ChatGPTで画像生成はできる?
2022年末に米国OpenAI社が公開してAIブームを巻き起こしたChatGPTですが、2023年10月から高機能な画像生成AIのDALL-E3が組み込まれ、有料版限定ですが会話形式で画像生成が可能になりました。
また、OpenAI社は2024年8月8日(現地時間)、「ChatGPT」無料のフリープランでも「DALL-E 3」を用いて1日2枚まで画像生成をできるようにしたと発表しました。この記事では、ChatGPTを使って簡単に画像を生成する手順を、図を交えて分かりやすく解説します。
【参考】:ChatGPT | OpenAI 【参考】:DALL-E 3 | OpenAI
そもそもChatGPTとは
言わずと知れたChatGPTはOpenAIが開発したAIチャットボットであり、自然な会話を通じて様々な質問に答えたり、文章を生成したりするのが得意です。最近では、テキストから画像を生成する機能が追加されており、プロンプト(指示文)の入力だけで、イメージ通りの画像を作成できます。
画像生成機能もChatGPTが持つ文章理解能力を応用した機能の1つであり、的確なプロンプトを用意することで、より精度の高い画像を作成できます。
ChatGPTで画像を生成する手順
ChatGPT Plusなどの有料版では基本的に画像生成数の制限はありませんが、無料版では1日に2枚までの制限があるため、無駄な画像を作成しないよう慎重に行う必要があります。また、ChatGPTのWeb版、アプリ版いずれも画像生成が可能で、スマートフォンなどでも気軽に画像を作成できます。
これからChatGPTによる画像生成の手順を紹介していきます。
プロンプトの作成
ChatGPTの画像作成は、プロンプトにテキストで作成してほしい画像のイメージを入力するだけです。プロンプトとは、AIに画像を生成してもらう際に入力する指示文のことです。具体的にどのようなイメージを描いてほしいかを伝える重要な要素です。
通常のChatGPTの利用方法と同様に、「◯◯の画像を生成してください」といったプロンプトを作成するだけです。
ここで試しに、プロンプトに「DALL-E3のメニューを出して」と入力してみたところ、「image generator」の画面になり、次のような回答が返ってきました。
それでは試しに、画像作成のプロンプトを入力してみましょう。ここではプロンプトに「美しい夕焼けを背景に、海に浮かぶ帆船を写実的に描いてみて。サイズはワイドにして。」と入力してみました。
ChatGPTは与えられたプロンプトから、わずか20秒ほどでクオリティの高い画像を生成してくれました。
■ プロンプトの例 精度の高い期待通りの画像を生成させるには、できるだけAIが理解しやすい明快なプロンプトを入力することが重要です。以下はプロンプトの例です。
・富士山を背景にした山中湖畔に咲く満開の桜 ・印象派風の花畑 ・サイバーパンク風の都市の夜景
■ プロンプト作成のコツ 画像生成のためのプロンプトは、描写をできるだけ具体的にして、色や雰囲気、スタイルなどを明示すると良いでしょう。またキーワードを組み合わせることで、より詳細な画像が生成されます(例:「ノスタルジックな色調の都市」)。
生成画像の確認と保存
画像が生成されたら確認し、修正したい箇所があればプロンプトで指示します。思い通りの画像が生成されたら、次はその画像を保存しましょう。
■ 作成した画像の保存方法 生成した画像の右上上部のダウンロードボタンをクリックし、適当なファイル名を付けてフォルダーに保存します。その際、ファイル形式はJPEGかPNGにするといいでしょう。
■ 保存形式の違い 画像は様々な形式で保管できますが、そのファイル形式によってどのような違いがあるのかについて、確認しておきましょう。代表的な画像形式である「PNG」と「JPEG」の違いは以下の通りです。
JPEG:ファイルサイズが小さく、SNSなどでの利用に最適 PNG:透明な背景を維持できるので、ブログやデザイン用途に便利
画像作成制限数を超えた場合
ChatGPT有料版のPlusなどでは画像生成数の上限はありませんが、無料版では1日2回までしか作成できません。2回作成して制限に達すると、プロンプトに「画像作成の上限に達しました」というメッセージが表示されます。24時間待つか、ChatGPT Plusの利用を検討してみましょう。
画像生成の用途や注意点
