データ分析実務スキル検定試験の難易度はどれくらい?
DX化が企業の重要課題となる中、AI技術を駆使したビッグデータの分析や解析の重要性が高まっています。この分析力を問う資格試験として、データ分析実務スキル検定「Certificate of Business Analytics Skills」(通称:CBAS)が2020年に生まれました。
データ分析実務スキル検定は株式会社データミックスが運営する民間資格で、ビジネスパーソンが身に付けておきたいデータサイエンスの知識やスキル証明となる検定試験です。本記事では、データ分析実務スキル検定に関して、試験概要や勉強方法を紹介していきます。
また、受験を検討されている方に向けて、難易度や同資格の取得を活かせる仕事、年収にも触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【参考】:データ分析実務スキル検定|datamix 【参考】:データサイエンスが学べる日本屈指のビジネススクール| datamix
データ分析実務スキル検定の受験対象者
データ分析実務スキル検定はその名の通り、データ分析に関するスキルを問う資格試験です。受験資格や条件はなく、誰でも受験することができます。受験対象者は、データサイエンティストとビジネスサイドとの間を繋ぎ、データ分析や活用を行える人材を目指す人です。
問われる知識は、ITリテラシーやAIの基本、データサイエンスの基礎知識など広範囲に及びます。試験の合格者は、公式の利用者の声から判断すると、エンジニア以外にビジネス側のスタッフが少なくないようです。
【参考】:CBAS データ分析実務スキル検定
データ分析実務スキル検定とは
ここではデータ分析実務スキル検定について、検定試験の概要、出題範囲や難易度、検定資格取得者が得られるであろう年収についても見ていきます。
検定試験の概要
データ分析実務スキル検定は、どちらかと言えばエンジニアだけではなく、むしろビジネス寄りの検定資格です。当資格はデータ分析のプロであるデータサイエンティストを志す人よりも、 ビジネスサイドでデータ分析や活用を推進するビジネスパーソンを対象としています。
またデータ分析実務スキル検定には、プロジェクトマネージャー級(PM級) とシチズン・データサイエンティスト級の2種類があります。いずれの試験もコンピュータで受験するCBT方式であり、いつでも都合のよいタイミングで受験することができます。
また検定取得者には受験後2〜4週程度で合格証が郵送されます。有効期限については特に公開されていませんが、履歴書には「〇〇年 データ分析実務スキル検定 CBASプロジェクトマネージャー級 合格」というように記載できます。
試験の出題範囲と難易度
データ分析実務スキル検定(CBAS)は現在2種類存在しますが、それぞれの検定は出題範囲も難易度も異なります。以下にそれぞれの検定の概要と出題範囲を記述します。
CBAS シチズン・データサイエンティスト(Citizen) 級
まず初めに、初級レベルの「CBAS シチズン・データサイエンティスト級」の出題範囲・難易度・試験概要について見てみましょう。プロジェクトマネージャー級の合格を目指す人でも、しっかり基礎力を身に付けておきたいという方は、こちらから受験するとよいでしょう。
■ CBAS シチズン・データサイエンティストの出題範囲と難易度 データサイエンティストのような専門家ではなく、ビジネスパーソンを対象とする検定試験です。Excelを用いたデータクレンジングや、データ解析に関するスキルが求められます。具体的に問われる知識は以下の通りです。
▪実務や、社内でのデータ活用シーンにおいて必要な分析思考を有しており、必要なデータの抽出や加工ができる知識 ▪Excelを用いてデータの可視化(グラフ化など)や仮説の検証わスムーズに行える知識
合格率などのデータは公表されていませんが、80分間に20問のExcel実技問題を解答するため、Excelを日常的に利用している人であれば、難易度は高くはないでしょう。逆にExcelをほとんど利用しない、あるいは単純入力や集計程度しか利用していない人は受験対策が必要です。
【参考】:CBAS データ分析実務スキル検定 シチズン・データサイエンティスト級
■ CBAS シチズン・データサイエンティスト級 試験概要 ▪試験問題数:20問(多肢選択式) ▪試験時間:80分 ▪合格ライン:70点以上(100点満点) ▪受験料:8,800円(税込) ▪試験日:通年(受講する試験会場ごとに設定) ▪受験方法:オデッセイコミュニケーションズのCBT方式、全国230箇所の試験会場にて
【参考】:CBASシチズン・データサイエンティスト級 | データ分析実務スキル検定 | Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ
CBAS プロジェクトマネージャー(PM)級
続いて、シチズン・データサイエンティスト級の上位検定資格となる「 CBAS プロジェクトマネージャー級」の出題範囲・難易度・試験概要について見てみましょう。
シチズン・データサイエンティスト級に合格している方、既にデータ分析の仕事をしている方、データサイエンティストへの足掛かりにしたい方は受験をおすすめします。
■ CBAS プロジェクトマネージャー級の出題範囲と難易度 当検定は「ビジネストランスレーター」という立場の方を対象とする検定試験です。ビジネストランスレーターとは、ビジネスサイドとデータ専門家(データサイエンティスト)との橋渡しを行う役割を担います。課題解決プロジェクトの中から、主に以下の内容について出題されます。
▪分析P/T立ち上げ:適切なKPIの作成、データの取扱い関する利用規約や法令、ガイドラインの理解 ▪データ準備:データの前処理、SQLの基礎スキル、データ可視化手法の理解、データの全体像や質の確認 ▪施策提案、モデリングと評価:R言語やPythonの適切なコーディングの見極め、基本的な統計手法の理解、機械学習の概要と使い分け、施策の評価と効果検証など
出題内容ですが、統計学、機械学習のアルゴリズム、KPIや法令、分析結果の理解など幅広く出題されますが、数理問題やプログラミング等の技術的な問題は出題されません。
検定試験の合格率などは公表されておらず、客観的な難易度は判別できませんが、Pythonによる機械学習経験、ある程度の実務経験などが必要なこと、出題範囲が広いこと、過去問が公開されていないことから判断します。
