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生成AIにできることは?AIとの違いやできないことをまとめて解説
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生成AIにできることは?AIとの違いやできないことをまとめて解説

アンドエンジニア編集部
2025.02.10
この記事でわかること
生成AIは、コンテンツを創造する目的で学習させたAIの1種です
生成AIによって、テキストや音声、画像や動画などの生成ができます
生成AIの利用領域は順次拡大しており、実務で活用の期待が一層高まると予測されます

生成AIにできることは?

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ChatGPTの登場によって、生成AIの活用が進んでいます。単なるブームではなく、実務で使用できるアシスタントツールや、創造性を高めるクリエイティブツールとして活用の幅が拡大しています。ここでは、概要や一般的なAIとの違いを説明するとともにできることを解説していきます。

生成AIとは?従来のAIとの違い、概要や種類について詳しく解説

生成AIの概要と使い方

生成AIとは、コンテンツを創造する目的で学習させたAI(人工知能)の1種です。ジェネレーティブAI(Generative AI)と呼ばれるもので、人工知能のモデル学習において、訓練データの規則や構造を学習し、新しいデータを生成するように学習されています。

手軽に使用するには、生成AIサービスを用います。チャットボットのようにプロンプトをテキスト入力し、必要な出力を得ます。その際、参考とする画像や音声を入力に加えるとより忠実な結果を得ることもできます。

OpenAIのChatGPTは、代表的な生成AIサービスです。ChatGPTが採用するGPTは、OpenAIが開発したLLM(大規模言語モデル)で自然言語処理のモデルです。GPT-4やOpenAI o1、マルチモーダルのGPT-4oなどがあります。OpenAIのモデルはMicrosoftもCopilotで採用しています。

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主要な生成AIモデル

生成AIに使用されるモデルは深層生成モデルをベースに性能が向上しており、いくつかのモデルがあります。代表的なモデルは以下の通りです。

・自己回帰モデル 自己回帰モデルとは、過去の値に基づいて将来を確率的に予測するモデルです。これを発展させた技術にGoogleの発表したTransformer(トランスフォーマー)があります。

Transformerは、回帰モデルのように時系列データの処理を必要とせずトレーニングの時間を短縮することができます。LLMの根幹をなす技術であり、OpenAIのChatGPT、GoogleのGemini、MetaのLLaMAなど多くのLLMで採用されています。

・変分オートエンコーダー(VAE) 変分オートエンコーダーは、ディープラーニングのモデルで、データの潜在的特徴を確率的に学習することで新たにデータを生成できます。医療画像や顔の表情などの生成に用いられます。認識能力の高さから生産品の不適合を検出するなど、産業用に利用されています。

・敵対的生成ネットワーク(GAN) 敵対的生成ネットワークは、生成と識別の2つのネットワークを用いたモデルです。生成ネットワークがイメージを生成し、識別ネットワークが正確性を識別判定します。

この方式では、アニメーションや実写などの画像を生成し、ニーズやTPOに合致するかどうかなどに使用します。アートやファッション、エンターテイメントなどへ活用されています。

生成AIと一般的なAIとの違い

生成AIと一般的なAIとの違いは、新たなコンテンツを生成できるかどうかに違いがあります。

従来のAIは、決められた手順や行動を学習し、その通り実行することが主な目的であったため、自動化することを目的としています。また自動応答についても、質問を識別し学習済みデータから回答を返すことは可能ですが、推論して新しい回答を生成することができません。

生成AIは生成モデルに従って事前に学習することで、コンテンツの生成に使用します。推論するための生成モデルが定義されており、モデルに応じた学習では、大量のテキストや画像、音声などのコンテンツを用いることで、指示に従って新たなコンテンツを生成できます。

生成AIにできること

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生成AIにできることは、指示を理解し新たなコンテンツの生成です。そのコンテンツも多岐にわたっており、それぞれ生成AIサービスによって得意とするコンテンツ領域に違いがあります。ここでは、具体的にコンテンツの分類を解説していきます。

テキストの生成

テキストの生成とは、質問や指示をプロンプト入力することで自然な文章や回答を生成するAI技術です。自然言語処理に基づいて、テキストを生成します。この機能によって、会議資料や文章を要約することも可能です。

また、新たなシナリオを創出したり、報告書を作成したりすることもできます。ブレーンストーミングのアイデア出しなどでも利用可能です。

また、言語機能はプログラミングにも応用されているため、プログラミング用コードの生成やデバッグなどにも活用できます。使用するには、ChatGPTやCopilot、Geminiなどのサービスを利用します。

