AWSのホワイトペーパー概要
AWSのホワイトペーパーは、クラウドの知識を深めるために提供される技術情報です。AWSとAWSのコミュニティによって作成されています。ホワイトペーパーの他に技術ガイドや参考資料・リファレンスアーキテクチャ等の技術文書が掲載されています。 参考:AWS ホワイトペーパーとガイド
入門者向けにも「Amazon Web Services の概要」がホワイトペーパーにまとまっています。AWSはサービスが豊富でページ数は88ページにおよびます。 参考:Amazon Web Services の概要
AWSのホワイトペーパー分類
「AWSホワイトペーパーとガイド」のサイトでは、掲載資料のコンテンツを以下のように分類しています。 ・ホワイトペーパー AWSサービスの技術解説書です。サービスの機能や設計・管理方法を技術的に解説しています。 ・技術ガイド AWSのサービス利用方法や構築方法を概説したものです。 ・コンプライアンスガイド 各国の法令遵守や個人情報保護に関する規制をまとめたものです。 ・リファレンスアーキテクチャ図 各サービスが想定する構成をリファレンスアーキテクチャとしてまとめています。 構成のベストプラクティス集となります。
掲載資料の技術カテゴリはAWSサービス毎に分類されています。さらに資料によって業種別に整理されているものもあります。
AWSのアーキテクチャ設計資料
AWSアーキテクチャセンターでは、AWSクラウドアーキテクチャ エキスパートがまとめた資料が掲載されています。具体的にはAWS Well-Architectedベストプラクティス、リファレンスアーキテクチャの資料です。 【参考】:AWS アーキテクチャセンター
特にセキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス・分析とビッグデータ・Compute & HPC・コンテナ・データベース・機械学習・移行・ストレージが、注目のテクノロジー分野として記載されています。
AWS Well-Architectedとは?
AWS Well-Architectedとは、AWSのフレームワークを指します。5つの柱を定義し、自身のアーキテクチャがAWSのベストプラクティスと比較した際にどの程度実践できているか評価します。 【参考】:AWS Well-Architected
5つの柱とは、以下のポイントを整理したものです。 ・オペレーショナルエクセレンス システムの実行とモニタリング、プロセスと手順の継続的改善に主眼を置いています。 自動化と日常業務管理の標準化を対象とします。 ・セキュリティ システムと情報を保護します。 セキュリティイベントの検出や権限の管理を対象とします。 ・信頼性 耐障害性を高め障害からの回復を迅速に行います。 分散システムの設計や復旧計画等を対象とします。 ・パフォーマンス効率 サービス提供されるコンピューティングリソースの効率性を判断します。 リソースのサイジングやチューニング、パフォーマンスモニタ等を対象とします。 ・コスト最適化 コスト最適化で不要コストの削減を目指します。 リソースタイプや数の最適化、支出分析等を対象とします。
AWS Well-Architected レンズ概要
AWS Well-Architected レンズは、AWS Well-Architectedの考え方を特定業界や技術領域に拡大したものです。具体的には、機械学習・分析・サーバーレス・ハイパフォーマンスコンピューティング ・IoT・金融サービスの各領域に対してガイダンスを提供しています。詳細はそれぞれのレンズを説明したホワイトペーパーが発行されていますのでご確認ください。
AWS Well-Architected Tool概要
AWS Well-Architected Toolは、ワークロードの状態を評価しベストプラクティスと比較するための無料ツールです。本ツールを利用するには、AWSマネジメントコンソールでワークロードを定義し必要とされる質問事項に回答することで、ベストプラクティスと比較評価された設計方法のレビューと計画が提示されます。
ツールの利点のとしては以下の点が挙げられます。 ・ベストプラクティスに近づくためのガイダンスが提示される ツールでワークロードに関する質問事項に回答することで、ベストプラクティスと比較し今後の構築方法とガイダンスが提示されます。 ・ワークロードレビューの一貫性が高まる ツールを用いたワークロードレビューにより、評価の客観性が高まりプロセスの一貫性が確保できます。 ・ライフサイクル全体の変更管理が可能 ワークロードのライフサイクルごとにマイルストンを設定・保存することで変更管理がライフサイクル全体で可能となります。
AWSホワイトペーパーとガイドの活用方法
「AWSホワイトペーパーとガイド」には562のコンテンツが掲載されています。コンテンツタイプ毎の分類は以下の通りです。 ・ホワイトペーパー(263件) ・技術ガイド(35件) ・コンプライアンスガイド(29件) ・リファレンスアーキテクチャ図(222件)
