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ChatGPTの商用利用とは?その可否や注意すべきポイントを解説
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ChatGPTの商用利用とは?その可否や注意すべきポイントを解説
アンドエンジニア編集部
2024.08.25
この記事でわかること
ChatGPTの商用利用は可能だが、著作権や商標権、利用規則などクリアすべき課題がある
ChatGPTなどAIのビジネス影響は業務効率化、コスト削減、ビジネス機会拡大など多々ある
ChatGPTのビジネス利用では、実際の活用例を参考にして自社に適合させることが必要

ChatGPTの商用利用は可能?

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AIブームの火付け役となった、生成AI「ChatGPT」の登場は、生成AIのビジネスシーンにおける利活用の大きな可能性を切り拓いたと言えます。

自然言語処理能力に優れたChatGPTは、商品紹介文や広告文、企画書作成など、幅広い業務の効率化に寄与し、創造性を高めるツールとして注目されています。しかし、一方で、ChatGPTを商用利用する場合、著作権や利用規約など、クリアすべき課題も存在します。

結論から述べると、ChatGPTの商用利用は可能です。ただし、生成したコンテンツの著作権はユーザに帰属するものの、ChatGPTに入力した情報が学習データとして利用される点、AI生成であることを明記する必要がある点など、いくつかの注意点が存在します。

さらに、ChatGPTの商用利用には、倫理的な問題や情報の正確性、セキュリティ対策など、様々な課題も伴います。本記事では、ChatGPTの商用利用可否について、OpenAI社の利用規約に基づいて解説していきます。ChatGPTの商用利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

【参考】:ChatGPT | OpenAI 【参考】:使用に関するポリシー | OpenAI

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ChatGPTの問題点は?注意が必要なポイントを具体的に解説

そもそもChatGPTとは

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ここでは、改めてChatGPTの概要について確認しておきましょう。また併せて、AI技術がビジネスに与える影響についても紹介します。

ChatGPTの概要

ChatGPTは、OpenAIが開発した高度な対話型AIで、人間と自然な会話を行うことができるサービスです。2022年11月のリリース以来、その優れた自然言語処理能力が注目されています。ChatGPTは、大量のテキストデータを基に訓練されたLLM(大規模言語モデル)が活用されています。

LLMは、質問応答、要約、翻訳、文章生成など多岐にわたるタスクをこなすことができます。また、企業では顧客サポートやマーケティングの分野での活用も進んでおり、その可能性は広がり続けています。

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AI技術がビジネスに与える影響

ChatGPTを初めとしたAI技術はビジネスにどのような影響を与えているのでしょうか?ChatGPTのビジネス利用を考える前に、そのビジネスへの影響範囲について見ておきましょう。

■ 業務の効率化 AIは、データ分析や顧客対応、自動化プロセスを通じて業務の効率化を支援します。例えば、チャットボットを用いた顧客サポートや、AIによるデータ解析が挙げられます。

■ コスト削減 AIの導入により単純作業の自動化が進み、人件費の削減が可能になります。特に、人手不足が顕在化している中小企業にとっては大きなメリットとなります。

■ 新たなビジネスチャンス AIは新しいサービスや製品の開発を可能にし、ビジネスの成長を促進します。AIによるパーソナライズドマーケティングや予測分析などのビジネス機会が想定されます。

■ リスク管理 AIをリスク管理に活用することが可能です。詐欺などの犯罪のパターンを覚え込ませることで、詐欺行為の予測や検出が可能となり、企業におけるリスク管理の強化に活用できます。

■ 人材育成 AI技術を導入する上で、AIの活用ができる人材が必要となります。AIは日々進化しているため、これに対応できる人材の確保や教育体制の整備などがAIのビジネス活用を進める上で重要です。

ChatGPTの商用利用について

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ここでは、ChatGPTの商用利用の可否やOpenAI社の規約について、商用利用する際に守るべき法令や留意すべきことについて解説していきます。

