Notion AIで議事録作成を効率化するには
Notion(ノーション)は、メモやタスク管理、Wiki、データベースなど様々な機能を統合した、「オールインワンツール」とも呼ばれる多機能ドキュメントツールです。文書の管理や、英語をはじめとした多言語の翻訳、プロジェクト管理、チームメンバー間での情報共有など、幅広い用途で活用できます。
また、Notionには、Notion AIというAI機能が備わっています。Notion AIはNotionの中で使用できるAIアシスタントで、文書の作成や情報の整理をサポートしてくれます。
今回は、そんな便利なNotion・Notion AIの機能を活用して、議事録の作成を効率化する方法をご紹介します。
日頃から様々な会議が行われ、議事録を作成するのに苦労している企業や担当者の方も多いでしょう。そんな方も、Notion AIを使えば議事録の一部自動作成や定型作業化を行うことが可能です。
会議に出席して会議メモを取ったら、それをNotionのテンプレートに入力するだけで議事録が作成でき、データベース管理までできる枠組みをご紹介しますので、日頃の議事録作成にかかる時間や労力を軽減したいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
Notionの議事録作成に役立つAI機能
まずは、Notion AIのどの機能を利用して議事録を作成するかについて解説します。Notion AIによる文書の要約、アクションプランの抽出、そしてデータベースのプロパティであるAIによる要約を活用します。
Notion AIによる要約とは
Notion AIは、Notionページ内の文章を自動的に要約してくれる機能により、記録した会議メモの内容を要約することができます。
下図の例をご覧ください。
Notionページでは、本文の入力カーソルの部分でスペースキーを押すことで、AIに様々なタスクを依頼することができます。要約はNotion AIにできる作業の代表的なものであり、そのNotionページに記載されている内容を自動的に要約してくれます。
議事録作成では、このNotion AIによる要約機能を使って、会議メモの要点を抽出します。
Notion AIによるアクションアイテム作成とは
Notion AIは、Notionページ内の文章から、アクションアイテム(ToDoリスト)を抽出してくれます。これから行うべきことを拾ってリスト化してくれるため、次に何をすべきかを明確に確認できます。
議事録作成では、会議メモの中から、Notion AIに会議で決まったこれからやるべきことを抽出して自動的にリスト化してもらいます。
データベースのAIによる要約プロパティとは
作成した議事録は、Notionのデータベース機能で管理できるようにします。
データベースには、入力用のテンプレートを用意することができますので、議事録データベースのテンプレートを作っておき、これを使って議事録を作成していきます。
議事録を作成すると1つのNotionページとして保管され、そのページのまとまりである「議事録データベース」で会議データを管理します。
また、Notionデータベースでは、プロパティとして「AIによる要約」を使うことができます。これは、Notion AIが各議事録データの内容の要約を自動的に作成し、データベースのプロパティ(項目)として持たせることができる機能です。
上図の例をご覧ください。データベースに3つの議事録が格納されていますが、「AIによる要約」欄に、AIが自動で作成した議事録の要約が表示されています。
データベースで議事録一覧を確認する時に、その会議の概要を知ることができて便利です。
Notion AIを使った議事録テンプレートページを作成する
それではここから、実際に議事録を作成するときに使用する議事録テンプレート作成方法について解説します。
Notionで議事録データベースを作成する
まずは、Notionを開いて新規データベースを作成します。
新規ページを作成して、「新規ページを追加」の「テーブル」をクリックし、さらに「+新規データベース」をクリックします。これで新規データベースがテーブルビューで作成されます。
テーブル上部にはデータベースのタイトルを入力できるボックスがありますので、タイトルを設定しましょう。ここでは例として、「議事録データベース」とします。
テンプレートを作成する
次に、新しい議事録を作成する時に使用する議事録テンプレートを作成します。テーブルの右上の「新規」の右側の「v」型のマークをクリックし、「+新規テンプレート」をクリックします。
すると、テンプレート編集画面が表示されます。「無題」のところはタイトルなので、今回は「議事録テンプレート」と入力しておきます。
議事録作成に必要な項目を決める
議事録テンプレートの詳細を埋めていきます。
記録しておくべき会議の情報を、データベースのプロパティ(項目)としてあらかじめ設定しておきましょう。
ここでは例として、以下の項目を設定します。
■会議種類(セレクト): 開発定例、進捗定例、臨時会議など、社内で行われる会議の種類 ■開催日時(日付): 会議の開催日時 ■議題(テキスト): 会議の議題 ■場所(テキスト): 会議の開催場所 ■出席者(テキストorユーザー): 会議の参加者 ■共有資料(ファイル&メディア): 会議で配布された資料ファイル ■作成日時: 自動入力 ■作成者: 自動入力 ■最終更新日時: 自動入力 ■最終更新車: 自動入力
出席者のプロパティは、種類をテキストにして「A課長、B主任・・・」のように入力するか、社内全体でNotionを使用しているなら、プロパティの種類は「ユーザー」にしても良いでしょう。
その他にも、自社の会議情報として必要な項目があればプロパティを設定してください。
