CCNP ENARSIとは
CCNP ENARSI(Implementing Cisco Enterprise Advanced Routing and Services)は、シスコ技術者認定試験の内、CCNP Enterpriseという資格の1部を構成する試験の1つです。CCNP Enterpriseは、シスコ社が提供するネットワーク関連の知識を証明する資格で、プロフェッショナルレベルの能力を認定します。
CCNP ENARSIでは、高度なルーティング技術やVPN、インフラストラクチャセキュリティ、インフラストラクチャサービスなどに関する知識とスキルが問われます。CCNP ENARSIはCCNP Enterprise試験のコンセントレーション試験と呼ばれる6つの選択試験の1つで、選択試験の中では最も多く選択される試験です。
この記事では、CCNP ENARSI試験について解説していきます。CCNP Enterprise試験の合格を目指している方はぜひ参考にしてください。
【参考】:CCNP Enterprise 認定とトレーニングプログラム | Cisco
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CCNP ENARSIの概要
ここでは、CCNP ENARSIの試験概要について解説します。シスコ技術者認定資格におけるCCNP ENARSIの位置づけや試験情報、CCNP ENARSIを活用できる職種の年収などについて見ていきます。
そもそもシスコ技術者認定とは
シスコ技術者認定は、世界的なネットワーク関連機器ベンダーのシスコ社が主催する、ネットワーク技術を認定する資格試験です。資格はエントリレベルからエキスパートレベルまで用意され、自分のキャリアに適した認定を取得できます。
その中でも、CCNPはネットワーク技術者の間で、ネットワークスペシャリストやLinuCなどと並ぶ人気の資格で、資格取得により大規模ネットワークの構築や導入、運用・保守などの多面的なネットワークスキルの証明になります。
従って、ネットワーク技術者として第一線で活躍する上で、CCNP資格の取得は欠かせない条件と言えます。
▪エントリー(CCT) ▪アソシエイト(CCNA、DevNet Associate、CyberOps Associate) ▪プロフェッショナル(CCNP、DevNet Professional、CyberOps Professional) ▪エキスパート(CCDE、CCIE)
【参考】:シスコ認定のレベル 【参考】:ネットワークスペシャリスト試験 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:IT資格といえば LinuC | Linux技術者認定試験LinuC | LPI-Japan
CCNP ENARSIの試験情報
CCNP ENARSIは試験実施の委託先であるピアソンVUEの全国にあるテストセンターで受験できます。受験日は空き状況と自分のスケジュールに合わせて決めることができ、試験申し込みはWebもしくはコールセンターで行えます。ID未取得の方は先にIDを取得します。
IDは受験申し込みや試験日、試験場所の確認、試験結果の確認などに必要です。以下CCNP試験の実施概要について一覧でまとめました。受験料はコア試験、コンセントレーション(集中)試験それぞれに掛かります。
▪試験方式:コンピュータテスト(CBT方式) ▪実施日程:通年(テストセンターによっては受験できない日がある) ▪試験会場:テストセンターもしくは自宅など選択可能 ▪試験申込:シスコの試験委託先であるピアソンVUE ▪受験資格:特になし(但し13歳以上で、17歳までは保護者の同意が必要) ▪受験料 :コア試験(必須)、集中試験(選択) ・CCNP コア試験 $400(税別) ・CCNP 集中試験 $300(税別) ▪支払方法:クレジット、銀行振込、コンビニ支払い ▪試験時間:コア試験120分と集中試験(選択)90分の合計210分 ▪出題数 :非公表 ▪出題形式:選択問題(単一選択、複数選択)、入力問題、ドラッグアンドドロップ問題、シナリオ問題、シミュレーション問題 ▪試験結果:当日にその場でコンピュータに表示、会場受験ではスコアレポートがもらえる
【参考】:CCNP Enterprise 認定とトレーニングプログラム|Cisco 【参考】:Cisco 認定試験のチュートリアル ビデオ 【参考】:シスコ技術者認定 |ピアソンVUE 【参考】:Cisco オンライン監督試験|ピアソンVUE
CCNP Enterprise集中試験( ENARSI 300-410)の出題範囲
6科目から選択受験となるCCNPのコンセントレーション試験の内、最も受験者が多いENARSI(300-410)は、次の4分野から出題されます。パーセンテージは出題比率です。
▪レイヤ3テクノロジー:35% ▪VPNテクノロジー:20% ▪インフラストラクチャセキュリティ:20% ▪インフラストラクチャサービス:25%
【参考】:300-410 ENARSI|Cisco
CCNP ENARSI試験合格者の年収
CCNP ENARSI試験とコア試験・ラボ試験に合格すると認定されるCCNP資格を活用できる代表的な職種としては、ネットワークエンジニアが挙げられます。
ネットワークエンジニアの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は380万円(※2023年11月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ネットワークエンジニアの年収は一般平均年収と比べてやや低めから高めまで幅広いことが分かります。
ネットワークエンジニアは、スキルや職種によって大きく幅があります。
ネットワークの運用・管理などを担当するインフラ系のエンジニアは平均年齢が低く、年収もやや低めですが、設計や構築を担当する上流工程のエンジニアは高年収が期待できます。CCNP資格取得者は資格手当が支給される企業も増えており、また上流工程を担当するケースが増えることから年収アップが見込めます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
