Windows11で予測変換が出ない?
Microsoft社開発の日本語入力システム「Microsoft IME」は、Windows11パソコンにも標準搭載されており、多くの人が利用しています。Windows10以前から長らく利用している人も少なくないでしょう。
この「Microsoft IME」が正しく機能しないことがあり、予測変換が出ない、変換候補が2つしか表示されないといった不具合が生じることがあります。「IME」は「Input Method Editor」の略で、1つのプログラムです。
この「IME」を利用することで、“ローマ字”から“ひらがな”に変換したり、“ひらがな”から“漢字”へ変換したりすることができます。このMicrosoft IMEはプログラムの改良などで適時更新されており、Windowsの更新プログラムと併せて配信されます。
このアップデートが原因で、一時的に予測変換機能に不具合が生じる場合があります。この記事では、IMEで予測変換が出ない、変換が2回しかできない、IMEがおかしいといったトラブルの原因と対策について紹介します。
ワードやエクセルでIMEがうまく機能せずに困っている方、IMEの操作や設定に詳しくなりたい方はぜひ参考にしてください。
【参考】:Microsoft 日本語 IME|Microsoft サポート
Microsoft IMEの予測変換機能とは?
Microsoft IMEの「予測変換が出ない」という問題について触れる前に、IMEの予測変換機能について確認しておきましょう。IMEの予測変換機能は、ひらがなを3文字以上入力すると、続けて入力したい単語や文章を予測して表示してくれる機能です。
予測変換の具体例
予測変換を具体例で見てみましょう。予測変換はキーボードから何文字か入力した場合に、変換候補を表示して効率的な入力と変換をサポートします。例えば、「よそく」と入力すると「予測変換」や「予測」などの変換候補が表示されます。
また、予測候補には「入力履歴」や「クラウド候補」を使うこともできます。
予測変換の設定
予測変換は、日本語入力をスムーズに行うための便利な機能です。その設定は次のように行います。
1.タスクバーの検索ボックスに「ime」と入力します。 2.検索結果が表示されたら、「日本語 IME の設定」を選んでクリックします。
3.「時刻と言語」→「言語と地域」→Microsoft IMEの設定画面が表示されたら、「全般」を選択します。
4.予測入力の設定を調整します。デフォルトでは「1文字」ですが、好みに応じてオン/オフや表示する文字数を選択できます。
Windows11で予測変換が出ない原因とその対処法
Windows11で予測変換が出ない場合、いくつかの原因が考えられます。以下に、考えられる原因と解決策をいくつか紹介します。
「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオフにする
以下の手順で「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオフにしてみましょう。
1.タスクバーの検索ボックスに「ime」と入力します。 2.検索結果が表示されたら、「日本語 IME の設定」を選んでクリックします。 3.全般を選択します。
4.右メニューを下にスクロールし、互換性の下にある「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」のトグルスイッチがオンになっているか確認します。オンになっていたら、オフにします。
5.「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」がホワイトアウトしている場合は、トグルスイッチをオフにします。
6.IMEバージョン変更のメッセージが表示されたら[OK]をクリックします。続いてパソコンを再起動します。
~【図】:Microsoft IME>全般>互換性>以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う>オフ ~~
IMEを初期化する
Microsoft IME で文字入力などの問題が発生した時には、IMEの設定をリセット(初期化)することで解決する場合があります。ここではIMEの初期化の手順を紹介します。
1.タスクバーの検索ボックスに「ime」と入力し、検索結果から「日本語 IME の設定」を選んでクリックします。 2.「時刻と言語」→「言語と地域」→Microsoft IMEの設定画面が表示されたら、「全般」を選択します。
3.全般画面の下にスクロールし、「既定の設定」で「IME を既定の設定に戻す」 の 「復元」ボタンをクリックすると確認画面が表示されますので、[OK]ボタンを押します。これでMicrosoft IMEが初期化されます。登録した単語などはそのまま残ります。
