マークアップエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性について解説
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マークアップエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性について解説
アンドエンジニア編集部
2023.06.05
この記事でわかること
マークアップエンジニアはHTMLなどのマークアップ言語を利用して、ユーザビリティに配慮したWebサイトを制作する
マークアップエンジニアにはコーディングスキル・コミュニケーションスキルなどが求められる
マークアップエンジニアとして活躍するには常に新しい知識やスキルを磨くことが重要

そもそもマークアップエンジニアとは

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マークアップエンジニアはWebサイト制作に携わる業務を行う職種です。HTML、CSSなどのマークアップ言語を主に利用して、ユーザビリティを配慮したWebサイトの作成に携わります。

なお、マークアップとはWebサイトを作成する際に使用する言語を用いて、Webサイト内の文書や視覚表現に意味づけを行う作業のことを指します。

ここでは、マークアップエンジニアの具体的な仕事内容を紹介します。また、マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアの違いについても解説します。

マークアップエンジニアの仕事内容

マークアップエンジニアは、HTMLやCSSといったマークアップ言語を用いてWebデザイナーが設計したデザインをコンピュータにプログラムとして実装します。

例えば、Webデザイナーが設計したデザインをもとにレイアウトやタグ付けを使用して装飾したり、画像の挿入をしたりといったコーディング業務を行います。

マークアップエンジニアは、Webサイト制作の開発工程において、Webサイト制作におけるフロントエンド側の最終工程を担当する重要な役割があります。フロントエンドとは、WebサイトやWebアプリケーションなどにおいて直接ユーザーの目に触れる部分です。

マークアップエンジニアは、Webデザイナーが設計したデザインを単純に再現するだけでなく、ユーザーが「わかりやすい」、「見やすい」と感じるようにユーザビリティへの配慮を行うことも重要です。

さらに、マークアップエンジニアはGoogleなどの検索エンジンに評価されるように、SEOの部分にも注意を払ってコーディングする必要があります。

以上のように、マークアップエンジニアは、ユーザーの行動を把握することや、検索エンジンから見ても価値のある情報を提供できるように業務を行うことが大切だと言えるでしょう。

マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアの違い

そんなマークアップエンジニアは、フロントエンドエンジニアと間違われることもあります。ここでは、両者の違いを説明します。

フロントエンドエンジニアとは、マークアップエンジニアと同様にHTMLやCSSなどのマークアップ言語に加えて、JavaScriptといったプログラミング言語に関する高度な知識やスキルを持っています。

Webサイトを作成後、他の作業者が更新や修正などの保守作業を行う際にも使いやすいWeb標準やアクセシビリティに基づいたコーディングスキルを有しているのも特徴です。そのため、利用しやすく整っているHTMLやCSSの設計が期待できます。

また、フロントエンドエンジニアはJavaScriptによる高度なプログラミングスキルも兼ね備えており、WebサイトにHTMLだけではできないような動きを加えた表現を追記することもできます。

なお、JavaScriptはスマートフォンの急激な普及にともない、JavaScriptのスキルはWeb業界では重要と言えます。WebサイトをPC版だけでなくスマートフォン版でも制作したい場合には、フロントエンドエンジニアのスキルは非常に重宝されるでしょう。

一方、マークアップエンジニアはHTMLを用いてWebサイトの作成や実装を担当することが多く、HTMLの仕様などの知識やスキルは豊富にあります。

2つの職種の違いは明確ではなく、マークアップエンジニア、フロントエンドエンジニアのように名称は違っても、企業によってはほぼ同じ業務を行っていることも多いです。

フロントエンジニアの特徴や年収、必要なスキル、将来性は?

マークアップエンジニアの年収

マークアップエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は385万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のコンテンツクリエイタ/デザイナーを参考にすると、平均年収411万円と分かりました。

国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、マークアップエンジニアは一般平均年収よりやや低いことが分かります。

より高い年収を目指すには、JavaScriptといったプログラミング言語のスキルを習得してフロントエンドエンジニアを目指す方法や、Webディレクターやプロデューサーへとキャリアアップするなどの方法があります。

【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2015年から2016年の間でマイナビエージェントに登録いただいた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

マークアップエンジニアの将来性

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これまでに、マークアップエンジニアの具体的な仕事内容について紹介してきました。また、マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアの違いについても詳しく解説しました。ここからは、マークアップエンジニアの今後の展望やキャリアプラン、必要なスキルについて説明します。

マークアップエンジニアは「いらない」?

