システムエンジニアはきつい職業?
システムエンジニアは多くの人が憧れる人気の職種ですが、その一方、SNSやネット掲示板では「システムエンジニアはやめとけ」「システムエンジニアはきつい」といった書き込みが見られます。
人気の職業でありながら、このようなギャップがなぜ生じているのでしょうか。
システムエンジニアを目指す方の中には、こうした声に不安を感じている方がいるかもしれません。この記事では、システムエンジニア職の実情に迫り、皆さんがシステムエンジニアに転職するために役立つ情報を提供します。お読み頂いた皆さんのキャリアチェンジの一助になれば幸いです。
システムエンジニアの現状
現在、システムエンジニアはどのような立場に置かれてるのでしょうか?システムエンジニアの人気、将来性や年収などについて見てみましょう。
システムエンジニアは人気の職種
2020年の調査※では、システムエンジニアは男子高校生がなりたい職業の第2位にランクインしています。小学校では、2020年からプログラミングが必修科目になりました。今や、ITエンジニアは花形の職種です。
IoTやDX、AIブームを背景にITエンジニアの不足は深刻化しており、顕著な売り手市場となっていることからも、その人気ぶりがうかがえます。
【参考】:※高校生のなりたい職業、女子・男子別の1位は?|マイナビニュース 【参考】:(小学校教師1000人に聞いた「プログラミング教育必修化」最大の課題は?|マイナビニュース)[(https://news.mynavi.jp/article/20220512-2343304/)]
深刻なIT人材の不足
2025年の崖(DXレポート|経済産業省)※1で示されたように、国際競争に打ち勝つために日本はDX化が急務です。一方、DX化の推進のためのIT人材の不足も深刻化しており、経済産業省公表の「IT 人材需給に関する調査」※2によれば、2030年には中位シナリオで45万人のIT人材が不足するとされています。
このように、IT人材の中核となるシステムエンジニアの需要は旺盛であり、求人難の状態が続いています。この需要が供給を大きく上回る状態が続くことから、システムエンジニアは将来性が高い職種といえます。
【参考】:※1DXレポート(サマリー)|経済産業省 【参考】:※2[IT 人材需給に関する調査|経済産業省
システムエンジニアの年収
システムエンジニアの年収は、「マイナビエージェント職業別年収ランキング」によると平均年収は431万円、経済産業省2017年発表「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(SE・プログラマ[ソフトウェア製品の開発・実装])では平均年収568.5万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収とほぼ同程度であることが分かります。ただし、マイナビエージェント調査サンプルは20代の方が中心であり、30代の平均年収472万円は民間企業平均年収433万円を上回っています。
【参考】:システムエンジニア|職種別平均年収ランキング【2020年版】│マイナビAGENT ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7)「SE・プログラマ[ソフトウェア製品の開発・実装]」 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
システムエンジニアが「きつい」と感じる原因
ここまでシステムエンジニアの置かれた状況について解説しましたが、人気の職業であり、供給不足の状態にあることが分かりました。その一方で仕事を「きつい」と感じる人がいる原因はどこにあるのでしょうか?
以下、ネット掲示板やSNSなどの書き込みから「きつい」と感じる原因について整理をしてみました。
所定時間外労働
IT業界は残業(所定外労働時間)が多いと思われている方が多いのですが、厚生労働省の調査※によると、15業種中5位にあり、特段多いとは言えません。ただし、調査結果はあくまでも平均値であり、企業や職場、時期によっては残業過多が起きている可能性は否定できません。
一般的にシステム開発では納期遅延を回避するために、時期によっては長時間残業が発生することがあります。それは、納期遅延にペナルティが課せられ、次のプロジェクトを他社に奪われるリスクがあるためです。
たまたま、過酷なプロジェクトを担当させられたシステムエンジニアは「きつい」と嘆くことは大いにあり得ます。
【参考】:※平成 25 年度労働時間等総合実態調査結果(厚生労働省労働基準局)
休日出勤
休日出勤があるのが「きつい」というシステムエンジニアの方の声もあります。システムの入替やメンテナンス時の立会い、トラブル対応などが休日出勤の理由です。そのほか、納期遅延回避のために計画的に休日出勤を行っている企業もあります。
このようにシステムエンジニアの業務特性による休日出勤は稀にありますが、その分の代休を平日に取れるため、休日出勤を苦に感じない人も少なくありません。
ブラック企業への入社