【参考】:ChatGPT Pricing | OpenAI

ChatGPTの活用方法!エンジニアの業務に活かせるか利用してみた

ChatGPT商用利用の料金

ChatGPTには無料のフリープランもありますが、様々な利用制限があるため、無料プランは商用利用には適していません。

ChatGPTには、ライセンス料が月額20$の「ChatGPT Plus」、個別に料金が設定されるビジネスプランとして「Teams、Enterprise」が用意されていますので、適切なプランの採用をおすすめします。

【参考】:使用に関するポリシー | OpenAI

ChatGPT APIの料金を抑える方法とは?活用方法も解説

GPTsとは

GPTs(ジーピーティーズ)は、OpenAIが提供するカスタマイズ可能なAIツールで、特定のタスクや領域に最適化されたChatGPTです。GPTsはChatGPTのフリープランでは利用できず、ChatGPT Plusなどの有料プランに加入することで利用できます。

これらはユーザが自身のニーズに合わせて設計でき、例えば特定の業界や作業に適した解決策を提供します。GPTsは、一般的なChatGPTよりも特定の目的に特化しており、企業や個人が効率的に自動化や会話型インターフェースを実装するのに役立ちます。

GPTsで作成したコンテンツはGPT Storeで公開、共有して収益を得ることができます。

【参考】:Introducing the GPT Store | OpenAI 【参考】:Does publicly sharing a GPTs incur additional charges | OpenAI

GPT Storeとは?概要やGPTsの検索・作成・公開方法を解説
ChatGPT Plus(有料版)とは?無料版との違いやGPT-4の機能も解説!

ChatGPT商用利用の可否

ChatGPTの商用利用は原則、可能です。ただし、OpenAI社の利用規約によると、以下のような制限があります。利用規約に合意することでChatGPTは利用できますので、制限や禁止事項から逸脱することはできません。

■ 制限事項 以下に挙げる事項については制限されていますので、判断は必要ですが生成することがないよう留意しましょう。判断が難しい場合は弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

・有害なコンテンツの生成 ・差別的なコンテンツの生成 ・暴力的なコンテンツの生成 ・違法なコンテンツの生成 ・虚偽の情報の生成 ・誤解を招く情報の生成 ・スパムの生成 ・マルウェアの生成

■ 禁止事項 上記の制限に加えて、以下の行為は禁止されます。

・ChatGPTを違法な目的に利用すること ・ChatGPTを他人に危害を加えるために利用すること ・ChatGPTをOpenAI社の許可なしに複製、改変、頒布すること ・ChatGPTをOpenAI社のサーバに過剰な負荷をかけること

著作権法や商標法などの法令遵守の必要性

ChatGPTで生成されたコンテンツを商用利用する場合、著作権法や商標法などの法令を遵守する必要があります。具体的には、以下の点に注意する必要があります。

■ 生成されたコンテンツの著作権は誰に帰属するのか? ChatGPTは画像生成AIのDALL-E3を利用して画像を作成できますが、この著作権はユーザに帰属するため、著作権侵害の恐れはありません。ただし、偶然にも既に存在する画像を生成した場合には著作権に触れる可能性がありますので、画像を販売する場合には注意が必要です。

■ 生成されたコンテンツに商標が含まれていないか? 生成されたコンテンツに商標が含まれている場合、その商標は一般的に商標法に基づいて保護されます。商標の使用に関するルールや侵害の可能性については、通常の商標ケースと同様に検討されますので、商標法のルールに従います。

■ 生成されたコンテンツを商標として登録することは可能か? 生成されたコンテンツを商標として登録することは可能ですが、実際にはいくつかの法的および実務的な課題があります。オリジナリティがあり、消費者がコンテンツを識別できることや、製品やサービスの源として機能することなどが求められます。

以上、法令違反をした場合は、民事上の責任だけでなく、刑事上の責任を問われる場合もありますので、判断が難しい場合は専門家に相談することをおすすめします。

その他の注意点

ChatGPTはまだ開発段階の技術であり、不具合や誤動作、誤った情報を提供する可能性があります。商用利用においては、その点を十分に考慮し、しっかり事前のテストを行い、リスクを理解した上で利用することが求められます。

ChatGPTのビジネス活用例

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ChatGPTはビジネスの効率化を実現してくれますが、では実際にどのようなビジネス活用策があるのでしょうか?ここではその一部を紹介します。以下の活用例を参考に自社のビジネスに適用してみましょう。

