
Cursorエディタとは

Cursor(カーソル)とは、AI機能によってプログラミング開発を効率化できるコードエディタです。従来のプログラミングでは、一部既存のコードを流用することは可能ではあるものの、大部分のコードを手動で作成する必要がありました。
一方で、CursorエディタはAIによるコードの自動生成や改修、エラーが発生しているコードのトラブルシューティングなど様々な機能が備わっており、プログラミングを強力に支援します。
この記事では、Cursorエディタの特徴や機能、使い方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


Cursorエディタの特徴

Cursorエディタは、Microsoftが提供するコードエディターであるVisual Studio Code(以下VS Code)をベースに開発されたソフトウェアで、AI機能が標準で搭載されているのが特徴です。ここでは、Cursorエディタの主な特徴について紹介します。
【参考】:Cursor - The AI Code Editor
VS Codeとの違い
VS Codeでは、GitHub Copilot ChatやChatGPTなどの拡張機能を追加することで、AI機能を利用できます。一方で、CursorエディタはChatGPTベースのAI機能を組み込んでおり、エディタと統合されているため、コード補完や修正提案などをシームレスに利用可能です。
VS Codeも優れたエディタですが、AI機能の利用を目的としてエディタを選ぶ場合はCursorエディタを選択するのがおすすめです。


利用できるプランと料金
Cursorは無料で利用できますが、有料プランも用意されています。選択できるプランは、機能制限があるものの無料で利用できる「Hobby」、機能制限なく利用できる「Pro」、組織で利用する場合やデータ保護が必要な場合に利用する「Business」の3つです。
プランによって「プレミアムリクエスト」の回数が異なるため、用途や予算に応じて適切なプランを選択しましょう。プレミアムリクエストは、コード生成やチャットにおいて高性能なAIモデルを利用することを指します。
■Hobby(無料版) ▪料金:無料 ▪コード補完:2,000/月 ▪プレミアムリクエスト(低速):50回/月 ▪プレミアムリクエスト(高速):利用不可 ▪プライバシー保護:あり(OpenAIサーバー内のデータ保管は30日間)
■Pro(有料版) ▪料金:$20/月 ▪コード補完:無制限 ▪プレミアムリクエスト(低速):無制限 ▪プレミアムリクエスト(高速):2,000回/月 ▪プライバシー保護:あり(OpenAIサーバー内のデータ保管は30日間)
■Business(ビジネス版) ▪料金:$40/月 ▪コード補完:無制限 ▪プレミアムリクエスト(低速):無制限 ▪プレミアムリクエスト(高速):2,000回/月 ▪プライバシー保護:あり(OpenAIサーバー内のデータ保管なし) ▪その他:シングルサインオン、管理用ダッシュボード、一括請求機能
【参考】:Cursor AI | 料金プラン
Cursor エディタの機能と使い方

Cursorにはプログラミングの生産性を大幅に向上させる多彩な機能が搭載されています。ここでは主要な9つの機能について、特徴と具体的な使い方を解説していきます。
AIチャット機能
プログラミング開発では様々な問題が発生します。従来はWeb検索や有識者への相談などで解決する必要がありましたが、AIチャット機能を活用すれば、AIとの対話によってアイデアを得ることができます。
チャット機能は、Windowsの場合はCtrl+L、MacOSの場合はCommand+Lを押すことで起動し、自然言語で指示を送信することができます。
例えば、「Cursorを使って簡単に作れるアプリ」について質問してみると、Todoリストアプリなど簡単なアプリケーションのアイデアを提供してくれます。

Cursorの使い方が分からない際も、チャット機能で質問してみるのがおすすめです。
コード生成
Cursorエディタの最も基本的な機能がコード生成機能です。コード生成機能を利用するには、Windowsの場合はCtrl+K、MacOSの場合はCommand+Kを押すとプロンプト入力欄が表示されるので、自然言語で指示を送信します。
例えば、Todoリストアプリケーションを作成するように指示すると、自動的にコードの生成が開始されます。

