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Pythonのclassの使いどころはどこ?
Pythonと言えば、AIを始めとした様々な分野で活躍しており、新たに学習をし始めている方も多い人気の言語です。
そんなPythonを学んでおり、ある程度のコードを書けるようになった方の中には、classをどのように使えばよいか分からない方も多いと思います。実際、Pythonはclassを活用しなくとも目的のプログラムを設計できてしまうためです。
本記事では、Pythonのclassの使い方を紹介していくとともに、その使いどころについても解説をしていきます。
大規模なコードでそのメリットを発揮
まず結論から言うと、Pythonのclassはコードの可読性や再利用のしやすさを大きく向上させるため、大規模な設計、多人数による開発、再利用前提の開発にてそのメリットを発揮できます。
オブジェクト指向型の言語を学んだ方なら分かると思いますが、classを作ることで機能自体をオブジェクトとして扱うことが可能です。そうすれば複雑なプログラムでも、コードを見れば各々の箇所がどのような役割を持っているかを容易に把握できるようになります。
このようなclassのメリットや使いどころを紹介していく前に、まずはクラス自体の説明をしていきます。本記事を読み、Pythonのclassについての理解を深めたら、その技術を活かすべく、新たな企業を探していくことも考えてみましょう。
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クラスとは
プログラミング経験者であっても、オブジェクト指向型の言語の経験がなければクラスが何かを理解していない方も多いでしょう。まずはクラスの一般的な意味を説明していきます。
クラスの意味
オブジェクト指向はプログラムの機能を「オブジェクト」という名のモノとして扱い、プログラム全体はオブジェクトを組み合わせたものとみなす考え方です。ここでのオブジェクトの元となる設計図がクラスと呼ばれています。
設計者はこのクラスを設計し、コード上でオブジェクトとして実体化することで、プログラムに機能を持たせることができます。
クラスを使いこなす意義
このクラスを使いこなす意義は、一般的にどのようなところにあるのでしょうか。
まず、C++やJavaなどのオブジェクト指向型言語では、このクラスを活用したコードになっているのがほとんどであるため、クラスを使いこなせていなければ業務を進めることが困難です。
一方、Python ではインタープリタ型言語であることもあり、クラスを活用したケースはあまり多くはないかもしれませんが、覚えておくことで後述するように多人数開発でメリットを享受することができます。
Pythonエンジニアの年収
Pythonを使いこなすエンジニアはどの程度の年収を得られるのでしょうか。Pythonを扱うエンジニアとして、プログラマーを例にとります。
プログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは一般平均年収よりも、やや低めであることが分かります。
プログラマーの年収自体は高くないと感じる方も多いかもしれませんが、システムエンジニアなどの上級職へキャリアアップを目指すことができ、さらなる年収アップも期待できます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Pythonのclassの使い方
まずはクラスが一般的にどのようなものかを説明しました。ここからは本題となるPythonのclassについて説明し、その使い方を紹介していきます。
classの定義方法
Pythonにおけるclassの使い方は、基本的には他の言語と変わりはありません。classという識別子を付けて、以下のように定義することができます。
class sample:
これだけでは設計図としての役割はありませんので、ここにクラス変数とメソッドを追加する必要があります。クラス変数はクラス自体が保持する変数のことで、メソッドはクラスが固有に持つ関数を意味しています。今回はサンプルコードとして以下でclassを定義します。
class sample:
var_a = 0
var_b = 0
def test(self, a, b):
return(a + b)
メソッドでは引数に必ず自分自身を表すselfを追記しましょう。最後にコンストラクタを以下のように定義します。
class sample:
def __init__(self,ini):
self.var_a = ini
self.var_a = ini
var_a = 0
var_b = 0
def test(self, a, b):
return(a + b)
コンストラクタはclassを実体化した際に呼ばれる処理のことであり、主にクラス変数を初期化したり、最初だけ行いたい処理を行うのに利用します。
ここで注目したいのは、コンストラクタの引数です。1つ目のselfは決まり事のようなものなので、自分自身を初期化するというニュアンスが含まれています。2つ目以降では実体化の際に指定可能な一般的な引数を定義でき、実体化したオブジェクトごとにユニークな特性を持たせることができます。
classの使い方
classを定義したらどのように使えばよいのでしょうか。classを実体化して使用するには、次のように変数に引数を指定してclassを呼び出します。
new_class = sample(4)
この処理によって定義したコンストラクタが実行され、指定した変数に実体化したオブジェクトが格納されます。
ここで、定義したクラス変数にアクセスするには下記のようにドットを使います。
new_class.var_a
new_class.var_b
また、登録したメソッドを呼び出す時も同様にドットを使います。
new_class.test(2,3)
以上が基本的なclassの使い方です。
別ファイルのclassを使うためには?
