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Tableauとは?BIツールの特徴や使い方、学習方法を解説!
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Tableauとは?BIツールの特徴や使い方、学習方法を解説!

アンドエンジニア編集部
2024.04.06
この記事でわかること
Tableauとは、さまざまなデータを集約して可視化して分析し、その分析結果に基づいた意思決定や課題解決を支援するツールです
様々なデータの「分析」「可視化」「レポートの作成」などの業務を一貫して実施できる機能を備えています
日本航空(JAL)や住友化学、北陸大学やヤマト運輸、スマートニュースなどデータ分析を重視する多くの国内企業で導入されています

Tableauとは?

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近年、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進などのデジタル化が進展してきました。そうしたデジタルデータを業務の効率化や生産性の向上、新規事業の創出、的確な経営判断などビジネスに役立てる「データ活用」に注目が集まっています。

データ分析の主な目的は、数多く存在する情報の中から知見を獲得することです。そのためには、分析に用いられる情報を速やかに見やすい形で表示したり、共有したりして意思決定・判断に活用できる仕組みが必要です。

ただ、ビッグデータなどの膨大なデータを収集、視覚化するためには、専門的なスキルや多くの時間・手間が必要になると考えられてきました。そうした課題を解決するため、効率的なデータ分析に役立つものとして「BI(ビジネス・インテリジェンス)ツール」が普及しています。

数あるBIツールの中でも代表的なツールが「Tableau(タブロー)」です。国内外で多数の導入実績があります。なぜ、Tableauは人気があるのでしょうか。その特徴や使い方、活用事例、学習方法などを解説していきます。

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そもそもTableauとは何か

Tableauは「タブロー」という読み方のBIツールです。データ分析に関する専門的な知識を持たない人でも簡単に扱うことができるセルフサービス型で、データの可視化に特化した機能を豊富に備えている点が特徴の1つです。

複雑かつ大量のデータを多彩なグラフやチャート形式で表示し、分かりやすく内容を伝えたり、理解したりする場合に役立ちます。

Tableauは元々、2003年に設立された米国のソフトウェア企業であるTableau Softwareから発表され、その後、同社は企業統合を経て、2019年6月にCRM(顧客情報管理)ベンダーのSalesforce(セールスフォース)に買収され、同会社の事業部門としてTableauの開発に携わっています。

また、Tableauは市場調査企業ガートナーが公表する市場調査レポート「マジック・クアドラント」のアナリティクス/BIプラットフォーム部門で、10年連続で「リーダー」の評価を獲得しています。

【参考】:Tableau公式サイト

「BIツール」の種類とTableauの立ち位置

BIとは「Business Intelligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略で、ビジネスにおけるデータの分析や活用のことを意味します。BIツールは、企業が蓄積するさまざまなデータを集約して可視化し、分析からインサイトを得ることで、データに基づいた意思決定や課題解決を支援するツールです。

BIツールには、大きく「トラディショナルBI」「モダンBI」の2種類があります。トラディショナルBIは、企業内のIT部門などに所属するデータアナリストなど専門的なスキルを持つ人が使用するツールです。

一方、モダンBIは、高度な専門知識や技術が必要ではなく、現場にいる従業員が利用できるという特徴を持っています。TableauはモダンBIの1つとされ、エンドユーザによる現場主導でのデータ分析を支援するために利用されてきました。

Tableauでは何ができる?

