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SDGsとは?達成に向けたエンジニアの取り組みを解説
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SDGsとは?達成に向けたエンジニアの取り組みを解説
アンドエンジニア編集部
2023.01.13
この記事でわかること
SDGsはSustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」を指します
2015年国際連合において採択されたSDGsは、17の分野別目標と169の達成基準から成ります
多くの開発目標はITで貢献可能であり、エンジニアの役割も広がっています

SDGs達成に向けたエンジニアの取り組みとは?

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SDGsは、簡単に言えば「今より世界をより良くしよう」といった世界基準で設けられている取り組みのことで、近年さまざまなメディアがSDGsについて取り上げています。

貧困問題・環境問題・ジェンダーレスについてなど、現在世界的に抱えるさまざまな分野の問題を1つずつクリアしていくためにも、実はIT業界やIT部門でもアプリ開発・情報システムなど、貢献できる分野があります。システムやアプリケーションの開発で検討できることもありますので、エンジニアとして今後どのように対処するべきか考えていきます。

SDGsとは

そもそもSDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。SDGsは17の分野別目標が設定されており、2015年国際連合において採択されたものです。SDGsは、採択された2015年から15年後の2030年に達成するための目標となります。

【参考】:United Nations THE 17 GOALS

この開発目標(ゴール)は17の分野に定義されており、さらに169の達成基準(ターゲット)に細分化されています。

SDGsの個々の開発目標

2015年9月の国連総会で、2030アジェンダ(The 2030 Agenda for Sustainable Development)が採択されました。そこで2030年までの基本方針の中で、SDGsを17の分野別目標と169の達成基準が提示されました。

【参考】:ユニセフ SDGs17の目標 【参考】:国際連合広報センター 持続可能な開発目標

SDGsにおける17の分野別目標は以下の様に定義されています。

・目標1:貧困をなくそう ・目標2:飢餓をゼロに ・目標3:すべての人に健康と福祉を ・目標4:質の高い教育をみんなに ・目標5:ジェンダー平等を実現しよう ・目標6:安全な水とトイレを世界中に ・目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに ・目標8:働きがいも経済成長も ・目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう ・目標10:人や国の不平等をなくそう ・目標11:住み続けられるまちづくりを ・目標12:つくる責任 つかう責任 ・目標13:気候変動に具体的な対策を ・目標14:海の豊かさを守ろう ・目標15:陸の豊かさも守ろう ・目標16:平和と公正をすべての人に ・目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

上記の見出しからだけでも、17の目標は非常に多岐に渡っていることが理解できるでしょう。

情報格差(デジタルデバイド)の解決

総務省が定義する「情報格差(デジタルデバイド)」では、「インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差」を指しています。

【参考】:デジタルデバイド:総務省

PCやスマホが普及してきたことで、コミュニケーションが図りやすくなった分、SNSなどで得られる情報の獲得量に、大きな格差が出てしまうようになりました。そのため、目標17で掲げている「パートナーシップ」について、本来通信機器の利用でコミュニケーションの充実を図るはずだったことが、新たな情報格差が生まれています。

エンジニアも大きく関わるこの社会問題は、単にゴールを「デジタル機器が使える」にするのではなく、「インターネット通信機器を活用して、どのように情報を得られるようにするか」が課題です。エンジニアが貢献できる解決策としては、「IT知識獲得のための教育」「IT人材の確保」「より使いやすいIT技術の開発」などが挙げられます。

エンジニアの方たちは、パートナーシップを妨げる情報格差の解決に貢献できるような企業で活躍することで、SDGsの目標達成に貢献できます。

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SDGsのウェディングケーキモデル

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SDGsは我々人類や生物の生活・環境全般をカバーする、多様な目標が設定されており幅広い活動が求められます。ストックホルム・レジリエンスセンターでは、より理解を深めるために「SDGsウェディングケーキモデル」という構造モデルを定義しています。このモデルはヨハン・ロックストローム博士により考案されました。

【参考】:Stockholm Resilience Center The SDGs wedding cake

考え方は、生物圏(Biosphere)を土台にして社会圏(Society)と経済圏(Economy)が上に乗ったケーキ型のモデルです。ケーキの頂点となる最上位にはローソクを模した最終の目標が設定されています。

生物圏(Biosphere)

ウェディングケーキの土台を支える重要な部分です。言い換えると、地球を支える重要な部分ですので地球環境を健全にし、気候変動への対策が求められます部分です。以下の目標が当てはまります。

