AWS構成図とは?テンプレートやアイコン、自動生成ツールを紹介
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AWS構成図とは?テンプレートやアイコン、自動生成ツールを紹介
アンドエンジニア編集部
2021.12.14
この記事でわかること
AWSのネットワーク環境を構築するうえで、構成図の作成が必要不可欠
AWSの構成図作成に役立つテンプレート・アイコンが提供されており、無料で使える構成図作成ツールも公開されている
構成図を自動生成・更新できるAWS Perspectiveというソリューションが活用できる

AWSの構成図とは?

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AWSの構成図(アーキテクチャ図)とは、AWSで提供されるサービスの利用状況やアプリケーション内部の状態を視覚的に整理したものです。ここでは、AWS構成図の概要と必要性について解説します。

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AWS構成図の概要

構成図とは、アプリケーション内部の各システムの繋がり(ネットワーク)を表現するもので、システム構成図・ネットワーク構成図のように表現されることもあります。AWSの構成図では、まず自社システムとAWSとの境界・接続部分を明確にしましょう。

AWS内部の構成図を作図するにあたり、物理的に離れた複数の拠点が存在する場合は、拠点がある国・地域別にリージョンを整理します。リージョン内の複数のアベイラビリティゾーンのうち、どこにシステムが属しているかを記載しましょう。

続いてよりシステムの内部を作図します。必要なVPCをIPアドレス毎に割り当て、サブネットを設定しましょう。このとき、各種ゲートウェイの情報を対応する形で記載します。接続する部分は線で繋いで表現しましょう。

EC2を利用している場合は、インスタンスを図で表現します。スケールアウト・スケールアップの表現の方法を統一しておくと便利です。データベース・ストレージなども同様に、1つの構成図内に関係性を表現します。これでAWS内のシステムネットワークが一目で分かる状態を構築可能です。

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AWS構成図の必要性

AWSの構成図作成は、業務効率化を図るうえで必要不可欠です。共通の構成図によってシステムを視覚的に理解することで、改善・増強・機能追加を検討する際のコミュニケーションがスムーズになります。システム開発時にも開発の方向性・課題のチェックに役立つでしょう。

作図する構成図は、対象とするシステム・アプリケーションのステークホルダー全体のニーズに沿ったものにするのが望ましいと言えます。エンジニア・開発者などのエキスパートのみが理解できるものではなく、必ずしもシステムに関する知識レベルが高くないメンバーにも理解できるものが必要です。

チーム全体のニーズを反映した構成図の作図は非常に大変な作業です。構成図のようなドキュメント作成は、システム開発・設計業務と比べて優先度が低く、後回しにされてしまうこともあるでしょう。

さらに、システム変更を適宜図に反映するなどといった構成図自体の保守も時間と労力がかかる作業です。したがって構成図の作図・保守をできるだけ効率的に実施する方法が必要です。以降では、構成図の作成方法について触れていきます。

AWS構成図の作成方法

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AWSの構成図を作成する方法は作成者が選択できます。0から自分で作り上げることも可能ですが、効率的に作図するためには、テンプレート・アイコンや作図ツールを利用するとよいでしょう。

テンプレート・アイコンを活用する

AWS構成図を作成する際、あらかじめ用意されているテンプレート・アイコンを利用することをおすすめします。AWSをはじめ、いくつかのサービスで作図に便利なアイコンやテンプレートが提供されています。

アイコンとは、前述のインスタンス・データベース・サーバーのような構成図に必要なパーツを図示したものです。AWSから提供されているため利用しましょう。オリジナルで作成しても良いですが、Web上に公開されている構成図と揃えておくと、ヘルプの参照などで理解しやすくなります

テンプレートは、ネットワーク・システムの接続状態・階層構造などを表現した図形です。テンプレートの上にアイコンを配置していくことで、構成図を効率的に作図できます。アイコン同様、Web上の情報と構造を揃えておくと、比較する際の労力を軽減できます。

参考:AWS アーキテクチャアイコン

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Excel・PowerPointで作成する

テンプレートとアイコンが揃ってしまえば、特別な描画ツールがなくてもExcel・PowerPointで構成図を作成可能です。これらのOfficeソフトを利用するメリットは、学習コストの低さでしょう。日常的に使っている人が多く操作方法が広く知られているため、誰でも簡単に作成・更新が可能です。

