ソフトウェアエンジニアとは
ソフトウェアエンジニアは、スマホやパソコンのアプリ、家電や自動車などの制御ソフトを主に開発するエンジニアのことです。ソフトウェアエンジニアとプログラマーの違いはカバー領域の範囲です。
ここでは、ソフトウェアエンジニアの仕事に興味がある方、ジョブチェンジでソフトウェアエンジニアを目指す方のために、ソフトウェアエンジニアの仕事内容、必要なスキル、年収などについて紹介をしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
システムエンジニアとの違い
ソフトウェアエンジニアと聞いて、システムエンジニアと混同した方もいるかもしれません。システムエンジニアとソフトウェアエンジニアは別の職種です。まず、その違いについても解説します。
Association for Computing Machinery(ACM)「コンピュータ学会」では、ソフトウェアエンジニアの略称を「SE」と定めています。
「SE」はシステムエンジニアの略称として日本では一般的に使われていますが、実はソフトウェアエンジニアの略称なのです。システムエンジニアは和製英語という説があり、海外ではシステムエンジニアというと、よりテクニカルなエンジニアを意味します。
まずは、その点を理解した上でこの記事を読み進めて頂ければと思います。
現在システムエンジニアの方は、海外の方に自己紹介をする際は、より具体的なイメージが分かるように担当業務の詳細を説明した方がよいでしょう。
Webエンジニアとの違い
ソフトウェアエンジニアとWebエンジニアも仕事の内容は似ていますが、担当する仕事の範囲が異なります。Webエンジニアは、WebアプリやWebサイト構築などのWeb制作が仕事の範囲です。
ソフトウェアエンジニアはWebアプリの開発もカバーしますが、スマホアプリ、PCアプリ、家電や自動車など制御ソフト開発まで、多岐に渡る点が異なります。
ソフトウェアエンジニアの仕事
システムエンジニアは主に情報システムの設計や開発に関わるエンジニアであるのに対し、ソフトウェアエンジニアはソフトウェアの設計や開発に携わります。ここでは、ソフトウェアエンジニアの役割や仕事内容について紹介をしていきます。
ソフトウェアエンジニアの4つの役割
ソフトウェアエンジニアはソフトウェアの開発全般に対する責任を負い、次の4つの種類の役割(仕事)を担っています。1つずつ具体的な仕事内容を交えて解説します。
1.ソフトウェアの企画・提案
市場調査などから得られた顧客のニーズを満たし、欲求を満足させるために必要な機能を洗い出し、商品企画担当と連携して企画案をとりまとめ、提案を行うのもソフトウェアエンジニアの仕事です。
2.ソフトウェアの設計・開発
私たちの身の回りでは、ありとあらゆるモノにソフトウェアが組み込まれています。パソコンやスマホで利用しているアプリ、テレビやロボット掃除機、炊飯器、電子レンジなどの家電製品、自動車ではナビゲーションやカーオーディオから、車載カメラ、運転安全装置、エンジン制御装置などまでソフトウェアが組み込まれています。
ソフトウェアエンジニアはこうしたソフトウェアの設計から開発まで担当をしています。
3.ソフトウェアのテストと保守
ソフトウェアエンジニアの重要な仕事として、開発したソフトウェアのエラーやバグ潰しがあります。ユーザーに行き渡ってから不具合や故障が発見されると、リコールという事態も起こり得ます。
そのため、ユーザー目線で厳格なテストを行い、徹底的に問題個所をつぶします。また納品後に起きた不具合についても保守対応を行います。
4.ソフトウェア開発の責任者
ソフトウェアの開発はチームで行います。チームにはプログラマー以外に関係エンジニアも加わります。こうしたエンジニアの司令塔として、プロジェクトリーダーの役目を担い、工程計画から工程の管理を行います。
小規模のプロジェクトで、要員が不足する場合はソフトウェアエンジニアが自らプログラミングを行うこともあります。
ソフトウェアエンジニアの年収
ソフトウェアエンジニアはIT業界以外に機器メーカー、ソフトメーカーなどでも働いており、平均年収として示すのはやや無理がありますが、令和3年度賃金構造基本統計調査(厚生労働省)の職種(小分類)別賃金統計に「ソフトウェア作成者」の給与が載っていましたので、こちらから平均年収を算出した結果、ソフトウェアエンジニアの平均年収は523万円となりました。
・平均年齢:37.3歳
・月額給与:353,300円
・年間賞与:990,100円
・平均年収:5,229,700円
以上はあくまでも平均値であり、求人情報などでは最低250万円から最高1,350万円まで非常に幅があります。業界や企業次第で変わりますので、転職先を個別に見ていく必要があることを理解しておいてください。