マークアップエンジニアの将来性を語るうえで気になるのが、ネット上などで度々繰り広げられる「マークアップエンジニアはいらない」という議論です。

このような議論がなされる背景には、HTMLの自動化ツールが登場して今後AIに仕事が奪われるのではないかという懸念や、HTMLやCSSの基礎知識はマークアップエンジニア以外のエンジニアも身に付けていることが多いという状況があります。

しかし、AIがUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)まで考慮するのは、難しいのが現状です。そのため、マークアップエンジニアの仕事そのものがなくなる可能性は低いです。

ただし、仕事の一部がAIに奪われる可能性は大いにあるので、HTMLやCSSの知識しか持たないマークアップエンジニアの需要は減っていくかもしれません。自分の専門領域を広げ、マークアップエンジニアとしての基礎知識プラスアルファでスキルを磨いていくことをおすすめします。

マークアップエンジニアの今後の展望

マークアップエンジニアは、現状では一定数の需要があります。しかしマークアップエンジニアに限らず数年後には、あらゆる業務の大部分がAIに置き換えられる可能性があると言われています。

しかし、ここ数年以内にWebサイト制作の需要がなくなる可能性は低いでしょう。なお、マークアップエンジニアとして活躍するには、常に新しい知識やスキルを磨くことが重要です。

IT業界の中でも、特にWeb業界では変化のスピードが速いです。そのため、HTMLやCSS、JavaScriptなどの業務で利用する知識やスキルは特にスキルアップを目指すことが重要です。

また、CMSに関する知識も求められるようになっています。CMSとは簡単に説明すると、HTMLやCSSなどのWebの専門知識が少ない方でも、ホームページの作成や更新、修正、運営ができるシステムを指します。マークアップエンジニアはCMSの仕組みをしっかりと理解することも大切です。

マークアップエンジニアの3つのキャリアプラン

ここからは、マークアップエンジニアの今後のキャリアプランについて3つ紹介します。

1.フロントエンドエンジニアを目指す JavaScriptやUI(ユーザーインターフェース)の技術を習得することで、フロントエンドエンジニアを目指すことが可能です。

また、JavaやPHP、Python、Rubyのような他のプログラミング言語を学ぶことで、システムエンジニアやプログラマーなど他のエンジニアの職種に転向する方法もあります。

2.Webディレクターやプロデューサーを目指す マークアップエンジニアは、Webデザイナーとやり取りを行うことや、クライアントの意思をヒアリングするディレクターのような役割も求められます。そのため、Webディレクターやプロデューサーへとキャリアアップするといった選択肢もあるでしょう。

また、管理職のようにマネジメントする能力を身に付けることで、年収アップも期待できます。

3.Webマーケターを目指す マークアップエンジニアは、さまざまなサービスの企画や開発に携わることが多いことから、ユーザのニーズを把握することに気を配る機会もあるでしょう。そのため、Webマーケターなどのマーケティングの仕事へとキャリアアップすることも可能です。

また、インターネットの利用者が増えるとともに、企業がWebマーケターの人材を求める傾向があります。今後インターネットがさらに普及することで、Webマーケターの需要も増える可能性があります。

【参考】:マークアップエンジニアの求人|求人・転職エージェントはマイナビエージェント

Webエンジニアとは何か?その仕事内容や必要性、スキルについて解説!