出題は選択形式ではあるものの、90分間に60問を解くため解答に時間的余裕がないことなどから、それなりの受験準備が必要です。そのため、難易度は「決して簡単ではない」というレベルと考えていいでしょう。合格者ブログなどのSNSで実際に受験した方の感想などを読むと、難易度が具体的に分かるかもしれません。
【参考】:CBAS データ分析実務スキル検定 プロジェクトマネージャー級
■ CBAS プロジェクトマネージャー級 試験概要 ▪試験問題数:60問(多肢選択式) ▪試験時間:90分 ▪合格ライン:64点以上(97点満点) ▪受験料:11,000円(税込) ▪試験日:通年(受講する試験会場ごとに設定) ▪受験方法:受験方法:オデッセイコミュニケーションズのCBT方式、全国230箇所の試験会場にて
【参考】:CBASシチズン・データサイエンティスト級 | データ分析実務スキル検定 | Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ
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データ分析実務スキル検定資格取得者の年収
エンジニアを目指す人がデータ分析実務スキル検定資格を取得すると、年収はどの程度を期待できるのでしょうか。データ分析スキルを活かせるエンジニア職として、データサイエンティストがありますが、近しい職種の製品開発/研究開発で見てみましょう。
「マイナビエージェント職種図鑑」によると製品開発/研究開発エンジニアの平均年収は477万円(※2023年7月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近しい職種であるSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、製品開発/研究開発エンジニアは一般平均年収よりも、やや高いことが分かります。
データ分析スキルはDX推進する上で必須スキルであり、今後も需要が高まり、年収アップが期待できるでしょう。また本検定に合格し、データ分析力を高めることで、活躍の場がさらに広がることでしょう。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データ分析実務スキル検定の勉強方法
データ分析実務スキル検定は比較的新しい検定であり、まだ知名度がさほど高くはありません。参考書はまだ少なく、どのように勉強すれば良いのか迷う方もいるでしょう。ここでは、データ分析実務スキル検定の効果的な勉強方法を紹介します。
公式テキストで学ぶ
データ分析実務スキル検定には公式が出版しているテキストがありますので、このテキストで徹底的に学習することをおすすめします。一般的な試験対策では過去問を解くことが効果的な学習方法とされています。
データ分析実務スキル検定は過去問が公表されていませんので、公式テキストに載っている模擬試験で学習成果の確認や反復練習をしましょう。
■ 「データ分析実務スキル検定 公式テキスト」で学ぶ データ分析実務スキル検定の試験範囲をこれ1冊でカバーしています。学習成果を確認する模擬試験が1回分収録してありますので、問題集としても利用できます。また本書のサンプルデータや解答は出版社のサイトからダウンロードして利用できます。
他に公式サイトからサンプル問題のダウンロードができますので、練習問題が不足すると思う方は、そちらも利用しましょう。
▪著者:株式会社データミックス ▪ページ数:512ページ ▪出版社:株式会社インプレス ▪発売日:2021/9/22
【参考】:データ分析実務スキル検定 公式テキスト | インプレスブックス
■ 「データ分析実務スキル検定試験(試験対策eラーニング付)」を受講する 日本能率協会が主催する、データ分析実務スキル検定のオンライン・ライブ参加型セミナーです。半日コースで、さらに試験対策のeラーニングが付いています。出題範囲で統計学や機械学習についてもしっかり学べますので、テキスト学習だけでは不安という方におすすめします。
▪主催:日本能率協会 ▪セミナー名:「データ分析実務スキル検定試験(試験対策eラーニング付)」 ▪参加方式:オンライン・ライブ参加 ▪参加料:33,000円(税込)
【参考】:データ分析実務スキル検定試験(試験対策eラーニング付)|日本能率協会
データ分析実務スキル検定資格が活かせる仕事
試験対策として検定の勉強方法について紹介しましたが、データ分析実務スキル検定の資格はどのような仕事で活かせるのか、見てみましょう。主に以下の2つの仕事で検定資格を活かせるでしょう。
データサイエンティスト
本検定の概要から、データサイエンティストを思い浮かべる方が多いかもしれません。本検定の対象はデータサイエンティストとビジネスサイドを繋ぐ人材であり、データサイエンティストの仕事に直接活かせる資格ではありませんが、エンジニアが取得することで、データサイエンティストに近づくことができるでしょう。
特にPM級はデータサイエンティストを目指す上で有効な資格です。
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データ分析職
データ分析をメインに行う職種であり、主に「機械学習エンジニア」「データエンジニア」「データコンサルティングアナリスト」など3つの職種に分かれます。データ分析が専門ではありませんが、データサイエンティストと連携しながら、データ分析と活用を行うビジネスパーソンも含まれます。
データ分析実務スキル検定でDX人材を目指そう
本記事ではデータ分析実務スキル検定について、受験者像や試験概要、勉強方法や資格を活かせる仕事などを紹介しました。データ分析実務スキル検定は、ビジネス寄りの検定ですが、エンジニアがデータサイエンティストを目指すための登竜門としても有効です。
また、データ分析に明るいエンジニアとして、キャリアチェンジにおいてアピールとしても良いでしょう。データ分析実務スキル検定を突破し、その資格を新たな仕事に活かすには、転職も1つの選択肢となります。
数ある求人の中から自分に合う、自分のスキルを活かせる求人を探し出すのは容易いことではありません。また、履歴書作成、面接対策、企業研究、上位資格の取得など行うべきことは多々あります。
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