Windows11のクリップボード
パソコンの操作でコピペ(コピー&ペースト)は欠かせない重要な操作です。コピーされたテキストや画像などのデータは一旦クリップボートと呼ばれる場所に記録され、ペースト作業の際にクリップボードに保存されたデータが利用されます。
Windows11では、クリップボードの履歴機能をオンにすることで最大25回分のデータの履歴を保持することができます。この履歴機能を利用することで、コピー&ペースト作業の際に異なるウィンドウを何度も行ったり来たりする必要がなくなり、コピペ作業の効率を飛躍的にアップさせることができます。
この記事ではクリップボード履歴の設定方法、さらにはクリップボードの履歴を複数のデバイス間で共有する方法、Officeソフトでクリップボートを活用する方法などについて解説していきます。コピペ作業を短縮したい方はぜひ参考にしてみてください。
【参考】:クリップボードの概要 | Microsoft サポート
クリップボードとは
クリップボードはWindowsなどのパソコンで「コピー」操作を行った時に、テキストや画像などが一時的に保存される領域のことです。一般的にはクリップボードは1つのデータしか保存できないと思われています。最初にコピーをして、2度目のコピーをすると最初の内容が失われてしまうからです。
しかし、Windows 10の「October 2018 Update」 以降から、クリップボードに履歴機能が追加され、Windows11でも標準機能として利用ができるようになりました。クリップボードはデフォルトで履歴機能がオフになっていますが、オンにすることで25回までコピー履歴が記録されます。
クリップボード機能はどこにある
クリップボードの設定に関しては普段、ほとんど目にすることがないため、気付かない人が大半かと思われます。Windowsのスタートボタンをクリックし、スタートメニューの最上段にある検索窓に「クリップボード」と入れてみてください。
候補に「クリップボード設定」が表示されます。「クリップボード設定」を選択するとシステム設定画面の中にあるクリップボードの設定メニューが表示されます。
クリップボードに保存できるもの
実際にはクリップボードは種類が2つあります。通常のクリップボードとWindwsクリップボードです。通常のクリップボードはファイルを保存できますが、コピーは1回限りです。Windwsクリップボードは画像、テキスト、HTMLしか保存できません。
その代わり、Windwsクリップボードは最大25回分の履歴を記録でき、再起動しても履歴は残っています。ただし、Windowsクリップボードに保存できるデータの容量は1つにつき4Mbまでです。
クリップボード履歴を有効にする方法
Windows11はクリップボード履歴機能が標準で備わっていますが、どうすれば履歴を有効にできるのでしょうか?その方法について解説していきます。
システム>クリップボード>クリップボードの履歴
Windws11のスタートボタンからスタートメニューを表示し、スタートメニューの最上部にある検索窓に「クリップボード」と入力すると、その下の候補に「クリップボード設定」が表示されますので、クリックします。
右側メニューの先頭にある[クリップボード履歴]のトグルスイッチをオフからオンにします。これで履歴機能は有効になります。
ショートカットを利用してオンにする
クリップボード履歴は「Windowsキー + Vキー」でデスクトップに表示することができます。履歴の設定はデフォルトで「オフ」になっていますので、[オンにする]ボタンをクリックしてみましょう。
このウィンドウは履歴のオン・オフ以外に「Windowsキー + Vキー」で履歴を呼び出し、表示された履歴から任意のコピーを取得することができます。
クリップボード履歴の呼び出し方
Windowsクリップボード履歴の呼び出しは「Windowsキー + Vキー」で行えます。履歴をクリアしなければ最大で25回のコピー履歴が残っており、表示ウィンドウで画面スクロールしながら探すことができます。
目的のコンテンツが見つかったら、その箇所をクリックして、「Ctrlキー + Vキー」で任意の場所に貼り付けします。
Officeソフトからクリップボード履歴を呼び出す
Microsoft Officeでは、WordやExcel、Powerpointにクリップボードに記録されたテキストや画像を呼び出す機能があります。Word2013やWord2016、Excel2013、Excel2016では確認が取れています。Officeソフト間でコピー履歴が共有できますので、使ってみると大変便利です。
それぞれのOfficeソフトのリボンの中に[クリップボード]の項目がありますので、その右下にある⇘ボタンをクリックすると履歴が表示されます。利用したい履歴をクリックするとデータが貼り付けられます。
【参考】:Office クリップボードを使用する| Microsoft サポート 【参考】:Microsoft 365 - サブスクリプションで Office アプリを使用 | Microsoft 365
クリップボード履歴の削除の仕方
Windowsクリックボードは最大で25回までの履歴を記録できますが、以降はまた先頭から上書きされます。履歴をクリアしたい場合は、「Windowsキー + Vキー」でクリックボード履歴を表示できますので、ウィンドウの右上にある「すべてクリア」をクリックすると履歴がすべてクリアされます。
他にシステム>クリップボード>クリップデータを消去する際に[クリア]ボタンをクリックしても履歴は削除できます。
クリップボードの不具合が出たら
クリップボードを多用していると、まれにコピペが機能しなくなることがあります。このような場合には、クリップボードの履歴をクリアし、パソコンを再起動してみてください。それでも治らない場合には、Windows11のシステムファイルチェッカーを使用して、システムの修復を行ってみましょう。
システムファイルチェッカーの使い方は以下の記事を参照してください。
【参考】:Windows でのシステム ファイル チェッカーの使用 | Microsoft サポート
クリップボード履歴を他のパソコンと共有する方法
Windows11のクリップボードにはもう1つ、拡張機能があります。それはクリップボード履歴の共有機能です。ただし、同じMicrosoftアカウントでログインしているパソコンに限定され、かつ共有できるのはテキストデータに限られます。
さほど利便性や必要性を感じないかもしれませんが、例えば、ノートパソコンで作成した文書をデスクトップ側で直ぐに利用したいようなケースでは重宝するでしょう。
【参考】:[クリップボード] Windows | Microsoft サポート
システム>クリップボード>複数のデバイス間で同期
Windws11のスタートボタン>スタートメニュー、最上部の検索窓に「クリップボード」と入力しましょう。候補に「クリップボード設定」が表示されますので、クリックします。右側メニューの上から2番目に[複数のデバイス間で同期]のトグルスイッチをオフからオンにします。
クリップボード履歴の共有で注意すべきこと
クリップボード履歴は複数のデバイス間で共有できますが、テキストデータに限定されること、同一のMicrosoftアカウントでログインしたデバイス間という条件があります。
画像データのコピー履歴には「利用できるプレビューはありません」と表示され、コピペはできません。制約条件が多く、使いにくいかもしれませんが、咄嗟にメモしたいことなどを記録しておき、後から別のパソコンで確認したいようなケースでは便利です。
【参考】:Microsoft アカウント | Sign In or Create Your Account Today – Microsoft
クリップボードを活用して仕事の効率を高めよう
ここまでWindows11のクリップボード機能について、履歴の有効化と履歴の利用方法、複数のデバイス間でクリップボードを共有する方法、Officeソフトでクリップボードを利用する方法などについて解説をしました。
クリップボードの履歴機能を活用することで、複数のウィンドウやソフトの間を行き来する手間が大きく省け、コピペに関わる作業や仕事が大きく改善できることが分かりました。クリップボード履歴の活用は設定を変更するだけで直ちにできますので、この記事を参考にして、仕事の効率化につなげて頂けると幸いです。
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