Unityでできることとは
Unityは2D3D用のゲームエンジンとして有名ですが、その他にもできることは多岐に渡ります。近年は2Dや3D画像の技術活用に応じて用途が拡大しており、業務アプリの実績も増えています。この記事では、そんなUnityのできることや得意なことを詳しく紹介します。
【参考】:Unity のケーススタディ
そもそもUnityとは
Unityとは、Unity Technologies社が開発・販売するゲームエンジンです。UnityはC#を用いたプログラミングにより、統合開発環境(IDE)同様にアプリ開発を行うことができる開発プラットフォームです。
Unityは日本法人も設立しており、日本語の情報が多い点に特色があります。初心者でも学習しやすいため日本においては特に人気があります。
【参考】:Unity
Unity入門情報
Unityはゲーム開発に幅広く活用可能で、XR(VRやAR)の市場拡大に応じて用途が拡大しています。しかし、初心者の方はまず何から始めたらいいのかわからないという方が多いのではないでしょうか。
Unityを使うには、Unity HubからUnityやコンポーネントをインストールします。編集はUnityエディタを利用します。通常デバッグ作業を効率的に行うために、Visual Studioを追加インストールし連携させて使用します。
【参考】:Unity User Manual 2023.2 (beta) 【参考】:Unity マニュアル:Install Unity 【参考】:Microsoft クイックスタート: Unity を使ったクロスプラットフォーム開発のための Visual Studio の構成
Unityのライセンス
Unityのライセンスは、学生や趣味の個人開発者向けのPersonalとStudent、個人やチーム向けのUnity ProとUnity Plus、大規模な組織向けのUnity EnterpriseとUnity Industryが提供されています。PersonalとStudentは無料プランで、それ以外は有料プランとなります。
【参考】:Unity プランと価格:学生や趣味の個人開発者向け 【参考】:Unity プランと価格:個人およびチーム 【参考】:Unity プランと価格:エンタープライズ
Unityを扱えれば年収はアップする?
現在Unityは、アプリ開発など大手企業でも積極的に使用されています。そのため、機能を使いこなせれば、ゲームプログラマーやゲームエンジニアとして即戦力になれる可能性があります。仕事の幅が広がれば、年収アップも期待できるでしょう。
例えば、一般的なプログラマーの年収を見てみると、「マイナビエージェント 職種図鑑」では344万円でした。(※2023年7月執筆時点)一方、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からコンテンツクリエイター/デザイナーを参考にすると、平均年収411万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーの年収は、平均よりもやや低めであることが分かります。
しかし、IT業界は実績やスキルが重視される傾向があるため、応用の効く技術を身に付けておけば、大幅に年収がアップすることも十分考えられます。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Unityができること・得意なこと
Unityは人気のゲームエンジンで、個人からプロフェッショナルまで広く利用されています。もちろんメインターゲットとなるゲーム会社でもよく用いられています。人気の理由としては以下の特長が挙げられます。
マルチプラットフォームに対応
Unityはマルチプラットフォームに対応しているため、PC・スマホ向けからゲーム機まで幅広いデバイス向けにアプリ開発が可能です。
具体的には、WindowsをはじめiOSやAndroid・macOS・Linuxなどの汎用プラットフォームから、PS4・PS5やXBOX等のゲームプラットフォームを含む25以上のプラットフォームに対応します。
【参考】:Unity プラットフォーム特有の情報
プログラミングが簡単
UnityはC#をベース言語としており、直感的操作が可能なビューが提供されています。加えてライブラリが豊富なため、ほとんど追加コードを記述することなく開発が可能です。必要に応じて学習コースを受講することもできます。
幅広くシェアを獲得
Unity社によると、世界のビデオゲームの半数以上がUnityによるものと公表しています。幅広く利用されていることは事実ですので、アセットストアで素材やツールを利用したり、購入したりすることで効率的にアプリ開発を進めることもできます。
流行りの3DゲームやXRに対応
従来の2Dに加えて、グラフィックを重視する3DゲームやXR(VRやAR)に対応します。そのため、Unityを利用することで多様なゲームカテゴリに対応することができます。
unityで作られたゲームには、知名度の高い有名ゲームも多数存在します。また、ゲーム分析機能によりゲーム事業の収益性向上に役立てることもできます。
【参考】:Unity を活用してさらに多くのことを実現する 【参考】:Unity XR
ライセンスの幅が多い
無償版から有償版まで、ニーズに合わせた多様なサブスクリプションが提供されています。そのため、個人利用からビジネス利用まで幅広い開発用途がカバーできます。収益に応じたロイヤリティも不要です。
【参考】:Unity プラン 【参考】:Unity プランと価格:学生や趣味の個人開発者向け 【参考】:Unity プランと価格:個人およびチーム 【参考】:Unity プランと価格:エンタープライズ
Unityの無料プランでできること
上述したとおり、無料プランはPersonalとStudentです。無料プランでできることは意外と多く、「Unity Learn」で無料学習コースやライブセッションを受講したり、Unity アセットストアで登録されている素材やツールを利用したりすることができます。
無料でできることをもっと知りたい場合は、以下のリンクをご確認ください。
