PMPの参考書
PMP(project management professional)資格とは、プロジェクトマネジメントの知識とスキルを評価する国際的な資格です。PMP資格の取得には、受験資格として一定の実務経験と公式研修の受講実績が必要で、PMI本部が実施するPMP試験に合格しなければなりません。
PMP資格は、プロジェクトマネジメントスキルを認定するデファクト・スタンダードとして世界的に認知されており、キャリアアップや転職にも有利になることが期待できます。
この記事では、そんなPMP試験の試験対策に役立つ、おすすめの参考書を10選として紹介します。
【参考】:プロジェクト マネジメント プロフェッショナル (PMP)® 認定資格 | PMI 【参考】:PMP®試験について|PMI® 試験・資格について|一般社団法人 PMI日本支部
PMP試験の概要
ここでは、PMP試験の内容および概要について紹介していきます。出題範囲や出題傾向、試験の実施概要などは都度更新されていますので、最新の情報を公式サイトから確認するようにしましょう。
PMP試験の内容
PMP試験では、PMIが定めるプロジェクトマネジメントの標準である「PMBOK®ガイド第7版」を基にした知識やスキルだけでなく、出題の約半分は「予測型プロジェクトマネジメント・アプローチ」から出題されます。
残りの半分は「アジャイル型プロジェクトマネジメント・アプローチ」、または「ハイブリッド型プロジェクトマネジメント・アプローチ」です。つまり、これまで「ウォーターフォール型」の出題が中心だったものから、かなりアジャイル型にシフトした問題構成に変わります。
出題領域の割合は次の通りです。
I. PEOPLE(人):42% II. PROCESS(プロセス):50% III. BUSSINESS ENVIRONMENT(ビジネス環境): 8%
【参考】:PMP Examination Content Outline
PMP試験の実施概要
ここでは、PMP試験の実施概要を一覧でまとめてみました。試験はテストセンターでの会場受験と、自宅などから受けられるオンライン監督試験の2つの選択肢がありますので、いずれかを選んで受験します。
▪試験方式:CBT(コンピュータを用いた試験) ▪試験委託先1:ピアソンVUE(テストセンター受験を選択した場合) ▪試験委託先2:ATA社(オンライン監督試験を選択した場合) ▪試験会場:日本各地(10カ所)のピアソンVUEセンター試験会場 ▪自宅受験:月2回(オンライン監督試験はATA社が担当) ▪日本語受験:可能 ▪日程:センター試験の実施はほぼ毎日 ▪試験時間:4時間(休憩10分含む) ▪出題数:180問 ▪合格ライン:ダミー問題が5問あり、これを除いて60%以上の正答率 ▪試験結果:試験結果は5営業日以内にEメールにて通達(2023年10月現在) ▪受験料: ・PMIの会員価格は405ドル(再受験料は275ドル) ・PMI非会員の価格は555ドル(再受験料は375ドル)
【参考】:Project Management Professional(PMP)試験内容の概要 – 2021年1月 【参考】:ピアソンVUE公式サイト(PMI) 【参考】:PMP®監督付きオンライン試験|ATA 【参考】:PMI日本支部会員制度 | 一般社団法人 PMI日本支部
PMP おすすめの参考書10選
ここでは、PMP試験の勉強に役立つ教材、参考書、問題集、関連書籍などを10選として紹介していきます。PMP試験の受験者はもとより、プロジェクトマネジメントに関する知識をブラッシュアップしたい方もぜひ参考にしてください。
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
PMBOKガイド第7版は、プロジェクトマネジメントの標準となるガイドの最新版です。2021年8月に英語版が発刊され、2021年10月に日本語版が発刊されました。
PMBOKガイド第7版では、プロジェクトマネジメントの原理・原則とパフォーマンス・ドメインという2つの新しい概念を導入し、プロジェクトの価値や適応性に重点を置いています。
また、開発アプローチの多様化に対応して、テーラリングやモデル・方法・作成物という章を設けています。PMBOKガイド第7版は、目まぐるしく変化する現代の環境に適応するためのプロジェクトマネジメントのバイブルです。
▪著者:プロジェクトマネジメント協会(PMI) ▪ページ数:569ページ ▪出版社:PMI日本支部オンラインショップ ▪発売日:2023/1/6
【参考】:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準
PMP®試験合格虎の巻 新試験対応
2021年1月から変更されたPMP試験の出題範囲に対応した参考書です。PMBOKガイド第7版の内容を踏まえつつ、重要なポイントを分かりやすく解説しています。また、各知識分野ごとに演習問題と解説を用意し、理解度を確認できます。
さらに、本番と同じ形式の模擬試験も収録しており、実力を測ることができます。本書は、PMP試験の最新傾向を把握し、効率的に学習するための1冊です。
▪著者:庄司敏浩、落合和雄 ▪ページ数:461ページ ▪出版社:アイテック ▪発売日:2020/12/3
【参考】:PMP®試験合格虎の巻 新試験対応
図解入門 よくわかる 最新 PMBOK第7版の活用
プロジェクトマネジメントの標準であるPMBOKガイドの最新版(第7版)の内容を図や表で分かりやすく解説した入門書です。著者は、PMBOKガイドの翻訳・監訳チームリーダーであり、プロジェクトマネジメントの第一人者です。
本書では、PMBOKガイドがプロセスベースから原理・原則ベースに変わったことや、プロジェクトのライフサイクルやパフォーマンスドメインなどの新しい概念について詳しく説明しています。また、現場でPMBOKガイドを「どう使うのか」についても具体的な例やコツを紹介しています。
▪著者:鈴木安而 ▪ページ数:232ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2023/9/20
【参考】:図解入門 よくわかる 最新 PMBOK第7版の活用
PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応
プロジェクトマネジメントの標準であるPMBOKガイドの最新版(第7版)に対応したPMP試験の対策本です。PMBOKガイド日本語版監訳も務めた著者が、PMP試験の概要や申し込み手続き、学習プランなどを詳しく解説しています。
