DXビジネス検定の難易度はどのくらい?
近年需要が高まっているDX技術は、エンジニアだけでなく事務職や営業職にも求められつつあります。そんな非エンジニア向けのDX技術認定資格が「DXビジネス検定」です。
2021年から開始された本資格はまだ情報も充実しておらず、どのような試験か分からない方もいるでしょう。特に、取得するための難易度が気になっている方も多いはずです。
本記事では、DXビジネス検定の概要を簡単に説明しつつ、その難易度を中心に解説を行っていきます。
高認定レベルは困難だがIT経験者なら有利
DXビジネス検定の難易度について結論から言うと、1番低い認定レベルを取得するだけなら、そこまで難しくありません。しかし、最高レベルの認定はかなり難しいと見られます。
後述しますが、主催者が公開している合格率を見ると、受験者の50%弱は何らかの認定レベルを取得していますが、最高レベルは5%弱しかいません。
ただし、出題範囲はビジネス事例中心で非エンジニアをターゲットにしており、受験者の大半がIT関係者ではないこともデータから分かっています。したがって、IT経験者であれば難易度は下がる可能性があると考えられます。
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DXビジネス検定について
まずは、DXビジネス検定の試験概要を簡単に説明していきます。本資格が活かせる職種の年収についても考察していきます。
試験概要
DXビジネス検定は、「日本イノベーション融合学会」と「DX検定™委員会」が主催するDX技術を認定する民間資格です。2018年に開始された「DX検定」とは異なり、DXのビジネス活用が求められている非エンジニア層をターゲットにしています。また、2021年から開始されたかなり新しい資格でもあります。
試験の合否は獲得点数で決まりますが、得点に応じて認定レベルが3段階設定されている点も特徴的です。
【参考】:DXビジネス検定
試験の出題範囲
試験は96問の多肢選択問題を60分間で解く形式です。出題範囲については、DXの基礎知識を始め、DXのビジネスモデルに関する知識や実際のビジネス事例に関する問題が対象です。エンジニア向けのDX検定と比べて実務に沿った技術的な問題は出題されないため、非エンジニアの方へのハードルは高くありません。
ただし、ビジネスモデルに関する出題が大半であるため、普段ビジネス現場から離れたエンジニアの方にとって聞き慣れない用語が多く、苦戦するかもしれません。裏を返せば、エンジニア職で高い認定レベルを取得できれば、ビジネス知識に強いエンジニアとして認められるでしょう。
【参考】:DXビジネス検定のシラバス
受験方法
DXビジネス検定は4月と10月の年2回開催されており、法人と個人で決められた日程で受験する必要があります。
また、受験会場に足を運ぶ必要はなく、Web上で受験することになります。自宅でも受験が可能であるため、日程の都合がつけやすく、リラックスして受験できる試験と言えるでしょう。
DXビジネス検定を活かせる職種の年収
DXビジネス検定が活かせる職種ではどの程度の年収が期待できるのでしょうか。ビジネススキルを身に付けたエンジニアとして、ITコンサルタントを例として考えて考察していきます。
ITコンサルタントの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は512万円(※2023年7月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のコンサルタントを参考にすると、平均年収928万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ITコンサルタントは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
ビジネススキルを身に付けたエンジニアは、ITコンサルタントのように高年収を期待できる可能性があります。DXビジネス検定のようなビジネススキルに特化した資格は、取得に向けた勉強の中でも必要なスキルを身に付けることができるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
DXビジネス検定の難易度
DXビジネス検定の概要を説明したところで、本題となる難易度について解説していきます。ここで解説する難易度に関する考察は、公式サイトで公開されている試験結果の資料をもとにしています。
試験の平均点
2023年の4月に行われた第4回の試験結果では、全体の平均点は満点の1,000点中582.7点でした。出題分野別の得点率は、DX基礎領域が54.9%、DXビジネスモデルが62.2%、DXビジネス事例が58%です。
この結果から、DXビジネス検定の問題はおおよそ半分程度の点数が平均になるように作られており、問題の難易度も標準的なレベルであると推測できます。また、合わせて公開されている4回目までの累積結果でも、平均点は581点であり、試験の難易度は開催当初からほぼ変わっていないとも言えます。
【参考】:DXビジネス検定第4回の結果 【参考】:DXビジネス検定累計の結果
認定レベル別の合格率
DXビジネス検定は取得点数に応じて認定レベルが定められており、以下のような形です。
- ■スコア800以上⇒「DXビジネスプロフェッショナル レベル」認定
- ■スコア700以上⇒「DXビジネスエキスパート レベル」認定
- ■スコア600以上⇒「DXビジネススタンダード レベル」認定
この記述に対する第4回の認定率を見ていくと、スタンダードレベルは28%、エキスパートレベルは15.8%、プロフェッショナルレベルは4.2%でした。スタンダードレベル以上の獲得者は48%であり、およそ半分が合格として何らかの認定レベルを得られている形です。
以上から、スタンダードレベルの認定であれば難易度は普通レベルであると言えます。しかし、エキスパートレベル以上は20%と、国家資格の応用情報技術者試験と同じくらいであり、難易度は高めと言えるでしょう。
さらにプロフェッショナルレベルを目指すとなると、わずか4%程度であるため、かなり勉強をしなければならないことが予想されます。
職種ごとの目標スコア
公式サイトが提供する資料では、IPAが定義するDX推進人材像ごとの目標スコアが定められています。例えばエンジニアやプログラマは650点が目標とされていますが、データサイエンティストは750点以上、最上位のプロデューサーは850点以上です。
あくまで目標でしかありませんが、自分の職種に応じた目標レベルの参考に活用できるでしょう。また、前述の合格率と合わせれば、個人目標に対する難易度を把握することもできるはずです。
DXビジネス検定の受験者情報
これまでは合格率からの難易度を解説してきましたが、受験者の層によってはその難易度も変わってきます。ここでは、どのような層が本資格試験を受験しているかを解説していきます。
受験者の職種
公式サイトによれば、受験者の職種として最も多かったものは営業・販売の33%で、次に多かったものが情報技術の14%でした。また、営業や人事、経営などの非エンジニア職種の合計はおよそ全体の58%であり、過半数を占めています。
この結果より、DXビジネス検定の受験者は半分以上がIT技術の専門家ではなく、前述した難易度もそういった職種である前提と見なせます。エンジニア職であれば、難易度も相対的に低めに想定することも可能でしょう。
【参考】:DXビジネス検定第4回の結果 【参考】:DXビジネス検定累計の結果
受験者の所属する業種
次に受験者の所属する企業の業種についても見ていきます。公式サイトによれば、最も多い業種は金融で31%、次に多いのがIT・通信で27%でした。こちらはばらつきが多いもののIT系やメーカーなどの技術職中心の企業は半分にも満たず、多くがITとの関わりが多くない業種です。
こちらのデータからも、受験者の大半はITを専門としておらず、難易度も非専門家による受験を想定できます。IT技術の経験者であれば、試験を有利に進められる可能性が高いでしょう。
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DXビジネス検定で高得点を狙いキャリアアップを目指そう
本記事ではDXビジネス検定について、その試験概要を説明するとともに、公式情報の合格率や受験者層から難易度を詳しく考察しました。IT技術の経験者であっても本資格が役立つことと、見かけの難易度ほど高得点は難しくないのでは、と感じて受験したいと思った方も多いはずです。
高い認定レベルを取得した場合、どのように活かせばよいでしょうか。転職によるキャリアアップを目指す場合、数ある企業の中から自分に合った企業を探すことは難しいでしょう。
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