サーバーエンジニアがきついのはなぜか?
サーバーエンジニアはインフラエンジニアの一種で、サーバーの設計・構築・保守・運用などを担当します。サーバーエンジニアが扱うサーバーにはWebサーバー・DBサーバー・DNSサーバーなどがあり、働く業界もさまざまです。
そんなサーバーエンジニアがきついと言われる主な理由に、突発的な障害対応と夜勤・休日出勤があります。サーバーは24時間稼働しているため、いつ障害が発生するかわかりません。深夜や早朝に障害が発生した場合は、対応するのが辛いと感じるでしょう。
また企業にもよりますが、夜勤や休日出勤が多いこともサーバーエンジニアのデメリットです。サーバーの監視やトラブル対応などで夜勤や休日出勤が多いと、生活リズムが崩れたりプライベートの時間が少なくなったりします。
サーバーエンジニアは多職種への転職にも有利
サーバーエンジニアはきついと言われることもありますが、メリットもあります。例えば、キャリアのスタートとしてサーバーエンジニアを経験することで、多職種への転職が可能になります。
サーバーエンジニアにはサーバーの知識はもちろん、OS・セキュリティ・クラウドサービスなどさまざまな知識が必要です。そのため、ITに関する幅広い知識を身につけることができ、他のITエンジニア職に転職する際に役立ちます。
また、クラウドサービスの普及によりサーバーエンジニアにもAWS・Azure等のスキルが求められています。オンプレミスからクラウドに移行する企業も多く、今後はクラウドサービスのスキルを持つサーバーエンジニアが転職に有利になるでしょう。
【参考】:アマゾン ウェブ サービス(AWS クラウド)- ホーム 【参考】:クラウド コンピューティング サービス | Microsoft Azure
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サーバーエンジニアが「きつい」と言われる6つの理由
サーバーエンジニアは、インフラエンジニアの職種の1つです。サーバーエンジニアの主な仕事は、クライアントが要求するシステムのサーバー設計・構築・保守・運用まで幅広いです。扱うサーバーもWebサーバー・DBサーバー・DNSサーバーなど複数あります。
そんなサーバーエンジニアは「きつい」「やめとけ」などと言われることがあります。ここでは、サーバーエンジニアがきついと言われる理由について詳しく紹介します。
障害対応がきつい
サーバーの不具合やトラブルは、いつ発生するのか予測がつきません。例えば、金融システムのような24時間365日稼働しているサーバーに障害が発生した場合、夜間も休日も関係なく対応することになります。
サーバー障害がいつ発生するかわからない状態で、不安やストレスを抱えながら生活するのはストレスでしょう。また、夜間や休日に関係なく障害対応することによって、生活リズムを崩しやすいです。精神的ストレスや肉体的な負担を減らすためには、組織で障害対応体制の仕組みを作る必要があります。
サーバー監視がきつい
サーバーエンジニアの業務の中で特にきついと言われているのが、監視業務です。システムトラブルはいつ起こるかわからないため、サーバーを常に監視する必要があります。
監視業務はサーバー開発工程の際にマニュアルを作成し、他会社のオペレーターに業務を任せることもあります。しかし、サーバーの監視業務も、場合によってはサーバーエンジニアが担います。
障害が起きなければほぼ仕事がないため、監視業務は退屈であることが多いです。また夜勤や休日出勤もあるので、プライベートの時間を確保しにくいです。
夜勤・休日出勤がきつい
サーバーは常時安全に稼働していることが求められるため、監視業務が必要です。また、サーバー開発が納期に間に合わないときは、深夜帯や休日に仕事をすることも多いです。そのため、サーバーエンジニアには夜勤・休日出勤があります。
夜勤や休日出勤により、生活リズムが崩れたり、プライベートの時間が少なくなったりします。夜勤や休日出勤も、サーバーエンジニアがきついと言われる理由の1つでしょう。
サーバールームでの業務がきつい
サーバーは熱を放出するため、機械を冷却させるためにサーバールームは常にクーラーがついています。サーバールームの室温は低めに設定されており、サーバールームでの作業は寒いことが多いです。
