macOSとは
macOSとは、Apple製PC(Mac)に搭載されているOS(オペレーティングシステム)を指します。Appleの主要事業がシフトしたことで名称が変わった経緯があります。ここでは、名称変更の変遷とともに、OSのバージョンや対応プロセッサなどを解説していきます。
Mac OS Xとは
Mac OS X(マックオーエステン)とは、2001年に登場したAppleのMac用OSです。それまでのMacは1984年に登場し、2001年まで「Macintosh OS」、あるいは「Classic Mac OS」と呼ばれていました。
Mac OS Xは、AppleがNeXT社を買収したことからNeXTSTEPをベースに再設計されています。カーネルは、Darwinと呼ばれるUnixライクなカーネルを採用しています。同じカーネルは、macOSのほかiOSやiPadOS、watchOSなどにも採用されています。
同カーネルを搭載するmacOSは、POSIX互換でSingle UNIX Specification(SUS)の認定を受けており、Unix系OSのアプリケーションを稼働させることができます。
macOSの名称変更の経緯
Mac用OSは、Mac OS Xが2001年に登場しましたが、2度の名称変更を行っています。2000年代後半になるとiPodやiPhone、iPadなどのモバイルデバイスが爆発的にヒットしたことから、マーケティング戦略としてMac OS Xを「OS X」に改称しました。
その後2016年にはiOSやiPadOSなど、他の主力製品用OSと呼称を統一する目的で「macOS」と改称しています。
ブランディング戦略とマーケティング戦略の視点での名称変更ですので、技術的なブレークスルーによるものではありません。ただし、バージョンアップは毎年6月に実施されているので、主力製品の1つであることには変わりありません。
macOSのダウンロードとインストール
macOSはMacにプリインストールされており、ショップでOSだけを購入することはできません。そのため、Macの製品に対応するOSバージョンのリリースによってOSアップデートを行うことができます。この仕組みはiPhoneやiPadと同じ考え方です。
メリットは無料でバージョンアップでき、ほかのアプリとの整合性が確保されていることです。サポートされるアプリは初心者でも簡単に使用できます。
【参考】:Apple サポート: macOS をダウンロードしてインストールする方法
macOSのバージョンと対応プロセッサ
macOSは、Mac OS XからOS X、そしてmacOSへと改称されています。それぞれ名称の後にバージョン番号が付記されています。Apple社は、バージョン一覧を公開しており、対応表を見ると使用中のMacがどのバージョンに対応しているか調べることもできます。
【参考】:Apple: Macに搭載されているmacOSを調べる
macOSのバージョンを確認するには
macOSは、画面左上のAppleメニューから確認することができます。Appleメニューの「このMacについて」をクリックするとMacの搭載チップやメモリに加えてmacOSバージョンがリリース名とともに表示されます。「詳細情報」をクリックするとより詳細な情報が表示されます。
Mac OS Xのバージョンと対応プロセッサ
Mac OS Xは、10.0〜10.7までのOSバージョンを指します。それぞれリリース名も用意されています。Mac OS X各OSバージョンに対応するリリース名とリリース年を一覧にしました。
▪10.0=Cheetah、2001年、最新バージョン=10.0.4 ▪10.1=Puma、2001年、最新バージョン=10.1.5 ▪10.2=Jaguar、2002年、最新バージョン=10.2.8 ▪10.3=Panther、2003年、最新バージョン=10.3.9 ▪10.4=Tiger、2004年、最新バージョン=10.4.11 ▪10.5=Leopard、2006年、最新バージョン=10.5.8 ▪10.6=Snow Leopard、2008年、最新バージョン=10.6.8 ▪10.7=Lion、2010年、最新バージョン=10.7.5
最後のMac OS Xは「Lionの10.7」で、マーケティング戦略上は「OS X」とも記載されています。10.5以降は、2年ごとに新バージョンがリリースされています。
対応プロセッサを見ると、10.1までは32ビット版PowerPCで動作していましたが、10.2以降は64ビット版に対応しています。Intelプロセッサは10.4以降でサポートが開始されました。
上記バージョン一覧表で記した最新バージョンは、定期的に更新されています。記載の情報は、「公開日:2024年10月17日」の情報に基づきます。
【参考】:Apple: Macに搭載されているmacOSを調べる
OS Xのバージョンと対応プロセッサ
OS Xは、10.8〜10.11までのOSバージョンを指します。10.7のMac OS X Lionは「OS X Lion」と呼ばれ、10.8から正式に採用されました。
