DXビジネス検定とはどのような資格?
デジタルトランスフォーメーション(DX)はこれからの時代に強く求められている技術です。企業の多くがDX活動を進めている以上、それを身に付けたいと思っている方も多いはずです。そんなDX技術習得を証明するいくつかの資格の中に、「DXビジネス検定」というものがあることをご存知でしょうか。
本記事では、DXビジネス検定について、その資格概要や難易度を説明しつつ、勉強方法も解説していきます。
非エンジニア向けのDX知識証明資格
まず結論から言えば、DXビジネス検定とは非エンジニア職種のためのDX技術認定資格です。
従来存在していたDX検定は、DX技術に関して実務に即した内容であり、設計や開発を行うエンジニア向けの側面が強い資格でした。一方、DXビジネス検定はDXの基礎知識からスタートし、DXをビジネスに活かすためのビジネスモデルや実際の事例に関する知識が出題の中心です。
このように、企業の営業や人事などエンジニアではない職種をターゲットにした資格と言えるでしょう。検定自体のハードルが下がった本検定はDXを学びたいと考える幅広い方におすすめできる資格と言えます。
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DXビジネス検定とは
話を戻し、DXビジネス検定の概要を改めて詳しく説明していきます。試験の日程や難易度、DX検定との違いを解説していく形です。
資格試験の概要
まずDXビジネス検定は、「日本イノベーション融合学会」と「DX検定™委員会」が主催するDX技術を認定する民間資格です。公式サイトに「これからのDX時代に生きる全ての企業人が「DXビジネス人財」を目指すための最新検定」とあるように、DX検定に続き2023年から始まった新しい資格試験です。
出題範囲は、公式サイトに「基礎的なテクニカル分野の問題からDXビジネスモデル、DXビジネス事例など」とあるように、エンジニアの実務よりも経営的な側面がほとんどです。したがって、非エンジニア職種を対象としていることがわかります。
試験日程は年2回ですが、Web開催であり、自宅からでも受験が可能です。受験料は一般で6,600円ですが、学生割引を適用することも可能なようです。問題の形式は選択式で60分間96問であり、記述式の問題はありません。
【参考】:DXビジネス検定
認定レベルと難易度
本資格の難易度はどの程度なのでしょうか。難易度を解説する前に本資格の認定方式を説明する必要があります。本資格では獲得点数に応じた認定レベルを定めており、合否判定を行ってはいません。以下のような認定レベルが定められています。
■スコア800以上⇒「DXビジネスプロフェッショナル レベル」認定 ■スコア700以上⇒「DXビジネスエキスパート レベル」認定 ■スコア600以上⇒「DXビジネススタンダード レベル」認定
これを踏まえて直近の2023年度4月の結果を見ていきます。まず全体の平均スコアは583.7点であり、得点分布では600点〜700点未満と500点〜600点未満がそれぞれ約25%で半分を占めています。認定レベルでは、スタンダードは28%、エキスパートは15.8%、プロフェッショナルは4.2%という結果でした。
この結果から、半分は認定レベルに到達できないまでも、それ以外の48%はスタンダード以上を獲得できているため、認定を得る難易度はあまり高くないと言えます。ただ、一方でプロフェッショナルレベルはわずか4.2%であり、受験者の大半が非エンジニアと考えても難易度は高めであると言えます。
【参考】:第4回DXビジネス検定の結果
DX検定との違い
DXビジネス検定はDX検定に続く第2段の検定ですが、両者の違いは何なのでしょうか。大きな違いは対象者です。DX検定は「IT先端技術トレンドとビジネストレンドの両方を理解している人材」と記載しており、出題範囲もソフトウェアの専門知識が必要などエンジニア本職の方をターゲットにしていることがわかります。
したがって、非エンジニア職を対象としたDXビジネス検定に比べてDX検定は難易度が高いと言えます。もちろんエンジニア職でもDX技術やソフトウェア技術に関する知識に自信がなければ、本資格を受験することで、着実なステップを踏むこともおすすめです。
DXビジネス検定を活かせる職種の年収
DXビジネス検定を活かせる職種の年収はどの程度なのでしょうか。本検定は幅広い職種に活かせるため職種は限定されませんが、DX技術の推進と考えると社内システム企画が代表例として挙げられるでしょう。
社内システム企画の年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は512万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、社内システム企画は一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