「目標6:安全な水とトイレを世界中に」 「目標13:気候変動に具体的な対策を」 「目標14:海の豊かさを守ろう」 「目標15:陸の豊かさも守ろう」

社会圏(Society)

ウェディングケーキの中間に位置づけられます。生物圏が維持されたのちに、社会活動で必要とされる目標が当てはまります。

「目標1:貧困をなくそう」 「目標2:飢餓をゼロに」 「目標3:すべての人に健康と福祉を」 「目標4:質の高い教育をみんなに」 「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」 「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」 「目標11:住み続けられるまちづくりを」 「目標16:平和と公正をすべての人に」

経済圏(Economy)

経済圏はケーキの最上層で生物圏と社会圏が支えて成り立つ部分です。土台と中間層の支えなくては発展を見込むことができません。

「目標8:働きがいも経済成長も」 「目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう」 「目標10:人や国の不平等をなくそう」 「目標12:つくる責任 つかう責任」

ケーキの頂点(最終の目標)としては、「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」がケーキに立てるローソクの役割となります。それぞれが目標を達成したのちに相互に協力し、地球規模の課題を解決し、維持する役割を持ちます。

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SDGsに対するITの活用

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これよりSDGsのウェディングケーキモデルを用いて、ITの効果的活用が可能か検討していきます。ITが活用できる領域は各企業のIT部門、IT業界ともに対応や貢献が求められる領域です。

生物圏(Biosphere)

■「目標6:安全な水とトイレを世界中に」 水と衛生の利用可能性と持続可能な管理が期待されています。水質汚染を最小にするために汚染物質排出を抑制し、浄化システムの開発から運用まで適切に管理していくことが求められます。

■「目標13:気候変動に具体的な対策を」 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策として、CO2排出を低減するために環境影響を最小にすることが求められます。再生可能エネルギーを利用することで化石燃料消費を抑え、サプライチェーンでの排出量を削減することが求められます。ITでは環境保全のために各プロセスの見直しやモニターを効率的に行う実装が求められます。

■「目標14:海の豊かさを守ろう」 海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用することが目標です。そのためには汚染物質排出を抑えるとともに、海洋資源・水産物を適切に管理することが求められます。

■「目標15:陸の豊かさも守ろう」 ここでは幅広く陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進が求められます。目標14と同様の考え方で土壌や大気への汚染物質排出を抑えるとともに、生態系の維持・管理することが求められます。その抑制技術や管理・モニターでのIT活用で、より効果を高めることが期待されます。

社会圏(Society)

■「目標1:貧困をなくそう」 ITの直接貢献というよりは社会的な格差是正の考え方を定着・行動するために、ITを利用していくことができます。

■「目標2:飢餓をゼロに」 持続可能な農業を、ITを用いて効率的かつ確実な収穫を目指す試みがあります。ドローンによるモニターや温度湿度管理をITで行い、散水や農薬散布を適時・適量実施する最適なコントロールが可能になってきています。

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■「目標3:すべての人に健康と福祉を」 健康的な生活を確保し福祉に役立てる活動は、ITで取り組んでいる領域です。医薬品の開発や効果のシミュレーション、あるいは健康寿命を延ばす仕組みの解析やウェアラブル端末の活用等、多岐に利用が可能な分野です。

■「目標4:質の高い教育をみんなに」 質の高い教育を確保し生涯学習の機会を促進するために、ITが活用できます。学習端末を用いたオンライン・リモート授業の実施や、学習効果を高めるためのソフトウェア開発が期待されています。

■「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」 目標1と同様に、ITの直接貢献というよりは平等性の考え方を定着・行動するために、ITを利用していくことができます。

■「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」 持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保するために、エネルギー網の整備が求められます。特に化石燃料を利用せずに発電する再生可能エネルギーの活用を推進するために、ITによるシミュレーションや発電効果の向上が期待されています。

■「目標11:住み続けられるまちづくりを」 持続可能な都市および人間居住を実現するために、システムのデジタル化・オートメーション化をITにより推進していきます。

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■「目標16:平和と公正をすべての人に」 目標1・目標5と同様に、ITの直接貢献というよりは平和と公正の考え方を定着・行動するために、ITを利用していくことができます。

経済圏(Economy)

■「目標8:働きがいも経済成長も」 生産的雇用と働きがいのある人間らしい雇用は重要なテーマです。そのため、単純作業をAI活用で自動化し生産性を高めるとともに、より人間的判断を求められる領域で人間の知見を活かせるようにすることが求められます。

