Pythonが難しいのは本当?
AIブームが始まって以来、大きく話題になったプログラミング言語Python。ソフトウェア系エンジニアの方であれば誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。その認知度が高くなればなるほど、飛び交う情報の数も多くなり、何が正しい情報なのかも分からなくなってくるものと思います。
そんな中で、Pythonは難しいと考えているエンジニアの方も多いのではないでしょうか。本記事では、Pythonが難しいと思われてしまうその理由を解説しつつ、習得しやすい言語である理由を説明していきます。
プログラミング経験者ならハードルは低い
前述の通り、結論から言うとPythonは確かにプログラミング未経験者からすれば難しいと感じる部分があるのは事実です。しかしながら、プログラミング経験者の視点に立てば、難しいと思われるところはほとんどなく、むしろ習得のハードルは低いと言えます。Pythonはその豊富なライブラリから様々な分野で活躍できる言語であるので、積極的に習得し、自身のキャリアアップを狙っていきたいところです。
Pythonの立ち位置
本題に入る前にPythonのプログラミング言語としての立ち位置を見ていきましょう。Pythonがそもそもどのような言語であるかについては本記事では省略し、もう少し掘り下げたことについてを説明していきます。
資格から見る難易度
Pythonにはいくつかの資格試験があり、それらの合格率から見て難易度はどの程度なのでしょうか。以下の2つを例にとってみます。
Python3 エンジニア認定基礎試験
Pythonの文法について基礎的な知識が求められる資格試験です。合格率は2018年のデータですが、80.3%となっています。内訳として受験者数は約3700人と伝えられています。
Python 3 エンジニア認定データ分析試験
こちらはより実用的なデータ分析の方法を評価する資格試験となっており、数学や統計学の知識も要求されるようです。合格率は約86%であり、比較的高めです。
このように、Pythonの難易度を資格合格率から見てみると、そこまで難易度が高くない言語であると言うことができるでしょう。
【参考】:Python3 エンジニア認定基礎試験
仕事で使えるレベルはどのくらいか
Pythonの難易度を考えたときに、仕事で使えるレベルになるためにはどの程度のスキルが必要となるのでしょうか。ご存知のように、単にPythonの文法を理解し、コードを書けるだけでは仕事に使えるレベルとは言えません。
Pythonが様々な分野で使われている理由に「豊富なライブラリ」があり、取り組む仕事分野に合ったライブラリを使いこなせることが、仕事で使えるための最低レベルと言えるでしょう。しかしながら、Pythonのライブラリは対応するメソッドやその引数の仕様を理解すれば使えるものばかりなので、難易度はそう高くないと言えます。
Pythonで挫折はありえるか
Pythonの難易度を考えたとき、その学習過程で挫折する可能性はあるのでしょうか。多くの言語と同じく、最初から難しいことをやろうとしたり、目標を立てずに学習を進めてしまうとPythonで挫折する可能性はあります。
また、文法が難しくて挫折してしまうことも考えられますが、後述のようにPythonは文法が比較的シンプルで分かりやすいため、その可能性は低いと言えるでしょう。どちらかというと、PythonをAIで活用する際に必須となる数学や統計学の難易度の高さから、挫折してしまう可能性が高いと言えます。
Pythonが難しいと思われている理由
客観的に見てPythonの難易度はそこまで高くなく、むしろ易しいのでは、と考えられるレベルと言えるでしょう。しかし、難しいという声が上がっているのも事実です。その理由については以下が考えられます。
開発環境の構築がややこしい
Pythonが難しいと思われる理由に開発環境構築があります。Pythonの代表的な統合開発環境にAnacondaがありますが、このIDEは全て英語であり、AnacondaがサポートするエディタのSpyderでもそのままでは日本語を上手く使用することができず、英語がある程度できないと使いこなすことが難しい事情がありました。こうしたことから、Pythonの環境構築は英語が必要で日本人にとってはややこしいと思われてしまったと考えられます。
