PHPの習得は実は難しいのか?
Web系開発をしていく中で欠かせないHTMLやCSS、JavaScriptと並び、需要が高い言語がPHPです。
同開発に興味を持っている方はPHPについて知っているとは思いますが、実際の習得難易度はどの程度なのでしょうか。多くのWebサイトでは初心者向け、簡単などと紹介されているPHPは本当にその通りなのでしょうか。
本記事では、PHPの習得メリットをおさらいしつつ、簡単と言われているPHPでも難しいと思われるポイントを解説します。
Webに特化した知識要求や自由度の高さがネック
結論から言えば、PHP自体は文法がシンプルで、コーディングの自由度も高く、難しい言語の部類には入りません。しかし一方で、その自由度の高さゆえに可読性の低いコードが生まれやすく、既存コードの理解と改修が難しくなる傾向があります。
また、Webに特化した言語ゆえ、Web開発の専門知識を強く求められ、動作確認にサーバ構築も必要です。そういった点は、プログラミング経験者でもWebとは無縁の業種であった場合には、つまずきやすいポイントになりうると言えるでしょう。
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PHPが難しいと感じるポイント
早速、本題である難しいポイントを解説していきます。主にプログラミング経験者であっても苦戦しがちな点を紹介します。
自由度が高く可読性の低いコードができやすい
PHPが初心者向けで簡単と言われている理由に、文法がシンプルであることが挙げられます。その中での大きな特徴として、変数を使用する際に型の宣言が不要な点があります。
一見すると自由な設計を可能にする便利な仕様ですが、好き勝手な実装でも動作してしまい、思わぬバグが潜んでいる可能性があります。また、他者が実装したコードを引き継いだ際、こうした自由な設計が仇となり、処理の全貌や詳細が把握しづらくなることがあるでしょう。
こうした可読性の低下が起きやすいPHPでは、今まで使っていた言語と勝手が異なり難しく感じる方もいるでしょう。
開発環境の構築が難しい
PHPはサーバサイドで動作する言語であるため、動作確認にはサーバ構築が必要です。サーバ構築はHTMLなどに慣れ親しんだWeb開発経験者にとっては、取り立てて難しいことではありません。
しかし、Web開発とは無縁の業種のエンジニアから見ると難しく感じる可能性があります。全くの異業種から参入した方にとっては、例えプログラミング経験者であっても独特の手順や用語に苦戦し、PHPを難しいと感じてしまう要因になりえるでしょう。
PHP以外の言語やWeb開発の知識も学習する必要がある
開発環境の構築で必要なように、PHPを習得していく上ではWeb開発全般の知識が必要です。それに加え、PHP以外の言語も習得しなければならない点も難易度が高いポイントです。
PHPはHTMLを動的に生成できるため、前提としてHTMLやCSSを使いこなせる必要があります。これらは確かにシンプルで、難しい言語とは言えません。しかし、プログラミングの概念とは別に覚えておかないといけない知識が多く、Web開発未経験ならば慣れるまで時間がかかるはずです。
さらに、言語とは別にWeb開発特有の用語や概念を知らなければ、PHPを活かしたWebページを作ることはできません。このように前提となる知識量が多くなる点は難易度を高く感じてしまう要因となりえます。
PHPを学ぶメリット
続いて、PHPを習得するメリットについて紹介します。PHPはほとんどの場合、Web開発で使用されているため、Web系に特化した形のメリットが中心です。
多彩なWebサイトを作成できる
PHPを習得することで、HTMLやCSSだけでは難しい多彩なWebサイトを作成できるようになります。PHPはサーバサイドで実装される言語であり、動的にHTMLのページを生成し、クライアント側へ提供できることが大きな特徴です。
そのため、例えばECサイトや予約サイト、掲示板、問い合わせページなどを作成することが可能です。こうしたサイト作成は企業が提供するWebサイトには必要不可欠であり、実装できる実力と経験はWeb系開発をしていくにあたって、有利に働くでしょう。
データベース管理システムと連携できる
PHPは上記のような動的ページを作成できるだけでなく、データベース管理システムとの相性が良いところもポイントです。
相性の良い例として、オープンソースのリレーショナルデータベースシステムであるMySQLがあります。PHPにはこうしたデータベースと接続し、やりとりを行うための処理が実装されており、容易に操作を行うことが可能です。
近年注目されているビッグデータはその膨大さから、データベースで管理することが必要不可欠です。そのため、PHP習得を通してデータベースに関する知識も身に付ければ様々な場面で活躍できるでしょう。
【参考】:MySQL
Web系開発における需要が高い