マークアップエンジニアに求められる5つのスキル

ここからは、今後マークアップエンジニアとして働くために必要なスキルを5つ紹介します。

1.HTMLやCSSなどのマークアップ言語の知識 マークアップエンジニアとして必要不可欠とも言えるのが、HTMLやCSSのマークアップ言語の知識です。また、オーサリングツールと呼ばれるWeb制作ソフトを用いずに、手書きでコーディングすることができるスキルも求められます。

マークアップエンジニアの仕事は、Webデザイナーの設計通りにコーディングするだけではありません。例えば、Webサイトのブラウザ環境が変わったとしても正常に表示されるように制作することも仕事のひとつです。

このような問題に対処するためには、オーサリングツールを用いてコーディングをしたとしても、問題点や修正点がある場合には手書きで修正する知識やスキルが必要となるでしょう。

2.ユーザビリティやアクセシビリティに関する知識やスキル デザインが魅力的で、内容が良質であるWebサイトであったとしても、ユーザビリティやアクセシビリティが劣っているとユーザーにとっては「わかりにくい」、「見づらい」といった使いづらいサイトとなってしまいます。

そのため、マークアップエンジニアはWebサイトのユーザビリティやアクセシビリティを向上するための知識やスキルを身に付けることが重要です。

3.プログラミングの基礎知識 マークアップエンジニアはHTMLやCSSといったマークアップ言語だけでなく、今後はJavaScriptなどのプログラミング言語も習得することが重要です。マークアップエンジニアはWebサイトの外見を作るだけでなく、WebサイトのユーザビリティやSEOに配慮する必要があります。

動的に生成するWebサイトの構造やCMSの設定などに問題がある場合には、問題を解決するために基本的なプログラミングの知識は必要不可欠だと言えるでしょう。

4.コミュニケーション能力 マークアップエンジニアは、Webサイト制作をひとりで行うことは少ないでしょう。Webデザイナーやサーバーエンジニア、コーダーといった他の分野の人とチームを組んでプロジェクト案件に取り組むことが多いです。

またマークアップエンジニアは、Webデザイナーやフロントエンドエンジニアとコミュニケーションを取ることが求められます。円滑に仕事を進めていくためにも、コミュニケーション能力は重要です。

5.SEOに関する知識 マークアップエンジニアはWebサイトを制作する際、SEOに配慮することも求められます。どれだけ見やすくユーザビリティに優れたWebサイトであっても、SEO対策が不十分であるとユーザがWebサイトに辿り着くことが難しいためです。

SEOに配慮したWebサイトであればGoogleといった検索エンジンの上位に表示されるため、より多くの人に閲覧されると期待できます。

JavaScriptでできることとは?代表的なものから特徴まで詳しく紹介!

マークアップエンジニアにおすすめの資格

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マークアップエンジニアにおすすめの資格を2つ紹介します。これからマークアップエンジニアを目指す人のスキル習得に、また、すでにマークアップの仕事をしている人のスキルアップにもおすすめです。

WEBクリエイター能力認定試験

世界標準のマークアップスキルを測定する認定試験です。「スタンダード」と「エキスパート」の2つのレベルがあります。

初級者向けのスタンダードでは、HTML5のマークアップやCSS・HTMLによるWebページのデザインやレイアウトの表現能力が、中級者向けのエキスパートでは、UI/UXを考慮したWebデザインの表現に加え、動きのあるWebページの表示やマルチデバイス対応サイトの構築能力が証明できます。

【参考】:WEBクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ

HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5、CSS3、JavaScriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を認定する認定制度です。

マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎力を測る「レベル1」と、システム間連携やマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションと動的Webコンテンツの設計・開発能力を認定する「レベル2」があります。

【参考】:HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5プロフェッショナル認定試験が難しい?試験内容や取得方法

マークアップエンジニアとして活躍するには

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マークアップエンジニアはWebサイト制作に携わる業務を行います。HTMLやCSSの知識やスキルはもちろんのこと、JavaScript、SEO、CMSなどの知識やスキルも身に付けることが重要です。

さらに、Webサイトを制作する際にプロジェクトメンバーと意見を交換することもあり、適切なコミュニケーションスキルも必要とされます。

IT業界の中でも特にWeb業界では変化のスピードが速いため、マークアップエンジニアとして今後活躍し続けるには、常に新しい知識やスキルを身に付けることが大切です。スキルを高めることで、違う職種への転向やマネージャー職へのキャリアアップも目指せます。

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