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PMBOKの資格PMPとは?取得のメリット・試験費用・年収を解説
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PMBOKの資格PMPとは?取得のメリット・試験費用・年収を解説

アンドエンジニア編集部
2024.02.13
この記事でわかること
PMBOKは世界的に権威あるプロジェクトマネジメント手法が体系化されたものである
PMBOK準拠の認定資格PMPの取得メリット、取得方法や費用などを知る
今後も期待が高まるPMPの取得は、活躍の場が広がり収入増が可能になる

PMBOKの資格、PMPとは?

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PMBOKとは「Project Management Body of Knowledge(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)」の略語で、「ピンボック」と称されています。PMBOKにはプロジェクトマネジメント手法や関連知識が体系化され、まとめられています。

このPMBOKにおける知識やスキルを証明する資格が、「PMP」です。PMPは「Project Management Professional」の略称で、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルであることを認定する資格です。米国プロジェクトマネジメント協会のPMIが、PMBOKガイドに基づいて認定する国際資格です。

プロジェクトマネジメントの経験・知識のみならず、マネジメント全般についての実務的な内容も問われます。ちなみにPMP資格試験は日本語の選択が可能ですが、PMIのサイトは英語であり、申請ややり取りも英語が中心となるため、ある程度の英語スキルが求められる点は覚悟しておきましょう。

またPMPは3年ごとに更新が必要であり、永久にその効力が続く資格ではありません。認定取得後も自己研鑽が求められます。

【参考】:PMI® 試験・資格について|一般社団法人 PMI日本支部

PMPを取得するメリット

では、PMPを取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、PMPを取得する上で得られるメリットを簡単にまとめてみました。

1:自身のスキルアップになる 2:自身のキャリアアップにつながる 3:業種を超えて活躍の機会や活躍の場が広がる 4:3年ごとの更新があるため、継続的なスキルアップを図れる

また、上記の他にPMPは国際的な評価の高い認定資格であるため、自身のステータスアップに威力を発揮してくれるでしょう。

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プロジェクトマネジメントについて

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プロジェクトマネジメントは、期限や予算などの制約がある中、プロジェクトを予定通りに遂行するための計画を立て、管理することを意味します。ビジネスにおいて、プロジェクトマネジメントの重要性が年々高まっています。

ここでは、プロジェクトマネジメントに関する知識体系ガイドの「PMBOK」について概略を解説し、PMBOKを策定しているPMI本部提供の国際資格PMP資格の取得に関する情報を解説します。

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントとは、与えられた予算や人的リソース(資源)、限られた時間の中でプロジェクトを効率的に遂行するためのプランを立て、実行・管理することを意味します。実際にこれらを担うのはプロジェクトマネージャーです。

これまでのプロジェクトマネージャーには、体得した多くの知識や十分な経験が求められましたが、PMBOKを活用することで、経験や知識が浅い人でもプロジェクトマネージャーとして成果を挙げられます。

最新のPMBOKは2021年発行の第7版であり、PMBOKの内容は約4年に1回程度の頻度で改訂されています。

【参考】:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版 | PMI

PMBOKの特徴

PMBOKの最大の特徴は、世界で初めてプロジェクトマネジメントについて体系化している点です。従来のプロジェクトマネジメントは、マネージャーごとに方法や考え方が異なり、非常に属人的でした。そのため、プロジェクトマネジメントのナレッジが集積されにくいという側面もありました。

PMBOKでは「プロジェクトマネジメント」を共通化したことで、グローバルなプロジェクトの進行に有効です。

また、従来型のプロジェクトマネジメントにおいては「QCD」(品質・コスト・納期)を重視し、プロジェクトの遂行管理が中心でしたが、PMBOKでは目標達成の過程に必要な「12の原則」を重視しています。

PMBOKが目指すQCDの管理

PMBOKの目標は、「QCD(品質・費用・納期)」の管理です。 QCDの管理は「高品質、低コストで、納期を早く」という目標を掲げて、その実現のための計画を立てて実行することです。

PMBOKは、このQCDの管理を達成するためには2つ重要な要素があるとしています。 1つ目は「12の原則」を確実に実行すること、2つ目は「8のパフォーマンス・ドメイン」と称される知識について理解することです。

第7版で「5つのプロセス」から「12の原則」へ

PMBOKでは、これまでの第6版ではプロジェクトのスタートから終結までのプロセスを「1.立ち上げ」→「2.計画」→「3.実行」→「4.監視・コントロール」→「5.終結」の5つのプロセスに分割して定義していましたが、2021年の改定で「12の原則」に変更されました。

「12の原則」とは、以下のような考え方を指します。

・スチュワードシップ : 請け負ったことを責任を持って行う ・お互いを尊重し協力し合うチーム ・ステークホルダー(利害関係者)との連携 ・価値の創造に焦点を当てる ・包括的思考:システムの相互作用を認識して対応する ・リーダーシップ ・テーラリング:状況に応じた調整(仕立て直し)を図る ・品質をプロセスと結果に組み込む ・事態の複雑さに対処、適応する ・リスク(好機と脅威の不確実性)に対処する ・適応性と回復力を備える ・変化することであるべき未来を達成する

