Javaはやめとけは本当？

プログラミング言語のJavaはプラットフォームを選ばず、あらゆる環境で利用できる言語であり、使える場面が広範囲である点が特徴です。金融系の基幹システムからスマートフォンのアプリ、Webサービス、デスクトップアプリ、組み込み系まで、様々な分野で活用されています。

そのためか、求人情報にはJavaエンジニアの求人が非常に多く見られますが、一方で人気のJavaについて「やめとけ」と言う意見があるのはなぜなのでしょう。この記事ではその理由を探り、未経験者がJavaを習得する方法、効果的な転職法などを解説します。新卒の方、IT経験者の方もぜひ参考にしてみてください。

【参考】：Javaソフトウェア | オラクル | Oracle 日本

Javaは人気のプログラミング言語

学びたいプログラミング言語といえば、Pythonを挙げる人が多いかと思いますが、求人ベースではJavaの人気が圧倒的に高いのです。それはJavaには歴史があり、あらゆる分野で利用できる汎用性や、金融系の基幹システムでも利用される安定性などが人気の理由と思われます。

【参考】：Javaの求人倍率が21.8倍、エンジニア転職希望者は150% | マイナビニュース

Javaとは？人気プログラミング言語Javaの将来性やメリットについて解説

Java言語で何ができるか

Javaが人気の言語だと聞いてJavaを選択してみたものの、「むずかしい」「つまらない」という声がSNS上などで散見されます。しかし、Javaエンジニアに対する需要は大変大きなものがあります。先ずは、Javaとはどんな言語なのか、Javaで何ができるのかを見ておきましょう。

Javaでできることとは？メリット・デメリットについても解説！

Webサーバ上で動作するアプリケーションをWebアプリと言います。WebサイトやWebサービスという呼び方もありますが、Webアプリの開発言語としてJavaが使用されていることが多いのです。

PC用のアプリにもJavaが使われているものがあります。JavaはWindowsやMac、Linuxといったプラットフォームを選ばないため、OSを意識せずにアプリケーションを開発することができます。　

世界ではAndroid系スマ―トフォンがシェアで過半数を占めていますが、Android端末で利用されるアプリの開発でもJavaが利用されています。ゲームや便利ソフトなど、アプリのジャンルを問わず作れるのもJavaの強みです。

銀行など、安定性が求められる金融系システムでもJavaが使われています。元々、銀行などの基幹システムは汎用機を中心にCOBOLで組まれていましたが、ダウンサイジングや処理スピード要求への対応から、多くはJavaに切り替わっています。

組み込み系とは、家電やIoT機器ですが、これらにもJavaが利用されています。組み込み系ではハードウェアの知識やスキルが求められるため、Javaエンジニアはメカ好きな人が少なくありません。

組み込み系言語とは？拡大する組み込みシステムの用途についても解説！

Javaエンジニアの年収

Javaを習得したら年収はどの程度になるのか、気にかかる方もいるかと思います。Javaエンジニアは職種ではプログラマーに属します。Javaエンジニアを目指す方は、プログラマーの年収事情を知っておきましょう。

プログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」で平均年収は344万円（※2023年6月執筆時点）、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近しい職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、マイナビの調査では民間企業平均年収よりもやや低く、経済産業省ではやや高いという結果が出ています。

プログラマーは年収が低いように思われますが、プログラマーはITエンジニアの登竜門と言われており、平均年齢が若いことも年収に関係します。また、プログラマーからシステムエンジニアやプロジェクトリーダーなどにキャリアアップすることで、大幅な年収アップが期待できます。

【参考】：マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月～2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】：IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別（P7） 【参考】：民間給与実態統計調査-国税庁

Javaはやめとけと言われる理由

Javaは汎用性が高く、様々な場面で利用されていますが、なぜ「やめとけ」と言われるのでしょう。Javaにはメリット、デメリットがあります。Javaのデメリットを強く感じる方に「やめとけ」と思う人が多いのかもしれません。ここでは、Javaのメリットとデメリットを確認してみましょう。

Javaにはどのようなデメリットがあるのか見てみましょう。Javaのデメリットとしては以下の2点が挙げられます。

■ 学習難易度が高い Java自体の難解さもありますが、JavaはネットワークやハードウェアなどのIT知識が要求される言語で、学習難易度が高めです。Javaは1995年に誕生して30年近い歴史があり、フレームワークやライブラリも豊富にあります。

また利用にあたっては開発環境を整える必要があり、初心者にとってその点はハードルは決して低くはありません。

■ 個人ビジネスに不向き Javaはどちらかといえば、1人で開発できるような小規模システムの開発には向いていません。拡張性があり、また再利用ができるJavaは中規模から大規模のシステム開発に向いており、個人で扱うのには向いていません。Javaのプログラミングスキルを高めても独立しにくい点は敬遠されやすいのかもしれません。