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■「目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう」 この目標では、インフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図ることが求められます。ITによるデジタルトランスフォーメーション(DX)により技術革新を推進し高度なプロセスをITで転換していくことが求められます。リモートワークの加速により新しい需要にも対応していくことが期待される領域です。

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■「目標10:人や国の不平等をなくそう」 各国内および各国間の不平等を是正するために、グローバルな視点でITシステムやネットワーク整備をすすめていきます。求人もグローバルに行い世界全体のリソースを効果的に活用していくことが求められます。

■「目標12:つくる責任 つかう責任」 持続可能な生産消費形態を確保するために、サプライチェーンの整備や流通・販売の仕組みを変えていきます。地産地消やそれに関連する人流・物流を最適化するためにITを効果的に活用します。さらに廃棄を最小にするために商品ライフサイクルを適正化し、ITシステムがそれを支えていくことになるでしょう。

最後に、ケーキの頂点(最終の目標)「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」達成のために、全世界規模で情報連携し支援の輪を確保・維持していきます。そのコミュニケーションネットワークにはITは欠かせません。

SDGsにおいてエンジニアはどう貢献できる?

これまでに、SDGsの目標の多くがITの貢献領域となることがわかりました。

ここでは、エンジニアとして活躍できるITシステム化や、システム設計・アプリ開発・構築・運用について考えていきます。大きく、開発目標はITシステムが直接貢献できる領域、ITによって開発・生産の効率化が期待できる領域、運用や利用のための知識展開や学習・教育の提供、等に分類できます。

ITエンジニアの対応領域は、ウェブシステム・基幹業務システム・情報システム・業界固有のITシステム等に分類できます。さらに、フロントエンドエンジニアからバックエンドエンジニア等の役割に細分化できます。同様に、工程別に開発・運用から全体設計まで多様な役割があります。

そのため、一見するとすぐSDGsに対応・貢献できる場面は多くないと感じてしまいますが、自身の役割の中でしっかりと継続貢献していく意識自体が重要です。具体的には、「生物圏」と「社会圏」においてはITシステム導入により、ITシステム自体が環境保全活動を支えて持続可能性を高めることが可能です。

「経済圏」においては、IT化やデジタル化により成長度を高めることが期待できます。「経済圏」のIT化・デジタル化とその活用は目標達成と経済成長を加速可能であり、ITエンジニアの活躍の場が非常に多いと考えられます。

業務の過程の中で利用者視点に立ち、環境影響を最小にかつ持続可能な運用を意識する必要があると考えます。お互いの多様性を理解し尊重しながら対応を進めることで、SDGs目標に近づけることができます。

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SDGsに貢献するエンジニアの年収

ここでは、SDGsに貢献するエンジニアの年収例として、システムエンジニアを参考に紹介します。

「マイナビエージェント 職種図鑑」でのシステムエンジニアの平均年収は431万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収と比較して、やや高めの年収を目指せることが分かります。

システムエンジニアは、スキル・実績などによって年収の幅が大きく開きます。目標17の「パートナーシップで目標を達成しよう」では、システムエンジニアを含むさまざまなエンジニア達がシステム開発を通じて、グローバル・パートナーシップの活性化への貢献に関わっています。

SDGsへの取り組みを積極的に行っている企業にエンジニアとして参加ことで、目標達成に近付くことが可能です。転職エージェントを活用して、SDGsに貢献できる企業を探してみましょう。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

SDGsにおいてエンジニアができることは無限の可能性があります

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この2年でリモートワークが拡大し、働き方が大幅に変わりました。その変化は場所に左右されない新しい働き方とビジネスをもたらしています。働き方が変わることで、CO2排出量を抑制する輸送・配送も見直されています。

ITにおいても、新型感染症のワクチン開発や気候変動対策のシミュレーションにスパコンが活用の幅を広げています。今後の再生可能エネルギー利用とCO2排出削減においても、効果の試算や測定・解析・検証に大いに期待できます。

このように、直接貢献から環境改善・維持のシステム開発あるいは教育システムまで、多様な用途でITが活用されている事実があるため、エンジニアの役割や期待はさらに広がっていくでしょう。SDGsにおいてエンジニアとして貢献したい場合は、SDGsに貢献できる企業を見つけねばなりません。個人の転職活動で探し出すのはとても難しいでしょう。

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