PHPライブラリとは
PHPは、主にWebサービスの開発で広く使われているプログラミング言語で、ウェブページの生成やデータベースとの連携など、動的なコンテンツを作成するのに適しています。
PHPライブラリは、PHPのプログラミングを行うときに使う、便利なツールや機能の集まりです。自分が何か新しい機能を作る必要がある際、何もないところからプログラミングをしなくても、ライブラリを使うことで、すでに他の人が作っている便利なコードを再利用することができます。
PHPライブラリを知ることでPHPの開発効率アップ
PHPライブラリは、300種類以上もあるとされています。その中から、自分が開発したい機能に適したライブラリを選んで使用することで開発効率をアップできますが、必要なPHPライブラリを選ぶのはなかなか大変なものです。
そこでこの記事では、どのようなPHPライブラリがあるのか気になる方のために、まずPHPライブラリの概要を説明し、おすすめのPHPライブラリを10選でご紹介します。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
PHPライブラリの基本情報
ここでは、PHPライブラリの基本的な説明をします。PHPライブラリの概要と、PHPライブラリの種類の違いを理解しましょう。また、PHPライブラリを活用できる職種の年収についても解説しますので、参考にしてください。
PHPライブラリはプログラミングの部品
PHPのライブラリとは、PHPのプログラミングにおいてよく使われる機能をまとめた、便利なプログラムの部品です。ライブラリをインストールして使用することにより、効率的なアプリやWebサイトの開発が可能です。
特に、複雑な機能を実装したり、複数の機能を組み合わせた動作を実現したりしたいときに、開発時間の短縮や、自分でプログラミングする労力を削減することができます。
PHPライブラリの種類
PHPライブラリの種類には、大きく分けて「標準ライブラリ」「拡張モジュール」「外部ライブラリ」があります。
PHPの標準ライブラリであるSPL(Standard PHP Library)は、PHPに最初から組み込まれているライブラリです。SPLにはデータ構造、例外、ファイル操作などを拡張するための便利なクラスや関数が含まれていて、PHPのプログラムをより効率的で柔軟にするための機能を提供しています。
拡張モジュールは、標準ライブラリより比較的利用頻度が低く、必要時に手動で追加できるライブラリです。使用する際には個別にインストールする必要があります。
外部ライブラリは、PHPの標準ライブラリや拡張モジュールには含まれていない追加のツールや機能を提供するものです。外部ライブラリを使用することで、手軽に高度で多様な機能を追加することができます。
PHPライブラリを活用できる職種の年収とは
PHPライブラリの知識を活用できる代表的な職種として、Webプログラマーの中でもサーバ側の処理を担当するバックエンドエンジニアがあります。
バックエンドエンジニアに近いプログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2023年7月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、バックエンドエンジニアは一般平均年収よりも、やや低めから、やや高めであることが分かります。
バックエンドエンジニアはPHPなどのサーバ側プログラミング言語を習得するだけでなく、さらにサーバ、データベーススキルや、複雑なWeb開発が行える高い技術を身につけることで、より高収入となる傾向があります。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
PHPライブラリおすすめ10選
それでは、ここからPHPのおすすめ外部ライブラリを10個ご紹介します。代表的でよく使用されるものをピックアップしましたので、まずはこれらのライブラリの内容を押さえることから始めましょう。
コードや関数の動作確認ライブラリ「PsySH」
PHPの動作を確認したい場合、通常はファイルを作成してブラウザ上で実行する必要がありますが、PsySHを使用することで、PHPのコードをすぐに実行することができます。
コードを直接入力して実行すると結果が返されるため、使いたい関数の動作の確認、試しに書いたコードのテスト、デバッグなどに大変便利です。PHP初学者の方には、PHPの学習にも役立てられるでしょう。
【参考】:PsySH
デバッグツールライブラリ「PHP Debug Bar」
PHPのコードにバグがあり正常に動作しない場合、内容によっては、エラーの場所を特定しにくい場合があります。そんな時にはPHP Debug Barを使用すれば、ブラウザの下部にデバッグバーを表示し、デバックをより効果的に行うことが可能です。
PHP Debug Barを使用することで、プログラムの各ステップで変数の状態を確認でき、変数、配列、SQLクエリなどの詳細な内容が見やすく表示されるため、プログラムの中で問題のある箇所を特定しやすくなります。
【参考】:PHP Debug Bar
ログ収集ライブラリ「monolog」
monologは、プログラム実行時に様々なログを残すためのライブラリです。monologでログを出力することで、プログラムの問題点の特定や改善に役立ちます。PHPフレームワークで広く使用されており、LaravelやSymfonyなどのフレームワークでも利用されています。
各種ログメッセージは表示・非表示を切り替えることができ、ログレベルも段階に応じて、デバッグ用や通常のログメッセージから重大なエラーメッセージまで柔軟に設定できます。monologによりログを取得することで、開発だけでなく運用面においても、問題の解決や改善に役に立ちます。
サンプルデータ作成ライブラリ「Faker」
プログラムのテストの際には、顧客情報などのデータが大量に必要となる場合があります。セキュリティの観点から実際の顧客情報を使うことは望ましくないため、サンプルデータを作成してテストを行いますが、大量のサンプルデータの作成はなかなか大変なものです。
Fakerは、こういったプログラムのテストで使えるサンプルデータを生成するライブラリです。例えば、ランダムな住所や氏名、電話番号、生年月日などのデータを必要な数だけ作成することができます。
【参考】:FakerPHP / Faker
HTTPリクエストライブラリ「Request for PHP」
