プロンプトエンジニアリングの効果的な学習方法は?
最近話題のChatGPTなどの対話型AIから望む回答を得るためには、適切な質問や指示を投げかけなければなりません。そうした質問や指示は「プロンプト」と呼ばれ、そのプロンプトを設計する技術がプロンプトエンジニアリングです。
新出の技術である同技術を学びたい方は多くとも、どのようにして学べばよいか分からない方は多いはずです。本記事では、プロンプトエンジニアリングについてその効果的な学習方法を具体的に紹介することに焦点を合わせつつ、その基礎や学ぶ意義も解説していきます。
新出の分野なのでオンライン上のコンテンツを活用しよう
まず結論から言うと、プロンプトエンジニアリングを効果的に学習する方法はオンライン上のドキュメントや講義を活用することです。同技術は新出の分野であり、直接学ぶことのできる有用な書籍を見つけることが難しいためです。
一方、最近話題になっている技術であるからこそ、インターネット上に様々な学習機会が存在しています。海外のコミュニティが作成したオンラインガイド、様々な企業や大学が公開しているオンライン講義などがその代表例です。
プロンプトエンジニアリングをただ学ぶだけでなく、同技術を活かしたプロンプトエンジニアを目指す方にとって、特にこういったコンテンツの活用は効果的です。
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そもそもプロンプトエンジニアリングとは
まずはプロンプトエンジニアリングについて、その基礎をおさらいしていきます。同技術をコアとするプロンプトエンジニアやその年収の考察も行っていきます。
プロンプトエンジニアリングの基本
プロンプトエンジニアリングとはどのような技術なのでしょうか。まず、プロンプトという用語について、これは対話型AIに入力する指示や命令文を意味しています。歴史的には、Windowsに付属しているコマンドプロンプトというツールでも同じく入力文という意味で使われています。
そんなプロンプトを設計する技術が、プロンプトエンジニアリングです。AIへ入力するプロンプトは、日本語圏であれば日本語の文章であり、その設計自体に多くのエンジニアが必要とするプログラミング技術は必要ではありません。したがって、必ずしもエンジニアの専門知識を必要としない点が特徴的です。
もちろん、AIを扱う職種である以上、AI分野や統計学の知識があれば非常に役立つことは間違いありません。
プロンプトエンジニアとは
上記のプロンプトエンジニアリングをコア技術とした職種が、プロンプトエンジニアです。では、プロンプトエンジニアの役割はどのようなものなのでしょうか。
大きな役割に、対話型AIへ入力するプロンプトの設計があります。例えば、企業が対話型AIを業務に活用したいと思ったとき、扱い慣れていない多くの社員は適切な質問や指示の仕方が分からず、時間を浪費してしまいがちです。
そんな時にプロンプトエンジニアは、適切なプロンプトを提示することやプロンプトのテンプレートを用意し、導入の支援を行うことができるでしょう。また、それ以外にも対話型AIそのものの性能改善を行うことも重要な役割です。
プロンプトエンジニアの年収
上記で紹介したプロンプトエンジニアの年収はどの程度なのでしょうか。近い職種として製品開発/研究開発エンジニアを例に取り、考えてみます。
製品開発/研究開発エンジニアの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は477万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プロンプトエンジニアは一般平均年収よりも、やや高めであると推測できます。
出てきたばかりで年収に関するデータがほとんどない状況ですが、プロンプトエンジニアは今後の需要増を考えると、比較的高い年収が期待できると言えます。同職種でAIに関する技術やデータ解析に関する知識を学び、データサイエンティストにキャリアアップするのもよいでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
プロンプトエンジニアリングの学習方法
次に本題にあるプロンプトエンジニアリングの学習方法について紹介します。ここでは、その方法として代表的なものを取り上げていきます。
書籍を活用する
学習方法として最もベーシックなのが、書籍を活用する方法です。しかし、新出のプロンプトエンジニアリングに関して学ぶことのできる書籍は、現状ほとんどありません。したがって、書籍では同技術そのものよりもそれを取り巻く技術を学んでいくとよいでしょう。
例えば、対話型AIがどのような仕組みであるか、その具体的な活用方法には何があるか、を学ぶことができる書籍がおすすめです。最近話題のChatGPTの活用事例を紹介する「ChatGPT 120%活用術」がその1つです。