また、各知識分野ごとに演習問題と解説を用意し、理解度を確認できます。さらに、本番と同じ形式の模擬試験も収録しており、実力を測ることができます。本書は、1冊で合格を目指せる新しい定番書籍です。
▪著者:鈴木 安而、PMアソシエイツ株式会社 、株式会社NTTデータユニバーシティ ▪ページ数:528ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2023/3/20
【参考】:PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応
PMBOKガイド®第7版対応 アジャイル型プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントの実務において、高速でトライアンドエラーを繰り返しながら価値を生み出す「アジャイル型(適応型)開発」の手法を解説した本です。
プロジェクトマネジメントの全体像を俯瞰しながら、アジャイル型開発に主眼を置いた実務者のための実践ガイドとして、具体的な事例やコラムを交えて説明しています。2022年発行のPMP試験教本となる『PMBOK®ガイド第7版』にも対応した内容です。
▪著者:中谷 公巳 ▪ページ数:336ページ ▪出版社:日本能率協会マネジメントセンター ▪発売日:2022/4/27
【参考】:PMBOKガイド®第7版対応 アジャイル型プロジェクトマネジメント
いちばんやさしいアジャイル開発の教本
アジャイル開発の基本から実践的なプラクティスまで丁寧に解説した書籍です。アジャイル開発とは、短期間でリリースして改善するサイクルを繰り返すことでニーズを的確にとらえ、すばやくプロダクトを送り出すための開発手法です。
本書は、日本の現場でアジャイル開発を実践してきた第一人者が執筆しており、豊富な図解を用いてアジャイル開発のポイントがわかりやすく説明されています。
▪著者:市谷聡啓、新井剛、小田中育生 ▪ページ数:224ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2020/5/1
【参考】:いちばんやさしいアジャイル開発の教本
プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本
プロジェクトマネジメントに必要な知識とスキルを基本から学ぶことができる入門書です。プロジェクトを「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・コントロール」「完了」という5つの段階に分けて、各段階で行うべきことや注意すべきポイントを丁寧に説明しています。
また、交渉やタスクマネジメントなどの重要なテーマについても詳しく解説しており、プロジェクトマネジメントの基礎をしっかり身につけたい方におすすめです。
▪著者:橋本 将功 ▪ページ数:272ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/11/8
プロジェクトマネジメントの本物の実力がつく
プロジェクトを成功に導くために必要な組織力・コミュニケーション能力・リーダーシップ・キャリア構築力を高める方法を解説した本です。著者は、500件以上のプロジェクトをリードした経験から、実践的な知見やコツを紹介しています。
本書では、不安を乗り越える、プロジェクト的な働き方を実現する、チームと信頼関係を構築する、メンタルを維持する、仕事を社会に広げるという5つのテーマに沿って、具体的な考え方や行動を丁寧に説明しています。さらにプロジェクトマネジメントの実力をつけたい方におすすめの1冊です。
▪著者:橋本 将功 ▪ページ数:264ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2023/10/19
ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本
プロジェクトマネジメントに必要な知識と技術を84のテーマに分けて図解で解説した入門書です。プロジェクトの立ち上げから完了までの各段階で行うべきことや注意すべきポイントをわかりやすく説明しています。
また、リーダーシップや戦略的思考などの人間力にも触れています。本書には、ガントチャートなどの基本ツールが無料でダウンロードできるサービスも付いています。
▪著者:伊藤 大輔 ▪ページ数:192ページ ▪出版社:KADOKAWA ▪発売日:2021/8/16
【参考】:ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本
遅延ゼロのプロジェクト・マネジメント講座
本書は、ITプロジェクトの納期遅延を防ぐことをテーマにしたノウハウ本です。理論編と実践編に分かれており、理論編ではプロジェクトの個性やリスク、遅延のメカニズムなどを分析し、実践編ではプロジェクト計画や見積もり、コミュニケーションやモチベーションなどの技術を紹介しています。
▪著者:木村哲 ▪ページ数:208ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2021/01/22
【参考】:遅延ゼロのプロジェクト・マネジメント講座
オンライン学習もおすすめ
ここまで、PMP試験におすすめの参考書10選を紹介しましたが、書籍による勉強法があまり得意ではない方がいるかもしれません。そんな方にはオンライン学習教材の利用をおすすめします。
紹介するUdemy提供のコースは、約8時間のオンデマンドビデオからなり、スマホのアプリをダウンロードして、タブレットやスマホからも受講できます。2021年1月からの新試験内容・アジャイルにも対応しており、効率的にPMP試験対策を行うことができます。
【参考】:「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース (2021) アジャイル対応 | Udemy
PMP試験に合格してさらなる活躍を目指そう
ここまで、PMPの参考書をテーマに、PMP試験の概要やメリット、参考書10選を紹介しました。PMP試験はプロジェクトマネジメントにおいて一定の経験を積んだ方、さらにはPMIの公式研修35時間を受講した方が受験資格を得られます。
プロジェクトマネジメント手法は時代とともに進化しているため、PMP受験の機会に参考書などで新しいプロジェクトマネジメント手法や考え方を学ぶ意義は大いにあるはずです。
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