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Tableauは、様々なデータの「分析」「可視化」「レポートの作成」などの業務を一貫して実施できる機能を備えています。事前に用意されているチャートやグラフを用いて、データを基にしたビジネスの現状を視覚的に理解したり、把握したりできる点が強みです。

直感的な操作性と優れた表現力

Tableauの特徴の1つとして挙げられるのが「直感的な操作性と優れた表現力」です。Tableauでは、基本的には「ドラッグ&ドロップ」などマウスによる操作のみで、データの分析やレポートの作成までを完了できます。

また、多数のチャートタイプの中から分析に合わせた色や形、大きさなどの表示形式を選択することで、分析対象となるデータを多彩な表現力で可視化します。この可視化によって、データを直感的に認識し、素早く理解することに役立てられます。

ダッシュボードなどのレポーティング機能

Tableauの特徴に挙げられるのが「レポーティング」機能です。「Microsoft Excel」「Microsoft Word」や「Microsoft PowerPoint」、PDFやCSVといった各種ファイルに変換できます。また、同ツールのデザイン機能を使うと、データを成形して定型的・非定型的など各種報告書・帳票として出力可能です。

レポーティング機能の1つである「ダッシュボード」も便利な機能です。ダッシュボード画面では、さまざまなグラフやチャート、レポートなどの複数の表示内容を簡潔にまとめて、画面上で一覧表示できます。

また、リアルタイムにデータをさまざまな表示方法で閲覧でき、PCだけではなくスマートフォンやタブレットなど各種デバイスでも情報共有できるため、メンバー間のデータ共有にも役立っています。

さまざまなデータソースに対応できる

Tableauでは、複数の異なるデータソースの様々なデータを集計・分析することが可能です。「Microsoft Excel」やcsvなどのファイル、「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」などのデータベース、「Google Analytics」や「Salesforce」などのクラウドサービスなど幅広い種類が対象です。

また、リアルタイムにデータをさまざまな表示方法で閲覧でき、PCだけではなくスマートフォンやタブレットなど各種デバイスでもWeb上で他のユーザとデータ共有が可能です。

さらに権限を付与したユーザだけにアクセスを許可したり、一部の情報をWebページに埋め込むことで複数のユーザ間で共同作業したりできます。

【参考】:公式サイト「Tableauとは?」

データベースとは?今更聞けないその内容をITエンジニアとして改めて学ぶ
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TableauとExcelのデータ分析での違い

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「膨大な量のデータを処理できる」と聞くと、「Excel」のことを思い浮かべる方もいるでしょう。確かにExcelは、表計算処理やグラフ化などの機能も充実しています。「Excelがあるのに、Tableauを導入する必要はあるのか」と考えた方もいるかもしれません。

ここからは、TableauとExcelについて、主にデータ分析という観点から違いを見ていきましょう。

コンセプトの違い

データ処理や可視化などで類似機能を多く持っているTableauとExcelですが、それぞれのコンセプトの方向性が異なります。

まず、Excelのメイン機能は「表計算」であるのに対して、Tableauは「データの可視化や分析」がメインです。Excelの可視化機能は、あくまで「表計算からの延長」機能として位置づけられます。

このように、データ計算・処理のためのExcelと、分析結果から迅速な意思決定を支援するTableauでは、ツールの主目的が異なるのです。

扱えるデータの量や接続対象の違い

Excelの場合、基本的にはCSV形式のデータを取り扱うことが中心です。また、単一のワークシートの中で取り扱える行数に約100万行程度の制限があり、データ量が多くなると動作が重くなることもあります。

対して、Tableauはハードウェアの制約はもちろんありますが、基本的には扱えるデータ量の上限はありません。また、業務システムなどで使われているデータベースのデータを直接分析できるため、その場合もExcelよりも大量のデータを取り扱うことが可能です。

プログラミング知識の違い

Excelで表やグラフなどを作成する場合は、計算式や関数やマクロなどを理解している必要があります。Tableauでデータの分析や可視化をする場合は、直感的な操作で完了できるため専門的なプログラミングの知識が不要です。

また、Excelでデータを集計する場合、そのプロセスでは属人的な手作業を伴うことがあり、人手を介することによる集計ミスなどが起こる可能性も出てきます。一方、Tableauでは、これらの集計作業を自動化できたり、集計関数も1度定義するだけでデータ更新時でも適用範囲を修正したりする必要はありません。

