プログラミングで挫折する人
プログラミングを学ぶ過程で、挫折を経験した方はどれくらいいるのでしょうか?ネット掲示板やプログラマーの方のSNSなどを見てみると、多くの方が挫折を経験していることが分かります。
プログラミングの学習では「エラーの原因が分からない」「なかなかエラーが解決できない」といった理由で挫折し、学習を諦めた方や学ぶ言語を変更した方、挫折を克服して無事にプログラマーになった方など、様々です。
マイナビニュースによると、プログラミング経験者は80%の割合で挫折の経験があるとしており、多くのITエンジニアやプログラマーが1度は挫折を経験していると見られます。挫折しないためには、原因を明らかにし、具体的な対策を講じていくことが求められます。
その一方、プログラミングが義務教育化されるなど、プログラミングを学ぶ人やコード記述ができる人が急速に増えていくと考えられます。そのため挫折して諦めてしまうと、厳しい競争に打ち勝つことはできません。
この記事では、プログラミング学習の挫折の原因と対応策について考えていきます。プログラミング経験者でプログラミングに悩む方、将来に不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
【参考】:プログラマー38%「プログラミングスキルは独学」、挫折しないコツは? | マイナビニュース 【参考】:小学校プログラミング教育に関する概要資料 | 文部科学省
挫折を感じたら環境を変えてみる
プログラミングの学習で挫折する原因は様々ありますが、反対に挫折の経験がない方も少なからずいます。後ほど、挫折の原因については1つずつ見ていきますが、プログラミングを学べる環境にあるか否かが、学習の成否を左右する大きな要因だと考えられます。
独学でプログラミングを習得することは可能ですが、周囲の理解や協力がなければハードルは上がりやすくなります。本人に対する動機づけや目標の明示、習熟に対する評価などモチベーションが必要です。
プログラミング学習で挫折しそうになったら、自分自身の取り組み状況や、置かれた環境に問題がないのか等について客観的に見直す必要があります。例えば、
▪勉強方法に問題はないか ▪十分に勉強ができる環境にあるか ▪学習の目標や目的は明確になっているか ▪上司の適切な指導があるか ▪スキルアップに対する組織的なサポートはあるか ▪キャリアパスは明確になっているのか ▪モチベーションは維持できているのか ▪組織やチーム内の協力関係はあるか
などについて自分自身で棚卸しを行い、挫折の原因を明らかにして1つずつ解決を図っていくことが重要です。
また、それらは自分自身の姿勢の問題なのか、会社や上司の問題なのかなどの切り分けも必要です。就業環境に起因する問題が多ければ、転職などによって周囲の環境を変えてみるのも1つの方法です。
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プログラマーの現状
プログラマーの仕事は、急速なIT化の進展により大きく変わっています。ここではプログラマーの現状や年収、将来性について確認してみましょう。
プログラマーを取り巻く環境と働き方の変化
プログラミング自体は新たな言語の開発や、フレームワークの活用、開発ツールの利用によってハードルは下がっていますが、反対にDX推進の課題達成のために、これまで以上にプログラミングスキルや成果が問われるようになっています。
また、従来の「ウォーターフォール開発」から「アジャイル開発」へのシフトによって、プログラマーはより短いサイクルでの効率的な開発が求められるようになりました。IT環境の変化に対応できる、より柔軟で、実践力の高いプログラマーが求められていると考えられます。
また、雇用環境も従来の終身雇用制から、より柔軟で流動的な雇用環境にシフトしており、新卒を採用して1から育てるよりも、より即戦力の高い中間採用にシフトする企業も増えています。
プログラマーの需要や将来性
日本におけるIT人材の人数は約100万人であり、2030年には160万人前後の需要が見込まれていますが、経済産業省の予測では供給が追い付かず、約45万人が不足すると見込まれています。また、プログラマーはIT人材の過半数を占めていると見られ、プログラマーの大幅な不足が予測されます。
プログラマーの仕事の一部は将来的にはAIに置き換わるとも言われていますが、全面的に置き換わるのは現状難しいでしょう。そのため、依然としてプログラマーの需要は旺盛で、将来性に関しても高いと考えられます。
【参考】: IT 人材需給に関する調査報告書|経済産業省 【参考】:2021年情報通信業基本調査結果|経済産業省)
プログラマーの年収
プログラマーの年収に関して、「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は344万円です。経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
国税庁2020年発表「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円であり、プログラマーは一般平均年収よりも、やや低いと見られますが、プログラマーの平均年齢が比較的若いこと、企業によって大きなバラツキがあることも念頭に入れておく必要があります。
プログラマーはシステムエンジニアの登竜門とも言われ、システムエンジニアやプロジェクトマネージャー、ITコンサルタントなどにキャリアアップすることで、高年収を得ることが可能です。また、DX推進などによってシステム開発の需要は高まっており、プログラミングスキルを有する人材の市場価値がさらに高まることも考えられます。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
