VBAとは?基本的な知識やできること、マクロとの違い、メリットを解説!
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VBAとは?基本的な知識やできること、マクロとの違い、メリットを解説!
アンドエンジニア編集部
2024.08.10
この記事でわかること
VBAは「Microsoft Visual Basic」で、Officeアプリケーション上で使えるプログラミング言語である
VBAを使用することで、繰り返し作業や定型作業の自動化などの業務効率化を行うことができる
VBAのメリットは、初心者でも取り組みやすく、開発や運用に大きなコストがかからないことである

VBAとは?

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VBAとはMicrosoft Officeで提供されているプログラミング言語で、「Visual Basic for Applications」の略称です。VBAでは、特別な開発環境を用意せず、手軽にOfficeアプリケーションにおける業務効率化などを図ることができます。

この記事では、VBAがどんなものか気になっている人のために、VBAの基本的な知識や、Officeにおける「マクロ」との関係、VBAを使ってできること、VBAを使うメリット、VBAに関する資格などについて解説していきます。

VBAの基本的な知識

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VBAは、もともとMicrosoftが手がけたプログラミング言語である「Microsoft Visual Basic」を、同社のOffice製品に搭載したものです。そのため、Visual Basicと同等の機能を持つ本格的なプログラミング言語であると言えます。

VBAは、Excel・Word・Access・PowerPoint・Outlookなどで使用することができます。VBAを使えば、これらのOfficeアプリケーションの機能を拡張して、手作業で行っていた繰り返し作業を自動処理させるなど、作業の時間や労力を削減するのに役に立ちます。

マクロとは?

Officeアプリケーションで作業を自動化するものとして、「マクロ」もよく知られています。マクロとは、そもそもコンピュータの操作を自動化する機能を指し、Officeアプリケーションに限らない一般的なデジタル用語です。

VBAとマクロの違いとは

それでは、VBAとマクロの違いとは何でしょうか。Officeにおけるマクロは、Officeアプリケーション上の操作を自動化する「機能」のことを指します。そして、マクロの中身は、自動化機能を実現するためのプログラムがVBAで書かれています。VBAはマクロの機能を実現するためのプログラム言語ということです。

これを確認する方法として、例えばExcelの「マクロの記録」で登録したマクロを編集しようとすると、VBAを記述するためのVBE(Visual Basic Editor)が起動し、そのマクロの中には記録した操作を再現するためのVBAのプログラムが生成されていることが分かります。

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VBAでできること・できないこと

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VBAでは定型的な作業の他に、ユーザーフォームを作成したり他のOfficeアプリケーションとの連携も可能です。一方で、VBAでできないことも確認しておきましょう。

Officeアプリケーションを使用した作業の自動化

VBAは、Officeアプリケーションを使用した作業を自動化することができます。特に、ユーザーがデータを集計・分析するExcelと相性が良く、毎月定期的に行う業務や、決まった手順を誤りなく繰り返す必要がある処理をVBAで自動化することで、業務の効率が大きく向上します。

例えば、以下のようなことが可能です。

1.Excelの情報を項目別にシートごと、またはファイルごとに転記する 2.1ヶ月記入した従業員の勤務状況を表にしてグラフにまとめる 3.複数の表の内容を比較して条件が合致するデータだけを抽出する

また、Excel以外でも、それぞれのOfficeアプリケーションに応じた自動化を行うことができます。

例えばOutlookのVBAでは以下のようなことができます。

1.メールの件名や本文に、メール作成日の日付を自動的に挿入する 2.メール転送の宛先を簡単に追加する 3.メール作成時にファイル添付忘れを防ぐため、ファイル添付ダイアログを自動的に開くようにする

PDFやCSVファイルを取り込んだ帳票や報告書の作成

ExcelでVBAを使用すれば、Excel以外のWordやPowerPointで作成したファイル、PDFファイルやCSV形式のファイルを読み込むこともできます。

手動で行うと複数のアプリケーションやファイルの読み込みの操作を行う必要があり、煩雑で人為ミスが起こりやすい作業ですが、VBAを使用すれば手を煩わせることなく自動的に帳票や報告書を作成することができます。

ユーザーフォームの作成

VBAを使用すると、ExcelやAccessでユーザーフォームやダイアログボックスを作成することができます。

例えば、画面上に文字を入力するテキストボックスと、プログラムを実行するためのボタンを配置してオリジナルのユーザーフォームを作成し、処理ごとに変化する条件を与えて自動化処理を行うことができます。

また、VBAのプログラムで入力チェックを実装すれば、入力したデータが処理に必要なデータとして適切であるかどうかのエラーチェックを行い、自動でデータを訂正したり警告を表示させたりすることもでき、手作業による入力ミスを防いでさらに効率化を図ることもできます。

