logologo
クラウドAIとは?概要やメリット・デメリット、活用事例を解説
thumb_aicloud_01

クラウドAIとは?概要やメリット・デメリット、活用事例を解説

アンドエンジニア編集部
2025.02.10
この記事でわかること
クラウドAIは、AI処理を行うシステムをサービスとして提供する利用形態です
導入しやすいメリットがありますが、セキュリティ面などのデメリットもあります
クラウドAIはサービス内容やサービスレベルを比較して利用するのがおすすめです

クラウドAIとは

img_aicloud_01

AIの需要が高まる中、クラウド事業者はAIシステムのサービス提供を大幅に拡大しています。利用者は、これまでよりも簡単にAIを活用できるようになります。ここでは、クラウドAIの概要やメリット、デメリット、エッジAIとの違いなどを順を追って解説していきます。

クラウドサービスとは?種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説

クラウドAIの概要

img_aicloud_02

クラウドAIは、AI処理を行うシステムをサービス提供を通じて使用する利用形態を指します。インターネットを通じてAI処理に必要なコンピューターシステムを自身で事前用意することなく、使用できます。コンピューターシステムには、AIの要件に応じたハードウェアとソフトウェアが必要です。

一般にAI処理に必要なGPUは高額なため、自前で準備するには投資が必要です。クラウドAIでは、事前にシステムを準備することなく、サービス利用を進めます。利用料に応じて支払うため、気軽にAIを活用するきっかけとなります。

クラウドAIのメリット

クラウドAIには、多くのメリットがあります。代表的なものは以下の通りです。

・導入が簡単にできる クラウドAIは、導入が容易です。通常、必要な処理に合わせてデータの準備やサーバーやGPU、ストレージ、ソフトウェアなどを事前準備する必要がありますが、クラウドAIではあらかじめ設定済みのシステムをサービスとして利用できます。

事前に機材を準備することなく、AI活用を始められるために、小規模な導入が可能です。最初に無料枠で試しながら使用感を確認できるため、低コストで始めることができます。

・最新のAI環境が活用できる AIシステムは、推論から学習まで多岐にわたります。その用途に応じて必要なGPUの能力や枚数、搭載メモリ量などを決定します。通常は、調達したシステムの規模が能力の上限となりますが、クラウドAIではシステムリソースの増強が可能です。

結果として大規模で複雑な処理でも簡単に実行することが可能なため、規模の拡大に柔軟に対応できます。

・AIシステムの運用に手がかかりにくい クラウドAIでは、事前学習済みのシステムを利用したり、必要なファインチューニングを行ったりすることができます。学習には良質なデータが必要ですが、その作業をクラウドAIが誰でも利用できるように提供します。

マネージドサービスにより運用管理の効率が高いため、自社で必要な運用管理技術者が不足する場合も、最適な運用が可能です。

クラウドAIのデメリット

クラウドAIは誰でも簡単に利用できますが、次のようなデメリットを理解しておく必要があります。

・特定のクラウド事業者に依存する クラウド事業者はそれぞれAI関連サービスを提供しており、提供サービスはクラウド事業者に依存します。システム停止やレスポンスなどのサービスレベルも、クラウド事業者に依存するため約款などで確認する必要があります。

・ネットワークの重要性が高い クラウドAIでは、エッジAIに比べてネットワーク接続が必須です。インターネットを介した通信や処理の遅延による業務影響、障害発生時のダウンタイムやリカバリなどを考慮する必要があります。

・セキュリティ面の考慮が必要 クラウドAIは、パブリッククラウド使用におけるセキュリティリスクの影響を受けます。また送信する秘匿データは外部に漏洩されないよう、管理方法や利用方法を十分検討する必要があります。リスクが高い場合は、ローカルで処理することを検討しましょう。

・料金の定期的な確認を要する 格納するデータが多い場合は、料金が高額になる場合があります。クラウドの活用は必要な業務を見極めて行いましょう。

クラウド化における課題とは?失敗の原因と成功するための対策を解説!

エッジAIとは

エッジAIとは、ローカル環境のデバイス側にAI機能を搭載する仕組みを指し、スマートフォンやセンサーなどを用いて実装します。自身で管理できる環境で活用することから、インターネット利用が制限される環境でも稼働できます。

また、機微情報や秘匿データなどを含む場合も、情報漏洩リスクを考慮するとエッジ側で処理するのが選択肢の1つです。

クラウドAIとエッジAIの違い

クラウドAIとエッジAIの違いは、「AIの処理をどこで行うのか」です。クラウドAIはクラウド事業者のデータセンターで処理を行い、エッジAIはローカルのデバイスやオンプレミス・データセンターで処理します。

エッジは小規模なデータ量の場合に有効で、レスポンスが早い特徴があります。通信量と通信オーバーヘッドが低いので、制御ループや即時判断が必要な場合に用いられます。システム規模は小さいので、小規模な推論に限定して使用するといいでしょう。

クラウドは大規模な処理に有効であり、対象データが多く計算能力が求められる場合に効率的に結果が得られます。通信が多く発生し、通信と処理の時間を要しますが、学習や大規模推論も可能です。