TableauとExcelは別物

ここまで紹介してきたように、TableauとExcelには様々な違いがあることが分かります。

簡潔に言えば、Excelは構造化データ(列と行の概念を持つデータ)を使った主に統計的なアプローチでの分析に適しています。一方、Tableauはビッグデータを素早く簡単に目に見える形に表現し、意思決定や分析結果を理解することに優れていると言えます。

両者は、製品の思想として異なるツールであり、どちらかだけにすべきものというものでもありません。適材適所で利用することをおすすめします。

Tableauの学習方法/トレーニング

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ここから、実際にTableauを使ってみたいという方に向けて、どのような学習方法があるのか、効率的にデータを扱えるためのポイントなどを紹介していきます。

自身の状況に合わせた学習方法/トレーニングを活用して、スキルアップを目指してください。

データ可視化ギャラリー「Tableau Public」を利用する

まずは、データ可視化ギャラリー「Tableau Public」を利用する方法です。Tableau Publicは、一般公開されているデータをオンラインで利用して、インタラクティブなビジュアライゼーションを探索、作成、共有できる無料のプラットフォームです。

「とりあえずTableauに触ってみたい」「Tableauを日常的に使って、より良いダッシュボードを作成したい」などと考えているTableau初心者の方におすすめのサービスです。「リバースエンジニアリング」によって、ダッシュボードなどがどのように作成されているかをトレースすることができます。

たとえば、作成したいイメージやキーワードで検索したり、気に入った作品をダウンロードして作り方を学ぶという使い方に適しています。実物を見て読み解くというのも非常に良い学習になるでしょう。

ただ、Tableau Publicの作品は公表対象となりますので、企業・組織で活用するデータを利用することは絶対にやめましょう。

【参考】:「Tableau Public」公式サイト

Tableauコミュニティに参加する

Tableauには、世界各国から100万人以上のメンバーが参加する「Tableauコミュニティ」があります。日本国内でも「Japan Tableau User Group」をはじめとする複数の分科会が存在します。

Tableauコミュニティに参加することで「世界中の知見を手に入れることができる」「世界中の人とつながりが生まれる」「現役コミュニティメンバーからアドバイスを受けられる」というメリットがあります。

【参考】:「Tableauコミュニティ」公式サイト

無料トレーニング動画で学習する

Tableauの公式サイトでは、「作成者」「管理者」などTableauを利用する立場に応じて細かく分割されたトピックを解説するトレーニング動画を公開しています。

作成者向けには「データの準備や分析、共有の方法」、データ作業者向けには「Webでデータに関する作業方法」、管理者向けには「組織のTableau導入環境のセキュリティ、ガバナンス、管理」に関する動画などを無料で視聴可能です。

【参考】:「Tableau無料トレーニング」公式サイト

有料のe-Learning講座を活用する

Tableauの公式サイトでは、有料のe-Learning講座も用意されています。アナリストやデータサイエンティスト、デザイナーなどに向けたコンテンツを1年間学習することが可能です。

たとえば、アナリスト向け学習過程では、Tableau Desktop の基本から始まり、アナリストのスキルセットを網羅するトピックを学べます。また、各モジュールの最後には、学んだ知識を確認する評価(テスト)が用意されているため、自身のスキル習熟度を確認することも可能です。

【参考】:「Tableau  eLearning」公式サイト

その他、企業・組織を対象とするハンズオンセミナーなどを活用することで、Tableauの基本的な操作から難易度の高い操作までを学ぶこともできます。

データアナリストとデータサイエンティストの違いとは?両者を徹底比較!