第6版の5つのプロセス(立ち上げ・計画・実行・監視・終結)と比べると、「12の原則」では「調整」「複雑さ」「適応」「回復」「変化」など、一筋縄ではいかないプロジェクトの現実をわきまえた原理・原則になっていると言えます。

PMBOKの8つのパフォーマンス・ドメイン

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これまでのPMBOK第6版の知識管理体系にあった「10の知識エリア」の概念がなくなり、第7版では「8のパフォーマンス・ドメイン」という概念が誕生しました。8つのパフォーマンス・ドメインとは、次のようなものです。

​・Stakeholders(利害関係者) ・Team(チーム) ・Development Approach and Life cycle(開発アプローチとライフサイクル) ・Planning(計画) ・Project work(プロジェクト作業) ・Delivery(提供・納品) ・Measurement(測定) ・Uncertainty(曖昧さ・複雑さ・変動性などの不確実性への対処)

次項で1つずつ解説します。

Stakeholders(利害関係者)

プロジェクトの遂行で、ステークホルダー(利害関係者)との適切かつ円滑なコミュニケーションを構築します。具体的には、情報の生成から廃棄までの一連の管理までを含めた分野で、単なる伝達のみならず、関係者の理解を得ることまでをコミュニケーションとして管理します。

Team(チーム)

ビジネスの結果を実現するためのプロジェクトチームに関連する活動や機能を取り扱う領域です。共有化されたオーナーシップ、パフォーマンスの向上、チームワーク向上の狙いがあります。

Development Approach and Life cycle(開発アプローチとライフサイクル)

プロジェクト開発におけるアプローチや、ライフサイクルに関連する活動や機能を取り扱う領域です。

Planning(計画)

プロジェクトを成功させるために必要な要素を組織化・計画化・調整を図る領域です。プロジェクト全体を通したアプローチや、状況別の計画が可能になります。

Project work(プロジェクト作業)

プロジェクトにおけるプロセスの確立・リソースの管理・学習環境の構築に関連する活動や機能を取り扱う領域です。効果的なパフォーマンスや、ステークホルダーとの適切なコミュニケーションを図ります。

Delivery(提供・納品)

プロジェクト達成のためのスコープや品質を提供する活動と機能を取り扱う領域です。

Measurement(測定)

プロジェクトの作業パフォーマンスへの評価や、プロセス改善に関連する活動と機能を取り扱う領域です。信頼性の高いデータに基づき、臨機応変に対応することで目標を達成し、事業価値を創出します。

Uncertainty(曖昧さ・複雑さ・変動性などの不確実性への対処)

リスクやプロジェクトに関わる不確実性に関するアクティビティと機能を取り扱う領域です。

PMPの概要

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ここからは、PMBOKに準拠した資格試験であるPMPの受験資格・日程・勉強方法・プロジェクトマネージャーの年収など、試験の概要について解説します。

PMPの受験資格

PMPは、多くの実務経験が求められる点が他の資格試験との大きな違いです。実務経験としては、プロジェクトリーダーの経験が必要です。4年制大学卒以上で、3年(36カ月)のプロジェクトマネジメント経験、4,500時間以上のプロジェクト指揮の立場での経験が求められます。

また、高校卒業程度の場合は、5年(60カ月)のプロジェクトマネジメント経験、7,500時間以上のプロジェクト指揮・監督実務経験が求められます。なお、プロジェクト実務経験は、試験申込みから遡って8年以内です。

【参考】:PMP® 試験内容の概要

PMP試験の日程

2022年度のPMP試験の日程についてですが、全国各地にあるピアソンVUEの試験会場にて随時行われています。都合が良い日程を選択することができるため、仕事が忙しくても受験日を調整することができます。

受験する場所は、全国に設置されたテストセンター、もしくは職場や自宅でのオンライン受験も可能です。申し込みは、ピアソンVUEの予約サイトで行います。

【参考】:ピアソンVUE

PMPの勉強方法

PMP試験の合格に向けた勉強方法には、PMBOKガイドを活用する方法とひたすら対策問題を解いていく方法があります。

PMIが発行しているPMBOKガイドは、合格を目指すうえで必須の知識を学ぶのに最適です。内容が多く、分厚い書籍であるため、外出先などで学習を進めたい人は電子書籍版がおすすめです。まずはPMBOKガイドから学習を始めましょう。

【参考】:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準

また、PMP試験対策用の参考書もおすすめです。PMP試験は問題を公開していないため、過去問を解いて対策することができないため、模擬問題などの対策ができる参考書を活用しましょう。