この掲載量から、技術情報ならびに事例やアーキテクチャが中心ということがわかります。利点はコンテンツが豊富であることです。しかしながらその多くは英語で提供されており、日本語のコンテンツ数はとても少ないため、日本語資料を探している方には、あまりメリットがないかもしれません。
冒頭紹介した「Amazon Web Services の概要」は、日本語の入門ホワイトペーパーです。カテゴリはクラウド財務管理に分類されています。同じくクラウド財務管理に分類されている「AWS 料金体系の仕組み」は2020年10月に改訂されていますが英語版のみとなります。そのため、基本事項は日本語でウェブ掲載内容を理解しさらに情報を調べる際にホワイトペーパーを活用するのが良いでしょう。
過去の日本語ファイルがどうしても必要な方は以下にリンク先を掲載しましたので、必要に応じてご確認ください。 ・アマゾン ウェブ サービスの概要 2017年4月版の日本語資料です。 【参考】:アマゾン ウェブ サービスの概要 最新版は2021年8月に「Amazon Web Services の概要」日本語版がリリースされていますのでこちらを利用するのがおすすめです。 【参考】:Amazon Web Services の概要
・AWS 料金体系の仕組み 2016年3月版の日本語資料です。 【参考】:AWS 料金体系の仕組み 最新版は2020年10月に「AWS 料金体系の仕組み」として掲載されました。 実際は「How AWS Pricing Works AWS Whitepaper」という英語版のリンクです。 【参考】:How AWS Pricing Works AWS Whitepaper
AWS認定試験でのホワイトペーパーの活用
おすすめ活用方法は、AWS認定試験対策に利用することです。各AWS認定試験では試験ガイドを準備しています。最新の試験ガイドでは割愛されてしまいましたが、以前は試験準備としてAWSトレーニングのコースとAWSホワイトペーパーの名称が掲載されていました。
以下にニーズの高いAWS認定資格の試験ガイドと推奨ホワイトペーパーを挙げておきます。 ・AWS 認定クラウドプラクティショナー バージョン1.4 CLF-C01です。 【参考】:AWS 認定クラウドプラクティショナー (CLF-C01) 試験ガイド 最新版はバージョン 2.1 CLF-C01です。 【参考】:AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C01) 試験ガイド
最新版の推奨ホワイトペーパーは特にウェブサイト上にも記載されていません。
・AWS 認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト バージョン 1.5 SAA-C01です。 【参考】:AWS 認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト SAA-C01 試験ガイド 最新版はバージョン 2.1 SAA-C02です。 【参考】:AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C02) 試験ガイド
ウェブサイトに記載されている最新版の推奨ホワイトペーパーは「AWS Well-Architected」です。 【参考】:AWS Well-Architected Framework
・AWS 認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル バージョン 1.1 SAP-C01です。 【参考】:AWS 認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP-C01) 試験ガイド 最新版はバージョン 2.0 SAP-C01です。 【参考】:AWS Solutions Architect – Professional (SAP-C01) 試験ガイド
ウェブサイトに記載されている最新版の推奨ホワイトペーパーは「AWS Key Management Service のベストプラクティス」「AWS クラウドでのウェブアプリケーションのホスティング」「新しいリージョンへの AWS リソースの移行」です。 【参考】:AWS Key Management Service のベストプラクティス 【参考】:AWS クラウドでのウェブアプリケーションのホスティング 【参考】:新しいリージョンへの AWS リソースの移行
AWSホワイトペーパーを効果的に活用しましょう
AWSホワイトペーパーは多岐にわたり提供されています。英語の情報が大半であるものの、エンジニアに求められる情報は網羅されています。まずは日本語のサイト情報を参考にベース知識が吸収できたら、より深い知識を得るためにホワイトペーパー活用がおすすめです。
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