データサイエンティスト検定を受けても意味ない?
近年、ビッグデータやAIの活用が注目を集めています。そんな中、経営上の様々な意思決定の局面でデータに基づいた判断を行うデータサイエンティスト向けの検定試験として、「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」(DS検定 ★)が実施されています。
しかし、受験のための情報をインターネットなどで調べてみると、「データサイエンティスト検定は意味ない」などの意見も見受けられます。意味がない、と言われるのはなぜなのでしょうか。
この記事では、データサイエンティスト検定の受験を考えている方のため、データサイエンティスト検定の概要と、意味がないと言われる理由を解説し、メリットや勉強方法についても説明していきます。
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データサイエンティスト検定で得られるものを確認しよう
データサイエンティスト検定は、データサイエンティストの初学者や、これからデータサイエンティストを目指す方を対象とした検定試験で、データサイエンティストの見習いレベルとしてのスキルセットを身に付けることができます。
データサイエンティスト検定の意味がないと主張する方にも、様々な立場の方がいますので、ある人から見ると意味がないと思われることがあるかもしれません。データサイエンティスト検定の内容をよく確認し、受験を通して得られるものが自分にとって必要なものかどうかを判断しましょう。
データサイエンティスト検定の概要
データサイエンティスト検定は、一般社団法人データサイエンティスト協会が主催している検定試験です。正式には「データサイエンティスト検定リテラシーレベル」(略称:DS検定 ★)といいます。 第1回目が2021年9月11日に行われた、比較的新しい試験です。
ここでは基本的な情報として、検定の趣旨や試験の概要、データサイエンティスト検定を活かせる仕事の年収などについて解説します。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
検定の趣旨
データサイエンティスト検定は、データサイエンティストに必要なデータサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力について、それぞれ見習いレベルの実務能力や知識、そして数理・データサイエンス・AI教育のリテラシーレベルの能力を持っていることを認定する検定です。
受験資格や年齢の制限、前提となる資格はなく、実務の有無も問わないため、誰でも受けることができます。データサイエンティスト初学者や、データサイエンティストを目指すビジネスパーソン、大学生や専門学校生などを受験対象者として想定しています。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
検定の趣旨
検定では選択式問題が90問出題され、試験時間は90分です。CBTによる試験で、全国の試験会場で受験することができます。 試験開催の予定は以下の通り発表されています。
■第4回:2023年6月3日(土)~2023年6月25日(日) ■第5回:2023年11月11日(土)~2023年12月3日(日) ■第6回:2024年3月上旬~下旬
申し込み方法や申し込み期間については、データサイエンティスト協会のホームページやSNSで告知される予定ですので、受験を考える方はこまめにチェックしておきましょう。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
試験範囲
データサイエンティスト検定の出題範囲は、データサイエンティスト協会がデータサイエンティストに必要とされるスキルをまとめた「スキルチェックリスト」において、データサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力の★1(見習いレベル)相当としている範囲です。
また、数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムについても問われます。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
データサイエンティスト検定を活かせる職種の年収
データサイエンティスト検定を活かせる職種であるデータサイエンティストに近いと考えられる、システムコンサルタントの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は610万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムコンサルタントは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
データサイエンティストはシステムコンサルタントと同様、高い専門知識を活用して経営戦略を立てたり、業務上の課題を解決したりする職種です。データサイエンティストとしてより高い技術や幅広い知識を身に付けているエンジニアは、より年収が高い傾向にあります。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】 2015年〜2016年末までの間にマイナビエージェントにご登録頂いた20代・30代の方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データサイエンティスト検定が意味ないと言われる理由
ここでは、データサイエンティスト検定が「意味ない」と言われる理由と、実際はどうなのかについて解説します。
知名度がそれほど高くないから
データサイエンティスト検定は2021年に新設された試験であり、まだ歴史が長いとは言えません。そのため、取得してもまだあまり知っている人が少ないと考えられることから、取得しても意味がないという評判が立っているようです。
しかし、2021年9月実施の第1回の受験者数が約1,400名、2022年6月実施の第2回が約2,900名と、2回目にして受験者数は約2倍程に増えています。