Officeアプリケーションの連携

VBAを使用することで、Officeアプリケーション同士を連携させて作業を行うこともできます。業務上、Excel・word・Accessなど複数のアプリケーションを併用してデータを処理する必要がある場合には大きな効果を発揮します。

例えば、Accessから読み込んだデータを使ってExcelでグラフを作成し、そのグラフをWordの文書に挿入することも可能です。また、ExcelのセルをWordに挿入し、Excel側で入力したデータをWordに反映させるということもできます。

VBAに向いていない作業

VBAはOfficeアプリケーション上であらゆる業務の効率化に使えますが、向いていないことやできないこともあります。

VBAはOfficeアプリケーションの制限の範囲内でしかプログラムを動かせません。例えばExcelのワークシートでは1,048,576行、16,384列までのデータを取り扱えますが、それ以上のデータの処理が必要になる場合、そもそもExcelが対応していないためVBAでの作業を行うことができません。

【参考】:Excel の仕様と制限

Excelで動作可能な範囲内であっても、大量の処理をVBAで行う場合、データ量が多くなるほど処理が重くなります。そのため、膨大な量のデータの処理を行う場合はAccessや他のデータベース管理ソフトウェアを利用するなどする方がいいでしょう。

また、VBAはOfficeアプリケーションで行えるあらゆる業務の自動化に使えますが、外部のシステムの構築やアプリケーションの開発はできません。

Office以外で動くアプリケーションを開発する場合はJavaやPythonなど、また、Webアプリケーションなどの開発はPHPやRubyなど、その分野を得意とする他のプログラム言語を使用する必要があります。

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VBAを使用するメリット

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VBAには、Officeアプリケーションの業務効率化を実現できるだけでなく、他にも多くのメリットがあります。

初心者でも使いやすい

VBAはOfficeに備わっていて特別な環境設定も不要です。また、マクロの記録で操作の大まかな流れを記録してからVBAのコーディングに移ることができるため、プログラミングの初心者でも容易に扱うことができます。

動作が分かりやすく運用しやすい

VBAはプログラムを記述して、すぐにOfficeアプリケーション上で動作を確認することができ、実行結果を見ながらコーディングを進めていくことができます。そのため他のプログラミング言語よりもコードの動作を直感的に理解しやすく、開発や運用がしやすいというメリットがあります。

開発や運用のコストを抑えられる

VBAは、Officeアプリケーションがあれば特別な開発環境の構築や機能の追加購入なしで使用できるため、開発や運用のコストを抑えることができます。

Officeアプリケーション以外に使うことはできませんが、一般的に日常業務での使用頻度が高いExcelやAccessなどで処理の効率化を行えるのは大きなメリットと言えるでしょう。

インターネット上に参考情報がたくさんある

VBAを使用していて困ったときには、様々なWebサイトに、OfficeアプリケーションごとのVBA活用例、VBAの用語の読み方や使い方の説明、VBAのコーディングのルール、VBAのサンプルコードなどが掲載されています。

簡単なものであれば、日常業務で行いたい効率化の多くはインターネット上の情報を参考に実現できるでしょう。

VBAに関する資格

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VBAの勉強を本格的にしたくなったときには、VBAの資格取得を目指すのも良いでしょう。VBAの資格には、オデッセイコミュニケーションズが主催する「VBAエキスパート」があります。

【参考】:VBAエキスパート公式サイト

VBAエキスパート試験とは

VBAエキスパート試験は、Excel・AccessのVBAスキルを評価する資格です。ExcelVBAベーシック・ExcelVBAスタンダード・AccessVBAベーシック・AccessVBAスタンダードの4種類の資格があり、Excel・Accessそれぞれのスタンダードは、ベーシックの上位試験となります。

VBAエキスパート試験を受験することでVBAのスキルアップを目指し、日々の業務のさらなる効率化を目指すきっかけとなるでしょう。

テキストや参考書で勉強し、練習問題を解いて対策する

VBAエキスパートを受ける場合、公式テキストやVBAの参考書を活用して勉強を行いましょう。独学では不安な場合や、しっかりとスキルを身に付けたい場合は、対策講座を受講することもできます。

また、公式サイトにはサンプル問題が掲載されている他、練習問題を掲載している一般Webサイトや参考書も多数あります。多くの練習問題をこなして、試験の合格を目指しましょう。

【参考】:学習するには|VBAエキスパート公式サイト

VBAを活用して業務の効率化を図ろう

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ここまで、VBAについての様々な知識をご紹介してきました。VBAでどんなことができるか、どのようなメリットがあるかなど、イメージが湧いたかと思います。

VBAは他のプログラミング言語に比べて始めやすく、日々の業務効率向上にも直接つなげやすい言語です。実際に、自分が毎日Excelなどで面倒な手作業に時間をかけている心当たりがあれば、VBAの利用を検討してみてください。

PythonでできることにExcel操作や自動化があるって本当?
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