また、汎用的なファイル形式でデータのやり取りができる点もOfficeソフトを使う利点でしょう。一般的なPCでファイルの閲覧・編集ができるため、複数人で共有しながら操作するようなシーンで役立ちます。

一方、作図作業の効率を考えると作図ツールを利用したほうが良い場合もあります。本来Excelは作図用のツールでないため機能面で制限があります。実用的な構成図を作成し、更新しながら恒久的に活用していくなら、次に紹介する作図ツールの活用を検討しましょう。

draw.io・cacooなどの作図ツールを活用する

構成図などの作図に便利なツールはいくつも提供されています。オンライン上で利用できるツールも多く、イメージファイルとしての出力はもちろん、Web上への公開や複数人での同時作業にも対応できるのが特徴です。

基本的には使いやすいものを選んだり、自社のリソースとして既に存在するツールがあればそれを使ったりと自由に選べます。ただ、AWS構成図用のツールを搭載しているサービスもあるため、AWS構成図を作図するなら、優先的にチェックしてみるのも良いでしょう。

AWSダイアグラムツールを搭載しているサービスには、draw.io・cacooなどがあります。AWSが提供しているシンプルアイコンの活用がスムーズな点がメリットです。無料で試すことができるツールも多いので、まずは実際に触れてみるとよいでしょう。

参考:draw.io

参考:cacoo

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構成図の自動生成

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ここまで述べてきたとおり、AWS構成図の作成には便利なテンプレート・アイコン・ツールが存在するものの、作図作業には時間と労力がかかります。また、作図後の構成図をシステムの変更に合わせて更新するのも手間です。ここでは、構成図の自動生成について説明します。

構成図作成を自動化するメリット

前述のとおり、AWSの構成図を作図・活用していく中での大きな課題は、構成図の最新版を保守する手間であるとも言えます。構成図だけでなく、各種マニュアルなどのドキュメントは、多くの場合更新されず、次第に活用されなくなるという課題を抱えています。

とりわけAWSを活用したシステム構築は、AWSの多様なサービス・リソースを活用して、適宜カスタマイズされていくことが想定できます。システムが更新されるたびに構成図を人の手で更新するのは骨の折れる作業です。

構成図の作成・更新を自動化できれば、構成図の作図・更新にかける時間・労力を大幅に低減できます。また、ヒューマンエラーのリスクを考慮する必要がなく、常に正確で最新版の構成図を業務に活用できる点が大きなメリットです。

AWS Perspective

AWSの構成図を自動生成できるツール・ソリューションとして、AWS Perspectiveというものが実装されています。AWS Perspectiveを使えば、現在活用中のリソース情報から構成図が自動で生成されます。規模によりますが、リージョン全体図が数十分程度で作図可能です。

また、AWSの使用状況・発生コストのレポートを構成図上に表示できるのもAWS Perspectiveを利用するメリットの1つです。さらに、検索機能を活用すれば、指定したリソースがどこに位置するのかを特定できます。生成した図は画像ファイルや作図ツールへのエクスポートが可能です。

AWS Perspectiveの活用には時間単位でコストがかかります。システムの更新が頻繁に行われる期間には常時起動でも良いですが、利用コストを抑えるならオンデマンドでのデプロイも検討してみてください。

参考:AWS Perspective

作図ツールや自動生成ツールを使って活用しやすいAWSの構成図を作ろう

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AWS構成図は、AWSを活用したシステム開発・運用において業務を効率化するために必要なものです。構成図作図には、便利なテンプレート・アイコンに加え、無料でも使えるオンライン作図ツールの活用が便利でしょう。使いやすいサービスを選び、上手に活用する必要があります。

また、大規模なリソースで構成されたシステムの作図や、作成後の構成図の更新においては、自動生成ツールの活用が便利です。AWS Perspectiveを利用すれば、構成図の作図・更新を効率的に実施できます。構成図を有効的に利用するためにもAWS Perspectiveの導入を検討してみてください。

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