また空気が乾燥していることが多いので、サーバールームでの作業は風邪をひきやすく体調を崩す可能性が高いです。サーバールームでの業務が体質的に合わない人にとっては、仕事がきついと感じるでしょう。
不定休なのがきつい
サーバーエンジニアの仕事で監視や障害対応を担当する方は、不定休の場合があります。システムリリース直後等で障害が多発する時期には、休みの予定を立てにくいというデメリットがあります。
カレンダー通りに休みたい方にとっては、自由に休みを取れないサーバーエンジニアはきついと感じるでしょう。なお、障害が発生しなければある程度まとまった休みをとることは可能です。
IT知識を日々アップデートしなければならないのがきつい
IT技術の発展は早いため、サーバーエンジニアに限らずITエンジニアは常に知識のアップデートが必要です。例えば、近年ではクラウドサービスが急速に普及しています。AWSといったクラウドサービスが登場したことにより、企業ではサーバー管理のアウトソーシングが増加しています。
サーバーエンジニアはクラウドサービスといった新しいスキルを身につけることが求められ、勉強する時間を確保する必要があるでしょう。そのため、トレンド技術をはじめとする新しい知識の勉強が好きでない方は、サーバーエンジニアはきついかもしれません。
サーバーエンジニアの4つのメリット
サーバーエンジニアのデメリットについて解説しましたが、メリットももちろんあります。現代社会において欠かせない仕事であるためやりがいを感じられ、IT分野に興味のある方なら楽しいと感じられることも多いです。ここでは、サーバーエンジニアの4つのメリットを紹介します。
スキルに応じた年収アップが見込める
マイナビエージェントでは職種別の年収ランキングを公開しています。そのランキングによると、サーバーエンジニアの平均年収は465万円(※2023年2月執筆時点)となっています。これはあくまで平均であり、業種・業界によっては平均年収がさらに高い可能性もあります。
サーバーエンジニアに限らずエンジニアの世界は実力主義のため、スキルや経験を積むことで年収アップが見込めます。また、チャンスがあれば報酬のいい大手企業への転職も可能です。
【参考】:職種別平均年収ランキング|求人・転職エージェントはマイナビエージェント 【参考】:サーバーエンジニアの求人・転職・中途採用|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
他のエンジニア職への転身も可能
サーバーエンジニアに求められるスキルは他のエンジニア職においても武器になるため、他のエンジニア職に転職することもできます。キャリアのスタートとしてサーバーエンジニアを選ぶことで、ITエンジニアに必要な知識を幅広く身につけることが可能です。
サーバーエンジニアとしてキャリアを積みITの基礎を身につけることで、将来性も広がります。
学歴に関係なくチャレンジできる
先述したとおりエンジニアの世界は実力主義です。そのため、サーバーエンジニアにおいても学歴に関係なくチャレンジできます。スキルを磨くことで確実に可能性を広げられるため、興味・関心がある人にとってチャレンジする価値のある職種です。
未経験でも転職できる
サーバーエンジニア職は、20代でポテンシャルが高ければ未経験でも採用される傾向があります。また、30代以降であっても必要な知識を身につけていれば採用される可能性があります。いずれにしても、未経験からサーバーエンジニアを目指すなら、スクールや独学などで知識や技術を身につけることが必要です。
【参考】:サーバーエンジニアの求人・転職・中途採用|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
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サーバーエンジニアの将来性は高い
続いて、気になるサーバーエンジニアの将来性について解説します。AWS・Azureなどのクラウドサービスの普及に伴い、サーバーエンジニアの需要が減少すると思われるかもしれませんが、サーバーエンジニアは今後も将来性がある職種です。
職業情報提供サイトによると、クラウドサービスの普及に伴い、物理的にサーバーを設置する業務は減少していると記載されています。その代わり、クラウド技術を活用したIoT・フィンテックなどの新しい分野でITインフラが要求されるようになりました。
