機械学習のデータセットとは?その役割や作り方、注意点を解説
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機械学習のデータセットとは?その役割や作り方、注意点を解説
アンドエンジニア編集部
2024.03.03
この記事でわかること
機械学習とデータセットはAI技術に不可欠な要素で、品質の高いデータセットを用意することで、機械学習モデルの性能や精度が向上する
機械学習のデータセットには、トレーニングセット、バリデーションセット、テストセットの3つの種類がある
データセットを作成する際には、利用目的を明確にし、品質と量を確保することが重要である

機械学習のデータセットとは

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近年、自然言語処理、画像・音声認識、自動車の自動運転や医療診断など、AI技術は私たちの日常生活や産業に革新的な変化をもたらしています。

機械学習とデータセットは、そのAI技術を支える重要な役割を果たしています。特に、大規模なデータセットと高度な機械学習アルゴリズムの利用で、AIを活用した技術はますます高度化しています。

また、品質の高いデータセットを用意することで、機械学習モデルの性能や精度を向上させることができます。

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機械学習のデータセットの役割や作り方を学ぼう

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AIエンジニアを目指す方にとっては、データセットの構築や前処理のスキル、作り方などを身につけることで、機械学習の理解が深まり、実際に機械学習モデルを開発・運用する能力が向上します。

データセットについて学ぶことは、AIエンジニアやデータサイエンティストとしてのキャリアアップに欠かせない要素でもあります。データセットに関する知識を持つことで、より高度なプロジェクトに参加したり、問題解決の幅を広げたりすることができるでしょう。

この記事では、機械学習のデータセットとは何か知りたい方のために、データセットの基礎的な知識やデータセットの種類、作り方などについて解説していきます。

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機械学習で使われるデータセットの基礎知識

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まず、データセットの持つ役割と重要性について解説し、関連の深いディープラーニングとの関係、データセットの知識を活用できる職種や、その年収についても説明します。

データセットの役割と重要性

AI技術を支えるデータ分析の手法である機械学習には、適切なデータセットが欠かせません。データセットは、機械学習モデルの学習に用いられるデータの集合体で、画像、動画、テキストなどさまざまな形式があります。

データセットの質と量が高ければ高いほど、モデルの精度が向上しますが、データセットが適切でないと、機械学習に望ましくない結果をもたらす可能性もあるため、目的や背景に合ったデータセットを選び、慎重に構築することが必要です。

データセットとディープラーニング

ディープラーニングは機械学習の1種であり、人間の脳神経細胞の働きをモデル化したディープニューラルネットワークを基盤としたものです。音声、画像、自然言語などを高い精度で分析できる技術で、顔認証システムや医療画像の解析、スマートスピーカーなどで実用化されています。

ディープラーニングモデルでは、モデルが自らデータから特徴を抽出し、それを元に予測や分類を行うために、大量のデータを用いて学習します。データがなければモデルは何も学習できないため、ディープラーニングにはデータセットが不可欠です。

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データセットの知識を活用できる職種の年収とは

機械学習のデータセットの知識を活用できるAIエンジニアに近いシステムエンジニア(制御・組み込み)の年収は、「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は455万円(※2023年8月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、AIエンジニアは一般平均年収よりも、やや高めから高めであることが分かります。

AIエンジニアには、機械学習の理解と、数学や統計の知識、主要なプログラミング言語であるPythonの習得が不可欠です。さらに、大規模なデータセットを取り扱うための高度な知識、画像や動画データの解析に関するスキルなどを高めることで、より高収入となる傾向があります。

【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

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データセットの種類

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機械学習のデータセットの種類には、トレーニングセット、バリデーションセット、テストセットがあります。それぞれの役割について確認していきましょう。

トレーニングセット

トレーニングセットは全体の半数以上を占める大規模なデータセットで、機械学習の初期段階で使用されます。これにより、基本となる機械学習モデルが構築されるため、慎重に選定し、モデルの基盤を確立することが重要です。

トレーニングセットは、訓練用データや学習用データとも呼ばれます。

バリデーションセット

バリデーションセットは、トレーニングセットでの学習後、機械学習アルゴリズムの挙動を制御するハイパーパラメーターのチューニングに利用されます。ハイパーパラメーターは機械学習アルゴリズムの性能に大きく影響を及ぼすため、適切な調整が重要です。

最もパフォーマンスの優れたハイパーパラメーターを採用することで、モデルの性能を最適化したり、過学習のためにこれ以上精度の向上が見込めない場合に学習を止めたりする判断を行うのに役立ちます。

テストセット

テストセットは、機械学習モデルの精度を確認するため、モデル構築の最終段階で利用されるデータセットです。トレーニングセットやバリデーションセットで未使用のデータを使って、モデルのパフォーマンスをテストします。