ここまでで述べたようにPHPはWeb開発において非常に重要な役割を担っています。インターネットが生活になくてはならない現代社会では、Web開発はますます需要が高まり、PHPもそれにならって需要は高まっていくでしょう。
Web開発における言語のトレンドを調査しているW3Techの調査によれば、2024年2月現在、PHPはサーバサイド言語の中で76.5%を占めていることがわかります。これだけのシェアを持ったPHPを習得すれば、開発や保守を含めた様々な案件が視野に入ります。
結果、Web業界におけるキャリアを有利にすることができるでしょう。
加えて重要な点が、CMSの中でも極めてメジャーなWordPressでPHPが採用されていることでしょう。多くのWebサイトがWordPressで作られている今、PHPを習得することでWordPressに関する案件にも対応できるようになります。
【参考】:W3Techによる2024年2月時点のサーバーサイド言語のシェア
PHPエンジニアの年収
こうしたメリットのあるPHPエンジニアは、どの程度の年収が期待できるでしょうか。厳密には異なりますが、Web開発における代表的なエンジニアであるフロントエンドエンジニアを参考に、その年収を見ていきます。
フロントエンドエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職業別年収ランキング」での平均年収は385万円(※2024年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のコンテンツクリエイタ/デザイナーを参考にすると、平均年収411万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、フロントエンドエンジニアは企業や業種によって年収にばらつきがありますが、やや低めの年収であると言えます。
フロントエンドエンジニアに限らず、コーディング担当は下流工程であるので、報酬も低くなりがちです。しかし、Web開発におけるプランナーなどの上流工程にキャリアアップできれば、成長市場でもあるため高い報酬を得ることもできるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント 職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】 2015年〜2016年末までの間にマイナビエージェントにご登録頂いた20代・30代の方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
PHPを学習していくにあたってのポイント
前述のようにPHPの難しいと考えられる点はいくつかあります。最後にPHPを習得するにあたってのポイントを解説します。
どこまでが基礎なのか
プログラミング言語を学んでいくにあたって多くの方が気になる点は、どこまで学べば基礎を学んだことになるかでしょう。
PHPの場合を考えてみるにあたり、学習サイトであるProgateが参考になります。同サイトのPHP学習レッスンを見ていくと、変数や条件分岐など共通して基礎と言える内容に加えて、お問い合わせフォームの作成が存在しています。
このように、PHPを使って実際にユーザ操作が可能なページを作るところまでが基礎と言えるのではないでしょうか。
【参考】:ProgateのPHP入門
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Javascriptとどっちが難しい?
PHPと同様にWeb開発で幅広く使われている言語がJavaScriptです。この2つはどのような違いがあり、どのように使い分けられているのでしょうか。
大きな違いは、プログラムが実行される場所です。PHPはサーバサイド言語であり、Webページを提供するサーバ側でプログラムが実行されます。一方で、JavaScriptはクライアントサイド言語であり、Webページにアクセスするユーザ側でプログラムが実行されます。
つまり、PHPはサーバ側のデータを元にした動的な動作が期待され、JavaScriptはページのアニメーションなどサーバ側の状態に依存しない動作が期待されることが多いと言えます。
習得したPHPをキャリアに活かすためには
本記事ではPHPがプログラミング経験者であっても難しく感じるポイントについて解説しました。初心者向けと言われていても、決して油断のできない言語であることがわかりました。
一方で、成長市場でもあるWeb業界におけるキャリアチェンジを目指し、PHPを学習していきたいと考えた方もいると思います。
PHPを習得し、Web開発に携われる実力を身に付けられたら、どのようにしてキャリアチェンジを目指せばいいでしょうか。数ある求人サイトの中から自分に合った企業を探していくことは容易ではありません。
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