■ChatGPT 120%活用術 ▪著者:ChatGPTビジネス研究会 ▪ページ数:160ページ ▪出版社:宝島社 ▪発売日:2023/5/10 【参考】:ChatGPT 120%活用術
オンラインドキュメントの活用
新出の技術であるからこそ、プロンプトエンジニアリングはインターネット上での議論が活発であり、コミュニティ活動も盛んです。エンジニアや教育関係者が執筆したオンライン上のドキュメントは、わかりやすく解説されており、既にそれなりの数も出ているため、非常におすすめできます。
そんな中でも、海外のコミュニティが作成したプロンプトエンジニアリングの教科書とも言える「Prompt Engineering Guide」は、最もおすすめできるオンラインドキュメントです。
日本語にも訳されており、無料で閲覧することもできるため、気軽に学習を始めることができます。ただ、内容に関しては学術的な側面が強いため、ある程度AIに関する予備知識はあった方がより理解しやすいでしょう。
オンライン講座を活用する
オンラインドキュメントと同じくオンライン講座も続々と公開されています。こちらは実際の講義を聞く形となるため、ドキュメントだけの場合よりも、より理解しやすいでしょう。
パイソンメイカーが開催しているプロンプトエンジニアリングに関する講座では、ビジネス活用方法からAIにPythonのコードを生成させる方法など初学者向けの講座が充実しています。サブスクリプション形式で費用はかかりますが、エンジニア未経験者でも理解を深められるでしょう。
【参考】:パイソンメイカーの講座
論文で学習する
英語力に自信があるのであれば、最新の論文を読むことでもプロンプトエンジニアリングを学ぶことができるでしょう。
上記で述べた「Prompt Engineering Guide」では、最新の論文を紹介するページもあります。同サイトで紹介されている論文を読めば、最新のプロンプトエンジニアリングの状況もいち早く知ることができます。
【参考】:Prompt Engineering Guideでの論文
プロンプトエンジニアリングを学ぶ意義
プロンプトエンジニアリングを学ぶ方法について、前章で紹介しました。ただ、実際のところ同技術を学ぶことにどのようなメリットがあるのでしょうか。最後に学ぶことの意義を紹介します。
ChatGPTを上手く活用できる
1つの大きなメリットに、ChatGPTを使いこなせるようになることがあります。誰でも利用できるChatGPTは、日常生活においてもレシピ検索、スケジュール作成や疑問点解消など様々な使いみちがあります。使いこなせればライフハックにもつながるでしょう。
もちろん業務においても、疑問点の解消や翻訳ツール、文章作成などに活用でき、日常業務における無駄を削減できることは間違いないでしょう。
エンジニアとしての付加価値が上がる
特に業務に関して言えば、プロンプトエンジニアリングを学ぶことで、エンジニアの付加価値を高めることができます。
これから先、対話型AIはより洗練され、様々な場面で使われるようになるでしょう。エンジニア業界においても、設計業務やドキュメント作成業務に導入される可能性は高いと考えられます。
そうしたタイミングで適切なプロンプトエンジニアリングの知識を持っていれば、社内においてAI導入を促進する人材と見られるはずです。そのため、社内における自身の価値を高めることになるでしょう。
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プロンプトエンジニアを目指せる
以上メリットを挙げてきましたが、プロンプトエンジニアリングを学ぶ最も大きな意義は、プロンプトエンジニアを目指せるということにあります。
最初の方でも述べましたが、プロンプトエンジニアは今後、対話型AIの浸透に合わせて需要が高まっていくと予想されます。加えて、年収の面でも比較的高い報酬を期待することもできると考えられるでしょう。
出てきたばかりで世の中のプロンプトエンジニアが少ない今だからこそ、同職種を目指すメリットも大きいと言えます。
プロンプトエンジニアリングの技術を活かすには
本記事ではプロンプトエンジニアリングについて、その基礎知識を説明するとともに、具体的な学習方法や学ぶ意義についても紹介してきました。
学習手段が充実していない現状ですが、本記事で紹介した方法でいち早くプロンプトエンジニアリングを学ぶことができるでしょう。結果、周囲に差をつけることで自身のキャリアを優位なものにしていくこともできるはずです。
しかし、そうしてスキルを身に付けた後はどうすればよいでしょうか。キャリアアップのために転職を考えたとしても、数ある企業の中から自分に合った企業を探すことは困難です。
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