OS Xの各OSバージョン、対応するリリース名とリリース年は以下の通りです。最新バージョンは、「公開日:2024年10月17日」の情報に基づきます。
▪10.8=Mountain Lion、2012年、最新バージョン=10.8.5 ▪10.9=Mavericks、2013年、最新バージョン=10.9.5 ▪10.10=Yosemite、2014年、最新バージョン=10.10.5 ▪10.11=El Capitanです。2015年、最新バージョン=10.11.6
10.9以降は毎年6月に新バージョンがリリースされています。macOSに改称してからもリリースの周期は一定間隔で実施されています。
OS Xでは32ビット版はサポートされず、64ビット版Intelプロセッサのみがサポートされます。
macOSのバージョンと対応プロセッサ
macOSは、10.12以降のOSバージョンを指します。macOSのDarwinカーネルはiOSやwatchOSにも採用されており、名称の統一性を高めるために「macOS」に改称されました。
macOSの各OSバージョン、対応するリリース名とリリース年は以下の通りです。最新バージョンは、「公開日:2024年10月17日」の情報に基づきます。
▪10.12=Sierra、2016年、最新バージョン=10.12.6 ▪10.13=High Sierra、2017年、最新バージョン=10.13.6 ▪10.14=Mojave、2018年、最新バージョン=10.14.6 ▪10.15=Catalina、2019年、最新バージョン=10.15.7
10.15以降はメジャーバージョンが改訂されており、11〜15へと続いています。直近のリリース名とリリース年は次の通りです。
▪11=Big Sur、2020年、最新バージョン=11.7.10 ▪12=Monterey、2021年、最新バージョン=12.7.6 ▪13=Ventura、2022年、最新バージョン=13.7 ▪14=Sonoma、2023年、最新バージョン=14.7 ▪15=Sequoia、2024年、最新バージョン=15.0.1
macOS 11からは、ARMプロセッサにも対応しています。
最新バージョンについて補足すると、英語版の公開情報はすでに2024年11月19日版が公開されています。公開情報によるとmacOS 13は13.7.1に、macOS 14は14.7.1に、そしてmacOS 15は15.1.1にマイナーバージョンアップが行われています。詳細は、以下の英文リンクを確認しましょう。
【参考】:Apple Support: Find out which macOS your Mac is using
macOS 15へアップグレードするには
macOS 15は、「macOS Sequoia」と呼ばれる最新版です。MacBook Proの2018年版以降、MacBook Airの2020年版以降に対応します。このほか、iMac、Mac mini、Mac Studio、Mac Proなどにも対応します。バージョンアップの対象機種を確認し、バックアップを取得します。
アップグレードするには、Appleメニュー から「システム設定」を選択し、「一般」の「ソフトウェアアップデート」をクリックします。
【参考】:Apple サポート: macOS Sequoiaに対応しているコンピュータ 【参考】:Apple サポート: macOS Sequoiaにアップグレードする方法
古い機種の場合は、最新OSにアップデートできないので注意が必要です。それぞれの機種が対応するOSバージョンは、以下のリンクを確認しましょう。
・macOS 14へアップグレードするには 【参考】:Apple サポート: macOS Sonoma に対応しているコンピュータ
・macOS 13へアップグレードするには 【参考】:Apple サポート: macOS Ventura に対応しているコンピュータ
・macOS 12へアップグレードするには 【参考】:Apple サポート: macOS Monterey と互換性のあるコンピュータ
・macOS 11へアップグレードするには 【参考】:Apple サポート: macOS Big Sur と互換性のあるコンピュータ
・macOS 10.15へアップグレードするには 【参考】:Apple サポート: macOS Catalina と互換性のあるコンピュータ
Mac OS XからmacOSへの変遷がわかったら最新版の特徴を学ぼう
最新のmacOSではApple Intelligenceが搭載されており、日本語への対応が期待されます。iPhoneとの連携性も強化されており、作業効率が高まります。
このようにブランド戦略やマーケティング戦略から改称されたmacOSは、より独自の強みを強化しています。Mac OS XからmacOSへの変遷がわかったら、最新版の特徴を学びましょう。
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