よくあるのが、「別ファイルで定義したclassをどのように使えばよいか」といった疑問があります。
この場合はimportを使用すればすぐに解決できます。
import [classを定義したファイル名]
1ファイルにつき1classとしておけば、非常に整理されたソースコードとなり、第3者から見てもわかりやすいものとなるでしょう。
def関数との違いは?
どのみち関数と同じ役割のメソッドを登録するのであれば、def関数を使えばよいし、その使い道や違いが分からないと感じている方もいらっしゃるでしょう。しかし、def関数で多数の関数を定義していくと、だんだんと可読性が悪くなり、どの関数を使えばよいか客観的に分かりづらくなっていきます。
そこで、classを使用すれば、似た機能や同じ属性の関数をクラス化してひとまとめにできるため、非常に分かりやすいソースコードにできるでしょう。
Pythonのclassの使いどころ
ここまででPythonのclassをどのように使用するかが分かりました。次にPythonにおいて、どのような場面でclassを使用すべきか、その使いどころを説明します。
複数人による開発を行う時
クラスは元々オブジェクト指向の考え方をもとにして作られました。前述の通り、プログラムの機能をオブジェクトとして扱うことで、プログラムを機能の組み合わせとして定義することができます。
このメリットは、設計者以外がプログラムの元となるソースコードにどのような機能があり、どのように利用すればよいかが分かりやすくなる、という点があります。
したがって、複数人でプログラムの開発を行う際に連携が取りやすくなり、開発効率を向上させることができるでしょう。このメリットはPythonでも同様であり、Pythonを使ったチームプロジェクトではclassを使いこなすことでより開発がスムーズになるでしょう。
Pythonのclassについて学び、共同開発に興味を持ったならば、そういったことをしている企業を探してみるのもよいでしょう。
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大規模な開発を行う時
多人数によるチームプロジェクトでメリットがあることは理解できたでしょう。ただ、個人開発でも開発規模が大きくなるにつれ、ソースコードの全容を把握し辛くなっていきます。特に複数のファイルからなるプログラムを設計する場合には、依存関係を後から把握するだけでも一苦労です。
こうした問題を先読みし、クラスベースのプログラムを設計することは非常にメリットがあります。個人開発でclassは有効に使えることは覚えておきましょう。
自身のコードを他人に使ってもらう時
前述の通りclassは多人数での開発においてその効果を発揮すると説明しました。それに加えて、Pythonユニークの開発においても同様の効果を発揮します。
それは他人に自身が設計したコードを使ってもらうライブラリの開発です。世の中にあるPythonのライブラリの多くがオープンソースであり、個人開発によるものも多く存在しています。こうしたライブラリ開発においてはたいていの場合、使う側が使いやすいようにクラス化がなされています。
Pythonでのライブラリ開発を考えているのであれば、classを使わない手はないでしょう。
Pythonのclassを学び多人数開発にチャレンジしよう
本記事ではPythonのclassについて、オブジェクト指向型言語の経験がなくとも、使い方や使いどころが理解できたのではないでしょうか。
多人数開発でメリットを発揮するclassを使いこなせたら、そうした開発ができる企業への転職に興味が出てきたかもしれません。しかし、数ある企業の中から自分に合った転職先を探すことは非常に困難です。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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