プログラミングの学習で挫折する原因
プログラミングの学習や、実務でのプログラミングの中で、多くの人はどんな時に挫折を感じるのでしょうか?ネットの様々な声を拾ってみると、多くの人に共通する悩みが見えてきます。主な挫折原因や理由について、以下にまとめてみました。
1.ゴールが見えない
プログラミングの学習は、どこまで勉強してもゴールが見えてこないという声が多く見られます。ゴールが見えず、自分の立ち位置も分からないと人は不安になります。現役プログラマーの方でも、上司から目標も示されず、自分に対する評価が分からないと嘆く人もいます。
また、質問や相談ができる上司や先輩がいない、教えてもらえないために進歩できないという不満を抱えている人もいるようです。
2.学習手順や方法が分からない
スクールに通う時間はなく、社内にも教育体制が整っていないため、独学でプログラミング言語を学ぶしかないという方が多くいます。学習の手順が分からない、何をどのくらい学べば良いのか、どの順番で学べば良いのかが分からないという声もあります。
3.言語選択を誤ってしまった
言語の難易度が分からず、人気のC言語やJavaを選択したものの、難しすぎて理解できないといった、言語選択のミスを挫折原因に挙げている人も少なくありません。プログラミング未経験者がいきなりC言語やJavaを独学で学ぶのはハードルが高いと考えられます。
構文がシンプルで理解しやすい言語、教法や教材が豊富で勉強しやすい環境が整っている言語を選択した方が良いでしょう。
4.モチベーションが保てない
どんなことでも続けるにはモチベーションが必要です。プログラミングでは、モチベーションを高めるには成功体験や周囲からの反応、評価などが必要です。
人は周囲の期待を感じた時に、期待に応えようという気持ちがモチベーションを維持します。しっかりとゴールが示され、ゴールに向かって進んでいる実感が得られることが必要です。
プログラミング学習の挫折を克服する方法
ここまで、プログラミングの学習で挫折する主な原因について挙げました。一義的にはそれらの原因に1つずつ対処していけば、挫折を防ぎ、解決することは可能ですが、自力では解決できない問題もあるため解決策の見極めが必要です。以下では、挫折の克服策について紹介します。
1.学習目標を明確に定める
プログラミング言語を学ぶのは何のためでしょうか?プログラマーとして活躍するため、スキルアップしてシステムエンジニアになるためなど、明確な目標やキャリアパスを描けているのか、学習目標を確認しましょう。
目標の成果測定の方法としては、プログラミング言語の検定資格を取るのも成果測定の手段です。資格の取得は能力を可視化させ、スキル証明にもなるため、挑戦する資格を明確にしておきましょう。おすすめの資格は、IT人材に求められる情報処理の基本的な知識・スキル・活用能力が証明できる、基本情報技術者試験です。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
2.学習手順や方法を定める
企業によっては、挑戦すべき資格の提示、社内教育制度の整備、社外スクール費用の負担などを行っています。自社にそのような制度があるのか否かを確認し、なければ社内研修制度が整った企業に転職するという対策も視野に入れましょう。
3.他の言語を選択する
好きな言語や勉強中の言語が自分のレベルと合っていなかったり、会社が求めているものとマッチしていなかったりする場合には見直しが必要です。例えば、学生時代にHTMLやJavaScriptを学んだのに、Javaを勉強することになった人は個人のスキルや適性と会社のニーズがマッチしていません。
またC言語を学ぶことにしたものの、難し過ぎて学習が思うように進まない方は、選択言語を比較的学びやすいPythonなどに変えてみるといった対応も考えられます。
【参考】:Python
4.成功体験を重ねる
どのような仕事においても、続けるためにはモチベーションが必要です。プログラミングの世界では、プログラミングに対する自信が必要であり、自信を得るには成功体験の積み重ねが重要です。
1本のプログラムを完成させ、そのプログラムがシステムの中でしっかり役目を果たしていることが確認できれば、それが成功体験となります。自ら積極的に開発プロジェクトに参加し、そこで実践を通じて成功体験を積み重ねることで、プログラミングに対する苦手意識は克服できるでしょう。
5.転職を検討する
プログラミングでの挫折を克服し、自らの能力を最大限に高めるためには、企業の目指す方向や就業環境が自身の希望と合致している必要があります。前述の対策を講じても、企業のベクトルと自身のベクトルが合っていなければ、完全な問題解決には至りません。
そういった場合には、自らの能力を引き出して活躍の機会を与えてくれる企業への転職をおすすめします。
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より良い環境でプログラミングを習得するには
ここまで、 プログラマーの現状と将来性や年収、プログラミングの学習で挫折する原因と対策について解説をしてきました。挫折の克服において、様々な対策が考えられますが、個人での対処や対策が難しい場合は、転職も1つの有効な解決策となることが分かりました。
プログラマー1人1人の能力を引き出し、生き生きと活躍している企業があります。社内研修制度が充実し、資格取得に対するインセンティブ制度が整っている企業もあります。
しかし、膨大な求人情報から、そうした制度を持ち合わせ、自らの希望やレベルに合っている企業を見つけ出すのは容易なことではありません。また、転職が初めての方は様々な不安を抱えていることでしょう。
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