なお、Unityを利用して年間 10 万USドルを超える売上や賃金がある場合は、Personalを利用できません。また、Studentは16歳以上の学生(高校生、高等教育機関に在学中の学生)が対象です。
【参考】:UNITY PERSONAL 【参考】:Unity Learn 【参考】:Unity アセットストア 【参考】:Unity Student プラン
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Unityができないこと・苦手なこと
Unityはゲーム・アニメーションからシミュレーションなど多くの分野で活用されていますが、デメリットとも言える苦手なことも存在します。実際の利用上の問題はほとんどありませんが、代替ソフトウェアとしてUnreal Engineを利用することもあります。
【参考】:Unreal Engine
起動に若干時間がかかる
Unityはマルチプラットフォームに対応していることで、アプリ起動時のプラットフォーム設定処理に若干時間がかかります。
ただし、Unity Hubを用いてプラットフォーム別にプロジェクトを登録したり、起動プロジェクトごとにターゲットプラットフォームを指定したりすることで回避可能です。
【参考】:Unity Hub
C#以外では開発できない
Unityは開発言語がC#に限定されます。制御スクリプトもC#スクリプトを用います。実際には個別に作りこむコード量は多くありませんので、C#でも影響はないでしょう。C++を希望する場合は、Unreal Engineをおすすめします。HTML5 UIを作成する場合もUnreal Engineが候補となります。
【参考】:Unity スクリプト
グラフィックスの精度に限界がある
ゲームグラフィックスの高精細化が進んでいますが、高精細グラフィックスの多くはUnreal Engineが利用されています。両製品を比較すると若干ではありますが、Unityの方が劣ってしまいます。どうしてもリアルさや綺麗さを追及したい場合は、Unreal Engineの利用を検討しましょう。
Unityの活用事例
Unityでは、活用事例をケーススタディとして公開しています。ゲーム制作をはじめとして、建築設計・自動車など多岐に渡ります。アニメーション学習のために大学でも採用事例が多数あります。Unityの主な活用事例は以下の通りです。
【参考】:Unity のケーススタディ
ゲーム制作と運営
ゲーム制作は、個人からスタジオまで活用されています。Unityゲームエンジンを用いて、効率的なゲーム開発が可能です。ゲーム実行環境もマルチプラットフォームに対応しており、あらゆるデバイスを活用した参加型マッチメイキングも可能です。チャットやマルチプレイヤーフレームワーク構築の仕組みも提供しています。
Unityを使用して趣味でゲーム開発を楽しんでいる方は、思い切って仕事に生かしてみるのもおすすめです。未経験からゲーム制作業界への転職を目指すなら、自分の希望に合った企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。
【参考】:ゲーミングソリューション 【参考】:Unity でゲームを制作する 【参考】:Unityゲーミングサービス
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アニメーションや映画制作
クリエーター向けの効率的なビジュアルレンダリングが提供されているため、ワークフローの短縮が可能です。大規模プロジェクトをスムーズに共同実施することで、グラフィックアニメーションを高品質・短期間に制作することができ、アニメーションパイプラインの効率を高めます。
【参考】:Unity 映像制作、アニメーション、シネマティクス
ゲーム以外でできること
画像を用いたモデリングやシミュレーションのニーズが高まっており、ゲーム以外でも多くの活用がされています。代表的な分野は、自動車・建築・製造・教育など多岐に渡ります。具体的な事例を紹介します。
【参考】:Unity ソリューション 自動車、輸送機器および製造 【参考】:Unity ソリューション 建築設計、エンジニアリングおよび建設業
自動車シミュレーション
これまでの開発設計工程では、実物大のモックアップが多様されていましたが、初期段階のモデリングやプレゼンテーションでは3Dデータを用いたVR・AR制作による3Dリアルタイムシミュレーションが利用され、効率的にかつ短期間でデザインをまとめていくことができます。
建築シミュレーション
BIM(Building Information Modeling)と呼ばれる、建築物や構造物の3Dリアルタイムモデリングに活用できます。これまでのCGパースと異なり、建築前にARを用いたオーバーレイ情報を用いて、可視化と妥当性を検証することができます。同様に、CADデータを正確に反映した完成イメージを共有するビジュアライゼーションに活用したり、シミュレーションや検証に使用したりできます。
製造サポート
従来より製造用途では、CADデータの3Dシミュレーションとビジュアライゼーションで使われています。作成データを製造工程の学習システムと連動させて、製造ラインのシミュレーションで用いることもできます。
具体的には、リアルタイムに部品と作業情報をARで可視化させ、部品交換や作業の手順をトレースし、品質向上に役立てるといったことが可能です。
Unityを趣味でも仕事でも活用しよう
Unityは従来のゲーム開発に加えて、3DCGやXRなど業務アプリ開発でも実績をあげています。利用用途の拡大や価値の高まりにより、今後も市場成長が期待できます。必要なベース知識の学習の観点でも、この分野に強みを持つUnityを活用し知識を吸収しておくことをおすすめします。
また、趣味で利用を始めようとしている方や、仲間内で楽しんでいるという方は、そのスキルを仕事に生かしてみるのもおすすめです。しかし、「Unityを活用している仕事が見つかるか不安」「働きながらの転職活動は難しい」という方も多いでしょう。
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