参考書は最新のPMP試験に対応できるかどうかに注意してください。特に日本の参考書は種類が少なく、最新の出題傾向に対応できない場合があるため、口コミやレビューなどを参考に、試験範囲を網羅しているかどうかの確認が必要です。以下におすすめの1冊をご紹介します。

■「PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応」

PMBOKガイドの日本語版監訳を務めたPM教育のスペシャリストによる試験対策本です。第7版にも対応しており、PMP試験の概要・申し込み手続き・確認問題・模擬問題など、内容も充実しています。初めて受験する人におすすめです。

▪著者:鈴木 安而 ▪ページ数:544ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/02/21 【参考】:PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応

PMP取得による年収への影響

PMIはPMP資格取得者に関する給与調査を実施しています。PMIの『Earning Power Project Management Salary Survey Eleventh Edition(2020年1月)』によると、PMP資格認定ホルダーは、PMP認定のノンホルダーと比べ、給与が平均22%高いという結果が出ています。(調査対象42か国)

日本はまだデータが少ないため、顕著な差は出ていないようですが、今後PMPの認知度が上がると差が開いていく可能性が高いでしょう。

【参考】:Earning Power Project Management Salary Survey Eleventh Edition(2020年1月)

プロジェクトマネージャーの年収例

ここでは、PMP取得者の年収の参考例として、プロジェクトマネージャーの年収を紹介します。

プロジェクトマネージャーの年収は「マイナビエージェント 職種別平均年収ランキング」での平均年収は670万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のを参考にすると、平均年収891万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プロジェクトマネージャーは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。

プロジェクトマネージャーはプロジェクトにおける責任者であり、システムエンジニアなどの多くのエンジニアがキャリアパスとして目指す役職です。よって、高い年収が期待でき、将来性の高い職種です。プロジェクトマネージャーとして活躍するには、PMPの取得は有効でしょう。

【参考】:マイナビエージェント 職種別平均年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

PMPの難易度や取得に要する費用

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続いて、PMPの難易度や資格取得に関わる費用などについて解説します。

PMPの難易度

PMPの合格率などは未公表ですが、難易度は高めです。受験資格の基準が厳しく、実務経験がないと受験できないこと、受験関連費用が高いことから、難易度が上がるといえます。

PMP試験では4択の問題が200問出題され、そのうちの25問は統計データ取得のためのダミー問題で、この25問は合否とは関係がありません。合格するには残る175問の内、108問(61.0%)以上の正解が必要です。

PMPを取得するための費用

受験料は通常555$(日本円で60,000円前後)ですが、PMI会員は405$(日本円で45,000円前後)です。

公式参考書の価格については、一般11,990円(税込み)のところ、PMI(日本支部)会員だと8,030円(税込み)で購入できるので、かなり安く設定されています。ちなみに、PMIの会費は初年度が139$(入会費10$+年会費129$)です。(※日本支部の会員になると、さらに年会費が5,000円程必要です。)

【参考】:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版 | PMI

また、それ以外には研修費用も別途必要です。受講方法によって料金は異なりますが、おおよそ20,000円から50,000円程度必要です。詳細は以下を参照してください。

【参考】:PMP handbook(英語)

PMPの将来性

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国際的にも権威があり、取得メリットの多いPMPですが、その将来性はあるのでしょうか。また、高額の取得費用が必要なPMPですが、それに見合う収入アップは期待できるのでしょうか。

プロジェクトマネージャーの需要

DXブームやAI化へのニーズが高まる中、IT関係を中心にプロジェクトマネージャーに対する需要は伸びています。

一部にはAI化の進展で、IT関連エンジニアの仕事がAIに置き換わるといった予測もありますが、IT職種の中でもマネジメント分野という、AIには最も苦手な分野であるプロジェクトマネージャーがAIに置き換わる可能性は極めて低いと言えます。従って、プロジェクトマネージャーは今後も安定した需要があると考えてよいでしょう。

【参考】:Earning Power Project Management Salary Survey Eleventh Edition(2020年1月)

PMP取得による活躍分野

前述のPMP給与レポートによると、PMP資格認定者の活躍分野は、建設・コンサルティング・技術系・金融サービス・政府・IT・保険・製造業・通信、と多業種に渡っています。このように、あらゆる分野で活躍ができるプロジェクトエンジニアの将来性は非常に高いと考えられます。

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PMBOKを理解して資格取得に挑戦しよう

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ITエンジニアの皆さんにとっては、PMP資格の取得によって活躍の場が一気に広がることは大きなメリットになるはずです。受験費用が高額で3年ごとの更新も必要ですが、自己を高め、自らの可能性を高めるためにもおすすめです。

PMBOKで得た知識やスキルは、現在の自身の仕事だけでなく、キャリアパス先の仕事でも活かせます。PMP取得者はスキルの証明として有効であり、転職活動をする上では強力な武器にもなりますが、条件に合う企業探しは時間と労力がかかり、大変でしょう。

そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。

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