PHPはWeb開発に適した言語ですが、標準機能ではHTTPリクエストを送信する機能が限られています。
Requests for PHPは、HTTPリクエストに関する機能を提供するライブラリで、PHPの標準機能にないHTTPリクエスト関連の機能を拡張できます。
Requests for PHPを使用することで、基本的なHTTPリクエスト(DELETE、GET、PATCH、POST、PUT)に加えて、ヘッダー、フォーム データ、マルチパート ファイルや、基本的な配列を含むパラメーターを追加して送信することができます。
【参考】:Requests for PHP | Requests for PHP
バリデーションチェックライブラリ「Validation」
Validationは、入力データが決められた形式に適合しているかを確認し、不正な入力を防止してセキュリティを向上させるバリデーションを実装するためのPHPライブラリです。
Validationを使用することで、整数かどうか、文字列かどうかや、文字列の長さ、メールアドレスの書式、その他にも多様な条件のバリデーションチェックを行うことができ、入力データの妥当性を確認する際に役立ちます。
【参考】:GitHub - Respect/Validation: The most awesome validation engine ever created for PHP
ユーザ認証ライブラリ「Sentinel」
WebサイトやWebサービスの開発において、ユーザ情報の管理は重要な要素の1つです。サービスによっては、アクセスするユーザ登録や認証の実装が必要です。
Sentinelは、ユーザのログインとログアウトなどのログイン認証や、パスワードリマインダー機能、ユーザ登録時のアクティベーション機能など、ユーザの管理に必要な機能を提供する認証ライブラリです。
Sentinelを使うことで、より効率的に安全性の高いユーザ管理システムを構築することができます。
【参考】:Sentinel Manual ::Cartalyst
メール送信ライブラリ「PHPMailer」
PHPMailerは、PHPでMTPサーバを利用してメールを送信するためのライブラリです。
使いやすいインターフェースを提供し、HTMLメールの作成や添付ファイルの送信など、送信における様々な機能を備えています。
また、PHPMailerを使うことで外部のSMTPサーバを介してメールを送信できるため、SMTP認証やTLS/SSLの使用などを利用でき、メール送信のセキュリティをより向上させることもできます。
【参考】:GitHub - PHPMailer/PHPMailer: The classic email sending library for PHP
画像投稿ライブラリ「class.upload.php」
class.upload.phpは、画像のリサイズや圧縮などが簡単にできる、便利な画像アップロード用ライブラリです。
アップロードされた画像にエフェクトを適用したり、ラベルや透かしを追加したりすることもでき、Webサイトで使用するサムネイルの生成や、フォトギャラリーの作成にも適したライブラリです。
【参考】:class.upload.php - verot.net
決済サービスライブラリ「Stripe」
StripeはPHPで利用できる決済サービスのAPIです。WebサイトにStripe公式のAPIライブラリをインストールして、クレジットカードやデビットカード、銀行振込などの支払いを簡単に実装できます。
Stripeを利用することで、ユーザが訪れたWebサイトから別の決済サイトに移動することなく、そのサイトで決済を完結することができます。カード情報はトークンに置き換えて処理され、安全性も確保されています。
【参考】:GitHub - stripe/stripe-php: PHP library for the Stripe API.
PHPライブラリの管理方法と学び方
ここでは、PHPライブラリを管理するComposerについての解説と、PHPライブラリをさらに知るための学び方について説明していきます。
ComposerでPHPライブラリを管理する
Composerは、PHPのパッケージ管理ツールです。パッケージ管理ツールは、関連するライブラリを自動的にインストール・アップデートするなど、ライブラリの管理を効率化するために使用します。
Composerを使用することで、コマンドを実行するだけで簡単にPHPライブラリをインストールできます。さらに、ライブラリの依存関係を解決したり、プロジェクトごとにパッケージを管理したりできるメリットから、PHPの開発環境では必須とも言えるほど一般的に広く使われています。
PHPライブラリの学び方とは
PHPライブラリについて学ぶには、検索エンジンや開発者向けプラットフォームを活用することが有効です。Web検索を使用して、PHPで実装したい機能で検索すれば、多くのライブラリやプラットフォームを見つけることができるはずです。
また、今回ご紹介した中にもありましたが、GitHubでは多くのライブラリが公開されています。GitHub のリポジトリは英語で記載されている場合がほとんどですが、ブラウザの翻訳機能などを活用し、様々なライブラリの仕様や機能などを確認してみましょう。
PHP開発を業務とするIT企業への転職や研修を通じて実践的に学ぶ方法もあります。企業により研修の内容やレベルは異なりますので、より高いスキルを身に付けてPHPエンジニアとして活躍したいなら、エージェントを活用して研修が手厚い企業を探すのも良いでしょう。
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PHPライブラリを勉強してエンジニアとして活躍しよう
ここでは、PHPの概要と、知っておきたいおすすめライブラリ10選をご紹介してきました。多様なPHPライブラリがあることがお分かりいただけたと思います。
WebサービスやWebアプリの開発は、IT化が一層進む今後においても需要は高いと考えられます。PHPライブラリについて勉強したら、PHPを活用してWeb開発を担う職種に転職を考えてもいいでしょう。
しかし、1人で転職活動を行おうとする場合、転職市場や求人情報の把握には時間と労力がかかります。また、面談などの対策のために、自身の経歴やアピールポイントをわかりやすくまとめるのも大変なものです。
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