これは同種のAI・統計関連の資格試験と比較しても決して少ない数ではなく、むしろ、受験者数を伸ばしていることから、AI・統計学分野においてはデータサイエンティスト向けの資格として認知されつつあると考えられます。
今後、AI技術者・データサイエンティストの需要が高まれば、さらに認知度が高まる可能性も十分にあります。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
難易度がそれほど高くないから
過去のデータサイエンティスト検定の合格率は第1回が約66%、第2回が約50%で、高難易度のIT系の資格試験と比べると、比較的難易度は易しめに設定されています。そのため、取得してもしなくても同じで意味がない、という意見が出ているようです。
難易度がそれほど高くない理由は、データサイエンティスト検定では数学や統計における実際の計算が求められないため、難易度が高くなりにくいのではないかと考えられます。
しかし、データサイエンティスト検定は、データサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力などについての知識があることを認定する試験です。そのため、数学知識が求められる他の試験とは異なる価値を持った試験であり、難易度を比較すること自体に意味がないと考えるべきでしょう。
データサイエンティスト検定取得のメリット
データサイエンティスト検定を受けることで、データサイエンティストに必要なスキルセットを習得でき、実務だけでなく転職・就職にも役立てられるというメリットがあります。
データサイエンティストに必要なスキルセットを習得できる
データサイエンティスト検定の受験を通して、データサイエンティストに必要とされるスキルセットであるデータサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力を身に付けることができます。
データを扱うために重要な基礎知識を体系的に習得することができるため、特にデータサイエンティスト初学者の方や、これから目指す方にはおすすめの検定です。
実務に活かせる
試験範囲として「統計(予測・検定)」「データベース・SQL」「AI(機械学習)」など、実務に関する幅広い内容も出題されます。
現在データサイエンティストとして働いている方でも、自分にとってさらに学習が必要な部分がどこなのか気づきにくいものです。検定の勉強を通して、データサイエンティストとして求められるさらなる知識を身につけ、実務に活かすことができます。
能力を証明して転職や就職に活かせる
検定に合格することにより、データ・AI利用のための技術や知識を持っていることを対外的に証明することができます。転職の際には履歴書に記載し、データサイエンティストとしての基礎知識を持つことのアピール材料として活用できます。
データサイエンティストとして働きたいと考えている方は、データサイエンティスト検定を取得して、転職することも視野に入れるといいでしょう。
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データサイエンティスト検定の勉強方法とは
データサイエンティスト検定の合格を目指すためには、公式参考書や問題集で勉強し、必要に応じて対策講座の活用も検討しましょう。
参考書や問題集で勉強する
データサイエンティスト検定では、幅広い範囲から問題が出題されます。そのため、公式の参考書を利用して試験範囲を網羅するように勉強しましょう。また、試験で問題を解くのに慣れておくために、問題集を何度も解いて学習することも重要です。
▪最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版 ▪著者:菅由紀子,佐伯諭,高橋範光,田中貴博,大川遥平,大黒健一,森谷和弘,參木裕之,北川淳一郎,守谷昌久,山之下拓仁,苅部直知,孝忠大輔 著 ▪ページ数:328ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/5/14(書籍版)・2022/4/28(電子版) 【参考】:最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版:書籍案内|技術評論社
▪徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応 ▪著者:スキルアップAI株式会社 小縣 信也 著/スキルアップAI株式会社 斉藤 翔汰 著/スキルアップAI 株式会社 山田 弦太朗 著/一般社団法人データサイエンティスト協会 監修/株式会社ソキウス・ジャパン 編 ▪ページ数:320ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2022/4/21 【参考】:徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応 - インプレスブックス
データサイエンティスト協会監修の対策講座を利用する
独学での学習は、どのように勉強を進めていいか分からない、モチベーションが上がりにくいなどの理由で苦手な方もいるでしょう。その場合は、データサイエンティスト協会が監修を行っている対策講座の受講をおすすめします。
オンライン学習、分かりやすい講義資料や学習アプリを用いて効率よく学習でき、合格までの勉強時間の短縮にもつながります。対策講座は、公式Webサイトに掲載されていますのでチェックしてみてください。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
検定を受験してデータサイエンティストとしての基礎力を身に付けよう
ここまで、データサイエンティスト検定の概要や意味がないと言われる理由、メリット、勉強方法などについて解説しました。データサイエンティストに必要な基礎的な知識があることを証明する、十分に価値のある検定であることがお分かりいただけたと思います。
しかし、検定に合格し、いざデータサイエンティストへの転職をしようと思っても、1人で転職活動を行うのは大変なものです。
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