ソフトウェアエンジニアに必要なスキル
実際にソフトウェアエンジニアとして活躍をするためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか?1つずつ見ていきましょう。
ITスキル
ソフトウェアエンジニアはIT技術者ですので、ITに関する基本的な知識が求められます。具体的にはソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、データベース、セキュリティなどです。この中で不足している知識があれば習得に努めましょう。
コミュニケーションスキル
クライアントへのヒアリング、チーム内での連携、関係エンジニアとの調整など、あらゆる場面でコミュニケーションが必要です。プロジェクト計画の周知徹底、問題点の把握、メンバーの意見集約、進捗確認など緻密なコミュニケーションを効率的、効果的に行うためにもコミュニケーションスキルは欠かせません。
プログラミングスキル
ソフトウェア開発に利用されるプログラミング言語は多岐に渡ります。C言語、C++、Javaなどがあります。どれか1つは自信を持って組めるレベルのスキルが必要です。ソフトウェアエンジニアは設計以外に、デバッグなどでプログラムに触れることもあります。
また進捗次第ではソフトウェアエンジニアが直接プログラミングに関わることもありますので、プログラミングスキルは必須と考えてください。
ドキュメント作成スキル
ソフトウェア開発において、ドキュメントは重要です。企画書、要件定義書、基本設計書、テスト仕様書など、さまざまなドキュメントを作成しなければなりませんのでドキュメント作成スキルは必須です。これを苦手とするエンジニアは少なくありませんが、苦手意識を克服する努力も必要です。
英語力
英語力は必須ではありませんが、あると仕事を進めやすくなります。ソフトウェア開発は時に最先端の技術が求められますが、最新の情報は英文で公開されているケースが大半です。また、プログラマーには日本語が苦手な外国人がメンバーとして加わるケースもあります。
転職先の企業がグローバル企業であることも想定しなければなりません。TOEIC600点程度の英語力は必要と考え、英語力を高めることをおすすめします。
ソフトウェアエンジニアにおすすめの資格
大学の新卒、第二新卒などの未経験者がソフトウェアエンジニアになるには、入社後に資格取得を目指しても構いませんが、転職の場合は即戦力としての期待が大きいため、スキル証明となる以下のような資格を取得しておくことをおすすめします。
情報処理技術者試験
ソフトウェアエンジニアとして転職するなら、国家資格である情報処理技術者試験の内、最低でも「基本情報技術者試験(FE)」※1は取得しておきたいところです。
難易度は上がりますが、「基本情報技術者試験(FE)」取得済の方はぜひ「応用情報技術者試験(AP)」※2の資格取得を目指しましょう。「応用情報技術者試験(AP)」を取得していると、高度なITスキルを有する証明となり、転職では非常に有利に働くはずです。
【参考】:※1 基本情報技術者試験(FE)
【参考】:※2 応用情報技術者試験(AP)
C言語プログラミング能力検定試験
ソフトウェアエンジニアはプログラム言語スキルが必須です。特にソフトウェア開発ではC言語がベーシックな言語ですので、C言語のプログラミングスキル証明があると有利です。「C言語プログラミング能力検定試験」は民間資格ですが、認知度は高く、スキル証明には最適です。
3級から1級までのレベルがありますが、最低限2級は必要です。C言語を学んでいる人は1級の取得を目指してください。既にC言語をマスターしている方は、C++やJavaも身に付けておくと、転職ではさらに有利となりますので資格取得に努めてください。
【参考】:C言語プログラミング能力認定試験
ソフトウェアエンジニアの将来性
ITエンジニア全体の人材不足が深刻化していますが、その例に漏れずソフトウェアエンジニアも需要に対して供給が追い付いていません。メーカー、ソフト会社、IT企業を問わずソフトウェアエンジニアの求人は豊富にあり、将来性は高いと言えます。
ソフトウェアエンジニアへのジョブチェンジを目指すエンジニアの方にとってはフォローの風が吹いていますが、企業規模や年収だけにとらわれず、自分が描いたキャリアパス、適性、将来目標を見定めた上で、目的意志を持って転職活動に臨みましょう。
ソフトウェアエンジニアに転職して活躍を目指すなら
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