Windows Copilotとは?
ChatGPTを初め、生成AIと呼ばれるAIチャットが急速に普及しています。
そんな中、米国MicrosoftがWindows 11向けに、ChatGPTベースの対話型インタフェース「Windows Copilot」(正式名称:Windows Copilot for Windows 11)の導入を米Microsoftの開発者会議「Microsoft Build 2023」(米国時間:5月23日~25日)で発表しました。
WindowsOSに付属のアシスタント機能としては「Cortana」がありますが、Windows CopilotはCortanaのように、あらかじめ質問に対する返答が用意されたものとは異なり、自然言語処理によって質問や指示の意図をくみ取り、ユーザが何を求めているのかを推測し、期待する結果を示してくれるのが特徴です。
Windows Copilotは執筆時点(2023年7月)ではプレビュー版が提供段階にあり、正式リリース時期は未定です。この記事では、Windows Copilitに関する最新の情報を紹介していきますので、Windows Copilotに興味がある方はぜひ最後までお読みください。
【参考】:AI のパワーを Windows 11 にもたらす – Windows Copilot | Windows Blog for Japan 【参考】:Introducing ChatGPT|Open AI 【参考】:Microsoft Bing AI
Windows Copilot の概要
Windows Copilotはどのような機能を持ち、何に使えるのでしょうか?ChatGPTやBingとは何が異なるのでしょうか?1つずつ見ていきましょう。
Windows Copilotの特徴
Windows Copilot(コパイロット)は一言で説明すると、「言葉でWindowsを操作できるAIチャット」です。ChatGPTをベースに開発されたAIチャット機能は「Windows 11」のデスクトップに統合され、デスクトップ上で様々な質問や依頼が行えるようになっています。
「Microsoft Edge」と一体となっている「Bing」AIチャットと異なり、「Windows Copilot」はデスクトップの右側へサイドパネルとしてドッキングする形で提供されます。
ブラウザ以外のいかなるアプリを利用していても、ユーザはサイドパネルから直ちにAIの支援を得ることができます。Windows Copilotは普段はタスクバー上にアイコンで表示され、タスクバーアイコンから起動して利用する仕組みになっています。
Windows Copilotで何ができるようになるのか
Copilotとは、「副操縦士」を表す英語ですが、その名の通り、Windowsの操縦(操作)を代わりに行うことができます。例えば、「Windows 11」の設定変更を行ったり、音楽のお気に入りプレイリストを再生したり、特定のアプリを起動したりといったことが、話し言葉でテキストに打つだけで行えます。
また、内容を知りたいPDFファイルを「Windows Copilot」のサイドパネルに入れると要約してくれたり、記事のリライトをしてもらったりといったことも可能です。
他、Windows CopilotにはChatGPTプラグインとBingとが組み込まれているため、インターネットから必要な情報を検索して質問に答えたり、ブログの記事を作成したりといったことも行えます。
【参考】:Announcing Windows 11 Insider Preview Build 23493 | Windows Insider Blog
時期や料金
Windows Copilotはいつから利用できるのか、料金は掛かるのか気になる方もいると思います。Windows Copilotの正式リリース時期は未定ですが、プレビュー版は2023年6月29日から配信された「ビルド23493」で試すことが可能です。
料金についても未定ですが、Windows 11の新機能として発表されていますので無料での提供が期待されますが、Microsoftの正式発表が待たれます。また、CopilotはWindows11向けの機能ですので、Windows10では利用できません。
Microsoft 365 Copilotとは
Copilotの名が付くツールとしては「Microsoft 365 Copilot」が思い浮かびます。Microsoft 365 Copilotは2023年3月16日(米国時間)にMicrosoftから発表されたAIツールで、LLM(大規模言語モデル)をベースに、Microsoft 365に実装されるデータ作成やデータ整理を得意としています。
WordやExcel、Outlookなどのビジネスソフトの使い勝手が飛躍的に向上し、業務効率化や生産性向上に寄与すると期待されています。
【参考】:Microsoft 365 Copilot アーリーアクセス プログラムと 2023 Microsoft Work Trend Index を発表 - News Center Japan
Windows Copilotを試す
現状でWindows Copilotを試すには、「Windows Insider Program」に登録し、「Windows 11 Insider Preview」のDevチャネルで配信されるビルド23493をインストールすれば試すことができます。
以下、Windows Insider Programの登録方法、Windows 11 Insider Previewのインストール方法について紹介します。
Windows Insider Preview Programの登録方法
Windows Insider Preview Programは正式バージョンがリリースされる前に、開発中のプレビュー版を試せるパイロットプログラムです。ただし、プレビュー版は未完成のため、動作が保証されているわけではありませんので、利用する場合は自己責任となります。
Windows Insider Programに登録することで、開発段階のWindowsの最新機能を試すことができます。
Windowsアプリの開発をしている方や新たなOS機能を使ってみたい方はぜひ登録してみましょう。その方法ですが、The Windows Insider Program※にアクセスし、以下の手順で登録します。
1.「Windows Insider Program をお試しください」の下にある[登録]ボタンをクリックします。 2.「Windows Insider Program に登録する。」の下にある[今すぐサインイン>]をクリックします。 3.「Microsoft サインイン画面」が表示されるので、Microsoftアカウントでサインインします。 4.サインインし、「重要なお知らせ」が表示されたら、一通り目を通し、プログラム規約で「この規約の条項に同意します」にチェックを入れ、[今すぐ登録]ボタンをクリックします。 5.「Windows Insider Program へようこそ」が表示されたら、[今すぐフライトする]ボタンをクリックします。 6.続いて「Windows Insider Program を始める」の画面を下にスクロールし、[設定を開く]ボタンをクリックします。 7.「Windowsの設定」メニューの「Windows Insider Program」が表示されたら、[開始する]をクリックします。その後、指示に従って操作をし、最後に再起動します。
【参考※】:The Windows Insider Program
Windows 11 Insider Preview のインストール方法
Windows Insider Programへの登録が済んだら、Windows 11 Insider Previewがインストールできます。以下の手順でインストールを行ってください。
1.Windows設定メニューのWindows Updateの下にある「Windows Insider Program」を開きます。 2.Insider設定メニューで、「Devチャンネル」を選択します。 3.再度「Windows Update」を開き、「更新プログラムのチェック」をクリックします。 4.Windows 11 Insider Previewをダウンロードし、インストールが始まります。「再起動が必要です」と表示されたら、[今すぐ再起動する]をクリックし、再起動が終わるとWindows 11 Insider Previewが適用されます。 5.再起動した後、タスクバー中央にCopilotボタンが表示されますので、ボタンをクリックすると画面右端にCopilotのチャットウィンドウが表示されます。
Windows Copilotを活用して業務のさらなる効率化を
ここまでWindows11の新機能として提供される予定の「Windows Copilot」について、概要や試す方法などについて紹介してきました。ChatGPTやBing AIを使って、その便利さを実感された方は少なくないと思いますが、Windows11と一体となったデスクトップ版のAIチャットがWindows Copilotです。
Windows Copilotを活用することで、Windowsの設定や操作が簡単に行えるようになり、分からない操作や設定も、Windows Copilotに依頼するだけで行えるようになるでしょう。
これから正式にリリースされるMicrosoft 365 Copilotを同時に活用することで、業務の効率化が一層進むことが期待されます。引き続き、これらCopilotの動向を注視し、積極活用することをおすすめします。
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