Javaを効率的に独学で学習する方法とは？おすすめの勉強方法を紹介

次にJavaのメリットについて見ていきましょう。Javaにはデメリットを超える多くのメリットがあることが分かります。

■ 実行スピードが速い Javaはコンパイラ型の言語ですので、実行形式になると高速処理が行えます。特にJavaは利用者や顧客からレスポンスを要求される処理が得意です。

■ プラットフォームに依存しない Javaは実行する上でプラットフォームを選びません。Javaは実行する際にはJava仮想マシン（JVM）によってさまざまなプラットフォームで実行可能な形式に変換されるからです。そのため、基幹システムから組み込み系システムまで、あらゆる場面で動かすことができます。

■ ライブラリが豊富 Javaは開発に利用できるフレームワークやライブラリが豊富に提供されていますので、これらを上手に活用することで開発の効率を上げたり、工数を削減したりできます。こうした点も人気の秘訣と言えます。

■ 就職や転職に有利 Javaは適用範囲が広いプログラミング言語だけに需要が高く、特に大きなITベンダーでは重用されます。PythonやPHPなど比較的難易度の低いプログラミング言語は、プログラマーの育成にさほど時間を要しませんが、Javaは育成に時間が掛かるため、即戦力のある人が優先される傾向があります。

そのため、Javaプログラミングスキルを有する人は、就職や転職で他の言語スキルを持つ人よりも有利になる可能性が高いです。

未経験者がJavaを習得するには

最後に、未経験者がJavaを効果的に習得する方法について解説します。Javaを習得言語とし、これから学習を始めたい方、転職を検討している方は参考にしてください。

Javaの勉強方法とは？初心者におすすめの本やロードマップを解説！

Javaを独学で習得する方には、おすすめの方法が2つあります。社会人になっている方がスクールに通うのは時間的にも厳しいと思われますので、ここではJavaの教本と、無料オンライン学習サービスを紹介します。ぜひ参考にしてください。

■ 「新・明解Java入門　第２版」 ▪著者： 柴田望洋 ▪出版社： SB Creative ▪ページ数： 520ページ ▪出版日： 2020年9月5日

【参考】：新・明解Java入門　第２版

■ 「ゼロからわかる Java超入門［改訂3版］」 ▪著者： 佐々木整 ▪出版社： 技術評論社 ▪ページ数： 208ページ ▪出版日： 2020年7月31日

【参考】：ゼロからわかる Java超入門［改訂3版］

■ 無料の学習サイト：Progateを利用する Javaプログラミング未経験の方におすすめの学習サイトです。イラスト中心のスライドで学べるのが特徴です。特に開発環境を整える必要がなく、すぐに手を動かしながらJavaの学習ができます。スライドによる勉強をした後には演習問題を解く方式のため、実践力が身に付いていきます。

無料プランもありますが、予算に合わせて有料プランも選択できます。

【参考】：Progate | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate[プロゲート]

転職する際にはスキル証明となる資格があると有利です。ここでは、Javaの基礎知識を有する証明となる資格試験を2つ紹介します。独学の成果を資格試験で確認してみると良いでしょう。それぞれレベルがありますので、入門者レベルから挑戦することをおすすめします。

【参考】：試験概要【Java™プログラミング能力認定試験】 【参考】：Java SE 11 認定資格 | オラクル認定資格制度 | Oracle University】

Javaの資格は？おすすめ資格のレベルや難易度・学習方法を解説！

Java Silverの難易度は高い？未経験でも合格するためのポイントを解説

未経験者歓迎の求人があれば、研修の手厚い企業である可能性があります。このような企業に転職してからスキルを磨くという方法もありますので、検討してみましょう。企業の研修のため独学よりも挫折する可能性は低く、また資格取得に対して奨励金や資格手当が支給されるケースもありますので、有利に学べます。

研修が手厚い企業に転職するには、様々な企業情報やコネクションを有する転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。

憧れのJavaエンジニアとして転職を成功させましょう

ここまで「Javaはやめとけ」と言われる理由、Javaでできること、Javaのメリットやデメリット、習得法などについて紹介してきました。Javaエンジニアの需要は高い反面、Javaの習得難易度が高いことから、Javaを敬遠する人も多く、Javaエンジニアは不足しています。

Javaエンジニアとして活躍するには、Javaエンジニアを必要とし、Javaエンジニアを育成し、活躍機会を与えられる企業への転職が理想的です。とはいえ、今の仕事をこなしながら、Javaの勉強を行い、企業情報の収集や転職対策を独力で進めるのには限界があります。

そこで利用を推奨するのがマイナビIT エージェントです。

マイナビIT エージェントは、IT・Webエンジニア向け、無料の転職⽀援サービスです。

IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのご経験やスキルをお伺いし、転職活動のプランをご提案します。

アドバイザーは企業側と直接連携を取れるので、求人票に載っていない情報も確認することができます。こちらで、働き方などをしっかり確認の上、応募企業を選んでいくのが良いでしょう。

未経験からのキャリアチェンジは心身ともに本当に大変だと思います。少しでもご自身の負担を減らすべく、エージェントサービスを活用して、失敗のない転職活動に臨んでいただければ幸いです。