以前のバージョンのIMEを使用する
先ほど「以前のバージョンのIMEを使用する」をオフにしましたが、こちらはその反対です。最新のIMEに不具合がある場合には、以前のバージョンのIMEに戻すことで正常化する場合があります。
手順は先ほどと同様ですが、次の画面で「以前のバージョンのIMEを使う」のトグルスイッチをオンにするだけです。
ユーザーアカウントを作成する
利用しているユーザーアカウントの中だけで、IMEの不具合が起きている可能性があります。そこで、別のローカルアカウントを新たに作成し、そのアカウントでも同じ問題が発生するかを確認します。問題が発生しない場合には、元のユーザーアカウントが破損している可能性があります。
1.「スタートメニュー」の右クリックで、「設定」画面を表示します。 2.右メニューから「アカウント」を選択し、クリックします。
3.左メニューの下にスクロールし、 「他のユーザー」をクリックし、「その他のユーザー」の[アカウント追加]ボタンをクリックします。
4.「このユーザーはどのようにサインインしますか?」と表示されます。他のアカウントで使用していないメールアドレス(Microsoftアカウント)を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。Microsoftアカウントがない場合は、「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックします。
「アカウントの作成」と表示されたら、「Microsoft アカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします。
5.「このPCのユーザーを作成します」と表示されます。「ユーザー名」に、追加するアカウントの名称を12文字以内の半角英数字(a〜z、A〜Z、0〜9)で入力します。
6.パスワードを設定する場合は、「パスワードを入力してください」と「もう一度パスワードを入力してください」に同じ文字列を入力します。パスワードを設定しない場合は、手順10.に進みます。
7.パスワードを設定すると、「パスワードを忘れた場合」が表示されます。パスワードを忘れた場合に、パスワードをリセットするためのセキュリティの質問を選択し、その答えを入力します。
セキュリティの質問は、3問設定します。
8.「次へ」ボタンをクリックし、[設定]に戻って「他のユーザー」に、アカウントが追加されたことを確認します。
システムファイルを修復する
システムファイルの破損が原因で予測変換が出ない可能性がある場合には、システムファイルチェッカーを利用してシステムファイルの修復を試みます。
■ システムファイルのチェックを実行する タスクバーの検索窓にcmdと入力し、「管理者として実行」でコマンドプロンプトを選択し、以下のコマンドを実行します。SFCはシステムファイルチェッカーで、Windowsシステムファイルの整合性をチェックして、エラーがあれば修復をします。
>sfc /scannow
【参考】:システムフィルチェッカー | Microsoft サポート
■ DISMコマンドを使用する 同様に、コマンドプロンプトで以下のDISMコマンドを実行します。DISMはSFCとは役割が異なり、システムイメージのチェックや修復を行います。Windowsのリカバリーや再インストールを行う前に、まずDISM とSFCコマンドをセットで試してみましょう。
>DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
【参考】:DISM の概要 | Microsoft Learn
別のIMEを使用する
ここまでの方法を試して、Microsoft IMEの不具合が解消しない場合には、他のIMEの利用をおすすめします。
無料で利用できるIMEとしては、「Google日本語入力」があります。変換予測機能はGoogleが独自にWebから収集した情報がベースになっており、精度が高いのが特徴です。気になる方はぜひ試してみましょう。
【参考】:Google 日本語入力|Google
Windows11の予測変換機能を復旧させよう
ここまで、Windows11におけるMicrosoft IMEの予測変換が効かないといった不具合の解決方法について解説しました。IMEの予測変換機能は、文字入力作業の効率に不可欠の機能であり、普段は気になりませんが、いざ動作しなくなるとさまざまな作業に影響します。
こうした事態に遭遇した際には、ぜひ今回紹介した方法を試してみましょう。また、IMEは使いやすい設定にしたり、自分にあったIMEを選択したりすることで仕事がしやすくなるかもしれません。ぜひIMEの設定に関してスキルアップを図り、さらに仕事の効率を高めてみてください。
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