PMPの資格更新に必要なPDUとは?その概要と取得方法を紹介
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PMPの資格更新に必要なPDUとは?その概要と取得方法を紹介
アンドエンジニア編集部
2024.02.01
この記事でわかること
PMP資格は3年ごとに更新が必要であり、PMIが作成したCCRプログラムによって成り立っている
CCRとはPMIの資格維持に必要な、継続的な学習活動および専門職としての能力開発のプログラム
CCRの活動成果を測る指標としてPDUがあり、60PDU取得が資格更新の条件となっている

PMPのPDUとは

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プロジェクトマネジメント資格として知られるPMP(Project Management Professional)は、受験要件が厳しいことでも知られています。学歴ごとに設定されたプロジェクトマネジメント経験と、PMI公式認定の35時間研修受講が要件ですが、さらに資格取得後は3年ごとの更新が求められます。

PMIの資格更新の仕組み「CCRプログラム」に基づいて、資格更新要件として専門知識の学習や能力開発、ボランティア活動など、プロジェクトマネジメントの専門能力を磨くことが求められます。このCCRプログラムによってPMP資格の有効性が担保され、世界で評価されているのです。

このCCRでは資格取得日から3年間のCCRサイクルがあり、このサイクル期間内に60PDU以上のポイントを取得することが更新の条件となっています。

この記事では、PMP資格の更新方法、CCRプログラムの概要、PDUポイントの概要、PDUポイントの稼ぎ方や取得方法、登録方法やその確認方法などについて解説していきます。これからPMP資格に挑戦する方、既にPMP資格を取得して最初の更新を迎える方はぜひ参考にしてください。

【参考】:資格の更新について | 一般社団法人 PMI日本支部

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CCRプログラムの概要

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PMPの資格更新はCCRプログラムという仕組みによって成り立っています。PDUについて知る前に、まずはCCRプログラムについて理解しておきましょう。

【参考】:CCR-Handbook_JP_20170403 | PMI 

CCRプログラムとは

PMIのCCR(Continuing Certification Requirements)プログラムとは、PMIの資格維持に必要な、継続的な学習活動および専門職としての能力開発のプログラムのことです。

CCRプログラムに参加する資格保有者は、3年ごとの資格サイクルで、教育分野とギブバック活動分野の2つの分野でPDU(Professional Development Units)と呼ばれる単位を取得する必要があります。PDUを取得するにはプロジェクトマネジメントに関連する様々な活動や学習に参加します。

CCRプログラムは2022年5月にアップデートされましたが、併せてビジネス社会の変化に伴ってPMIタレント・トライアングルの3要素は(テクニカル・プロジェクト・マネジメントから「働き方」へ、リーダーシップから「パワースキル」へ、戦略的ビジネスマネジメント能⼒から「ビジネス感覚」へ)と変更されました。

【参考】:PMIタレント・トライアングルについて | 一般社団法人 PMI日本支部

CCRプロセスとは

PMIのCCRプロセスとは、PMIの資格維持に必要な、継続的な学習活動および専門職としての能力開発のプロセスです。CCRプロセスには以下のステップがあります。PMP資格取得者は必ずCCRプロセスを踏んで資格更新を行いますので、理解しておきましょう。

1.PMI資格の取得:試験に合格した日からCCRサイクルが始まり、3年間続きます。 2.専門能力開発活動に参加:PDUの取得には、専門能力開発活動への参加が必要です。 3.PDUの記録と報告:PDUを取得した後、CCRシステム(CCRS※)を介してPDUをPMIに提出します。 4.CCR必要条件を満たす:認定資格のCCRプログラムの必要条件を満たすためにPDUを取得します。 5.CCR申請を完了し、更新料を払う:PMIから更新情報が送られてくるので、更新料の支払いを行います。 6.CCR更新の完了:ガイドラインに従い、資格を維持します。

【参考】:CCRS | Project Management Institute|PMI

PDUの概要

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PMP資格の更新にPDUの取得が重要であることは分かりましたが、そもそもPDUとは具体的に何を指すのか、どのように取得するのかについて見ていきましょう。