Tableauの製品種類と各機能

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Tableauには、データの取り扱いに応じて複数の製品があります。「Tableau Desktop」「Tableau Prep」「Tableau Server/Tableau Online」などをセットで利用できます。ここでは、タブローの各製品と機能を紹介します。

【参考】:「Tableau プラットフォーム」公式サイト

Tableau Desktop

Tableau Desktopは、自社サーバで運用されるPCにインストールして利用するソフトです。主にデータの可視化(ビジュアライズ)や分析処理で利用します。Excel・スプレッドシート・データベース・ビッグデータなどのデータソースにアクセスして、分析することが可能です。

Tableau Prep

Tableau Prepは、分析用データをクリーニングしたり形式を整えたりすることができるツールです。Tableau Desktopでも簡単なデータのクリーニングや結合は可能ですが、Tableau Prepであらかじめデータを準備することで、Tableau Desktopではデータの分析に集中するという役割分担が可能です。

Tableau Prepには「Tableau Prep Builder」と「Tableau Prep Conductor」の2種類があります。Tableau Prep Builderは、データの結合や、分析に適した形への変換などを担い、Tableau Prep Conductorは、サーバー環境におけるフローの実行や管理を担う製品です。

Tableau Online

Tableau Onlineは、クラウド環境で利用できるビジュアル分析に利用する製品です。PCのブラウザだけでなく、タブレットやスマートフォンなどでも活用でき、外出先からのアクセスやダッシュボードの操作などが可能です。

Tableau Server

Tableau Serverは、Tableau Desktopの分析データをどの端末からでも閲覧可能にする製品です。具体的には、Tableau Desktopのダッシュボードの保存やデータの自動更新などが可能です。

Tableauの料金体系

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Tableauには、オンプレミス型の「Tableau Server」と、クラウド型の「Tableau Online」という2つの料金体系があります。また、それぞれに「クリエイター」「エクスプローラー」「ビューワー」という権限別の3種類のライセンスがあります。

Tableau Creator(クリエイターライセンス)

Tableau Creatorは、データを作成する人向けのベースとなるライセンスです。データの作成や分析、共有などすべての作業を実施することができます。

Tableau Explorer(エクスプローラーライセンス)

Tableau Explorerは、Tableau Server、またはTableau Onlineを利用するためのライセンスです。各種データソースやTableau Server、Tableau Onlineなどで共有されているデータを利用した分析や共有が可能です。

また、Tableau Explorerでは分析機能は利用できますが、データソースの準備はできません。データソースを準備したい場合は、Tableau Creatorのライセンスを購入する必要があります。

Tableau Viewer(ビューワーライセンス)

Tableau Viewerは、Tableau Server、またはTableau Onlineを利用するライセンスです。Tableau Server、Tableau Onlineで共有されている分析結果を閲覧する権限があります。

これらのライセンスは、料金や最小構成数などがそれぞれ異なります。料金体系の詳細については、公式サイトをご確認ください。

【参考】:Tableau公式サイト「料金とプラン」

Tableauの国内企業での導入事例

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Tableauは、多くの国内企業で導入されています。公式サイトには企業の導入事例が多く掲載されています。

たとえば、日本航空(JAL)では、フライトデータや運行情報、乗務員の報告などのデータをTableauを利用して収集・分析し、安全な運航に役立てているとのことです。

さらにグループ各社でも航空機故障予測モニタリングや着陸ルートの可視化によるフライト前のイメージ共有、対面カウンター利用者への対応品質向上などにも活用しています。

また、住友化学では自社のDX推進におけるデータ活用人材の育成基盤としてTableauを活用しています。その他にも、北陸大学やヤマト運輸、スマートニュースなどの企業もTableauを導入しています。

【参考】:Tableau公式サイト「カスタマーストーリー」

データ活用に関する素養はエンジニアとしても重要に

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Tableauは、従来のデータ分析に関する専門的な知識がなくても、膨大なデータを簡単、かつ迅速に可視化(ビジュアル化)し、意思決定や経営判断などのアクションのきっかけとなるインサイトを引き出します。

先進技術を活用したデータ活用のニーズは幅広く、そのスキルはあらゆる業種や職種にとっても重要な素養になると考えられます。これからエンジニアとして活躍していくためにも、ぜひTableauに関する知識やスキルを習得することをおすすめします。

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