
Unityでできること

Unityはゲームエンジンとして有名ですが、Unityでできることは多岐に渡ります。Unity公式サイトでは、実際の活用事例を幅広く公開しています。得意としているゲーム関連が多いものの、ゲーム以外でも多様な用途に活用されています。2Dや3D画像の技術活用に応じて用途が拡大しており、業務アプリの実績も増えています。公式サイトでは、業種カテゴリー別に実際の活用事例を公開しています。 【参考】:Unity のケーススタディ
そもそもUnityとは
Unityとは、Unity Technologies社が開発・販売するゲームエンジンを指します。UnityはC#を用いたプログラミングにより、統合開発環境(IDE)同様にアプリ開発を行うことができる開発プラットフォームです。Unityは日本法人も設立しており、日本語の情報が多い点に特色があります。初心者でも学習しやすいため日本においては特に人気があります。 【参考】:Unity

Unity入門情報
Unityはゲーム開発に幅広く活用可能で、XR(VRやAR)の市場拡大に応じて用途が拡大しています。Unityを使うには、Unity HubからUnityやコンポーネントをインストールし、利用します。編集はUnityエディタを利用します。通常デバッグ作業を効率的に行うために、Visual Studioを追加インストールし連携させて使用します。
【参考】:Unity マニュアル: Unity User Manual 2021.3 (LTS) 【参考】:Unity マニュアル:Unity のインストール 【参考】:Microsoft クイックスタート: Unity を使ったクロスプラットフォーム開発のための Visual Studio の構成

Unityのライセンス
Unityのライセンスですが、個人向けのPersonalとStudent、Teams(ビジネス向け)のUnity ProとUnity Plus、Enterpriseが提供されています。PersonalとStudentは無料プランで、それ以外は有料プランとなります。
【参考】:Unity プランと価格 個人向け 【参考】:Unity プランと価格 Teams 【参考】:Unity プランと価格 Enterprise
Unityの無料プランでできること
個人向けのPersonalとStudentが無料となります。無料プランでできることは、意外と多く「Unity Learn」で無料学習コースやライブセッションを受講したり、Unity アセットストアで登録されている素材やツールを利用したりすることができます。プランの詳細は以下のリンクをご確認ください。
【参考】:Unity プランをお選びください 【参考】:Unity Learn 【参考】:Unity アセットストア
Personalは、Unityを利用して年間 10 万USドルを超える売上や賃金がある場合は、プランを選ぶことができません。Studentは16歳以上の学生(高校生、高等教育機関に在学中の学生)が対象です。 【参考】:Unity Personal 【参考】:Unity Student プラン
Unityの特長とできること

Unityは人気のゲームエンジンで、個人からプロフェッショナルまで広く利用されています。もちろんメインターゲットとなるゲーム会社でも良く用いられています。人気の理由としては以下の特長が挙げられます。
マルチプラットフォームに対応
Unityはマルチプラットフォームに対応しているため、PC・スマホ向けからゲーム機まで幅広いデバイス向けにアプリ開発が可能です。具体的には、WindowsをはじめiOSやAndroid・macOS・Linuxなどの汎用プラットフォームから、PS4・PS5やXBOX等のゲームプラットフォームを含む25以上のプラットフォームに対応します。 【参考】:Unity プラットフォーム開発
プログラミングが簡単
UnityはC#をベース言語とし、直感的操作が可能なビューが提供されます。加えてライブラリが豊富なため、ほとんど追加コードを記述することなく開発することができます。必要に応じて学習コースを受講することもできます。 【参考】:Unity を学ぶ、指導する、認定資格を得る

幅広くシェアを獲得
Unity社によると、世界のビデオゲームの半数以上がUnityによるものと公表しています。幅広く利用されていることは事実ですので、アセットストアで素材やツールを利用したり、購入したりすることで効率的にアプリ開発を進めることもできます。 【参考】:ゲーム作りのための UNITY 構想から商品化まで
流行りの3DゲームやXRに対応
従来の2Dに加えて、グラフィックを重視する3DゲームやXR(VRやAR)に対応します。そのため、Unityを利用することで多様なゲームカテゴリに対応することができます。ゲーム分析機能によりゲーム事業の収益性向上に役立てることもできます。 【参考】:Unity を活用してさらに多くのことを実現する 【参考】:Unity XR
ライセンスの幅が多い
無償版から有償版まで、ニーズに合わせた多様なサブスクリプションが提供されています。そのため、個人利用からビジネス利用まで幅広い開発用途がカバーできます。収益に応じたロイヤリティも不要です。
【参考】:Unity プランをお選びください 【参考】:Unity プランと価格 個人向け 【参考】:Unity プランと価格 Teams 【参考】:Unity プランと価格 Enterprise
Unityの活用事例

