「Microsoft Power Pages」公開!
米Microsoft社は2022年5月24日(現地時間)に、開催中の「Microsoft Build 2022」で「Microsoft Power Platform」の5つ目のサービスとして、「Microsoft Power Pages」のプレビューを公開しました。
Power Pages はローコード開発ソリューションであり、誰でも簡単にビジネスWeb サイトをすばやく作成できるという特徴を持っています。
Power Pages はローコード以外にも、デザイン関連の新機能、テンプレートやプロ開発者向けの機能などを使用し、あらゆるWeb サイトを安全に構築することができます。
【参考】:Announcing Microsoft Power Pages: Build secure, low-code websites|Microsoft
「Microsoft Power Platform」とは?
「Microsoft Power Platform」はエンジニア以外のビジネス部門担当者が自ら業務アプリケーションを構築したり、ワークフローを運用したり、BIツールを用いてデータ分析をしたりするためのビジネス・プラットフォームです。
Microsoft Power Platformはこの度公開した「Power Pages」を含む「Power Apps」、「Power Automate」、「Power BI」、「Power Virtual Agents」の5つのサービスにより構成されています。
▪Power Apps:実用的なビジネスアプリのローコード開発が行えるサービス
▪Power Automate:自動ワークフロー作成のサービス
▪Power BI:Excel感覚で気軽にビッグデータの解析が行えるBIサービス
▪Power Virtual Agents:項目や回答を決めるだけで、チャットボットを簡単に作成できるサービス
【参考】:Business Application Platform | Microsoft Power Platform
Power Pagesの概要
Power Pagesはこれまで「Power Apps Portals」として知られていましたが、「Power Platform」シリーズの一環で、独立製品として追加されました。
ユーザーはMicrosoft Dataverse(Power Platformで共通して使用できるデータベース・サービス )をベースにして、ビジネスWebサイトをノーコード、ローコード、プロフェッショナルコードなどさまざまな方法で構築することができます。
Power Pagesは利用者をビジネスユーザー、ITメンバー、システム開発者の3者としている点が特徴です。
業務要件を理解したビジネスユーザー、サイト全体の管理を担うITメンバー、サイトの完成度を高めるシステム開発メンバーの3者が連携する、Microsoft提唱の「Fusion Teams」によるビジネスWebサイトの構築を強みとしています。
【参考】:Collaborate with fusion teams|Microsoft
Power Apps Portalsとの違い
Power PagesはPower Apps Portalsの後継サービス的な位置づけになっていますが、Power Apps Portalsとは何が違うのかについて、まとめてみました。
1.UI/UXが変更されています。
2.ユーザーが、ビジネスユーザー、ITメンバー、開発者の3グループに分かれ、それぞれに利用するツールが異なります。
3.ローコードに主眼が置かれ、ビジネスユーザーによるWebサイト制作が可能としています。またそのための新たなテンプレート、ラーニングハブ(学習機能)、ページエディタなどの機能が提供されています。
ちなみに、現在Power Apps Portalを利用している方は、Power Pagesへの移行作業は不要で、Power Pagesを利用して既存のドキュメントの編集が可能になります。
【参考】:Power Pages trial FAQ|Microsoft
Power Pagesの始め方
Power Pagesの概要が分かったところで、Power Pagesの始め方について解説をしていきます。ここではプレビュー版での解説となりますので、製品の正式リリース後には変更される可能性があります。
Power Pagesのライセンス
Power Pagesを始めるには、「Microsoftアカウント」(職場もしくは学校のアカウント)が必要です。個人アカウントでの利用はできません。
個人アカウントで利用する場合は、Microsoft365E3(企業向け)か Dynamics365セールスのトライアル開始で、職場もしくは学校のアカウントの取得が可能です。
Power Pagesのライセンスや価格について、公式発表はありません。また現状では30日間無料トライアルのライセンスのみ取得可能です。
【参考】:ローコードのセキュアなビジネス Web サイトを作成する|Microsoft
Power Pagesテストサイトの作成手順
Power Pagesはまだ正式にリリースされていませんが、使用感を体験することができます。実際にPower Pagesで30日間の無料トライアルを利用して、Webサイト構築を試してみましょう。
1.最初に以下のPower Pages※を開きます。続いてページ内の[無料で試す]をクリックします。
2.「無料で試す」をクリックして表示された「30日無料トライアル」のテキストフィールドにMicrosoftアカウントのメールアドレスを入力し、規約に同意してから「無料試用版を開始する」ボタンをクリックします。
3.「開始する」のクリック後に数問の簡単な質問がありますので、正直に答えましょう。その回答結果に従って、サイトテンプレートが選択できます。
4.テンプレートを選択したら、次のサイトの名前とWebアドレスを決めて入力し、「完了」ボタンをクリックすると新しいサイトの作成が開始されます。CMSが用意されており、言語知識がなくとも簡単なサイトの構築は行えます。
使い方はPower Pagesに用意された「ラーニングハブ」を利用して学びます。
【参考】:ローコードのセキュアなビジネス Web サイトを作成する|Power Pages
ブラウザに強いエンジニアを目指す
ここまで、Microsoftから発表されたPower Pagesのプレビュー版の概要や開始手順などについて紹介しました。こうしたサービスが定着してくると、システムの内製化に拍車が掛かる可能性があります。ローコード開発がユーザーの中で定着すると、私たちエンジニアの役割が変わってくるかもしれません。ユーザーが開発したアプリに対し、エンジニアがカスタマイズによって完成度を上げるといった開発スタイルが一般化することも想定されます。
この機会にMicrosoftのPower Pagesについて知見を高め、新しい開発環境への備えをしていきましょう。
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