの資格について解説します。
ゲームエンジニアに必要なスキル
ゲームエンジニアに必要なスキルは、システムエンジニアやプログラマーのスキルに共通しています。具体的には以下のようなスキルです。
・プログラミングスキル スマホ向けゲームでは、Java・JavaScript・Ruby・Swift・C++・C#、ブラウザゲームやPCゲームでは、JavaScript・C++・C#・Ruby・Swiftなどのスキルが必要です。ゲームの種類によって使われる言語は異なりますが、C++やC#などの言語はどの種類でも共通して使用されます。
・ゲーム開発に必要な環境構築 ゲーム開発に必要な環境の構築、いわゆるゲームエンジンのスキルが必要です。企業によっては自社でゲームエンジンを持っている場合もありますが、Unityなどのゲームエンジンを利用して開発する場合も多いです。案件によってはゲームエンジンが指定されることもあります。
・数学・物理学の知識 ゲーム制作において、さまざまな数学・物理学の知識が必要とされます。確率計算・距離の計算などの他、AIを利用したゲーム開発であれば行列計算や線形代数なども必要です。
・英語力 プログラミングは英語が使用されるため、ある程度の英語力があった方が仕事がしやすくなります。また、新しい技術の発表などは海外から発信されることが多く、英文の記事などを読む際にも役立ちます。
ゲームエンジニアに向いている人
ゲーム製作は、前述のように相当大人数のプロジェクトチームで行われるのが一般的です。
システムサイドを担うゲームエンジニアは、チームワーク能力やコミュニケーション能力などに加え、企画サイドの狙い・考え・指示などを理解し、プログラマーたちに正確に伝える能力が要求されます。
以上のことを考慮すると、ゲームエンジニアに向いている人は、大人数のプロジェクトチームで製作するので、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力がある他、ゲームが好き・探究心がある・論理的思考ができるなどの特徴も挙げられます。また、他のエンジニアにはないセンスや能力も求められます。
ゲームが好きでこれらの特徴に当てはまり、ITに興味がある場合は、ゲームエンジニアを目指してみましょう。
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ゲームエンジニアにおすすめの資格
ゲームエンジニアもシステムエンジニア(SE)の1種なので必須の資格はありませんが、取得しておいた方が良い資格は共通しています。
ITエンジニアとしての基礎的な知識・技術を証明する「基本情報技術者試験」、さらに上位資格である「応用情報技術者試験」を取得すると一目置かれる存在になれるかもしれません。
また、システムアーキテクトという、システム開発の上流工程において豊富な業務経験・知識に基づいて情報システムを設計し、システム開発を担当する上級エンジニアの能力を証明する「システムアーキテクト試験」など情報処理関係の資格があれば、レベルの高いゲームエンジニアになるのも夢ではありません。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:応用情報技術者試験(AP) 【参考】:システムアーキテクト試験
ゲームエンジニアの年収
ここでは、ゲームエンジニアの年収について解説します。ゲームエンジニアは職業的な振り分けとして、システムエンジニアやプログラマーに分類されます。今回は、年収例としてプログラマーの例を挙げます。
「マイナビエージェント 職種図鑑」でのプログラマーの平均年収は344万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ゲームエンジニアは一般平均年収と比較するとバラつきがあることが分かります。
プログラマーは、年齢・スキル・実績・資格の有無によって年収が大きく変化する職種です。経験や実績を積み、資格取得に励んでいけば、高所得プログラマーになることもできます。
ゲームエンジニアを含むITエンジニアは、転職を繰り返して高収入・高待遇の環境を得る傾向があります。転職を検討している場合は、まずは年齢・経験・スキルなど、現在の自分の市場価値をチェックしてみましょう。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
ゲームエンジニアに将来性はある?
ゲームエンジニアに転職する前に、今後ゲームエンジニアには将来性があるのかは気になる点ですよね。ゲームエンジニアに将来性があるかどうかの鍵は、ゲーム産業自体がこれからどう変化していくかによっても大きく変わってくることでしょう。
ゲームは今後さらに大きなマーケットに成長する
ゲーム産業は今、国境を越えて世界共通の娯楽と言えるほど広まり、巨大なマーケットに成長しています。登場キャラクターのリアルフィギュア化やタイアップ、また映画化なども行われ、さらにマーケットも全世界に拡大しています。
その分プロジェクト自体も大きくなり、それに比例してゲームエンジニアの役割も大きくなっていきます。今後も需要が増えることが予想されるため、将来性も十分にある職種と言えるでしょう。
今後ますます需要が高まるゲームエンジニア!
いまやゲームは単にゲームとしての機能を持った商品としてのみならず、2次元からVR・ARまで、多種多様な広がりをみせています。日本のゲームはストーリー性やキャラクター性、そしてゲームクオリティなど、世界が認める人気を誇っており、さらに需要が高まると言えます。
ゲームエンジニアはその中でも、企画サイドとシステムサイドの架け橋となるポジションとして重要な役割を担っています。今後、当たり前のように日本から世界に羽ばたくゲームエンジニアが誕生することも夢ではありません。
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