文書作成

ChatGPTの文書作成機能を用いて、ビジネスメールの作成、商品やサービスの紹介記事作成、業務マニュアルの作成などが可能になります。特にビジネスメールに関しては、ChatGPTの得意分野です。以下、ChatGPTによるビジネスメール作成の例を紹介します。

■ 指示内容: 「当社(ABC株式会社)の強みとするコールセンター事業について、X社担当者宛の営業メールの文案を作成してください。初めてのメールなので、長くなり過ぎないよう簡潔にしてください。」

■ 結果: ChatGPTは以下のビジネスメールの文案を示してくれました。これをベースにビジネスメールを作成できます。より詳細な内容を望む場合には、プロンプトに詳細を記述しましょう。

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【図】:ChatGPTによるビジネスメール作成例

アイデア出し

企画やブレインストーミングにおいて、アイデア創出や叩き台の作成にChatGPTを活用する方法があります。アイデアが湧かないような場合には非常に効果的です。また自分のアイデアを整理する意味で、ChatGPTと会話してみるのも有効な方法です。

■ 指示内容: 「当社は10期連続増収増益を続けてきましたが、今期は構成比50%を占める主力事業、コールセンター事業の顧客数が前年に対して5%減少しており、値下げ圧力も強く、売上・利益ともに前年割れとなる可能性があります。打開策についてアイデアを出してください。」

■ 結果: ChatGPTは以下のように、検討すべき事項とアイデア、参考URLを提示してきました。他に「4.顧客関係の強化」「5.効率化とコスト削減」を提言してくれました。これらをベースとして、会議でのアジェンダに利用することができます。

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【図】:ChatGPTによるビジネスアイデア創出例

顧客サポート

顧客からの問い合わせに対する自動応答にChatGPTを活用することで、24時間体制のサポートを提供できます。これまでチャットボットに対するQ&Aを人が作成するケースが大半でしたが、Q&AをChatGPTで自動作成することも可能です。

これにより、顧客満足度の向上とサポートチームの負担軽減を実現できます。

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【図】:顧客サポートにおけるAI活用イメージ(コールセンター業務)

多言語翻訳

企業、行政・自治体は多様な言語による対応が求められ、多くの翻訳作業が日常的に発生します。行政では、インバウンド対応に加え、外国人住民へのサービスなどで多言語対応が求められます。

熊本市では、ChatGPTの本格導入に向けて、職員を対象に実証実験を行いましたが、以下の図にあるように、ChatGPTを利用した多言語翻訳では、1週間以上を要していた多言語翻訳作業が、わずか1時間に短縮されたという成果が示されています。

【参考】:ChatGPTの実証実験 報告書|熊本市

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【図】:熊本市におけるChatGPT利活用実証実験P8より転載

外国人専用の相談窓口を開設する自治体が今後増加すると見られます。これから自治体の立場で、実際にChatGPTを用いて多言語翻訳を試してみましょう。

【参考】:7月1日から外国人専用の相談窓口を開設|豊島区公式ホームページ

■ 指示内容: 「役所内で外国人向けの相談窓口に誘導する案内板を作成します。「外国人住民の方向けの相談窓口へはこの通路を直進してください」という文章を英語、中国語(簡体字)、韓国語に翻訳してください。」

■ 結果: ChatGPTは瞬時に以下のように回答しました。それぞれ正しいかどうかを逆翻訳した上で、誤りがなければそのまま利用できます。

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【図】:ChatGPTによる多言語一括翻訳の事例

ChatGPTの商用利用を実現させよう

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ここまでChatGPTの商用利用について、ChatGPTの概要やビジネスに与える影響、商用利用の可否と商用利用における注意点、ビジネス活用などについて解説しました。

ChatGPTの商用利用は、ビジネスの効率化と競争力の強化に大きな期待がある一方、その活用にあたっては、利用規約の遵守やプライバシー保護、著作権の管理といった重要なポイントに留意する必要があります。

ChatGPTの商用利用には法的な問題や制約もありますが、これらのハードルをクリアし、ChatGPTを適切に活用することで、企業の成長と発展に大いに役立つでしょう。

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