ただし、IDEと言ってもAnacondaやSpyderだけでなく日本語をサポートしたものが多数あり、選択肢は非常に多いです。きちんと調べれば、環境構築はややこしいものではないというのが実情となっています。
オブジェクト指向がベースとなっている
Pythonの文法はオブジェクト指向がベースであり、クラスやメンバ変数などを使うことが前提となっています。Javaを始めとしたオブジェクト指向言語を既に習得した方にとっては問題ないかもしれませんが、C言語など手続き型のみを習得している方から見ると、習得はやや難しいと感じるでしょう。
多数公開されているライブラリも同様に、クラスを実体化したり、メンバ変数や関数を利用することが必須となるため、余計に難しい印象を与えてしまっていると言えます。
ライブラリを使いこなすのが難しい
Pythonを上手く使いこなすためには、公開されているライブラリを使いこなすことが必須と言えます。そうしたライブラリを使っていく際、有名なものであれば日本語の説明や解説サイトがあったりと、使用するのに不便はないかもしれません。
しかし、特定分野のライブラリの中には英語の説明しか用意されていないことも珍しくないため、使いこなすことが難しいと感じる方もいるでしょう。このように文法を理解できてもライブラリ自体を使いこなせないことが難しいと思われてしまう原因と考えられます。
Pythonが習得しやすい理由
上記でPythonが難しいと思われてしまう理由を説明しましたが、いずれも一般的なプログラマーから見れば大きな理由ではないことがわかります。ここからは逆に、Pythonは難しくなくむしろ習得しやすい言語であることを解説していきます。
文法がシンプルで分かりやすい
Pythonの文法がシンプルでかつ分かりやすいことが習得しやすい理由の1つです。オブジェクト指向をベースにしているため、JavaやC++を習得済みの方であればすぐに理解できるでしょう。そうでない方であっても、オブジェクト指向の難しい部分を理解せずにPython自体は使いこなせるようになっています。
さらに、他の言語では必須であるカッコを使わないルールとなっています。そのため、IfやFor文の処理を記載する際にはインデントを使って表現する形となっており、無駄な行数を使わずシンプルなコードを記述することが可能です。
ライブラリだけで様々なことができる
Pythonはその特徴である豊富なライブラリ自体が習得しやすさを引き上げていると言えます。通常の言語であれば、やりたいことを行うために複数のライブラリを使いこなさなければならず、ライブラリ間のやりとりを上手く実装するために言語自体を熟知していなければならないことも少なくありません。
一方、Pythonでは1つのライブラリを使いこなすだけでも様々なことができるようになっており、複数使う場合でもその組み合わせを意識した作りになっていることが多くなっています。やりたいことが学習の早い段階でできるということは、学習のモチベーションを上げるだけでなく、言語自体の理解も促進するため、習得しやすさに貢献しています。そうして様々なことができるようになれば幅広いキャリアを選択することも可能です。
【参考】:マイナビIT エージェント
インタプリタ型でデバッグが容易
デバッグをしやすいインタプリタ型であることも習得のしやすさに貢献しています。コンパイラ型は完全なプログラムを設計しなければデバッグを始めることができませんが、Pythonでは設計途中のコードであっても途中まで実行し、デバッグをすぐに行うことが可能です。
他のインタプリタ型と同様に、デバッグのしやすさにつながり、コーディングの早い段階でミスなどに気づけたり、デバッグコードをすぐに埋め込むことができるため、学習効率も大きく上がります。
Pythonを活用したエンジニアになるために
難しいと思われているPythonですが、とても習得しやすい言語であることがわかりました。Pythonを習得すれば、その豊富なライブラリから様々な分野で活躍できるだけでなく、元の経歴と組み合わせれば、より付加価値の高いエンジニアとしてアピールすることも可能です。しかし、多くの求人からPythonのスキルを活用できるものを探すのは簡単ではありません。
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