テストセットは機械学習モデルの完成度を客観的に測るために欠かせない要素で、未知のデータに対しても適切な予測ができることを確認するために重要です。

データセットの入手方法と作り方

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それでは、実際に自分で使用するデータセットを入手するにはどうしたらいいのでしょう。オープンデータセットを使用する、作成を外部発注する、自分でデータセットを作る、などの方法があります。

オープンデータセットを使用する

データセットを入手する方法の1つが、オープンデータセットを利用することです。政府や研究機関などがインターネット上に公開しているデータがあり、動画、画像、テキストなどさまざまな種類のデータが提供されています。

オープンデータセットでは整備されたデータを取得できる場合も多く、使いやすいデータを収集する手間を省くことができます。

必要なオープンデータセットを探すには、Googleの「Dataset Search」などの検索ツールを使用したり、「Kaggle」などのデータサイエンティストや機械学習エンジニアのコミュニティを活用するのも良いでしょう。

【参考】:Google Dataset Search 【参考】:Kaggle: Your Machine Learning and Data Science Community

ただし、オープンデータセットには無料のものもありますが、費用がかかるものや、商用利用が制限されている場合もあり、利用には注意が必要です。利用する前に使用条件を十分確認するようにしましょう。

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データセットの作成を外注する

データセットを入手するには、信頼性の高い専門会社にデータ提供を依頼してデータセットの作成を外注する方法もあります。費用はかかりますが、外注を利用することで社内の手間を大幅に削減できます。

ただし、外部にデータセットの作成を依頼する場合は、実際に構築したいAIモデルに適したデータを作成してくれる企業を選びましょう。外注により適切なデータセットを入手することができれば、高品質な機械学習モデルを構築することができるでしょう。

データセットを自分で作成する

データセットは、自分で作成することも可能です。手間はかかりますが、独自にアンケート調査などを活用して収集することで、有償の既存のデータセットを使ったり、外注したりする場合に比べて、コストを抑えられる利点があります。

独自にデータを作成する場合には、CSVファイル形式で作成し、サンプルを縦に、特徴量を横に記載するなど、シンプルで使いやすいデータに整理することが重要です。

データセットを作成する時の注意

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ここでは、自分でデータセットを作成する場合に気を付ける点を解説します。参考にして、ぜひ実際にデータセットを作ってみてください。

データセットの目的を明確にする

利用目的に合ったデータセットを作成することで、機械学習の精度が良好になり、より高度な分析結果を得ることができます。

そのため、データセットを作成する際には、構築する機械学習モデルの目的を明確にし、課題や解決したい問題を定めることが重要です。例えば、業務の効率化や、店舗の売り上げ予想など、具体的に目標を掲げると良いでしょう。

大量の質の良いデータを収集する

データセットの品質と量は、機械学習の結果の優劣に大きな影響を与えます。想定されるデータを網羅的に集められているか、十分な量のデータがあるかどうかを表す、データセットの「被覆性」が、データの品質の基準として重要な要素です。

また、データの量が足りない場合、トレーニングデータに対する予測精度は高いものの、未知のデータに対してうまく予測できないオーバーフィッティングが発生する可能性があります。これを避けるためには、より多くの量のトレーニングデータを使う必要があります。

さらに、偏りがより少ないデータを収集することも大切です。データセットに偏りがあると、モデルはその偏りを学習してしまい、入力と出力の関係性を正確に表せない学習不足の状態になります。

実際に使ってみる

適切なデータセットを作成するには、実際にPythonで使ってみて調整していくことも重要です。まずはオープンデータセットを手に入れ、Pythonで処理して動かしてみることで、自分のプロジェクトに適したデータセットを作るための参考になるでしょう。

また、実際に現場で使用できるデータセットがあれば参考にするなど、実践の機会を通してデータセットについて学ぶとより理解が深まります。企業によっては、所属するエンジニア向けの研修がある場合もあるので、確認してみましょう。

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機械学習のデータセットを習得してAIに強いエンジニアを目指そう

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ここまで、機械学習のデータセットの役割や種類、作り方について解説してきました。データセットが機械学習にとっていかに重要なものであるか、自分で作る場合に何に気を付けるかなどのポイントが分かったのではないでしょうか。

適切なデータセットの収集や扱いは、AIエンジニアにとって必須のスキルと言えます。AIエンジニアとして活躍したいと考えている方は、スキルアップのために、データセットについて現場で学べる企業や、研修が充実した企業に転職を考えるのも良いでしょう。

しかし、1人で転職活動をする場合、なかなか希望の企業が見つからなかったり、職務経歴書や自己PR作成などの面談対策がなかなか進まなかったりするなど、大変なことも多くあります。

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