ChatGPTで生成された画像は様々な用途に使うことができますが、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。ここでは、ChatGPTやDALL-EのようなAIを使って作成された画像の主な用途と、それに関連する注意点について解説していきます。
個人的な使用
AIで生成された画像の個人的な使途は非常に広く、日常生活の中で様々な活用方法があります。以下に紹介するのは一例です。
■ 背景画像 自分だけのオリジナル画像を利用して、PCやスマートフォンの壁紙にしたり、スクリーンセーバーに利用したりできます。
■ SNSでのシェア プロンプト次第で、オリジナリティのあるユニークな画像を作成できますので、InstagramやX(旧Twitter)などSNSで画像を披露したり、プロフィール画像として利用したりするなどの方法があります。
■ インスピレーション アートやデザインのインスピレーションが湧かない時に、生成画像からヒントやインスピレーションを得ることができます。また趣味の世界で生成画像を活用する方法も想定できます。
■ グリーティングカードやカレンダー作り AIで作成した画像を用いて、グリーティングカードを作ったり、オリジナルのカレンダーを作ったりといった使い方があります。市販のものにはない、個性的なものが作れますので、作成したものをプレゼントに利用してみてもよいでしょう。
商業的な使用
AIで作成した画像は商用利用も可能ですが、著作権やライセンスなどの問題が発生する可能性があり、慎重に扱うことが求められます。
■ ウェブサイトやブログのデザイン 作成された画像は、ウェブサイトやブログのビジュアル要素として使うことができますが、商業利用に関してはAI生成画像のライセンスに注意が必要です。
■ 広告やマーケティング ソーシャルメディアの広告やプロモーション素材として使用可能ですが、商用利用の前に提供元のポリシーを確認することが重要です。
■ 商品デザインやパッケージ オリジナル商品やそのパッケージデザインにAI生成の画像を使用することも可能です。例えば、Tシャツやカバンにプリントするデザイン、化粧品や飲料のラベルデザインなどにAIアートを利用するケースがあります。
教育・クリエイティブなプロジェクト
個人利用・商用利用以外にも、教育やクリエイティブな活動において利用するケースも事例が増えています。
授業やプレゼンテーションで教育資料やビジュアルエイドとして利用することで、情報を視覚的に提供したり、訴求したりできます。
注意点
AIで画像生成を行う際にいくつか注意点があります。法に触れたりトラブルを招いたりしないよう、以下に挙げる事項については注意を払う必要があります。
■ 著作権とライセンス AIで生成された画像は、提供元によっては著作権やライセンスの制約を受けることがあります。DALL-Eなどのツールで作成された画像の商業利用には制限がある場合があるため、使用前にツールやサービスの利用規約を確認する必要があります。
■ 独自性の問題 AI生成画像は他のユーザが作成したものと酷似した画像が生成される可能性があるため、完全にオリジナル画像とは言い切れない場合があり、盗用の疑いをかけられるリスクがあります。
■ 倫理面での考慮や制約 特定のコンテンツの生成に制約がある場合があり、暴力的な画像、差別に繋がるような画像などは制約があります。また、著名な特定のアーティストのスタイルを模倣することなども倫理的な問題になる可能性があります。
■ 極度にリアルな写真画像 解像度の高い写真のような画像も制限されています。生成される画像はアーティスティックなスタイルに近いものであり、精密な写真再現には向いていません。
■ イレギュラー画像の生成 AIの画像生成では、イレギュラー画像を生成する場合があります。例えば、人の指が6本あったり、腕が増えていたりといった事例がありますので、公開画像とする場合はチェックが必要です。
AIによる生成画像を活用してみよう
ここまで、ChatGPTを利用した画像生成の方法、その用途や注意すべき問題点について解説しました。ChatGPTを初めとする画像生成AIでは、適切なプロンプトを作成し、AIに指示を出すだけで、オリジナルの画像が手軽に作れる便利さや楽しさがありますが、法的問題や倫理的な問題も残されています。
これらの問題を理解しながらそれらに抵触しないよう、生成画像に関するルール作りを進めていくことが求められます。まだAIツールを利用した画像作成を体験していない方は、ぜひ試してみることをおすすめします。
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