そのため、業務内容は以前と変わりますが、ITインフラの根幹を担うサーバーエンジニアは一定の需要があるため、サーバーエンジニアの将来性は期待できるでしょう。
また、クラウドサービスの中でも市場シェア率が高いAWSを使いこなせるサーバーエンジニアは、将来的な市場価値が高いです。他にもサーバーエンジニアの将来性がある理由の中には、少子高齢化やIT人材不足が挙げられます。
2019年に経済産業省が公表した、「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には78.7万人程度のIT人材が不足すると予測されています。
【参考】:厚生労働省-システムエンジニア(基盤システム) 【参考】:経済産業省-IT 人材需給に関する調査
サーバーエンジニアに必要なスキル・資格
サーバーエンジニアはやりがいや社会貢献性の高い仕事で、将来性も充分にあります。そんなサーバーエンジニアは、さまざまなスキルを身につける必要があります。ここでは、サーバーエンジニアに必要なスキルについて詳しく紹介します。
OSを使いこなすスキル
サーバーエンジニアにとって、OSを使いこなすスキルは必要不可欠です。サーバーエンジニアは、サーバーの設計・構築・保守・運用を行うエンジニアです。サーバーの種類は多く、どのサーバーにもOSをインストールするため、OSに関するスキルは必須です。
OSの代表例として、Linux・UNIX・Windowsなどが挙げられます。OSを使いこなすスキルは多種多様で、設計・インストール・パラメーター設定などの構築・テスト・トラブルシューティング・チューニングなどが挙げられます。
クラウドサービスに関するスキル
サーバーエンジニアとして今後活躍するためには、クラウドサービスのスキルを身につける必要があります。クラウド技術を利用することによって、コスト削減やインフラ調達のスピード上昇などが期待できます。総務省が公表している「令和2年版情報通信白書」の調査では、2019年時点で60%以上の企業がクラウドサービスを利用しているとあります。
したがって、今後はさらなるクラウドサービスの普及が予想されており、オンプレミスからクラウドへ移行する案件が増加すると見込まれます。クラウドサービスのスキルを身につけると、市場価値の高いサーバーエンジニアになれるでしょう。
具体的には、以下のような知識・スキルです。
・パブリッククラウドに関する知識(AWS・GCP・ Microsoft Azureなど) ・クラウドサービスの3つの提供形態への理解(SaaS・PaaS・IaaS)
※SaaS(サース)はソフトウェアを、PaaS(パース)はアプリケーションソフトが稼働するためのクラウドプラットフォームを、IaaS(イアース)はITインフラを提供するクラウドサービスのことです。
【参考】:総務省-令和2年版情報通信白書 第2部 基本データと政策動向 【参考】:Google Cloud Platform
セキュリティに関するスキル
IT技術の発展に伴い、サイバーセキュリティの重要性が高まっています。特にクラウド化やIoT化などの技術の変化によって、標的型攻撃やIoT機器の脆弱性に対する攻撃など、攻撃対象も変わってきています。
今後のサーバーエンジニアは、セキュリティに関しても注意を払い、サーバーの設計・構築をする必要があります。また、セキュリティ技術は他の技術と比較して移り変わりが激しいため、常に新しい知見にアップデートすることが大切です。
【参考】:総務省-IoT・5G セキュリティ総合対策 2020
知識の証明・習得に役立つ転職に有利な資格3選
資格の取得はスキルの証明になるだけでなく、新たな知識の習得にもつながります。また、未経験からサーバーエンジニアを目指す場合、資格を取得すれば履歴書に記載できるため資格取得は大切です。ここではサーバーエンジニアにおすすめの資格を3つ紹介します。
・LinuC(Linux技術者認定資格) LinuC(リナック)は、サーバーエンジニアにとって必須のサーバーOS「Linux」に関する知識やスキルに加え、システム開発に必要なクラウドなネットワークの基本的な知識やスキルを証明できる資格です。4つのレベルが設けられていて、上位レベルを取得するには下位レベルの合格が必須となっています。
- LinuCレベル1
- LinuCレベル2(レベル1の資格取得が必要)