今後、誰しもがDX技術について必要な時代になってくれば、本資格を取得することでキャリアアップに繋がることもあるでしょう。代表として挙げた社内システム企画だけでなく、一見するとDXから離れている職種ほどその恩恵があると考えられます。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
DXビジネス検定の勉強方法
DXビジネス検定の概要が分かり、取得を目指したいと思う方もいるでしょう。ではどのようにして試験対策をしていけばよいのでしょうか。代表的な方法を紹介します。
公式によるeラーニングの利用
DXビジネス検定は過去問や問題集がほとんど出回っておらず、対策に特化した勉強は難しい状況です。そんな中でも公式が提供しているeラーニング「DX Study Biz™」が数少ない試験対策として役立つでしょう。
出題範囲をカバーしつつ、実際の出題に合わせた問題形式をとっているため、時間配分の計算や試験形式に慣れるのに活用できます。全分野で20時間のボリュームがあり、スマートフォン上でも活用することができます。一方、3ヶ月の期間設定があるため、なるべく試験直前に合わせたいところです。
【参考】:DX Study Biz ™
DX関連書籍を通した学習
DXビジネス検定は、DXに関する表面上の知識だけでなく、掘り下げたビジネス事例に関しても出題されるため、上記のeラーニングだけでは高い認定レベルの取得は難しいでしょう。したがって、DX関連の書籍を読み、基礎から応用までをしっかり理解することが重要です。
公式サイトでは、勉強に役立つ書籍が紹介されています。
代表的な書籍に「DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略」があります。本書籍ではDXビジネスモデルを全80の事例を通して学ぶことができます。
■「DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略」 ▪著者:小野塚征志 ▪ページ数:272ページ ▪出版社:株式会社インプレス ▪発売日:2022/5/19 【参考】:DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略
DXビジネス検定を取得するメリット
DXビジネス検定の概要を説明してきましたが、本資格を取得することでどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットを紹介していきます。
DX有識者として社内外でアピールできる
最も大きなメリットは、DX技術に関する知識を有する人材としてアピールできることでしょう。昨今のDX推進が活発な状況とは裏腹に、DX人材は不足していくことが課題として挙げられています。
こうした状況で、本資格で高い認定レベルを得られれば、貴重なDX人材として社内でアピールできるでしょう。もちろん、転職活動をしていく中でDX有識者であることのアピールは、加点対象として横並びの状況で有利に働くはずです。
様々な職種でメリットがありますが、特にDXやソフトウェアから一見すると遠い、営業や人事、機械設計などの職種でより効果的になるでしょう。
難易度が高くなく認定を得られやすい
本資格の2つ目のメリットは、DX検定に比べた難易度の低さです。
DX検定はソフトウェアの専門知識も必要であり、前述したDXから離れた職種にとってハードルが高い資格です。一方で、本資格の出題範囲はDXのビジネス利用に関する知識がほとんどであるため、学習のハードルがある程度は下がります。
前述した1つ目のメリットの恩恵を大きく受ける職種ほど、このハードルの低さがメリットになるわけです。もちろん、高い認定レベルを得ることはその取得率からかなり難しいため、ハードルは低くともそれなりの勉強量が必要であることは間違いないでしょう。
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DXビジネス検定を取得してキャリアアップを目指そう
本記事ではDXビジネス検定について、その資格概要、難易度やDX検定との違いを説明し、メリットや勉強方法を解説してきました。本資格への知識が深まり、取得に向けてのイメージができた方も多いのではないでしょうか。
もし高い認定レベルを取得できたのなら、資格を活かしてキャリアアップを目指したいと思うはずです。しかし、数ある企業の中から資格を活かすことができ、自分に合う企業を探すことは非常に困難でしょう。
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