プロパティを設定して、テーブルビューで確認すると、設定したプロパティがテーブルビューにも反映されていることがわかります。
会議メモ入力箇所を用意する
議事録テンプレートの下部には、会議に参加して残した会議メモを入力する場所を用意します。
ここに記載した会議メモの内容を見て、この後、AIが要約したりアクションプランを抽出したりする処理を行います。
この例では、「■会議メモ」を見出しで設定し、その下には会議メモの入力についての注意を記載しました。
AIによる出力がより安定するように、「発言者:発言内容」の形式で会議メモを入力するなど、会議メモにも一定のひな型がある方が良いでしょう。
その下の「会議メモをここに記載する」のところに、会議メモを入力するようにします。図例のように、会議メモをどこに貼り付けるかが一目で分かるようにしておくと良いでしょう。
AIブロックを配置する
会議メモの入力部分の下に、AIブロックを配置します。
まずは、「■会議の要約(AI抽出)」の見出しをつけます。その下のブロック入力箇所で、スペースを押すと表示されるAIタスクのリストの中から、「AIブロックを挿入」の「要約」をクリックします。
同様に、アクションアイテムブロックを作成します。こちらも、見出しをつけて、AIタスクのリストの中から「AIブロックを挿入」の「アクションアイテム」をクリックします。
これにより、下図のように、会議メモを入力すると、その下部でNotion AIによって要約とアクションリストが抽出されるページ構成ができあがります。
下図の例では、ページ内にまだ会議メモが入っていないため、会議の要約も、アクションリストもまだ内容がない状態です。
Notion AI議事録の使い方
ここまでで、議事録テンプレートを使って議事録を作成する準備は整いました。実際に使用する流れを確認してみましょう。
議事録テンプレートを開く
それでは、実際に議事録テンプレートから、議事録を作成してみましょう。
議事録データベースのテーブルの右上の「新規」の右側「v」型のマークをクリックし、「議事録テンプレート」をクリックします。すると、議事録テンプレートが表示されます。
会議情報と会議メモを入力する
「議事録テンプレート」と表示されているタイトル部分は、今回の会議のタイトルに書き換えましょう。会議種類や開催日時など、会議の情報をプロパティに入力していきます。
そして、下部の会議メモ入力部分に、会議で取ったメモを入力します。
AIブロックで要約とアクションプランを抽出する
会議メモを入力したら、ページの下部の「会議の要約」部分の「更新」をクリックします。すると、会議メモからAIが抽出した要約が自動的に生成されます。
同様に、ページの下部の「アクションリスト」部分の「更新」をクリックします。すると、会議メモからAIが抽出したアクションアイテムが自動的に生成されます。
これで、議事録の作成者が自ら要約したり、アクションアイテムを書きだしたりすることなく、AIの自動処理で議事録ができあがりました。
AI処理の最終チェックを行う
Notion AIの処理が終わったら、要約の内容に誤りがないか、拾いきれていないアクションアイテムがないかなどを確認しましょう。もしあった場合、手動で書き直すことが可能ですので、修正を入れて完成させましょう。
データーベースにAIによる要約を設定する
データベースの一覧で見た時に、各会議の概要が分かるよう、AIによる要約プロパティを用意しておきましょう。
議事録データベースのテーブルビューを開き、プロパティ欄の右端に表示されている「+」をクリックします。下に表示される「AIによる要約」をクリックすると、「AIによる要約」プロパティが作成されます。ここには、わかりやすいように「AI」のマークも表示されます。
Notion AIによる議事録作成をより活用するために
Notion AIは、このように非常に便利な機能ですが、会議メモの残し方を工夫したり、カスタムAIブロックを使ったりすることで、さらに効率よく、品質の高いAI処理を行うことが可能です。
会議メモの残し方の工夫
議事録テンプレートでは、会議メモをもとにAIが情報を抽出するため、会議メモの残し方も重要です。
今回の例では、「発言者:発言内容」の形式で残すようにしましたが、このように形式が整った会議メモの方が、AIが正しい処理を行いやすいと言えます。また、簡潔で要点を抑えたメモにすることも重要です。
AIが適切な要約をしやすく、アクションアイテムの抽出を取りこぼしにくくなるように、会議メモの残し方も色々工夫してみると良いでしょう
Notion AIにプロンプトで直接指示しよう
今回は、AIが行う処理を選択する時に、「要約」や「アクションアイテム」を使いましたが、「カスタムAIブロック」を使用することで、AIに直接命令を与える指示文(プロンプト)を記載することができます。
これにより、入力した会議メモをもとにAIがどのような情報を抽出するか、もっと細かく指示を与えることができます。例えば、発言者ごとの発言の要旨をピックアップしたり、会議中に出てきた場所や時間の情報だけをピックアップしたりすることもできるでしょう。
プロンプトの書き方により抽出される情報の内容や精度が変わってきますので、様々なプロンプトを試して、AIの出力内容の品質がより高くなるよう調整すると良いでしょう。
Notion AIを活用して議事録作成の効率化と品質向上を目指そう
今回は、Notion AIを活用した議事録作成方法についてご紹介しました。
使い方に応じて、データベースのプロパティを変えたり、Notion AIへの指示内容を変えたりするなど、使いやすいようにカスタマイズすれば、より議事録作成が効率的に行えるようになるでしょう。
ぜひ、この記事の内容を参考にしてNotion AIで議事録を作成してみてください。
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