PDUとは

PDUとは「Professional Development Units」の略語で、PMPの資格維持に必要な継続教育の認定単位のことです。PDUは、PMPの資格保有者が、プロジェクトマネジメントの知識やスキルを継続的に学んで向上させていることを示します。

1PDUとは、「1時間の学習や活動」を表しています。さらにPDUは、教育分野とギブバック分野の2つのカテゴリに分けられます。教育分野はスキルを高めるための学習機会であり、ギブバック分野は専門職として貢献する活動のことです。

また教育分野は、さらに3つのサブカテゴリに分かれており、それぞれのサブカテゴリは以下のような内容を含み、それぞれ8PDUの取得が必要です。

▪Ways of Working(働き方):プロジェクトマネジメントの技術的なスキルやツール、手法などを学ぶこと ▪Power Skills(パワースキル):プロジェクトマネジメントにおけるリーダーシップやコミュニケーション、チームワークなどのスキルを学ぶこと ▪Business Acumen(ビジネス感覚):プロジェクトマネジメントにおける戦略やビジネスの理解、倫理や社会貢献などのスキルを学ぶこと

【参考】:PMI Talent Triangle | PMI 

PDUの取得方法

PDUを取得する方法は、教育分野とギブバック分野はそれぞれ異なります。どちらの分野でPDUを獲得するのか、自分の興味やニーズ、将来計画などと相談しながらPDUの取得法を検討しましょう。

更新に必要な60PDUの内、教育分野では35PDU以上取得することが必要ですので、それを下回らないよう気をつけましょう。

【参考】:CCR-Handbook_JP_P10 | PMI 

■ 教育分野のPDU取得方法 ▪PMI登録教育プロバイダーが提供する研修コースやオンデマンドeラーニングコースに参加する ▪PMI支部やコミュニティが開催する教育イベントやセミナーに参加する ▪PMIが提供するオンラインコースやウェビナーに参加する ▪PMIが認定する書籍や記事を読む ▪PMIが認定するポッドキャストやビデオを視聴する

■ ギブバック分野のPDU取得方法 ▪PMIの資格に関連する専門分野で執筆や講演を行う ▪PMIの資格に関連する専門分野でボランティアやメンターを行う ▪PMIの資格に関連する専門分野で働く

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PDUの申請方法

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ここでは、PMP PDUの申請方法について解説します。切羽詰まってから更新に必要な60PDUを取得するのはリスキーですので、PMP資格取得後も気を抜かず、更新計画を立てておくことをおすすめします。

PMP資格更新期限の連絡

PMP資格は3年間の有効期限があり、取得してから3年ごとに更新が必要です。更新期限が近づくとPMIからその旨の連絡メールが届きますが、そこから一気に60PDUを取得するのは簡単ではないため、計画的に取得しましょう。

PMP資格の更新には費用が掛かります。PMIの有料会員の場合は更新料60ドル、一般のPMI会員は、PMPの150ドルの更新料が掛かります。

PDUの申請方法

PDUの申請は、ログインしてPMIの公式サイトから行います。申請の手順は以下の通りです。

1.PMIの公式サイトに登録済みのメールアドレスとパスワードでログインします。 2.Certificationsタブから、Report PDUsを選択します。 3.教育とギブバックのそれぞれのカテゴリーから、申請したいカテゴリーを選択します。研修受講の登録をするのであれば、「Course or Training」を選択します。 4.取得したPDUの詳細情報を入力します。(例:プロバイダー名、コース名、内容、日付、時間、PDU数など) 「I agree this claim is accurate.」にチェックを入れて、「Submit」ボタンを押します。

【参考】:Project Management Institute | PMI

PDUの確認方法

取得したPDUが正しく反映されないのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。自分が取得したPDUは、PMIの公式サイトから確認できますので、以下の手順で行いましょう。

