ITスペシャリストとは?
ITスペシャリストとは、一般的にIT系技術者の中で高度な専門性を有する者を指します。情報処理推進機構(IPA)はITSS(ITスキル標準)において、次にあげる専門分野固有スキル項目のいずれかをスキルレベル1から4とした場合のスキルレベル3以上を有するものと定義しています。 ・プラットフォーム ・ネットワーク ・データベース ・アプリケーション共通基盤 ・システム管理 ・セキュリティ 参考:情報処理推進機構(IPA) ITスキル標準V3
プラットフォームを専門とするITスペシャリストは?
プラットフォームとは、ITシステムで用いるハードウェアや稼働オペレーティングシステム(OS)およびシステムソフトウェア・ミドルウェアを指します。プラットフォームのITスペシャリストはシステムプラットフォームの設計、構築及び導入を行うIT技術者となります。
ネットワークを専門とするITスペシャリストは?
ネットワークのITスペシャリストはネットワークの構成要素・ネットワーク網・キャパシティ・障害回避手段などの設計・構築及び導入を行うIT技術者です。
データベースを専門とするITスペシャリストは?
データベースのITスペシャリストはデータベースの論理設計・物理設計・回復管理などの設計・構築及び導入を行うIT技術者を指します。
アプリケーション共通基盤を専門とするITスペシャリストは?
アプリケーション共通基盤とはアプリケーションが稼働するシステム基盤を共通基盤として定義し、保全性を高める仕組みのことです。アプリケーション共通基盤のITスペシャリストはシステムにあったソフトウェアアーキテクチャやフレームワークおよび共通ライブラリの設計・実装を行います。同様に導入したライブラリの管理・ソフトウェアの品質管理・開発環境の決定・アプリケーションの開発ツールの作成・導入を行うIT技術者となります。
システム管理を専門とするITスペシャリストは?
システム管理のITスペシャリストはハードウェア・ソフトウェア・アプリケーションを含めたシステム運用・管理の設計・構築及び導入を行うIT技術者を意味します。
セキュリティを専門とするITスペシャリストは?
セキュリティのITスペシャリストは企業内、企業間で必要とされるセキュリティ機能・セキュリティのためのコンポーネントなどの設計・構築及び導入を行うIT技術者を指します。
ITスペシャリストでお勧めする資格は?
ITスペシャリストとは各専門分野のいずれかに専門性を持つIT技術者となりますので、取得する資格もそれぞれ異なります。同様に各専門分野の共通項目については専門性を広げるうえでも資格取得をお勧めします。以降にそれぞれお勧めの資格を紹介していきます。
ITスペシャリストの共通資格は?
情報処理推進機構(IPA)の定義するITプロフェッショナルの最初のステップとして、基本情報技術者試験(FE)をお勧めします。資格取得により情報戦略立案やシステムの設計・開発・構築・導入が指示通り実施できることが証明できます。次に上位資格として応用情報技術者試験(AP)をお勧めします。資格取得により情報戦略立案やシステムの設計・開発・構築・導入を主導できることが証明できます。 参考:情報処理推進機構(IPA) 応用情報技術者試験(FE) 参考:情報処理推進機構(IPA) 応用情報技術者試験(AP)
プラットフォームを専門とするITスペシャリスト向けの資格は?
また、組み込みシステム系のプラットフォームを担当するITスペシャリストは、情報処理推進機構(IPA)が実施する情報技術者試験の区分であるエンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)に挑戦しましょう。資格取得により組み込みシステム固有のプラットフォーム要件に基づく設計能力が証明できます。 参考:情報処理推進機構(IPA) エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
ネットワークを専門とするITスペシャリスト向けの資格は?
ネットワークのITスペシャリストには最新の通信技術が求められます。そのため、通信機器ベンダーが提供するトレーニングとその資格取得を検討しましょう。大手通信機器ベンダーのシスコシステムズでは、システム構築技術者向けにCCNAやCCNPを用意しています。トレーニング受講によってスキルを高め資格認定に挑戦しましょう。 参考:シスコ技術者認定
加えて、情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の1つであるネットワークスペシャリスト試験(NW)も、ネットワーク固有の技術とITインフラを正しく実装する技術を求められる試験です。ベンダーに依存しないネットワーク知識の専門性が証明できます。 参考:情報処理推進機構(IPA) ネットワークスペシャリスト試験(NW)
データベースを専門とするITスペシャリスト向けの資格は?
データベースを専門とするITスペシャリストには、情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の区分であるデータベーススペシャリスト試験(DB)がお勧めできます。データベースの設計・開発・構築・運用がカバーされています。 参考:情報処理推進機構(IPA) データベーススペシャリスト試験(DB)
もし、基幹システム等で用いられるデータベースの経験を有する場合は、市場占有率の高いオラクルを学習しOracle Masterを資格取得しましょう。資格取得により大規模システムでのデータベースを担当する機会が得られるでしょう。 参考:Oracle 認定資格一覧
アプリケーション共通基盤を専門とするITスペシャリスト向けの資格は?
アプリケーション共通基盤を専門とするITスペシャリストには、情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の区分であるシステムアーキテクト試験(SA)を取得しましょう。資格取得により、システム基盤を最適に活用するアプリケーションの設計・開発・構築・運用の能力が証明できるでしょう。 参考:情報処理推進機構(IPA) システムアーキテクト試験
システム管理を専門とするITスペシャリスト向けの資格は?
システム管理を専門とするITスペシャリストには情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の区分であるITサービスマネージャ試験(SM)が適しています。安全性と信頼性の高いITサービスが提供できることが証明できます。 参考:情報処理推進機構(IPA) ITサービスマネージャ試験(SM)
セキュリティを専門とするITスペシャリスト向けの資格は?
セキュリティを専門とするITスペシャリストには、情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の区分である情報処理安全確保支援士試験(SC)がお勧めです。この資格では組織の事業・サービス及び情報システムの安全を確保するセキュリティエンジニアや、経営層を支援するセキュリティコンサルタントを想定しています。したがって技術力を証明する他にも所定の登録手続きを行うことで、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」として独立したセキュリティコンサルタントの活動も可能となります。 参考:情報処理推進機構(IPA) 情報処理安全確保支援士試験(SC)
今後のスキルアップで取得をお勧めする高度な資格は?
ITプロフェッショナルとしての専門的な活動に加えて、プロジェクト全体に責任を持つプロジェクトマネージャ試験(PM)やIT戦略を立案するITストラテジスト試験(ST)等の上位資格についても、情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の区分に分類されています。ITプロフェッショナルの将来の職種の幅を広げるためにもこれらの資格取得に挑戦しましょう。 参考:情報処理推進機構(IPA) プロジェクトマネージャ試験(PM) 参考:情報処理推進機構(IPA) ITストラテジスト試験(ST)
ITプロフェッショナルのの専門性をさらに高めてチャレンジの幅を広げましょう
ITプロフェッショナルは専門性の高いIT技術者ですから、すぐに専門性を高めることは容易ではありません。こつこつと学習し実務経験を積んでいくことで専門性を高めることが可能です。資格取得を目指し将来の選択の幅を広げましょう。
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