ChatGPTの音声会話とは
OpenAI社が提供するChatGPTは高性能な生成AIチャットサービスで、実際の人間と会話するような自然な対話を行うことができます。
文書の作成や翻訳、アイデア出しなど様々な用途で活用することができるため、仕事やプライベートなどで幅広く活用している方も多いでしょう。
ChatGPTでは基本的にテキストでAIとやり取りを行いますが、スマートフォン向けアプリでは音声会話を行うことができます。
また、PCでもブラウザの拡張機能を使用することでChatGPTと音声会話を行うことができます。
この記事では、ChatGPTの音声会話を使ってみたい方のために、その概要や設定方法、使い方などを解説していきます。
ChatGPTの音声会話の概要
ここでは、ChatGPTの音声会話でどのようなことができるのか、使われている技術について解説します。また、GPT-4o(オムニ)に実装される予定の新しい音声モデルの情報も確認しましょう。
音声でChatGPTとチャットを行える
ChatGPTの音声会話機能を活用することで、テキスト入力をせずにチャットを行うことができます。例えば料理中や運動中など、手がふさがっている時でもChatGPTに問いかけて情報を取得できて便利です。
また、スマートフォンの文字入力が苦手な方にとっては、テキストを入力するよりも早く入力できるため、時間の節約にもつながります。
音声会話機能を上手に活用し効率的に情報を得ることで、仕事の業務効率向上を目指したり、日常生活を一層便利にしたりできるでしょう。
使われている音声入力・音声認識モデル
ChatGPTの音声会話機能には、text-to-speech(TTS)モデルが採用されています。
text-to-speechは、自然言語生成技術を活用し、テキストを自然な音声に変換し、AIが人間のような音声を生成することができます。
また、音声認識エンジンにはWhisperが使用されています。Whisperは多様な音声データセットでトレーニングされた汎用音声認識モデルです。
Whisperは多言語音声認識、音声翻訳、言語識別などの機能を備えており、これにより、ユーザの音声をより正確に認識し、その内容をテキストに変換することが可能です。
ChatGPTの音声会話機能は、Whisperでユーザの音声を認識して入力し、AIからの回答をtext-to-speechによる音声で読み上げるという仕組みで成り立っています。
【参考】:Models|TTS Whisper
ChatGPTの新しい音声モデルとは
OpenAI社は、2024年5月に生成AIであるGPTの新たなモデルとしてGPT-4o(オムニ)を発表しました。
「o」は「omni」の略で「すべて」という意味があり、テキスト、音声、画像、ビデオを組み合わせて入力し、出力も同様に生成するモデルです。
ChatGPTの音声会話機能は音声をテキストに変換して処理を行い、再度音声に戻すという3つのモデルの連携によるものですが、GPT-4oで提供される予定の音声モードでは、すべての入力と出力が同じニューラルネットワークによって処理されます。
これにより、感情表現や背景のノイズ音などの詳細な情報も含めて処理できるようになり、より自然でスムーズな音声会話が実現されるとしています。
GPT-4oの新しい音声モデルは2024年7月下旬以降にアルファ版が提供され、秋にはすべての有償版ユーザが利用できるようになる予定となっています。(2024年7月現在)
【参考】:Hello GPT-4o
スマホアプリでChatGPTの音声会話機能を使うには
ここでは、スマホアプリでのChatGPT音声会話機能の設定方法と使い方について説明します。音声会話機能は、スマホにChatGPTのアプリをインストールすれば無料で使用することができます。
音声会話機能の設定方法
まず、ChatGPTの音声会話機能を利用するための設定を行いましょう。この記事ではAndroid版で解説しますが、iPhone版ChatGPTでも音声会話機能を使用できます。
ChatGPTのアプリをスマホにインストールしてアカウントにログインし、設定メニューを開きます。そして、アカウント名の横にある「・・・」をクリックし、メニューバーを表示します。
その中から「音声」の「入力言語」を選択します。
様々な言語を選択できますが、「Auto-Detect(自動検出)」を選ぶことでChatGPTが自動的に使用言語を認識し、複数の言語を使う場面でもスムーズに対話できます。
次に、テキストを読み上げる音声の種類を選択します。
「音声」項目の「音声」をタップすると、複数の音声から好みのものを選べるため、用途やシチュエーションに合わせて選びましょう。
また、「音声」の「バックグラウンドでの会話」のオン・オフを選択します。オンにすると、他のアプリを使用している間も音声会話を続けることができます。
バックグラウンドでの会話は、ChatGPTと会話をしながらインターネットを閲覧したり、ToDoアプリを編集したりしたい時に便利です。
音声会話機能の使い方
ChatGPTの音声会話機能は、チャット画面から右下にあるヘッドフォンのアイコンをタップすることで使用できます。
アイコンをタップすると「聞いています」の状態になるため、この時にマイクに向かって話します。
質問や依頼内容を話しかけるとChatGPTが音声を認識し、回答を生成します。回答内容はChatGPTから音声で返されます。
音声でやり取りしたチャット内容は、テキスト化されています。「×」をタップすると音声会話モードが終了し、やり取りした内容がテキストで表示されます。
PCでChatGPTの音声会話が使えるか
ここでは、PCのChatGPTでは音声会話ができるのかを解説し、音声会話を行うためのブラウザ拡張機能と、その使い方を説明します。
音声会話機能はPCでは使えない
ChatGPTの音声会話機能はスマートフォン向けに提供されており、PC上のブラウザで利用できるChatGPTでは、直接使うことができません。
PCでChatGPTに音声入力で質問し、その回答を音声で読み上げたい場合は、GoogleChromeの拡張機能を利用することが1つの解決策として挙げられます。