CCNP ENARSIの難易度
シスコ技術者認定のプロフェッショナルレベルに位置づけられるCCNP ENARSIの難易度は、どの程度なのでしょうか。ここではCCNP ENARSIの難易度とあわせて、合格に必要な勉強時間についても解説します。
CCNP ENARSIの難易度は高い
シスコ技術者認定試験の合格率など難易度に関する情報は公表されていませんので、CCNP ENARSIの難易度は不明です。しかし、CCNP ENARSI受験者のエンジニア合格体験記などを参考にすると、難易度の高さが推察できます。
難易度が高い原因としては、ネットワークに関する広範囲の専門知識が問われることが考えられます。CCNP ENARSIの出題範囲は広く、EIGRP、OSPF、BGP、VRF、PBR、MPLS、DMVPN、ACL、CoPP、IPv6ファーストホップセキュリティ、SNMP、DHCP、SLA、NetFlow、DNACなど、多岐にわたります。
またCCNP ENARSIの出題内容は、Ciscoのドキュメントやサポートページから出題されることが多いのですが、翻訳文のため読みにくさがあります。また、参考書や問題集だけでは十分とは言えず、時にはシスコのドキュメントや海外のサイトなども参考にする必要があります。
このように専門性が高く出題範囲も広いため、ネットワークエンジニアでさえも普段関わる機会が少ないカテゴリからの出題もありますので、学習計画を立て、準備期間をしっかり設けて対策を行うことをおすすめします。
【参考】:CCNP ENARSI(300-410) 合格体験記 - ENARSI教材について | Ping-t 【参考】:300-410 ENARSI|Cisco
ENARSI 合格に必要な勉強時間
CCNP ENARSIに合格するためには、どの程度の勉強時間が必要なのでしょうか。CCNPの勉強時間を知る上で、CCNPの合格体験記が豊富に掲載されている、オンライン学習サイト「Ping-T」の掲示板が参考になります。
合格者の多くがCCNPの勉強時間に割いている時間は250時間から300時間程度です。出題時間で案分すると、ENARSI合格に必要な勉強時間は100時間〜150時間程度と思われます。
【参考】:CCNP合格体験記 | Ping-t
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CCNP ENARSI合格を目指す勉強方法とは
ここでは、CCNP ENARSI試験合格に向けた勉強方法について紹介します。現役エンジニアの方は、スクールなどに通うまとまった時間の確保が難しいと思われますので、独学を前提にします。
教材はシスコ社が認定取得学習に用意した様々な学習プログラムを利用する方法と、市販の参考書や問題集で学習する方法があります。
シスコ公式トレーニングで学習する
シスコはシスコ技術者認定試験に向けた学習プログラムを用意しています。受講費用はやや高額ですが、シスコ社提供という点では安心感があるかもしれません。
紹介するコースは、(ENCOR) v1.0 コースの実装と運用でカバーされているトピックを拡張しており、高度なルーティングとインフラストラクチャ テクノロジーについて解説します。
【参考】:Cisco Enterprise Advanced Routing and Services(ENARSI)v1.0 の実装 | Cisco
市販の参考書や問題集で学ぶ
シスコ技術者認定試験は、人気が高いことや受験希望者が多いことから、定評のある市販の参考書や問題集があります。あまり費用を掛けずに、スキマ時間を利用して学習したい方に以下の参考書や問題集をおすすめします。
■ シスコ技術者認定教科書 CCNP Enterprise 完全合格テキスト&問題集 [対応試験]コンセントレーション試験 ENARSI(300-410) 本書は、2020年2月に試験制度が変更された「CCNP Enterprise」試験(ENARSI:300-410)に対応したテキスト&問題集です。この書籍は、IT技術専門スクールの講師陣によって書き下ろされており、合格メソッドを効率的に学ぶことができます。
章末の「確認問題」やWebダウンロード特典の模擬試験を活用して、最新の本試験問題で自身の到達度を確認できます。独学で学習している方でも、無理なく合格を目指せる質と量の問題を提供しています。
▪著者:林口 裕志・川島 拓郎 ▪ページ数:864ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2021/08/30
【参考】:シスコ技術者認定教科書 CCNP Enterprise 完全合格テキスト&問題集 [対応試験]コンセントレーション試験 ENARSI(300-410)|翔泳社の本
CCNP ENARSIに合格してCNP Enterprise認定を取得しよう
ここまで、CCNP ENARSIの概要や難易度、勉強方法などについて紹介しました。CCNP ENARSIに合格し、コンセントレーション試験・ラボ試験を受験して、ぜひCCNP資格を取得しましょう。
無事にCCNP資格の認定を取得したら、ネットワークエンジニアのプロフェッショナルとして、キャリアアップやキャリアチェンジの可能性が広がります。憧れの企業や、新たな土俵で実力を試すことも夢ではありません。
とはいえ、初めての転職には不安やリスクがあります。自分のスキルを評価し、活躍の場を与えてくれる企業、好待遇や高年収が期待できる企業を見つけ出し、自分をアピールする必要があります。仕事の合間に独力で転職活動を行うのには限界があります。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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