1.PMIの公式サイトに登録済みのメールアドレスとパスワードでログインします。 2.右上の自分の名前が表示された箇所から.ダッシュボードを選択し、画面下にスクロールします。 3.「Report PDUs」と表示された箇所の上に、円形図の中に26/60というような数字が表示されています。この分子の部分が取得済みのPDUです。

PMP資格取得者の年収

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ここでは、受験資格が厳しく、更新時には60PDUという条件が課せられるPMP資格取得者の年収を見ておきましょう。PMP資格取得者が就く職種としてプロジェクトマネージャーが挙げられます。

プロジェクトマネージャーの平均年収は「マイナビエージェント 職種別平均年収ランキング」では670万円(2023年11月時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のを参考にすると、平均年収891万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プロジェクトマネージャーは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。

PMP資格は、受験料や更新料、PDU取得に掛かる費用を考えると、IPAの国家資格と比較すると維持費用だけでも負担は小さくありませんが、プロジェクトマネージャー職の年収を考えると、十二分に価値のある資格と言えます。

また、3年ごとの更新に掛かる時間や手間は大きな負担に感じるかもしれませんが、制度として常に自己研鑽が行え、自分の知識やスキルが常にアップデートできるのはPMP資格の強みです。

【参考】:マイナビエージェント職業別平均年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

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費用をかけずにPDU取得を行う方法

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PDUの取得には費用が掛かるイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。確かに更新に費用は掛かりますが、PDUの取得にほとんど費用を掛けずに行う方法がありますので紹介します。

PMIの会員になる

PMP試験の受験料は、PMI会員の場合405ドル(再受験料275ドル)、PMI非会員の場合では555ドル(再受験料375ドル)、受験料だけで150ドルの差があります。 年会費は50ドル掛かりますが、他に様々な得点があるPMI会員になった方が得です。

■ PMI会員のメリット PMI会員になることで、年会費以外に次のような特典が得られます。

▪PMBOKガイドの最新版のPDFファイルを無料でダウンロードできます。PMBOKガイドは、プロジェクトマネジメントの標準書であり、PMP試験の出題範囲でもあります。 ▪無料のeラーニングでPDU(Professional Development Units)を取得できます。 ▪PMI日本支部や他の支部の主催するセミナーや講演会に割安で参加できます。 ▪PMIの出版物やトレーニングツールなどを割引で購入できます。 ▪世界中のPMI会員とのネットワーキングやコミュニケーションの機会が得られます。

【参考】:PMI日本支部会員制度 | 一般社団法人 PMI日本支部

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■ PMI公式のeラーニングを無料で受講 PMIはeラーニング専用サイト「ProjectManagement.com」をオープンさせており、PDU付の無料e-ラーニングを優先的に受講できます。また毎月、数タイトルのリアルタイム動画が配信されており、会員はほぼ無料で見放題で、PDUも取得できます。

ただし、視聴すればPDUは取得できますが、コンテンツのすべては英語です。英語の字幕を表示して視聴した方が分かりやすいかもしれません。

【参考】:ProjectManagement.com | Home

■ PDUの申請が不要 「ProjectManagement.com」で視聴した動画のPDUは自動的に取得できるため申請は不要です。動画を視聴すると、PMIから「PDU申請受付済」のメールが届き、その後に「PDU承認済み」のメールも届きます。PMIのマイページにアクセスするとPDUが追加されていることを確認できます。

PMP PDU資格で得たスキルを次に生かすには

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ここまで、PMPのPDUの概要、取得法などについて解説し、またPMI会員になることで、様々なメリットが得られることが分かりました。高いハードルを乗り越え、せっかく取得したPMP資格は更新を怠らず、ぜひ維持しましょう。

プロジェクトマネージャーはIT分野に限らずあらゆる分野で必要とされています。同じ組織内でのスキルアップにとどまらず、あらゆる活動の機会をとらえて、転職も検討してみましょう。

とはいえ転職活動には様々な乗り越えるべきハードルがあります。数ある求人から、自分の力を発揮できる相性の良い企業を探し出し、企業にアプローチしなければなりません。企業研究に面接対策、履歴書の作成を行い、場合によっては条件交渉も必要です。

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