【参考】:ChatGPT 【参考】:Copilot 【参考】:Gemini

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音声の生成

音声の生成は、人間の音声データを学習することで音声を自然言語的に学習し、新たな音声を人工的に生成するAI技術です。テキストコンテンツの読み上げや、字幕の生成や翻訳など、テキストの生成技術と併用して人間が会話するような音声を生成することができます。

この技術を用いて、コールセンターの自動応答やサポートサービスなどに採用されています。また、音楽を生成するなど、エンターテイメント向けに用途は拡大しています。使用するには、VALL-EやSuno AI、MusicFXなどのサービスを利用します。

【参考】:VALL-E 【参考】:Suno AI 【参考】:MusicFX

画像の生成

画像の生成は、テキストプロンプトの指示にしたがって画像を新たに生成するAI技術です。参考とする画像を入力することで、関連する画像の生成も可能です。これまで画像制作に多くの時間を要していましたが、この技術によって素早く高品質な画像を生成することができます。

画像の生成は、アニメーション風や実写風など多彩な要望に応じて生成できます。エンターテイメントや広告、出版物など多くの領域で利用が可能です。使用するには、DALL·E 3やStable Diffusionなどのサービスを利用します。

【参考】:DALL·E 3 【参考】:Stable Diffusion

ChatGPTで画像生成するには?DALL-E3を用いた方法を解説

動画の生成

動画の生成は、音声や画像の生成を組み合わせて高度な動画生成の処理を行うAI技術です。これまで実現が難しいとされていましたが、音声と画像、ナレーション、効果音などを融合したコンテンツが制作できる高い水準に達しています。

ビジネスにおいても、製品のプロモーションや学習コンテンツなどへの活用が期待されています。使用するには、Soraなどのサービスを利用します。GoogleのLumiereは、一般公開が待たれる状態です。

【参考】:Sora 【参考】:Lumiere

生成AIの活用メリット

生成AIの活用は、個人用からビジネスまで多くのメリットをもたらします。代表的なメリットは以下の通りです。

・生産性の向上 生成AIは、これまで人手で行っている作業を短時間で実施することができます。従業員研修への活用や、学習システムの設計から実施教材の作成なども簡単に生成できます。そのため、人手を要する作業は大幅に削減され生産性が向上します。

・作業品質の向上 生成AIの活用は、人間が行う作業よりも同じ結果を生成し同じ時間で繰り返すことができます。作業の自動化に加えて、作業の間違いも削減できることから作業品質が向上します。作業品質の向上は、顧客満足度の向上にもつながります。

・創造性の向上 従来のコンテンツ制作では、担当者によってアイデアの偏りや抜け漏れなどのリスクがありました。生成AIでは、従来の発想を超えた新しいアイデアが創出できるため、より価値の高い新商品や新サービスを立案することができます。

生成AIにできないこと

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生成AIには、創造的なコンテンツの生成が可能な反面、できないこともあります。生成AIにできないことや苦手なことを理解しておく必要があります。ここでは、生成AIにできないことを具体的に確認していきます。

学習範囲から逸脱したコンテンツ生成

生成AIは、あくまでも事前学習した内容に従ってコンテンツを生成します。過去の出来事に関係することを聞いても、それを学習していない場合は回答できないばかりか、事実に基づかない回答を生成するリスクがあります。このもっともらしい嘘を、ハルシネーション(幻覚)と呼びます。

同様にビジネス向けに学習した生成AIに、趣味やスポーツなどエンターテイメント系の質問をした場合も、正確な回答を行うことができません。

主観に基づく創造

生成AIでは、学習データに基づいてもっとも確率の高い回答を生成します。自律的に動作するものではなく、学習データからもっとも指示に近いコンテンツを生成しているにすぎません。人間はゼロから何かを生み出すことができますが、生成AIはあくまでも学習データに基づいてコンテンツを生成します。

感情の理解

生成AIは、あくまでも自然言語処理に基づいて指示を解釈しているにすぎません。相手がどのような感情を抱いているかなどは確率的に推論します。例えば、人間の場合は、好きや嫌いなど逆説的に話をする場合がありますが、生成AIは言い回しの背景などは考慮せず、合理的な判断を優先します。

生成AIのできることを実務で活用しよう

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生成AIは、事前に学習したデータに基づいてコンテンツを生成します。そのため、生成AIサービスの特徴を理解しておくといいでしょう。生成AIのできることは利用領域が拡大しており、実務で活用の期待が一層高まると期待できます。

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