Unityでは、活用事例をケーススタディとして公開しています。ゲーム制作をはじめとして、建築設計・自動車など多岐に渡ります。アニメーション学習のために大学でも採用事例が多数あります。Unityの主な活用事例は以下の通りです。 【参考】:Unity のケーススタディ
ゲーム制作と運営
ゲーム制作は、個人からスタジオまで活用されています。Unityゲームエンジンを用いて、効率的なゲーム開発が可能です。ゲーム実行環境もマルチプラットフォームに対応しており、あらゆるデバイスを活用した参加型マッチメイキングも可能です。チャットやマルチプレイヤーフレームワーク構築の仕組みも提供しています。
【参考】:ゲーム作りのための UNITY 構想から商品化まで 【参考】:Unityのゲーム制作 【参考】:Unityのゲーミングサービス
アニメーションや映画制作
クリエーター向けの効率的なビジュアルレンダリングが提供され、ワークフローの短縮が可能です。大規模プロジェクトをスムーズに共同実施することで、グラフィックアニメーションを高品質・短期間に制作することができ、アニメーションパイプラインの効率を高めます。 【参考】:Unity 映像制作、アニメーション、シネマティクス
ゲーム以外でできること

画像を用いたモデリングやシミュレーションのニーズが高まっており、ゲーム以外でも多くの活用がされています。代表的な分野は自動車・建築・製造・教育など多岐に渡ります。具体的には、以下の通りです。 【参考】:Unity ソリューション 自動車、輸送機器および製造 【参考】:[Unity ソリューション 建築設計、エンジニアリングおよび建設業
自動車シミュレーション
これまでの開発設計工程では、実物大のモックアップが多様されていましたが、初期段階のモデリングやプレゼンテーションでは3Dデータを用いたVR・AR制作による3Dリアルタイムシミュレーションが利用され、効率的にかつ短期間でデザインをまとめていくことができます。
建築シミュレーション
BIM(Building Information Modeling)と呼ばれる建築物や構造物の3Dリアルタイムモデリングに活用できます。これまでのCGパースと異なり、建築前にARを用いたオーバーレイ情報を用いて、可視化と妥当性を検証することができます。同様に、CADデータを正確に反映した完成イメージを共有するビジュアライゼーションに活用したり、シミュレーションや検証に使用したりできます。
製造サポート
従来より製造用途では、CADデータの3Dシミュレーションとビジュアライゼーションで使われています。作成データを製造工程の学習システムと連動させて、製造ラインのシミュレーションで用いることもできます。具体的には、リアルタイムに部品と作業情報をARで可視化させ、部品交換や作業の手順をトレースし品質向上に役立てることなどができます。
Unityでできないこと

Unityはゲーム・アニメーションからシミュレーションなど多くの分野で活用されています。あえてできないことや苦手なことを挙げると、以下のような点があります。実際の利用上の問題はほとんどないですが、必要であれば代替ソフトウェアとしてUnreal Engineを利用することもあります。 【参考】:Unreal Engine
起動に若干時間がかかる
Unityはマルチプラットフォームに対応していることで、アプリ起動時のプラットフォーム設定処理に若干時間がかかります。Unity Hubを用いてプラットフォーム別にプロジェクトを登録したり、起動プロジェクトごとにターゲットプラットフォームを指定したりすることで回避することができます。 【参考】:Unity Hub
C#以外では開発できない
Unityは開発言語がC#に限定されます。制御スクリプトもC#スクリプトを用います。実際には個別に作りこむコード量は多くありませんので、C#でも影響はないでしょう。C++を希望する場合は、Unreal Engineをおすすめします。HTML5 UIを作成する場合もUnreal Engineが候補となります。 【参考】:Unity スクリプト

グラフィックスの精度に限界がある
ゲームグラフィックスの高精細化が進んでいますが、高精細グラフィックスの多くはUnreal Engineが利用されています。両製品を比較すると若干ではありますが、Unityが劣るように見えます。どうしてもリアルさやきれいさを追及したい場合は、Unreal Engineの比較検討をおすすめします。
需要高まるXRで活用しましょう

Unityは従来のゲーム開発に加えて、3DCGやXRなど業務アプリ開発でも実績が上がっています。利用用途の拡大や価値の高まりにより、今後も市場成長が期待できます。必要なベース知識の学習の観点でも、この分野に強みを持つUnityを活用し知識を吸収しておくことをおすすめします。

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