クラウドとオンプレミスの違い

クラウドとオンプレミスは、ITシステムの設置場所と費用計上の区分に違いがあります。

クラウドは、クラウド事業者が提供するサービス提供型のシステムです。従量課金で使用料に応じて費用が請求され、サービス提供のため固定資産ではなく業務コストとなります。通常マネージドサービスによって運用されますので、運用コストも料金に含まれており割安です。

オンプレミスは、従来型データセンターなどで資産を事前に確保して使用する形式の利用形態です。AIシステムで用いるハードウェアとソフトウェアを、事前に準備する必要があります。

固定資産のため、IT機器の更新は一定期間単位となります。自社の管理するデータセンターで運用可能のため、システムの安全性は高い特徴があります。

近年では、オンプレミス型クラウドサービスも提供されており、提供サービスとサービスレベルを比較することが重要です。

代表的なクラウドAIサービス

img_aicloud_03

クラウドAIサービスは、AIインフラストラクチャやデータ分析基盤、機械学習や生成AIサービスなど多岐に及びます。サービスは、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの主要クラウド事業者などから提供されています。

クラウド事業者は、上記ハイパースケーラだけではなく、提供形態などのバリエーションも豊富です。ベンダー系では、IBM Cloud、Oracle Cloudなどがあります。クラウド事業者の提供サービスを比較して、要望に近い提供サービスとサービスレベルを確認しましょう。

【参考】:AWS: AWS で AI イノベーションの次の波を構築およびスケール 【参考】:Microsoft Learn: Azure AI サービスとは 【参考】:Google Cloud: AI と機械学習のプロダクト

AWSとは?メリットや何がすごいのか、初心者にもわかりやすく解説
Azure入門|学習前に知っておきたい!無料枠のフル活用メソッド
GoogleのGCPについて知り、エンジニアのスキルに生かそう

クラウドAIの活用事例

img_aicloud_04

クラウドAIは、多様な用途にAIを活用することができます。具体的には、次のような用途に主に用いられます。

画像認識

画像認識では、顔の認証による入館チェックなどに使用されています。建造物の劣化確認や、生産の良品識別も簡単に行うことができます。FAXから注文内容をデジタルデータに変換し、自動発注を行うなど、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のような業務にも対応できます。

音声認識

音声認識では、音声に基づいて会議の要約や文字起こしなどがクラウド上でリアルタイムに更新され、チームメンバー全員が情報を共有できます。また、自動翻訳も多言語に対応できるため、グローバルな場面においても高い利便性を発揮します。

自動応答

自動応答では、コールセンターの問い合わせの自動応答などに活用できます。チャットボット形式は多くの企業ですでに採用が進められています。テキスト形式の処理から音声認識を活用した自動応答など、利用形態も拡大を示しています。

チャットボットとは?種類やメリットと効果的な選び方を解説

将来の予測

気象の予測や景気・市況予測などに活用されています。気象条件は、気象に影響を受ける人手や売上予測などにも展開されています。景気・市況予測は、動向指数などの統計情報などから算出することもできるため、多面的な分析も可能です。

機械制御

機械制御は、生産管理やロボットの制御、自動車の自動運転などが代表的な用途です。ローカルの即時処理や制御などのウェイトが大きい用途については、エッジAIの方が強みが活かされる領域です。クラウドAIでも可能ですが、要件次第でエッジAIと比較するのがいいでしょう。

生成AIの精度向上におけるクラウドAIの役割

img_aicloud_05

通常、ChatGPTなどを用いて生成AIを利用するには、プロンプトで指示を入力し回答を得ます。業務などで回答精度を向上するには、いくつかの方法があります。

1つは、ファインチューニングによって事前学習したLLM(大規模言語モデル)に独自のデータを用いて追加学習させる方法があります。同様に、RAG(検索拡張生成)と呼ばれる技術を用いてLLMの回答を比較し、別の検索条件と組み合わせて回答精度を高める方法もあります。

回答精度を高めるには、それを処理するITシステムが必要です。このITシステムには、クラウドAIを用いることが可能であり、サービス活用の1つとなります。

ChatGPTのファインチューニングの仕組みとは?AIの活用法を解説
大規模言語モデルとは?概要やモデルの種類一覧、生成AIとの違い

クラウドAIは活用用途が拡大している

img_aicloud_06

2020年後半のChatGPTの登場によって、AI活用が急速に進んでいます。業務に目を向けると、クラウドAIの活用が進んでいます。クラウドAIは、スモールスタートが可能です。クラウド事業者が提供するサービスを比較し、活用が進むクラウドAIを体感しましょう。

気になる人のXをフォローしよう!
公式LINE
公式YouTube
マイナビITエージェント

編集部オススメコンテンツ

Sponsored
【年収±診断】6つの質問に答えて、真の市場価値をチェック!
マイナビITエージェント
Sponsored

アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから

お問い合わせ・情報提供

カテゴリー

編集部おすすめコンテンツ

Sponsored
【年収±診断】6つの質問に答えて、真の市場価値をチェック!
マイナビITエージェント
Sponsored

アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから

logologo
Powered by マイナビ AGENT