「きつい」という声には、所属企業がブラック企業である場合があります。過去においてIT業界では長時間残業や徹夜を当たり前だと見る風潮がありました。近年、働き方改革やコンプライアンス(法令順守)の視点から改善の機運が高まり、大手のITベンダーでは違法な長時間労働は皆無になっています。
その一方で、ベンチャー企業や中小企業の一部にはブラック企業が残っていると考えられ、こうした企業に所属するエンジニアから不満の声が上がっていると考えられます。
短い職業寿命
一時期「エンジニア35歳定年説」なるものが広まったことがあります。人材不足が顕著になり、今ではこのような説を唱える人はいなくなりましたが、ITエンジニアは他の職種と比較して職業寿命が短いと考える人は少なからずいます。
そのため、明確なキャリアパスを描けている人を除いて、将来に不安を感じているエンジニアの方がいることは否めません。
とはいえ、マネジメント職として定年まで働く方、フリーランスとして独立する方、コンサルタントに転身する方、さまざまなキャリアバスを描いて、自己研鑽に励む方も少なくありません。
システムエンジニア職のメリット
システムエンジニアを「きつい」と感じる理由(デメリット)を挙げてきましたが、ここからはシステムエンジニアのメリットを挙げていきます。
豊富なキャリアパス
システムエンジニアには、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなどのヒューマンスキルが求められます。その他、プログラミングスキルやIT知識などが必要ですが、汎用性が高い職種であることから豊富なキャリアパスがあります。
キャリアパスの一例を挙げると、プロジェクトマネージャー・ITスペシャリスト・ITコンサルタント・セールスエンジニア・AIエンジニア・データサイエンティストなど、非常に多くの選択肢があります。特にコンサルタント系は年齢を問わず活躍できる分野であり、定年を気にする必要がないのもメリットの1つです。
大きなやりがいがある
システム開発の目的には業務改善やビジネス強化など、経営に直結するものが多いのです。その分、システム開発へのクライアントの期待は大きなものがあります。
無事にシステムが完成し、所期の成果を得られた際には、クライアントから謝辞を頂くこともあり、これがシステムエンジニアの仕事内容が大きなやりがい、満足感につながる理由です。
また時には、社会インフラに関わる大規模なシステム開発に携わる機会もあり、大きな誇りにもつながります。
独立がしやすい
システムエンジニアはシステム開発の中枢・司令塔となり、多くの関係先との接点が生まれます。自然に人脈ができるのもシステムエンジニアのメリットです。また、システムエンジニアは客先常駐となるケースも少なからずあり、社外の人と人脈を築けるため、独立する上では役に立ちます。
フリーランスエンジニアとして独立した際には、これまでの社内外の人脈を活かして、プログラマーやフロントエンドエンジニア、データベースエンジニアなどを組織化して、システム開発の一括受注も狙えます。また必要な人材を集めて起業することも夢ではありません。
文系でもSEになれる
近年、文系出身者の必要性が認識され、システムエンジニアは文系出身者の採用が3割以上となりましたが、それは文系出身者は語学力やコミュニケーション能力が高く、また経済・経営・財務などの知識を備えた方が多く、システムエンジニアに適していると認知されているからです。
キャリアチェンジや転職では資格取得が有効
他、キャリアチェンジや転職では、スキル証明となる資格があると有利になる可能性があります。ここに紹介する資格をまだ取得されていない方は、最低でも1つは取得されることをおすすめします。
基本情報技術者試験(FE)
IPAの主催する情報技術者試験の中で、初級システムエンジニアとしてのスキル証明となる国家資格です。ITパスポートの上位資格であり、ITエンジニアの登竜門として位置づけられた試験です。年に2回受験できますので、ぜひ取得しておくことをおすすめします。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験の上位資格となる試験です。基本情報技術者試験(FE)を取得済みの方が次に取得する資格の1つです。応用情報技術者試験(AP)はIT業界では広く認知された中級者向けの国家資格であり、取得者には1〜2万円前後の資格手当を支給する企業が増えています。
試験の難易度はやや高めですが、プロジェクトリーダーを目指す方には強く取得をおすすめをします。
【参考】:応用情報技術者試験(AP)
システムエンジニアへの転職を成功させる秘訣
ここまで、「システムエンジニアはきつい」という声や意見に対して、さまざまな視点からその原因や対策について見てきました。確かにシステムエンジニアの仕事には辛い面もありますが、仕事がきつくなる原因の多くは職種というよりは、企業選びにあったことが分かります。
自分に合わない企業やブラック企業を避け、相性の合う企業や自らを成長させてくれる企業との出会いが大切です。この企業とのマッチングを手助けしてくれる転職エージェントとの出会いも重要です。
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