コードの編集
コードを変更する必要がある場合も、AIに編集を依頼することができます。コード編集を依頼する場合は、プロンプト入力欄に自然言語で指示を入力すると、AIがコードの修正案を提示します。
修正案を受け入れる場合は緑色のAcceptをクリックするか、Ctrl+Shift+Yのショートカットキーを押すと修正が適用されます。取り消したい場合は赤色のRejectをクリックするか、Ctrl+Nのショートカットキーを押すと変更が取り消されます。

なお、コード生成機能やチャット機能のプロンプト入力欄はマルチモーダルに対応しており、画像を情報として与えることもできます。プロンプト入力欄に画像をドラッグアンドドロップするか、Ctrl+Vでペーストすると画像が入力されます。

AIモデルの選択
コード生成機能やチャット機能では、使用するAIのモデルを選択できます。使用するモデルを変更するには、プロンプト入力欄の下部にあるトグルメニューを開き、使用したいモデルを選択します。デフォルトでは、Claude-Sonet-3.5が使用されます。
無料版であるHobbyプランでは高性能なモデルを利用できる回数に制限があるため注意しましょう。


コード補完機能
コード補完機能は、Cursorエディタ上で文字を入力すると、AIが続くコードを予測して表示してくれる機能です。AIが予測した内容が正しい場合はTabキーを押すとそのまま入力されます。
Tabキーを押すだけでコードが入力されるため能率が上がるだけでなく、文字入力のミスが防止できる点も魅力です。

@Symbols機能
@Symbols機能は、ファイルやURLを参照させる機能です。プロンプト入力欄に「@」を入力すると、「File」「Code」「Docs」「Web」「Definitions」から参照先を選択できます。
例えば、Filesを選択するとプロジェクト内の指定したファイルの内容を参照し、そのファイルに関して質問したり、修正を依頼することができます。

Cursor エディタの使い方のポイント

Cursorエディタ上で利用できるAIは、ChatGPTやClaudeなどの生成AIです。そのため、期待する成果物を生成させるには一般的な生成AIと同様の工夫が必要です。
ここでは、Cursorを効果的に活用するためのポイントを紹介します。

キリが良いところで別のチャットに切り替える
生成AIは1つのチャットで扱える情報量が決まっているため、やり取りを繰り返す内に古い情報を忘れてしまうことがあります。やり取りを長く続けるほど精度が下がりやすくなるため、適切なタイミングで新規のチャットを作成するのがおすすめです。
Gitと連携する
コードの改修を重ねると、どこまでが正しく動いていて、どこでエラーが出るようになったのかが分からなくなりがちです。このような問題は、Gitと連携することで防止しやすくなります。
具体的には、AIによるコードの改修を反映する前に正しく動いていた時点のファイルをステージング領域に登録しておくことで、エラーが出る前の状態まで戻せるようになります。
GitとCursorの連携方法やGitの使い方が分からない場合は、チャット機能でCursorに質問してみましょう。
段階的にコード生成させる
1回のプロンプトでコード全体を出力させようとすると、出力が失敗したり、細部の精度が低くてエラーが頻発したりすることが多くなります。精度を上げるには、コーディングのタスクを最小単位に分割して、段階的に実装させ、その都度動作確認を行うやり方がおすすめです。


プロンプトを英語で入力する
Cursorで利用できるAIはChatGPTやClaudeで、どちらも英語圏で生まれた生成AIです。そのため、日本語よりも英語の方が精度が高い出力を得られる可能性が高いと言えます。日本語で指示しても期待する結果が得られない場合は、英語で指示や質問を送信してみましょう。
英語に自信がない場合は、DeeplやGoogle翻訳などを利用して日本語を英語に変換してプロンプトに入力してみるのもおすすめです。
Cursorエディタを活用してプログラミング開発を効率化しよう

CursorはAIによるコード生成やチャット機能を備えた次世代型のコードエディターで、プログラミングの知識に自信がない人でも、AIチャットを通じてコーディングやエラー解決を行うことができます。
Cursorで利用できるAIはChatGPTやClaudeで、これらのAIを利用する場合のプロンプトエンジニアリングのコツがそのまま適用できます。
無料版であるHobbyプランでは高性能なモデルを利用する回数に制限があるものの、大抵の機能が利用可能なので、ぜひ開発に利用してみましょう。
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