Pythonはサーバーサイド向きの言語なのか
サーバーサイド開発では、WebサービスやWebアプリにおいて利用者に見えないサーバ側の処理を実装します。バックエンド開発とも呼ばれ、Web開発における重要な工程の1つです。
画面を担当するフロントサイドに対し、入力したデータの登録や決済など、サーバで動かすプログラムの処理は、サーバーサイドが担当します。
フロントサイド開発では、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語が使われますが、サーバーサイドではPHPやJavaをはじめとした様々な言語が使われます。
Pythonもサーバーサイド開発におすすめの言語で、実際に多くのWeb開発現場で使われています。
Pythonでの開発メリットを確認しよう
Pythonは書きやすく読みやすいシンプルな言語であることが特徴です。また、Web開発に適したフレームワークも豊富に存在し、プロジェクトの規模や用途に応じて使い分けることができます。
Pythonをサーバーサイド開発で使うことを検討する場合、メリットや便利なフレームワークを知っておくことで、効率的で高品質な開発を行うことができます。
この記事では、Pythonをサーバーサイド開発に活用したい方のために、他の言語との比較や、Pythonをサーバーサイド開発に使うメリット、便利なフレームワークについて解説していきます。
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サーバーサイド開発で使われる言語とは
ここでは、サーバーサイド開発でよく使われるプログラミング言語を確認し、その中でもPythonはどのように活用されているか確認しましょう。また、サーバーサイドエンジニアの年収についても解説します。
サーバーサイドでよく使われる言語
サーバーサイドで使用される主要な言語として、PHPやJava、Rubyなどが挙げられます。プロジェクトの規模や内容に応じて使用する言語が選ばれます。
PHPはWebアプリケーションやWebサイトの開発で幅広く採用されており、HTMLに組み込むことでWebページを動的に表示させることもできます。近年ではCMSでもよく活用されています。
Javaは大規模システムやAndroidアプリの開発に用いられ、世界中の多くの開発現場で使用されています。
RubyはWebアプリ開発言語で、「Ruby on Rails」と呼ばれるフレームワークが優れており、効率的な開発を実現できます。
Pythonによるサーバーサイド開発
Pythonも、シンプルなコードで可読性や保守性が高いこと、様々なWeb開発用フレームワークが存在することなどから、Webアプリケーション開発によく使用されます。
また、機械学習やAIのライブラリも豊富で、AIを利用したWebアプリケーションを作りたい場合、Pythonを利用すれば比較的簡単に実装することができるでしょう。
近年の社会におけるDX化の推進により、企業が持つ膨大な基幹システムデータを活用するWeb開発のニーズも高まっていることから、データ分析に強いPythonを使った大規模Web開発も行われています。
サーバサイドエンジニアの年収とは
サーバーサイド開発を行うプログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2024年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは一般平均年収よりも低めから、やや高めと幅があることが分かります。
サーバーサイドエンジニアとして高い年収を目指すためには、データベースの高いスキルや、様々な開発現場で活躍できるように、よく使用されるフレームワークやライブラリの知識などが重要です。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Pythonをサーバーサイドで使うメリットとは
ここでは、Pythonをサーバーサイド開発で使うメリットについて解説します。可読性や保守性が高いこと、シェアが大きく信頼性が高いこと、ライブラリやフレームワークが豊富なことが挙げられます。
シンプルな文法で可読性や保守性が高い
Pythonは文法が比較的シンプルで、より少ないコードで記述できる言語です。インタプリタ型で実行速度が速いことも特徴です。書きやすく読みやすいコードで実装でき、習得しやすいため多くのプログラマーが使用している言語でもあります。
そのため、PythonをWeb開発に使用することでコードの可読性が高くなり、作業効率性が向上することが期待できます。
また、保守性の面でも修正が行いやすく、バグの発生を減らせるというメリットが得られます。
シェアが大きく信頼性が高い
Pythonは世界的にも人気で高いシェアを誇っています。シェアが高い言語はそれだけ多くの開発現場で使用され、高い安定性や信頼性があると言えます。
多くの企業でもPythonをWebシステムの構築に利用しており、サーバーサイド開発にPythonを選ぶのはリスクの少ない選択とも言えるでしょう。
使えるライブラリやフレームワークが多い
Pythonがサーバーサイドで広く利用される理由として、豊富なライブラリやフレームワークによる開発効率の向上が挙げられます。
Pythonには既存のコードの集まりであるライブラリや、開発の枠組みを提供するフレームワークが多数存在します。これらを活用することで開発をスムーズに進めることができ、品質の向上も期待できます。
Pythonはデータ分析や機械学習で使えるライブラリが充実していますが、Web開発向けのフレームワークも多くあるため、開発の内容によって使い分けることが重要です。
Pythonのおすすめサーバーサイドフレームワーク
それでは、Pythonによるサーバーサイド開発で使用できるフレームワークにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、代表的なものとしてDjango、Flask、FastAPIを紹介します。また、Pythonのフレームワークを学んでWeb開発に役立てる方法についても説明します。
Django
Djangoは高機能なサーバーサイドWebフレームワークで、安全で保守性の高いWebサイトをスムーズに開発できるフレームワークです。
例えばセキュリティ面では、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの脆弱性に対する保護ができ、高い安全性を確保できます。
また、トラフィックの増加に合わせて柔軟にスケールできるスケーラビリティがあり、コードの保守性や再利用性も高いなどメリットが多いことから、幅広いWeb開発現場で使用されています。
【参考】:Django ドキュメント
Flask
Flaskは、Pythonの軽量なWebアプリケーションフレームワークです。標準で提供している機能が必要最低限だけのものであることから、マイクロフレームワークと呼ばれることもあります。
学習コストが低く、シンプルな操作によりプログラマーが使いやすいことが大きなメリットです。また、機能が少なく軽いことから、処理も高速で快適に開発を行うことができます。
一方で、カスタマイズ性も高く、標準のシンプルな機能に自分で必要なライブラリを必要なだけ組み込んで、開発しやすい環境を整えることができます。
【参考】:Welcome to Flask Flask Documentation (3.0.x
FastAPI
FastAPIは、Python 3.6以降を使用したアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の構築に適したフレームワークです。
高速かつ軽量で高速な動作や、OpenAPI標準に準拠したドキュメントを動的に生成できることが大きな特徴です。
APIを開発する際に、スピードと品質を両立したい開発者に役立つフレームワークとして注目されています。
【参考】:FastAPI
Pythonのフレームワークスキルを活かすには
Pythonのフレームワークには、他にもStreamlit、Bottle、Tornado、TensorFlowなどの様々な種類があります。それぞれに異なる特徴があり、開発の規模や目的に合ったフレームワークが使われます。
そのため、多くのフレームワークを経験して幅広く使えるようになれば、サーバーサイドエンジニアとして多くの現場で活躍することができます。スキルを活用してキャリアアップできる企業への転職を考えても良いでしょう。
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Pythonを習得してサーバーサイド開発に活かそう
ここまでの説明で、Pythonはシンプルな文法で可読性が高く、豊富なライブラリやフレームワークを備えているため、サーバーサイド開発に適した言語であることが分かりました。
機械学習やデータ分析にも強いことから、DX時代に求められる高度なWeb開発にも対応できるでしょう。高いPythonのスキルを持つエンジニアの方は、今後のキャリアアップを視野に入れ、そのスキルを活かせる企業に転職を検討するのも良い選択です。
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