ChatGPTで音声入力できる拡張機能はいくつかありますが、ここでは「Voice Control for ChatGPT」を紹介します。
ただし、この拡張機能は公式のChatGPTサービスではないため、サポートや機能の更新については注意の上で利用する必要があります。
拡張機能の導入方法とは
まずは、GoogleChromeの拡張機能である「Voice Control for ChatGPT」をインストールしましょう。
chromeウェブストアにアクセスし、「Voice Control for ChatGPT」を検索します。「Chromeに追加」をクリックしてインストールします。
「Voice Control」の目のマークをクリックすると、コントロールバーが現れます。言語を選択できますので、「日本語」に設定することで、日本語の認識精度が向上します。
PCのサウンド設定も確認し、PC内蔵マイクや外付けマイクなどで音声入力をできるようにしておきましょう。
拡張機能で音声会話を行う方法
Voice Control for ChatGPTで音声入力するには、青いマイクのアイコンをクリックします。するとマイク入力が可能な状態となり、話しかけるとテキスト入力されます。
入力できたら、矢印アイコンをタップします。これによりChatGPTが回答を生成し、回答内容を読み上げてくれます。
また、スペースキーを押すことでも音声入力可能な状態になります。スペースキーを押している間に話しかけてキーを離すことで、テキストされた内容が自動的に送信されます。
ChatGPTの音声会話機能の活用方法
ここでは、ChatGPTの音声会話機能を有効に活用できる例を解説します。画面を見られない状況でのチャットや、テキスト入力に気を取られずに発想できるアイデア出し、英会話の練習などの用途が考えられます。
画面を見られない状況でのチャット
ChatGPTの音声会話機能は、画面を見られない状況でチャットを行いたい場合に便利です。
例えば、旅行先で周囲の景色を楽しみながら、ChatGPTとチャットしてメモを残すことができます。また、料理をしながらレシピの工程を読み上げてもらう、という使い方も便利でしょう。
音声でやり取りした内容はテキスト化されているので、後から見返すこともできます。
アイデア出し
ChatGPTの音声会話機能は、アイデア出しにおいても役立ちます。
テキストによるチャットで文字入力に時間がかかると、アイデアの流れが途切れたり、発想が制限されたりすることがあります。
音声会話機能を利用すれば、自分のアイデアを音声で述べるとChatGPTがテキストに変換し、それに基づいて応答やアドバイスを提供してくれます。
頭に浮かんだアイデアをそのまま口にすることで、より自然にアイデアを出すことができます。ChatGPTが返すアドバイスも参考にしながら、ブレインストーミングの要領で次々にアイデアを出すことができるでしょう。
英会話の練習
ChatGPTの音声会話機能を使えば、英会話の練習も可能です。特に、発音の練習やリスニング能力の向上に効果的です。
例えば、正しい発音でAIに認識される英語を話せているかを確認することができます。また、自分が話す英語の文章をChatGPTに評価してもらうこともできます。
また、ChatGPTが話す英文をリアルタイムでリスニング練習することも可能で、実際の英語話者とのやり取りに近い、自然な会話のシミュレーションができます。
ChatGPTの音声会話機能の注意点
ここでは、ChatGPTの音声機能を使用する場合の注意点を確認しましょう。音声会話ができなくなった場合の対処法や、ChatGPTが誤った回答をする可能性、セキュリティリスクについて解説します。
音声会話ができなくなった場合の対処法
ChatGPTの音声会話機能を使用中に音声入力ができなくなった場合、マイクがオフになっていたり、音声入力レベルが低くなっていたりする可能性があります。まずはマイクの設定を確認してください。
また、ChatGPTの回答が生成されているのにも関わらず聞こえない場合、デバイスの音量がオフになっていないかを確認しましょう。
スマートフォンのサウンド設定や側面の音量ボタンを使用して音量を調節し、マナーモードやサイレントモードになっていないかも確認してください。
また、ChatGPTのサーバがアクセス集中により不安定になり、ChatGPTの動作に問題が出ていることも考えられます。
特に、新機能が実装されたり重要なアナウンスがあった際には、多くのユーザが同時にアクセスすることでサーバが混雑してChatGPTが応答しなくなることもあります。この場合は、時間を置いて再度試してみましょう。
回答内容の誤りがある可能性がある
ChatGPTの音声会話機能を利用する際に得られる情報やアドバイスは、膨大なデータから収集されたものですが、その正確性についての保証はありません。
ChatGPTが提供する回答には誤りや不正確な情報が含まれる可能性があることを理解しておく必要があります。
ChatGPTを使用する場合、他の情報ソースも確認して回答が正しいことを確認することが重要です。
セキュリティリスクを認識する
ChatGPTを使用して音声会話を行う際には、セキュリティリスクについても注意が必要です。音声入力の内容に、個人情報や機密情報が含まれないように気を付けましょう。
テキスト入力する場合には、個人情報や機密情報が文字により視覚化されるため、入力することへの警戒心が生まれやすくなります。
一方、音声入力はテキスト入力よりも簡単であるため、重要な情報をつい口に出してしまうということが考えられます。
例えば、個人名や、個人を特定できる情報など、音声会話中に言及してしまうことがあり得ますので、会話の内容には注意が必要です。
ChatGPTの音声会話機能で活用の幅を広げよう
ここまで、ChatGPTの音声会話機能の設定や使い方について解説してきました。音声会話機能を使えば、手がふさがっているときでも情報を取得でき、文字入力より素早く入力できるメリットがあることが分かりました。
ChatGPTの音声会話機能を活用して、仕事をさらに効率アップし、生活を一層便利にしましょう。
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