- LinuCレベル3(レベル2の資格取得が必要)
- LinuCシステムアーキテクト(レベル2の資格取得が必要)
【参考】:LinuC(Linux技術者認定資格)
・MCP(マイクロソフト認定資格) MCPはマイクロソフト製品に関する知識やスキルを証明できる資格で、技術内容によって細分化されています。Windowsサーバーに関する資格として「Windows Server Hybrid Administrator Associate」があり、オンプレミス・クラウド・ハイブリッドでのサーバー構成や管理に関する専門知識が問われます。
ほかにも、「Azure Fundamentals」や「Azure Administrator Associate」の中でWindowsサーバーに関する問題が出題されることがあります。クラウドサービス「Azure」の知識も深められるため、サーバーエンジニアにおすすめの資格です。
【参考】:Microsoft 認定: Windows Server Hybrid Administrator Associate 【参考】:MCP(マイクロソフト認定資格一覧)
・CCNA CCNAはネットワークの基礎やアクセス、IP接続、セキュリティの基礎などの知識やスキルを証明できる資格です。世界共通基準で知名度も高いため、資格を持つことでスキルのアピールにつながります。ネットワークエンジニアに限らずサーバーエンジニアにもおすすめです。
受験資格はありませんが、「1年以上のシスコソリューションの実装および管理経験」「基本的な IPアドレス指定の知識」「ネットワークの基礎に関する深い理解」が推奨条件となっています。
【参考】:CCNA - Training & Certifications - Cisco
サーバーエンジニアに向いている人
以上のようなスキルや資格に加えて、以下のような特性のある人はサーバーエンジニアに向いていると言えます。
責任感のある仕事がしたい人
サーバーはITシステムの基盤を担う重要なもので、サーバー上で稼働するサービスやアプリケーションは、サーバーが正常に動いていなければ成り立ちません。そのため、サーバーエンジニアの仕事には常に大きな責任が伴います。
障害復旧など迅速かつ正確な対応が求められる場面が多く、プレッシャーを感じる人もいるでしょう。逆に、このような責任の重さをプレッシャーではなく「やりがい」と感じられる人は、大きなストレスやモチベーションの低下もなく仕事を続けられる可能性が高いです。
新しいことを学ぶ意欲が高い人
サーバーエンジニアがきつい理由として「知識を日々アップデートしなければならない」ことを挙げましたが、ITに関することに強い興味があり、新しいことをどんどん吸収していこうとする意欲がある人にとては、この点はデメリットにはならないでしょう。
サーバーエンジニアとしての自身の価値向上や年収アップ、キャリアアップのためにも、新しい情報を敏感にキャッチし、学び続けることは非常に重要です。そのため、知的好奇心やチャレンジ精神が旺盛な人はサーバーエンジニアに向いています。
機械いじりが好きな人
サーバーエンジニアは、他のエンジニアと比べても機械そのものと対峙する場面が多いです。そのため、ソフトよりもハードに関わりたい、つまり機械いじりが好きな人には向いています。
エンジニアの中には、ほとんどソフトしか扱わないような職種もありますが、機械が好きな人にとってはサーバーエンジニアの仕事の方がより楽しんで取り組むことができるでしょう。
やりがいや社会貢献性のあるサーバーエンジニアに転職するには
ここまで、サーバーエンジニアがきついと言われる理由や、メリット・将来性・必要なスキルについて解説しました。サーバーエンジニアはITインフラを支える大切な役割を担っており、やりがいや社会貢献性のある魅力的な職種です。
今後はクラウドサービスやセキュリティに関するスキルを習得することで、さらに市場価値の高いサーバーエンジニアとして活躍できるでしょう。
また、サーバーエンジニアがきついと言われる主な理由に、夜勤や障害対応があります。転職する際は、手当がある・勤務体制が整っている等の企業を選ぶことも大切です。しかし、数多くの企業から自分に合った企業を探すのは大変です。
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